高止まりの原油、需給がバランスするのはいつ?! [大橋ひろこコラム]
2016/06/30(木) 11:35 大橋ひろこ

5月、カナダの森林火災やナイジェリア国内の反政府、武装組織のパイプライン攻撃で原油減産が進み上昇した原油価格。6月のOPEC総会では何も合意がなかったにもかかわらず原油価格は下げることなく50ドル台で堅調に推移していましたが英国のEU 離脱が決まると原油価格は急落となりました。しかしながら、高値圏でのもみ合いが続き、市場関係者の間では60ドル近辺までの上昇を見込む声も少なくありません。


皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。 今回はオイルエコノミスト藤沢治さんに原油価格動向と今後の見通しを伺いました。

現在、カナダやナイジェリアなどの突発的要因で予想外に
減産となっている状況は今後も続くでしょうか?

ナイジェリアの政府と武装勢力の戦闘中止は合意されたと
報じられていますが何時再燃するかわからない状況です。
しかしイランの増産は続き、制裁前の水準に近づいています。
$50/バレルを超えて7-9月も推移するようであれば、
米国のシェールオイル生産も戻ってくるでしょう。

サウジ、イラン、カタール、クエートなどがシェア獲得競争を続ける中、
供給は充分すぎるほどであり、突発的減産が価格を押し上げている状況は
長く続かないのではないか、と藤沢さん。上値は限定されるとお話くださいました。

アナリストの多くは、現在はリバランスの過程にあると見て、
年末には$60/バレルに近くなるとしていますが、藤沢さんは
現在の在庫状態から見ると、リバランスは来年頃になるのでは?としています。

英国のEU離脱は米国も含めて、英国、欧州、BRICS諸国、
日本および新興国の経済成長率を押し下げると思われ、
日本は、年間でマイナス0.4%、米国もマイナス0.2%の影響が
出るとの試算も。新興国にこの影響が及び石油需要が伸び悩む
可能性もあり、原油市場にとってはマイナス要因。

また中国の石油需要に関する疑義があるとか。
中国の原油輸入は、1-5月の累計で前年同期比17%増ですが
この増分の殆どは戦略備蓄と小規模製油所(Teapot Refineries)の
処理に回されています。軽油、ガソリン等の製品輸出が、
今年に入って急増しており、中国国内の石油需要は伸び悩んでいる
物と思われます。今後中国が備蓄用にどの程度の原油輸入を
継続できるのか、という点も注目となってくるでしょう。

需給のファンダメンタルは、短期的には過剰状態から脱却できておらず
米国の商業在庫は、相変わらず5億3千万バレルで史上最高です。
147ドルまで上昇した2008年の在庫は2億7000万バレル程度でした。

今後の価格見通しは?
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

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