WTI原油高騰の背景、クッシング在庫減少のワケ [大橋ひろこコラム]
2014/02/28(金) 23:56 大橋ひろこ

WTI原油価格が100ドル台で推移しています。
1月前半はイラン制裁の緩和期待で原油価格は下降しました。イ

ランの核開発問題を受け、米英ロなど6カ国による経済制裁は核兵器、ミサイル、特別な軍事技術などの軍事関連の輸出を禁止し、石油、天然ガス、石油化学製品に投資することも禁止しています。つまり、イランは原油輸出が出来ない状況でした。

この経済制裁の一部解除を受け原油輸出が再開されるとの思惑で、WTI原油は下落したのですが、1月後半に入るとアメリカの寒波の影響で原油が上昇。それでも1月のWTIの平均は、$94.86, Brentの平均は$107.11, いずれも12月より$3程度低下していました。

これが2月に入るとCushingの在庫が減少したことや、
1月下旬からの米国の大寒波で暖房油需要が上がり、
TIは2月10日に$100を超え、19日には、
寒波予想で$103.31迄上昇しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミストの藤沢治さんに原油価格の動向を
伺いました。

この冬のアメリカの寒波の影響はいたるところで確認できます。
アメリカの経済指標では雇用や住宅、消費などの指標が
著しく悪化していますが、寒波による一時的なものとして
楽観する向きが多いようですが、原油価格も大きく動かしました。

一時的に暖房油使用が増加したことも大きいのですが、
これも寒波による影響が収まれば沈静化すると思われます。

また、クッシング在庫の減少が原油価格を押し上げたとも言われていますが、
これもオクラホマのクッシングから南部のメキシコ湾岸への
キーストーン・パイプラインが開通、稼働開始したことが背景。

オクラホマ州のクッシングにはテキサス州やオクラホマ州などで
生産された原油の貯蔵庫があります。各地からパイプラインで
運ばれてきた原油がこのクッシングに集まることや、WTIの
受け渡しがこの場所であることから、このクッシング在庫の
増減が原油価格を動かす材料となっています。


しかし、これが需要増で在庫減となったわけではなく、
集積所としての役割が分散されたということでの在庫減ですから、
これも後には、買いすぎたという反応が出てくるとの指摘も多いようです。

藤沢さんには需要面ではOECDの経済回復で
意外と堅調とみられるものの、あくまで緩やかなものであるとし、
中国需要の不確定性がポイントになると解説くださいました。
中国は2014年1月、史上最高量の原油を輸入しています。

シャドーバンキング問題に揺れる中国ですが、やはり景気がいい
ということではないようで、藤沢さんの調べによると
備蓄のための原油を大量に買い付けたようだとのこと。
備蓄原油の購入は長期的に起こるものではささそうですね。

供給面が、歴史的エネルギー需給の構造変化をもたらしていることも
ポイントで、米国の原油生産がシェールオイルの生産増によって
大幅に増加しており、米国の原油生産増加は2014年は前年比
日量100万バレル増となる見込み。
これで現在のリビア、南スーダンの生産減少を補うことになります。

イラクの生産増、イランの生産増があれば価格が維持されるためには
サウジが減産しなければならないのですが、サウジはサウジで
日量900万バレル以下には下げたくないと見えて、イラクに減産を要求、
OPEC諸国は高止まりする原油価格で外貨を稼ぎたいのが本音です。

ということで、不確実性の高い需要に比べて、供給は増加の一途。
年末に向けて需給は緩和傾向となることから、原油価格は下落するものと
藤沢さんは解説くださいました。

今年の原油価格の予測、ブレント原油との価格差予想など
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

 

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