南米産大豆の高在庫率~南米産収穫期の売り圧力は?! [大橋ひろこコラム]
2016/01/22(金) 19:13 大橋ひろこ

2015年の穀物市場は、米国産トウモロコシ同様、米国産大豆相場も3年連続の豊作です。しかも大豆は史上最高の豊作。価格は低位安定中。また、大豆相場を見るうえで重要なのが、「南米産大豆」の生産、在庫状況。ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなどの南米生産シェアは世界生産の50%を占め、米国産大豆を上回っています。

皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は大豆相場、特に南米産大豆の生産状況について
コンチネンタルライス代表取締役の茅野信行さんにお話を伺いました。

南米産大豆は南半球で生産されますので、米国産とは真逆の季節に作られます。
2月頃からが収穫期。2015年産に懸念はなく平年並みの収穫が期待できそうです。

しかも昨年の史上最高の豊作で在庫が潤沢であり、
米国産大豆の在庫率が11.9%なのに対し
南米産大豆の在庫率は24.9%と米国産の2倍にも上ります。

さらに、昨今の新興国通貨安でブラジルレアルやアルゼンチンペソが大きな下落と
なっており、通貨安から輸出競争力が高まったことで南米からの輸出は増加。
生産国の通貨安が響いて価格の上値を抑えてしまっています。

また、アルゼンチンの政権交代で新政権は実業家よりの政策にシフト。
輸出関税を35%から30%に引き下げると発表。トウモロコシに至っては
輸出の登録制を廃止するというのですから、輸出が増加すると思われます。
アルゼンチンにとってはいい政策かもしれませんが、市場にとっては
アルゼンチンからの輸出が増加するという思惑に繋がる上値圧力ですね。

こうした供給過多の中では需要が伸びてくれないことには価格が支えられません。
しかし、世界最大の消費国中国は景気後退懸念が強く、
いつ中国の輸入が止まるかと関係者は気が気ではないのだとか。

というのも、需要はほとんどが中国。年間買い付け量は

中国  8050万トン
欧州  1200万トン
メキシコ 440万トン
日本  280万トン

となっており、圧倒的に中国の買いが大豆の消費を占めているのです。
中国による大豆の輸入予約のキャンセルは珍しいことではなく、
中国が大豆を輸入しなくなったら、価格は暴落する、として
関係者が気をもんでいる、と茅野さん。

年明けからの金融混乱も中国からの資本流出が一因とされていますが
あらゆる市場で中国の存在の大きさを感じさせられますね。

最後に、南米産大豆のハーベストプレッシャーについて。
米国産の場合、収穫期に入ると収穫した大豆を農家が市場に売りに出す、
ということで、農家の売りが価格の上値を抑える傾向がありますが、
南米産の場合、それが強く出ることは少ないのだとか。

というのも、収穫は2月頃から始まるのに、南米の農家は12月頃から
予想される収穫量の4分の3程度を売ってしまうのだそうです。

収穫してから現物を渡す、ということですが、
なぜ収穫した現物でなく早々と12月ころから売りだすのか、というと、
米国と違って、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイと
競争国が多く、一刻も早く売ってしまわないと売り先がなくなってしまう、
というリスクがあるからなのだとか。
豊作となればなるほど、売り急ぐというわけですね。

ですから収穫期の売り圧力は残りの4分の1程度しか出てこない、というわけ。
面白いですね。詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

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