原油生産、低コスト化・技術革新のストーリーの裏に~シェール革命の実態 [大橋ひろこコラム]
2018/02/21(水) 23:01 大橋ひろこ

2月。金利上昇とVIX指数急騰に荒れた金融市場。上昇を続けてきた米株の調整と同時に、60ドル台まで上昇し高値でもみ合っていた原油価格も下落を強いられました。足下では米株の反発と歩調合せて原油も回復基調にあり、再び60ドル大台に乗せてきています。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はエネルギーアナリスト 大場紀章さんにお話しを伺いました。

原油価格が上昇してくると想起されるのが米国シェールオイルの増産。

2014年100ドル台で推移していた原油価格が大きく下落し、
2016年には20ドル台へと沈みました。シェール生産コストを下回る水準までの
原油価格の下落で、イーグルフォードやバッケンといったほとんどの地域で
原油生産量は急減したのですが、パーミヤンだけは生産量が増え続けました。
昨今では、技術革新によるコスト低減がさらに進んでいるという評価がコンセンサスですが、
大場氏はそのほとんどがパーミヤン生産に占められているとか。



2017年のパーミヤンの生産量の増分は、世界の石油消費の増分の約半分に匹敵。
世界の石油増産は、シェールの、というよりパーミヤンの増産だということ。



大場氏は、将来の米国シェール生産はパーミヤンシェール層が今後増産を
継続できるかどうかにかかっていると指摘。

そもそもパーミヤンだけが原油価格低迷にも増産を続けてこられて背景として
大場氏は、コストのかかるシェール層生産をやめ、パーミヤンに開発を
集中させたことによる産出コスト低減の成果であったとみられます。


技術革新による生産効率の上昇が低価格でのシェール生産増の
背景とみられますが、水平掘削の長さの延長、水圧破砕技術に必要となる
地下に圧入する砂の量は近年頭打ち傾向にあり、
技術革新によるコスト低減効果はむしろ限定的ではないか、というのです。



実際、マサチューセッツ工科大学は、シェール生産性向上の要因として、
高コストエリアからの撤退が約40%を占める可能性があると指摘しています。


シェール生産コストはこれ以上下げられず、それも生産の極所集中の結果
低減が可能となっただけだとするならば、やはり今後の原油価格水準は重要です。

今年6月に予定されるOPEC総会が、新たなトレンドを決める一つの焦点となってきます。
原油価格が下降トレンドを描けば、シェールオイル生産は
今の成長を早晩続けられなくなるだろうと大場氏は解説くださいました。

米国パーミヤンのシェール生産は、サウジにある世界最大のガワール油田と
比較されることがあるそうですが、ガワール油田は日量500万バレル生産、
パーミヤンはその半分近くの280万バレルを生産し、世界第2位の油田とみることもできます。


ただし、問題はその埋蔵量。パーミヤンはガワール油田のおよそ20分の1程度にとどまり、
単純計算ではガワール油田の可採年数が38.9年であるのに対して、パーミヤンは3.6年程度、、
という試算もあります。
あくまで現時点での試算ですがパーミヤンの生産ピークは2021年と予想も。

超長期的には、シェール革命は未来永劫続くものではなさそうです・・・。

その後の原油市場の姿とは?!

詳しくはオンデマンド放送で大場氏の解説をお聞きくださいね。

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