皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです、
今日はリム情報開発 原油・コンデンセートチーム 記者の橋本洋さんにお話を伺いました。
橋本さんは今後の価格動向を占う上では
価格が上昇してきたことによる生産者の今後の対応が注目だとして
6月5日のOPEC総会、そして米国の原油生産動向について解説くださいました。
前回のOPEC総会は11月28日。ちょうど原油価格の急落の真っただ中と
いう状況もあいまって特に注目されましたが、減産などの生産調整は
見送られ、原油価格の下落に拍車をかけました。
次回の6月5日の総会は、加盟国の高官などのコメントなどから推測するに、
現在のところでは現行の日量3,000万バレルという生産枠は
変更されないとの見方が大勢なのだそうです。
このところのOPECの動きを振り返ると、
一週間前に国際エネルギー機関が発表した月報では
OPECは4月の生産量を日量で16万バレル増やしており、
加盟12か国の合計で日量約3,100万バレルに達したことが
明らかになりました。これは3年前、2012年9月以来の高水準です。
その当時はWTI原油は90ドル台でした。
特に、OPEC加盟の主要国であるサウジアラビア、イラクが増産しています。
サウジアラビアに至っては、生産量は日量1030万バレルで、過去最高に近い水準。
また、国際エネルギー機関は、このようなOPECによる生産の増加の流れを
汲んだうえで、5月の生産量も多くは減っていないと予想しています。
RIM情報開発のリサーチではイラクの6月の輸出量が増えるという計画が、
明らかになったそうです。
イラクはサウジアラビアに次ぐ生産量を誇る主要メンバー。
(昨年で日量330万バレルを生産)
そのうち最も大きな油田であるバスラ油田での輸出予定量が
5月の日量250万バレルから、6月は320万バレルに増えることになります。
これは30%近くも増加するわけですから大増産ですね。
しかしこの数字、実際にバスラ原油を取引している関係者は
「輸出可能な能力を上回る計画で、増やしすぎじゃないか」と
言って驚いているのだとか。
原油価格が上昇している状況で、OPECによる供給は今後も
増える可能性がある、というころで、価格上昇が続くのか、、、疑問ですが
現在の原油価格はこの予想をすでに織り込んだ価格なのだそうです。
また、OPEC以外での産油国として、注目されているのはアメリカ。
そのアメリカでで、ここ半年ほど注目されているのが、稼動リグの数です。
リグというのは、石油や天然ガスを掘削して生産する装置です。
この稼働数が増えれば生産は当然増えますし、稼働数が減ればその逆となります。
つまりこのリグの稼動は生産量に直結します。
現在は、生産動向を占う上での基準のひとつとして重要視されています。
このリグの稼動数の具体的な数値は、
油田サービスの請負会社であるベイカー・フューズという企業が
毎週発表していますが、このリグの稼動数は過去半年で急激に減少しており、
昨年後半に1600本稼働していたリグが、現在、5月15日時点で660本にまで半減。
過去半年の動きを見ると、このリグの稼動数と原油価格とが
ちょうど逆相関の関係となってます。
では、今後のリグ稼働数はどうなっていくでしょうか。
原油価格の上昇を見て、すでに一部の油田では
停止していたリグが稼働を再開していると橋本さん。
原油市況の上昇に伴い、さらに今後稼動を再開するリグが増えるとの
声は少なくない環境で、実際にどう推移していくかが
毎週毎週、市場関係者が目先の注目材料となっているようです。
詳しくはオンデマンド放送で橋本さんの解説をお聞きくださいね。
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