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中央競馬実況中継

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こんにちは、山本直です。

ラジオNIKKEIに限らず、競馬の仕事をしている人は"花金"とか、
土曜の夜に遊ぶということとは、ほぼ無縁なのですが、久々に土曜の夜に予定を入れてみました。

一昨年に映画化された「海街Diary」が、今週末に渋谷の新国立劇場で舞台化されることになったのです。

こう見えて(?)大学時代、演劇部にいた私としては、社会人になったら舞台を見に行きまくるぞー!と思っていたのですが、
なかなかその習慣がつかないまま、5年目になろうとしています。今年こそは!
その翌日(4月2日)は、中山競馬場で後半の実況を担当しますが、何かが違ってもそっとしておいてください(笑)

さて、先週末は土日とも中山で前半レースの実況をしてきました。

土曜中山5レース(3歳500万以下、ダート1800m)は、サウンドトゥルーの弟であるアナザートゥルースが逃げ切り勝ち。
サウンドトゥルーがGI・JpnI制覇した時と同じ大野拓弥騎手・高木登調教師のコンビでしたが、兄とは逆の戦法を使って快勝しました。
今月5日、この馬が新馬を勝った時も、私が実況していました。
大関アナも↓のようなツイートをしていましたが、どのアナウンサーにもこういう馬が少なからずいるようです。



この中山5レースは9頭立て。各馬の戦歴を洗い出すと、トラネコが前走で逃げ切り勝ちをしています。
スズカフリオーソもデビュー戦で逃げて連対していますが、その後は控える形を続けていて、おそらく流れはスローになるだろうな、と見ていました。

ゲートが開いて、7番枠からアナザートゥルースが出て行くと、9番のアポロユッキーが逃げ馬についていく形で2番手を確保。
少頭数のダート1800mで、隊列がすぐ決まると、ペースはゆったりになることが多いです。
そう思いながら、600mの通過タイムを目で測ると40秒台。(実況では言っていませんが)これは遅くなったぞ、と思いました。
先週も書きましたが、1000mの通過ラップが画面に表示されるタイミングで先頭に戻ってみると、1分06秒5。

専門紙の推定タイムは1分54秒8前後、単純に1000m換算すると1分03秒7~8。
しかも、ダート戦は距離を問わず前傾ラップ(前半の方が速い)ことが多いですから、1分06秒5は驚くようなスロー。(実況でもそういう意味で強調しました)
こうなれば隊列が崩れることなくゴールに向かう行った行ったになるか、逃げ馬が突き放して差し馬の2・3着になるかが多いです。

このレースもその例に漏れず、アナザートゥルースが突き放しての逃げ切り勝ち。
200m単位のタイムはスタートから、13.5-12.7-13.7-14.0-12.7-12.6-12.2-12.1-12.4。
前半800m通過53秒9(200m平均13.47秒)、上がりの600mが36秒7(12.23秒)実況でも言いましたが、大野騎手のギアチェンジは見事でした。
200m平均にして1秒24も差が開いているわけです。このギアチェンジは脚質こそ違えど、兄のサウンドトゥルーに通じる部分があるのかもしれませんね。

差し馬の2・3着が多いとは言いましたが、2着に追い込んだサノサマーの末脚には驚かされました。
4コーナーの出口で、一団の馬群の最内から大外に切り替えたあたりで、
2番手集団にかなり離されてしまったのですが、態勢を立て直すと目が覚めるような伸び脚。
1番人気でしたし、騎乗していたミルコ・デムーロ騎手は勝てば騎乗機会6連勝だったですから、
常に気に留めながら実況していたのですが、ようやく2着まで、と言うには失礼かと思うほどの伸びでした。

サノサマーが記録した上がりタイムは勝ち馬と同じ36秒7ですが、前半の250mは馬群の中、外に切り替えてダッシュがつくまで100mほど、
速い脚が使えたのは残る250mくらいでしたから、馬券が売れるとしても次回は買いたいですね(個人的な感想)

いろいろと考えることがあるのはどのレースでもそうですが、
ハイペースの多頭数がいいか、スローペースの少頭数がいいか、と言われれば、
スローペースの少頭数の方が、実況しながらレースへの理解が追いつくので助かりますね。

では、また来週!

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