10月原油価格下落の3つの要因 [大橋ひろこコラム]
2014/10/29(水) 19:26 大橋ひろこ


今週いっぱいで10月も終わります。この10月はマーケットが大荒れでしたが、商品市場では10月1日から金や穀物価格が反騰開始。上昇となりました。

しかし原油価格は10月に入って下落が加速しており、WTI価格は一時80ドルの大台を割り込む局面も見られました。なぜ原油価格は下落が続いているのでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか。大橋ひろこです。
今回はコモディティー インテリジェンス 代表取締役社長の
近藤雅世さんに原油価格が下落した3つの要因と題して
お話を伺いました。



①世界景気減速懸念

10月はIMFが世界経済見通しを下方修正、FRBも9月のFOMCで
世界景気に懸念を示していたことが議事録によって明らかとなり、
マーケットは世界の景気の減速を強く意識することとなりました。

Bank of America Merrill Rynchのファンドマネージャー調査によりますと
今後1年で世界の景気は良くなるというファンドマネージャーは
8月には52%いましたが、9月は32%に▲20%減っています。

その主な理由はこの10月にも米国のテーパリングが終了し、
QE3という量的緩和政策が打ち止めとなることから
いよいよ、米国においては利上げの思惑が広がるだろう、というもので
欧米の株式投資を縮小するというファンドマネージャーも増えていると
近藤さん。

今夜FOMCの結果が公表されますが、恐らくテーパリングは終了
するものと思われますが、イエレン議長の記者会見がないため、
今回は大きな政策の転換ととらえられるような内容にはならない、と
見る向きも多いようですが、米国が出口に向かっていることは
これまでの過剰流動性マネーの減少につながるということですので、
原油なども売られやすい地合いだったと言うことでしょう。

国際エネルギー機関は9月のOil Market Reportで
4ヶ月連続で世界の原油需要を引き下げました。
需要が伸びていないことが原油の下落に繋がっているようです。


②減産できぬOPEC

北米のシェールオイルやオイルサンドの供給が急増する中、
価格を維持するためにはOPECが原油生産を調整(削減)する
必要があるのですが、現実にはリビアの生産回復などで
全体的にはOPECによる原油生産は増産傾向にあります。

近藤さんはOPEC諸国の収入は原油の売却収入がほとんどであるため、
原油価格が下がったら、増産して収入を殖やしたいという国が多く、
減産に耐えて価格を維持することはできない、と解説くださいました。

Citi Bankの試算では、
サウジアラビアのFinancial Break-Even Priceは90ドル前後に上昇しており、
現在の価格では歳入が減少して財政赤字になるものと思われます。

ただ、サウジアラビアは歳出規模の3年分に相当する7500億ドルもの
外貨準備があるので財政難にはなりませんが、
イランやイラクは100ドルを超えており、
リビアは180ドル、ベネズエラ160ドル、ロシアは100ドルと試算されている
ことから、昨今の原油価格(80ドル前後)では産油国の財政は非常に
苦しい、、、赤字であることが分かります。

OPEC産油各国は外貨収入が欲しいために増産、
増産すれば、需給が緩んでさらに原油価格が
下落してしまうというスパイラルに陥ってしまっているようです。

③ファンドの売り残増加

金や穀物相場は9月までの下落で積みあがったファンドのショートポジションが
10月相場で買い戻されて、反転していますが、
原油市場ではショートポジションは積みあがったままだそうです。
これがいずれ買い戻されることから、原油価格は近い将来
反発に転じると近藤さんは指摘します。

ここからの原油相場、是非オンデマンド放送で近藤さんの
解説をお聞きくださいね。

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