下げ止まるも膠着強まる原油相場 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2015/03/06(金) 23:31 大橋ひろこ

このところのコモディティ市場や金融市場は、強い先行き懸念材料から荒れていた状態が一服して、小康状態を取り戻しています。ギリシャ問題に伴って膨らんでいた欧州発で金融市場が混乱するという懸念や、原油安に伴って世界経済が混乱に陥るという懸念は後退したようですが、原油の下落は止まったのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の
芥田至知さんにお話を伺いました。

1月にかけて大幅下落した後、2月前半は上昇したものの、
2月半ば以降はもみ合いにはいっており、方向感がなく推移しています。


まず1月半ばにかけ原油相場が大幅に下落した背景には、
① 米国のシェールオイルを中心に原油供給が増加したこと
② 中国や欧州の景気下振れなどに伴って原油需要が鈍化したこと
③ FRBの金融政策変化などを背景としてドル高が進んだこと
④ OPECが需給の調整役としての役割を少なくとも当面放棄
などが上げられます。

① 米国のシェールオイルを中心に原油供給が増加

石油掘削リグの稼働数の減少などから、増産には歯止めが
かかるとの見方が出てきています。
すなわち、米国のシェールオイルの油井の開発にかかる時間は、
従来型の油井の開発にかかる時間よりも短く、
石油掘削リグの稼働数の減少は数カ月程度で
原油生産量に影響を及ぼし、年央あたりから
米国の原油生産量が減少するとの観測につながっているのですが、
実際に原油生産が減少するのかどうか、まだ不透明感が強いのが現状。
足元の原油の供給過剰の状況がどのように展開するのか、
シェールオイルの生産動向を中心に思惑が交錯しやすい状況にあります。


② 中国や欧州の景気下振れなどに伴って原油需要が鈍化

足元では欧州景気に改善の動きがみられるなど、
世界景気の下振れ懸念は後退しています。
もっとも、中国経済は不動産部門の停滞が続くなど
減速感が残っており、雇用を中心に好調を続ける米国でも
足元の経済指標はやや弱めのものがみられるなど、
世界景気の拡大テンポは緩やかにとどまっていると考えられます。


③ FRBの金融政策変化などを背景としてのドル高

FRBによる利上げが見込まれる一方で、欧州中央銀行(ECB)が
量的緩和を導入したのをはじめ、FRB以外の中央銀行は
金融緩和に向かう傾向があり、足元でもドル高が進んでいます。
もっとも、FRBによる利上げについては、その時期については
後ずれするとの観測が出ている状況で、過剰流動性相場は継続する
との安心感も出ています。


⑤ OPEC、需給の調整役としての役割を放棄

当面、原油相場がどのように動こうと、
OPECは減産しないであろうことを市場が織り込んだ状態。
サウジアラビアの石油相は20ドルまで下落しても減産しないと
発言していますが、こうした材料はすでに市場に織り込まれて
ネガティブ要因としては新味がなくなってきています。


センチメントの変化から上記①~④の材料は1月半ば以降、
原油安に繋がらなくなってきています。

① や②はむしろ原油高につながる面もあったと思われると芥田さん。
しかし今後を考えると、①~④とも方向性がはっきりしない状況であり、
当面、原油相場は、一進一退が見込まれると解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

コメント