ギリシャ破綻リスクにも金価格冴えず [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2015/07/01(水) 19:52 大橋ひろこ
6月中には白黒はっきりするかと思われたギリシャ支援問題。昨日30日期限のIMFへの返済はできずにIMFは「(ギリシャからの返済は)延滞状態」と表明しています。欧州連合(EU)は30日夜、ギリシャ向け金融支援を延長せず、打ち切ることを決定、ブリュッセル時間1日午前0時(日本時間午前7時)で支援を終了しています。事実上のデフォルト状態ですが、ギリシャが7月5日に緊縮策を受け入れるか否かの国民投票を実施することを表明していることから、市場はこの7月5日を見極めるまではひとまず先延ばしとばかりに、ひとまず落ち着きを取り戻しています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんにお話を伺いました。


マーケットが落ち着きを取り戻したこともあって、ギリシャデフォルトを懸念して
多少買われる局面もあった「有事の金」も続かず、この混乱にもドル建て金価格は
1200ドル大台を回復できないという不甲斐なさ。
ここからの金相場を見るうえでも、金を動かすのはギリシャリスクではないようです。

森さん6月18日のFOMC開催後の声明文の内容が
米利上げペースの鈍化の見方でドル安となり、
金現物相場は1,200ドル超えとなった瞬間もあったことから
今度の金相場の焦点はドルの動向だと解説くださいました。
ギリシャ問題やプエルトリコの破たんのニュースなどが米国の
9月の利上げの可能性を大きく後退させているとの指摘もありますが、
今週は今日1日から米労働市場に関する経済統計の発表が続きます。


今夜はADP雇用指数。明日2日は5月の米雇用統計の発表があり、
強気の数字が出ると、年内の米利上げ観測が強まることで、
ドルが買われやすい環境となり、金相場にとっては逆風となります。
大方の事前予想は失業率が前月から0.1%低下の5.4%。
非農業部門の就業者数は前月比23万人の増加(前月は同28万人増)と
鈍化予想。前回があまりにもよかったために控えめな予想ですので、
よほどの悪化がない限り、落胆するような結果にはならないと思われます。

今夜発表の5月の米ADP雇用統計の事前予想は
前月比21万8,000人増。(前月20万1,000人増)

また、 ユーロ圏の景気に対しての悲観的ムードが強いことや、
ギリシャ債務不安からユーロは買いにくく、ドルの下値は堅いと
思われることから、金に対して投資家心理は強気に傾きにくい
状況が続くものと思われます。

金ETF市場への中期投資資金の流入は減少中。減少幅は縮小していますが、
積極的な買いはみられません。

また、大口投機家の買い越しは5月19日に12万2,621枚まで急増したのですが
5月後半から手じまい売りが先行し、6月16日現在、7万5,723枚まで減少。
18日のFOMC後のドル安局面で買いが急増し、9万枚以上に増加したのですが、
24日以降は8万枚台に減少、、、と大きなトレンドには傾いていません。
上昇相場活況の時は買いが20万枚にも膨れたことを考えれば
3分の1にまで買いポジションは縮小、投機家も金を積極的に
物色している動きはないようです。

実需筋の買いも、大きな期待はできません。
中国が景気刺激策として6月27日に利下げを実施しましたが、
中国株の下落止まらず、金投資に対しても投資家心理の冷え込みが
警戒される状況です。

ここからの金相場、どのように戦略を練ったらいいでしょうか。
金とプラチナの価格が逆転現象は長期化の様相を呈しており、
プラチナとの鞘取り戦略も妙味あり。
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

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