原油価格底入れの条件、ここからの新材料とは [大橋ひろこコラム]
2016/01/15(金) 23:33 大橋ひろこ

原油価格下落が止まりません。そもそもの下落は「供給過多」に尽きるのですが、更なる下落があるでしょうか。ここからの原油価格動向を読むうえで何に注目しておくべきか。更なる下落を招く可能性がある新材料、あく抜けとなり得る「底入れの条件」などを検証いただきました。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は番組初登場、よそうかい・グローバル・インベスターズ代表 松本英毅さんにお話を伺いました。

 

1:アメリカの在庫貯蔵能力を超えスポット市場へあふれた時

毎週水曜日、EIAから発表されるアメリカの原油・石油製品在庫統計が原油価格の変動要因となっています。増え続ける原油在庫の数字が発表される度に、原油価格下落が加速するというパターンが繰り返されていますが、原油の貯蔵能力の限界とされながらも、まだ地味に在庫増ペースが続いています。陸上タンクの貯蔵能力が限界に達しても、海上タンカーを借りての洋上在庫という手段があり、スポット市場で安価な原油を買って先物市場で売るといった鞘取りによる在庫を抱える取引が続いているようです。いよいよこの「在庫」を抱えることができなくなり、在庫が市場に放出されスポット(現物)市場にあふれ出れば、更なる価格下落を招くでしょう。在庫上限がどこなのか明確な数字は分かりませんが、在庫の増加が止まり、なおかつ減少もしなくなったなら、いよいよスポット市場への流出するサインかもしれません。在庫水準の変化を注視しておくこと。

 

2:中国の備蓄が止まった時

一般ニュースで「中国景気減速による消費鈍化」が原油価格の下落要因と解説されることもあるのですが、確かに消費量は鈍ってはいるものの、中国は安価な原油を購入して備蓄に回しているため、輸入量は決して減少していません。中国の輸入減による需給の緩みではない、ということは勘違いしないでおきたいポイント。ただ将来の懸念を先取りしているということですね。ただし、中国とて備蓄能力の限界はあります。中国の原油備蓄がとまり、いよいよ輸入が落ちて来れば、原油価格はさらなる下落を招く可能性は否定できません。

 

3:ドル高による国際商品価格低迷~米利上げペースは?

金融要因も原油をはじめとした国際商品価格下落の一因です。米利上げの影響は資源国や新興国通貨安を招いており、資源国は通貨安から更なる増産体制にはいるなどの悪循環。人民元安が止まらないのも、米国の利上げに起因するとの指摘もあり、2016年米国が粛々と金利を引き上げることで他通貨安が進み、金融市場の混乱がさらに拡大することとなれば、米国は利上げのペースを再考せざるを得ないとの見方も。松本さんは3月の利上げは実施される可能性が高いが、その後ドル高が加速し、金融市場の混乱が大きくなれば年後半の利上げは難しくなることもある、として、最終的にドル安となれば、原油価格も反騰すると解説くださいました。

 

4:シェール関連企業の社債デフォルトリスク

原油安によるシェール企業の採算悪化で、ハイイールド債のデフォルト懸念が高まっています。仮に比較的大きなシェール関連企業のデフォルトがあった場合、一時的には原油価格の上昇も見られるかもしれませんが、結局は、大手に吸収され生産は継続されるとみられます。実際に原油生産量が落ちるかどうか、、その点を見極めないと単発的な値動きに終わるでしょう。


 これらの材料が原油価格をどのように動かすでしょうか。

松本さんに、詳しくお話を伺っています。
オンデマンド放送で松本さんの解説をお聞きくださいね。

コメント