原油・ゴム反騰、その背景にファンドの膨大なショート [大橋ひろこコラム]
2016/01/27(水) 19:43 大橋ひろこ

WTI原油価格は1月20日26.19ドルまで下落しましたが、その後急反発して22日の32.19ドルまで2日間で+6ドル+23%上昇となりました。翌日は5.8%もの下落となりましたが、その後も上昇となり、30ドル台を値固めするかのような値動きとなっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はコモディティインテリジェンス代表取締役社長近藤雅世さんに
原油、ゴム、金などのコモディティ市況と今後について伺いました。

寒波襲来により、暖房油の需要が増えるとの連想から買い戻された、
という指摘もありますし、ECB理事会で3月の追加緩和の可能性が
示されたことがきっかけだったという指摘もありますが、
どちらにせよ、大きな上昇となった背景には、積みあがっていた
投機筋のショートポジションの買戻しがありました。

1月12日時点のNY原油のファンドの空売り残は過去最大の
31万5,944枚になっており、売られ過ぎとの見方から
一斉に買い戻しが起こったのではないかと近藤さん。

その後、イラク石油相がサウジアラビアやロシアが減産を
考慮していると述べたことも材料視されているようです。

このショートカバー、今後の新規買いに繋がるでしょうか。
原油は底入れしたとみていいのでしょうか?

また昨年▲25%下落した東京ゴム価格は原油よりも少し早く
1月12日に上昇を始めました。やはり同じ理由で空売りが膨らみ
売られ過ぎからの買戻しと見られますが、原油より一足先に
上昇を始めた背景には、25日からタイ政府は天然ゴム生産者から
10万トンを市場価格の37バーツを上回る45バーツで買い付ける
価格支援策を実施しており、これが材料視されたものと思われます。

ただ、この政策では生産調整がされるわけではなく、
所有者が生産者から政府に代わるだけの話であるため
本質的な需給改善とはなりません。

ベトナムと同様に、パームオイル等に転作を奨励するなどの
抜本的な政策を行えば、大きな生産調整に繋がり、ゴム価格が
長期目線でも底入れする可能性はあろうかと思われますが、
市場価格より高い価格で買い付けるだけでは
ゴム上昇も短期的に終わりそうです...。

そして年初からの世界同時株安により金市場には逃避資金が
流入し始めたようです。ただ、近藤さんはまだSafe Havenとしての
地位を取り戻したほどにはなっていないと指摘されています。

中国における上海黄金交易所からの引き出し量が、
12月に続いて年初も大きな数字になっており、
2月の旧正月に向けて金の宝飾品が大量に売れる見込みで
業者が金を買っていることも足元の金価格のサポート要因と
見られますが、最大の変動要因となるだろうと思われるのが
今夜の米国FOMC。3月の利上げ観測がどちらにころぶかが注目。

追加利上げが先送りされるとの見方が広がりつつあり
金価格は1120ドル台まで上昇してきました。

GFMS社は今年の金価格を平均1164ドル、年末にかけ1200ドルを
突破と予想していますが、果たして?!


詳しくはオンデマンド放送で、近藤さんの解説をお聞きくださいね

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