「トヨタ、今年度営業利益は約1兆円減少」
「日経平均予想PER17.74倍(前日16.76倍)に上昇」
「新年度業績動向警戒され、日本株下落」
5月8日の日本株は下げました。朝6時の日経平均先物夜間取引の終値は38700円と通常取引終値に対して180円安でした。「前日の上昇の反動から200円ぐらい下げるかな」と思われていたようです。取引時間に入って売りが膨らみ、下げ幅が拡大しました。
「日本企業の25年3月期の利益が予想よりも伸びない」――これが、本日の株価下落の一因と考えます。
トヨタが本日午後1時55分、24年3月期の決算を発表しました。24年3月期の営業利益は会社計画を約4000億円上回り、約5兆3000億円(+96%)となりました。
25年3月期の営業利益は約1兆円減益の4兆3000億円(-19.7%)を計画しています。販売台数は950万台(+0.6%)、売上高は46兆円(+2%)です。売上高は増えます。しかし、営業利益は2割近い減少計画です。
会社側では「市場環境」で3529億円、「人的資本投資」で3800億円、「成長領域投資」で3200億円の減益要因が発生するとしています。
「日経平均の予想PER上昇」も、本日の株安要因の1つになったと考えます。
7日引け後に明らかになった日経平均の予想PERは17.74倍です。前日の16.76倍に対して急上昇しました。日経平均を予想PERで割って算出される「日経平均予想1株利益」は2189円です。前日比で92円の急落となりました。以下、時系列情報です。
4月
日経平均 予想PER 予想1株利益
15日39232円80銭17.05倍2301円
16日38471円20銭16.69倍2305円
17日37961円80銭16.47倍2304円
18日38079円70銭16.53倍2303円
19日37068円35銭16.21倍2286円
22日37438円61銭16.43倍2278円
23日37552円16銭16.46倍2281円
24日38460円08銭16.75倍2296円
25日37628円48銭16.44倍2288円
26日37934円76銭16.54倍2293円
30日38405円66銭17.04倍2253円
5月
1日38274円05銭16.86倍2270円
2日38236円07銭16.76倍2281円
6日38835円10銭17.74倍2189円
6日における日経平均採用銘柄合計の時価総額は715兆5000億円(前日比0.6%増加)でした。予想PER17.74倍で割ると、日経平均採用銘柄合計の予想利益は40兆3000億円程度と計算されます。
2日の時価総額710兆7700億円を予想PER16.76倍で割ると、42兆4000億円です。予想利益が一気に約2兆円も減少したことになりますね。
直近では総合商社から決算が発表されています。総合商社は新年度利益見通しがさほど落ちる訳ではありません。正直言って、何故、予想利益が急激に落ちたのか、よくわかりません。ただ、新年度の日本企業の利益見通しがさほど強くはないとの発想につながり、本日の株価下落の一因になったと考えます。
5月8日午後3時10分記