円安で東京金高、地金商店頭、換金売り行列 [大橋ひろこコラム]
2015/06/03(水) 19:57 大橋ひろこ

今日の日経新聞に掲載されていた2つの記事。

「東京金、4カ月ぶり高値」
~高値での換金を求めて貴金属大手、田中貴金属工業の銀座基幹店は朝から混雑し、窓口で約1時間待ちの状況が続いた。

「白金、2か月半ぶり安値」
~消費地である欧州ではディーゼル自動車の排ガス触媒向け需要が振るわない。今年は供給過剰に転じるとみられる。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんに
貴金属銘柄の現状と展望を伺いました。

産出量、その希少性からプラチナ価格は金価格より高いのが教科書的解釈。
しかし、今日のTOCOM日中取引終値で金価格は4737円。
プラチナ価格は4469円でした。価格の逆転現象が長期化しています。
なぜ白金価格は安いのでしょうか。

森さんは、ドル高による資源国通貨安で、生産国は増産体制に入っている
ことで、供給量が増え結果的に価格をさらに押し下げる要因となっている
として、米国の利上げに向けた思惑によるドル高の影響を指摘。

加えて、爆買い中国の1次産品買いが鈍化、景気先行きにも不透明感が漂い、
金融要因、需要ともに冴えない環境となるなか、世界の流動性資金は
株式市場へと向かっているようです。

国際プラチナ価格が下落基調となるなか、金価格は1200ドルをはさんでの 
揉みあいにしていますが、TOCOMの金価格は為替市場のおける円安ドル高に
サポートされて上昇基調を保っており、これがさらにプラチナとの価格差を
広げてしまっています。TOCOMプラチナ価格も円安に支えられる構図は同じでも
ドル建て価格では金は1200ドルを挟んで比較的下値固く推移しています。

金市場にあまり大きな変化はありません。
金市場への中期投資資金の流入は減少傾向であり、
金ETFの金現物保有高は6月2日現在、1,040.21トンで、
5月6日の1,072.37トンから約3%も減少しています。
世界最大の金ETFであるSPDRゴールドの現物保有高は
6月2日現在、709.89トンで5月6日の741.75トンから
約4%減少しています。

CFTCの建玉明細から二ューヨーク金市場の投機家のポジションを
見ると買い越しは5月5日に7万2,440枚まで減少していましたが、
5月19日に12万2,621枚まで急増となりました。
1,230ドルをつけた18日前後に買いが活発化したようですが、
5月後半は手じまい売りが先行し、5月26日現在では
10万4,694枚まで減少しています。

下値ではアジア勢の金買いが根強いことが支えですが、中国の買いは鈍化。
インドが2日に今年3回目に利下げを実施したことは支援材料となると
見られますが、実需買いは下値をサポートするも、価格を押し上げるもの
ではありませんね。やはり、今後のドルの動向が最大のテーマであることに
変わりはないようです。今夜のADP、週末の雇用統計でドル買いが加速すれば
金にとってはネガティブですが、ドル売りとなれば、物色の矛先となる
可能性も。どちらにしても、まだ大きなトレンドが生まれそうな
気配はありませんが、じっくりと買いを仕込む時でしょうか。

詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

コメント