原油失速、減産による価格押し上げ効果は?! [大橋ひろこコラム]
2016/11/02(水) 00:29 大橋ひろこ

商品市場は全体的に上値の重い値動きです。主要銘柄を年初来のピークと比較すると10/31 終値時点で WTI 原油先物は▲9.8%、NY 金は▲7.6%、シカゴトウモロコシは▲19.1%、大豆は▲14.9%となっています。
12 月FOMC でのアメリカの利上げが有力視されていることから、全般ドル買いが強まっていることも商品安の背景。市場はすでに来年の利上げペースへと焦点を移していますが、ドルの行方は、まずは今週末11/4 発表の 10 月の雇用統計にも注目ですね。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はみずほ証券シニアコモディティアナリスト津賀田真紀子さんに
原油市場・穀物市場の動向と今後のポイントを伺いました。


WTI原油先物相場は、10/19に1バレル=51.93 ドルまで上昇しましたが、
足元では再び 46 ドル台に値を沈める動きとなっています。

9/28 に開かれた OPEC 臨時総会で減産に踏み切ることが合意されたものの、
10/23 に OPEC 第 2 の産油国であるイラクがイスラム国との戦闘に
巻き込まれていることを理由に減産除外を求めたことから、
11/30 の OPEC 定時総会で減産枠組みを決定させることは困難
との見方が強まっています。

サウジアラビアと湾岸諸国がピーク時の産油量を基準に4%の減産を
行う用意があるとロシア側に伝えたと報じられている一方で、
ロシアは減産ではなく、増産凍結により OPEC に協力する考えを示している模様。

また今年 1 月に経済制裁が解除されたばかりのイランは
増産継続の姿勢を崩しておらず、今回の減産合意からは除外される見込み。

政情不安等で生産量が落ちこんでいるリビアとナイジェリアについても
例外措置が認められる方向、、、、

となると、仮に減産が実行されるとすれば、
かなりの部分を OPEC 最大の産油国である
サウジアラビアが負担する必要があるわけです。

サウジがどう出るか、、、ここが11月30日のOPEC総会で減産合意が
正式なものとなるかどうかの焦点ということになります。


サウジアラビアは遅くとも 2018 年までに国営石油会社サウジアラムコを
上場させる計画となっており、資産評価額を上げるためにも
原油価格の上昇は望ましいはず、、、と目されていますが、

長引く原油安の影響により、サウジアラビアの財政赤字は深刻なのですが
外貨準備高は今年 8 月時点で約 5,520 億ドルと他の産油国に
比べればまだかなりの余裕があります。
アラムコのIPOはまだ先ですので、今回OPECでサウジが動くでしょうか。

そもそも臨時総会の合意どおりに減産が実施されたとしても、
減産幅はわずか日量 39万~89万バレルでしかありません。

OPEC月報では、2017年も世界的に供給過剰の状態が続く可能性が
あると指摘されています。また、産油国が実際に減産を順守できるのか
という問題もあり、原油相場は引き続き上値の重い展開が続くことが
予想されると津賀田さん。

今回は豊作で大きな下落が続いた穀物相場についてもお話を伺っています。
詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

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