ファンダメンタル分析から見た とうもろこし市場のポイント
2015/01/27(火) 23:12 大橋ひろこ
穀物相場を見る上では、穀物の需給を把握しておかなくてはなりません。豊作で潤沢にモノがあれば価格は下がりますし、不作でモノがなければ価格は上がります。豊作となるか、不作となるかは天候に大きく左右されるため、作物の生育期間の天候も重要となりますね。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
穀物、農産物のファンダメンタル分析のポイントシリーズは
サンワード貿易 コンシュルジュデスクの植村和久さんにお伺いしています。
今回は「トウモロコシ」相場におけるファンダメンタル要因について。

このシリーズは是非、資料をご覧いただきながらお聞きください。
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◆とうもろこしの需給状況

世界1のとうもろこし生産国はどこだと思いますか?
広大な土地を持つ米国です。生産国トップ3は以下の通り。

生産量 1位 米国 (32%)
2位 中国 (24%)
3位 ブラジル (9%)

米国産とうもろこしが世界の生産の3割以上にもなるのですね。
では消費国はというと、

消費量 1位 米国 (30%)
2位 中国 (23%)
3位 EU (8%)

やはり生産・消費ともに米国が1位です。2位は中国。
世界生産のシェアも圧倒的な米国のとうもろこしの生産、需要動向が
価格の変動要因となってくるのです。

◆米国の需給

とうもろこし相場は、生産生育状況が価格に影響を及ぼす天候相場と
生産されたとうもろこしの需要と在庫状況が価格変動要因となる需給相場に
わけられます。

①天候相場~4月から9月まで 供給(生産状況)主導の相場
②需給相場~10月から3月まで 在庫主導の相場

◆天候相場 (4月~9月)

天候相場ではどのようなことが価格を動かす材料となるのでしょうか。

米国農家の作付意欲を調査するところから始まり、
実際の作付がどのくらい行われたかを確認することで
おおよその生産量が予想できますが、
以降、生育状況はどうか、
予想される生産量に変化はないのか、が注目材料となります。

作付は4月からスタートしますが、天候要因により作付が遅れると
収穫時期も遅れてしまい、秋の降霜被害リスクが高まってしまいます。
よって、とうもろこしの作付は遅くとも5月中旬までには
行われるということです。

昨今は農機具の大型化で、作付のスピードも向上しており
作付遅れが懸念されることは少なくなってきているのですが、
逆に降雨による土壌のぬかるみが起きると重量のある農機が
使えなくなるので、この時期の多雨はリスクになっているようです。

・とうもろこしの生産量 「収穫面積 × 単収」
・収穫面積 作付時(4月下旬から5月中旬)の天候
・競合農産物との価格関係

・単収 受粉期(7月中旬から8月初旬)の天候

とにかく大事なのが「受粉期」
このたった1週間くらいの時期に受粉に失敗すると不作となります。
適度な水分が必要な時期であるため、乾燥が大敵。
7月の受粉期の天候が最も重要となってきます。

◆需給相場 (10月~3月)

収穫が終わり、生産高が確定すると、今度はこれが
どの程度使われるか、在庫状況が材料視されます。
主なとうもろこしの需要は家畜の飼料ですが、
ブッシュ大統領時代のエネルギー政策で
エタノール(油)向けの需要も急増しました。

昨今の原油安で、わざわざとうもろこしをエタノール転化しなくても
いいのではないか、という議論もあるのですが、
実際にはエタノール需要は鈍化していないようです。

・飼料 家畜の飼養頭数、食肉生産量
・エタノール 原油価格の動向
・輸出 米国: 世界最大の輸出国
・在庫 期末在庫率(15%~20%が適正水準)

期末在庫率は新穀が出回るまでの昨年度分の旧穀分の在庫のこと。
8月末の在庫を基準にはじき出されますが、
期末在庫は15~20%が適正とされ、この水準に収まっていれば
波乱はないのですが、10%を切ってくると需給タイト感が出て
価格上昇の材料となってきます。


◆天候のポイント

天候相場とは言いますが、

一体どういう状況なら生育にとって良好なのでしょう。
注目されるのは「降水量」

・降水量 6月から8月で300ミリメートル

また、とうもろこしにとって最も重要なのは「受粉期」です。
この時期に受粉できなければとうもろこしはできません。

7月の第1週~2週くらいの時期の
わずか7日間程度が最も重要な期間となります。

天候状況としては受粉期の7日間と
その前後1週間の計3週間は特に重要です。
1日10ミリメートル

◆日本のとうもろこし価格

米国シカゴ価格が基準となり、TOCOMのとうもろこし価格も
連動して動きますが、円建てとなりますので、為替動向も
価格に織り込まれていきます。

昨今の円安基調で、シカゴ価格の下落にも、TOCOM価格は
それほど下がらないというようなことが起こっています。

また、日本のとうもろこし価格には海上運賃分が上乗せされるため、
米国シカゴ価格より高くなります。
この部分をフレーとと呼びますが、これは原油価格にも左右されます。

詳しくはオンデマンド放送で植村さんの解説をお聞きくださいね。

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