低迷する灯油価格の背景 [大橋ひろこコラム]
2015/09/16(水) 19:59 大橋ひろこ

灯油価格が現在どのくらいかご存知ですか?TOCOMの東京バージ灯油(先物価格)は昨年夏場には1キロリットル当たり8万円台で推移したいたのですが、今年1月には5万円を割るところまで下落。6月に向けては6万円台を回復するところまで戻しましたが、再び5万円を割り込むというダイナミックな相場展開。原油価格に連れて大きな動きとなってしまっています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発 国内石油製品チームリーダー工藤亜紀子さんに
灯油価格動向についてお話を伺いました。


我々消費者は一斗缶で灯油を購入することが多いですね。

一斗缶は18リットル。工藤さんによると14日時点の灯油の店頭小売価格は
前週より0.3円下がった80.6円(2011年1月80.9円以来の安値)。

80.6円×18ℓ=1450.8円

ずいぶん安くなりましたね。
なぜこんなに灯油価格が下がっているのでしょう。

まずは原油市況。昨年からの急落で原油価格が半値以下になったことに
連れ安となっています。
また、大都市圏を中心に、一般家庭の需要後退が進んでいるという
構造的要因も。電気などへの燃料転嫁、集合住宅での火気使用禁止で
灯油需要は低下傾向が続いています。

灯油マーケットの需要期は北日本で10月くらいから、ピークは1月。
いつ使いはじめるかが焦点となってきます。

9月は新米の乾燥燃料となるため東北地方を中心に一部で動きが
出始める時期ですが、今年は長雨洪水被害で出足が鈍いようです。

灯油の最需要期は冬場でも需要期への備えは夏場から始まります。
海上では6月に先物がコンタンゴを形成していた時点で
大手商社を中心に、北向け(北海道)向けの溜め込みが完了していますが
陸上ではまだまだこれから。
というもの、去年は秋から冬にかけて原油が暴落したため、
先物や現物を早めに仕込んだ向きが大火傷となったことの経験則から
今年は冬場の溜め込みに慎重となっているのだそうです。

需要後退とともに、灯油の在庫も毎年減少傾向にあり、
石油連盟の在庫統計(一般向けには、毎週水曜日に発表)
9月12日時点では265万9,964klで前年の9月末と比較して5.68%減となっています。

また、厳冬となれば灯油需要は増加しますが、暖冬となると需要減退となるため
天候も重要な価格変動要因となります。

8月に出た気象庁の3カ月予報では、
11月まで平均気温は高めの予想ということで弱気材料。
9月10日のエルニーニョ情報では
「今後、冬の間はエルニーニョ減少が続く可能性が高い」と指摘されています。

今後の灯油価格動向を占うポイントなど工藤さんに詳しく伺っています。
オンデマンド放送で工藤さんの解説をお聞きくださいね。


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