重油って何?!重油需要減少の背景 [大橋ひろこコラム]
2015/06/17(水) 19:58 大橋ひろこ

重油ってどんなものかご存知ですか?TOCOMに上場されて取引されている原油やガソリン、灯油などに比べて馴染みが薄いかと思いますが、重油は火力発電の燃料となっており我々の生活に密接したエネルギーです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発の鎌田むつみさんにお話を伺いました。

タンカー座礁事故などのニュースで海鳥にまとわりつく
黒いタールのようなもの、、、というイメージが強く
あまりいい印象がない重油ですが、ドロドロしているのは
原油から、ガソリンや灯油などと取りだした後の残渣油だからです。

燃焼時の発熱量が大きいことから、大きなものを動かしたりするのに
向いており、大型船の燃料、工場などのボイラーの燃料として使用されるほか、
アスファルトとの材料になっていたりします。

もっとも大きいのが発電燃料としての需要ですが、
311東日本大震災の後、需要が急増しました。原発が止まってしまったためです。
火力発電の燃料として使われるため、原発が止まった分を補って
需要が増えたのですが、
2010年の重油消費量が630万klだったものが
2011年には1180klと倍増しています。

原発は止まったままですので、現在も重油による発電が盛んなのでしょうか?
ところが最近の重油需要は低調なのだそう。

2013年8月の重油需要は1130万klだったのですが、
2014年8月の需要は666万klと、なんと昨年夏には
その前の年に比べて半分にまで落ち込んでいます。

原発が止まったままなのに、
重油使用料は減少しているというのです。

鎌田さんは、よりコストの安い石炭火力発電所の新設や、
環境負荷の低いLNGが優先して使われるようになったこと、
また、ソーラー発電が広がってきていることなど、
電源の分散化で、重油頼みではなくなってきていることが
背景にあると解説くださいましたが、そもそも電力需要自体が
減少傾向にあるのだそうです。LEDの普及や燃費効率の高い家電の普及なども
電力消費を抑えているのかもしれませんね。

また、電力使用は季節要因にも大きく左右されます。
2014年の冬は例年に比べ気温が高めに推移したために
重油使用料は2013年冬より減少しています。

例年より電力需要が少ない状態が続いているために発電所の重油在庫は
高いままなのだそう。
夏場に向けた在庫積み上げも始まっていません。
そういえば、この夏には原発再稼働の可能性もありますね。
重油は余剰感が大きくなってきています。

生産調整すればいいじゃないか、とも思いますが、
そもそも重油は、ガソリンやジェット燃料など製品精製した後の
残りなので、製品需要が大きければ副産物として生産されてしまうため、
生産調整が難しいのですね。となると、この夏が猛暑にでもなって
エアコン消費が急増する、、などの天候要因による需要増でもないと
なかなか余剰感は解消されないのかもしれません。

気象庁の6-8月の3か月予報ではこの夏は平年並み。
あまり暑くはならないようです。。。

詳しくはオンデマンド放送で鎌田さんの解説をお聞きくださいね。

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