トウモロコシ、生産コストから見た今後 [大橋ひろこコラム]
2015/02/20(金) 21:58 大橋ひろこ

1月中旬以降、シカゴトウモロコシ相場は1ブッシェル400セントを下回る状態が続き、上値の重い値動きが続いています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザリーの津賀田真紀子さんに
トウモロコシ相場の現状と今後の見通しについてお話を伺いました。

そもそも、昨年の米国産トウモロコシは歴史的な豊作でしえた。
ファンダメンタルズ自体が弱いことから、積極的な買いが入りにくい環境にあります。

今月10日に米農務省から発表された需給報告では、
最大輸出国である2014-15年度の米国の期末在庫は
前年度比+48.3%となり、大幅な供給過剰となる見込みです。
トウモロコシ由来のエタノール生産量も昨年末以降頭打ち状態で
米国内在庫は急激に積み上がっており、顕在需要の落ち込みが
意識されていることも相場の下押し圧力となっているのだそうです。

今後は南米の収穫が注目される時期ですが、
南半球最大の生産国であるブラジルの生産高は前年度比で▲5.1%の減産と
なることが予想されているようです。ならば、なぜもっとトウモロコシ相場は
買われないのでしょう?

津賀田さんによると、近年はファーストクロップよりも
1月から3月にかけて作付けされるセカンドクロップの生産が伸びている
のだそうです。セカンドクロップの収穫が終了するのが8月下旬ぐらい。
南米の収穫期って長いんですね。

ということで、8月が終わってみないとわからないということ。
それまでは予想生産高が上下する可能性があり、
しかも、今年はエルニーニョ現象による天候異変が懸念されていましたが、
気象庁からは既に終息に向かっていると報じられているため、
作柄に影響を及ぼす可能性は低下しているという見方があることが
ブラジルの生産高予想が減産でも買いにくいという状況に
繋がっているとみられます。


また、世界全体で見ても需給緩和となることが予想されています。
前年度比+0.23%と小幅増にとどまるものの、
そもそも期初在庫が同比25.9%と多いことから、
期末在庫は前年度比で+9.1%となることが予想されており、
ブラジルの減産予想も結局は世界需給緩和状況であることに
変わりはないということです。

唯一強材料を挙げるとすれば、1月下旬以降NY原油相場が
下げ止まりの動きを見せている影響により、機械燃料や化学肥料などの
生産コストの下落懸念が弱まっていることです。

前年同期と比較すると原油価格はほぼ半値の状態です。
また、トウモロコシ生産コストのうち、最も高い割合を占めているのが
土地の賃借料ですが(2014-15年度は約25%)、
先週末には米中西部の農地価格が28年ぶりに前年比でマイナスとなるなど、
土地の賃借料の低下を意識させるニュースも伝わっていることから、
今後予想生産コストが更に下方修正される可能性は高いと考えられます。

ではそのトウモロコシの生産コストはどのくらいなんでしょう。

農務省が発表している統計を元に計算すると、2014-15年度の米国産トウモロコシの
1ブッシェル当たりの生産コストは403.06セントです。
つまり、現在のトウモロコシの相場水準は売られ過ぎの水準。
短期的には買戻しによって相場が押し上げられる可能性があります。

また、現在、大豆とトウモロコシの値差は約2.6倍と、
割安なわけではないものの、1ブッシェルあたりの生産コストが大豆に比べ
トウモロコシの方が割高であることから、2015-16年度は作付面積の減少が
予想されているため、今後、このことが買い材料視され反発する可能性もあります。

ただし、世界的に供給過剰の状態であることを考えると、
仮に反転したとしても上値余地は限られることになると思われます。
今後、南米ブラジルのセカンドクロップの生育に問題が生じない限りは
引き続き上値の重い値動きが続くものではないか、と津賀田さん。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

コメント