WTI原油30ドル割れ、底入れはまだ先?!~ゴム急伸の背景 [大橋ひろこコラム]
2016/01/13(水) 19:35 大橋ひろこ

12日のNY市場で、WTI原油先物価格は一時30ドルを割り込みました。需給が緩む中、中国経済の悪化懸念などから原油が売られ、1バレル=29ドル93セントの安値を付けました。30ドル大台割れは2003年12月以来となります。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんに原油、金、ゴムなどの
商品市況についてお話を伺いました。

昨年2015年夏までは100ドル台で推移していた原油価格。
それが30ドル割れにまで下落した背景には
シェール革命による米国原油生産の拡大で米国が世界一の
原油生産国に躍り出ただけでなく、2016年からはこれまで戦略物資で
あるとして禁じられていた原油輸出が解禁されるなど、
原油供給増があるだけでなく、消費大国である中国の需要の先行きに
不安が生じていることなどが上げられます。

米国が利上げに踏み切ったことで、米ドルが上昇、ドル高という
金融要因も上値を抑えています。

2015年ゴールドマンサックスがWTI原油価格が20ドルにまで下落する
リスクがある、と予想し関係者を驚かせましたが、20ドル台にまで
到達してしまいました。さて、市場関係者が意識するターゲット示現
ということで、ここからの下値は深くないと考えてもいいでしょうか?!

しかし最近になってスタンダード・チャータード銀行が原油価格
10ドルまで下落するとの予想を出してきました。

中東最大の産油国であるサウジアラビアの原油生産コストは4~5ドルと
されています。財政均衡コストは90ドル前後と、現在の30ドル近辺の
価格でも財政赤字状態ではありますが、生産コストが低いため、
サウジはまだ30ドル台の価格では減産に踏み切ることはないとみられます。

小針さんは、昨今のコモディティ市況全般低迷を強いられる中、
鉄鉱石はプラチナなどは生産コストを大きく下回ってもなお
価格反騰の兆しが見られないほどの供給過多状況にあることを
考えると、原油市場においてもここからは生産コストが意識され、
あるいはターゲットとなる可能性は否定できないとして、
まだ底入れ感はないと解説くださいました。

1サウジの4~5ドルは大げさだとしても、、、10ドル台の可能性は
ある、というようにマーケットが認識し始めると
トコトン下がる相場があるかもしれません。

それから、原油安にも底堅かった金価格はショートカバーであると見られ、
また上値を抑えられて下落してきました。
小針さんは2016年半ばにかけて1000ドル割れを試す可能性がある、と、
こちらも底入れ反転はまだ先だとしています。

それから今日サーキットブレーカー発動の急伸となったゴム相場。
ゴム価格低迷で生産者に自殺者も出ているとして大規模デモが
計画されたことを受け、タイ政府が市場価格より高い値段での
買い取り策を発表したことを受けた上昇だそうです。

小針さんによると、こうした政府の買い取り作は一時的な価格上昇が
あっても、結局は生産者の増産に繋がり、在庫が積みあがるだけなので
将来的な価格下落の要因となってしまう、と解説くださいました。
高値追いは禁物でしょう。

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

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