プラチナ急反騰、買い材料は存在するか [大橋ひろこコラム]
2014/10/08(水) 19:59 大橋ひろこ

プラチナ価格が派手な動きを見せています。
NYMEXCOMEXのドル建て価格は10月6日、1200ドルの大台をも割り込む下落となりましたが、急反発。7日火曜も大きく買戻しが入って1240ドル近辺まで回復しています。TOCOMの円建て先物価格も3日金曜に先物8月限価格が163円安、週明け6日月曜146円安と大幅下落が続きましたが、7日火曜には149円高、8日水曜も70円近い上昇となっています。下落が続いたプラチナ市場、底入れは近いのでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話を伺いました。

小針さんは、週明けからの上昇は自律反発である可能性が大きく、
プラチナを取り巻く環境はまだまだ買い材料が見当たらないと解説くださいました。

1月から半年余りも続いた南アフリカの鉱山会社のストライキで
プラチナ生産が止まり、供給に懸念が生じるだろうとして
春先から夏場にかけて買いが膨らんだプラチナ市場。
しかし、地上在庫が豊富で需給にタイト感が出なかったことで
プラチナ価格は期待に反して下落し、こうした買い方のポジションの
整理が続いています。この週末から週初にかけての下落で
こうした買い方のポジションの整理が出きったかというと、、、、
まだまだしこり玉は残っていると小針さん。

こうした高値でつかまった買いポジションが出きらないうちは
戻り局面でもやれやれの売りが出て上値は抑えられてしまいますね。

また、このプラチナ価格の大幅下落の背景には南アフリカの通貨
ランド安があると小針さんは指摘されます。

南アフリカランドはドル高で新興国通貨が売られやすいのに加え、
主力産業である金属鉱山でのストライキの影響で経常収支が悪化してしまっています。

南アランドとプラチナのチャートを比較してみると
綺麗に相関しており、ランド安が止まらないうちは
プラチナ下落も止まらない可能性もあるかもしれません?!

それにしても、プラチナの生産コストは1400ドル近辺と指定されて
来ましたが、1400ドルどころか1200ドル大台割れまで示現。
金価格との差もかなり縮小しています。
希少性からプラチナ価格は金より高いとされていますが、
金価格が1200ドル近辺で推移しており、ほぼ同じところまで
プラチナ価格は下がってきてしまいました。

今日は青色発光ダイオードを発明した日本人3名にノーベル物理学賞の
受賞のニュースがありましたが、新技術が世の中を変える、ということが
コモディティ市場へのインパクトとなることも・・・。

この6月には九州大学などの研究グループが
燃料電池として使われるプラチナの代わりに微生物が作る物質で
効率的な電極を開発したと発表。
プラチナに頼らない新しい燃料電池につながる可能性があるとして注目されています。

昨年2013年6月には群馬大大学院工学研究科の尾崎純一教授が
プラチナに代替する新触媒としてカーボンアロイ材料を開発、
日清紡ホールディングスとの共同研究で実用化を急いでいるというニュースもありました。

2011年3月にはケース・ウェスタン・リザーブ大学の化学工学者が
PDDA(ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム)ポリマーで
燃料電池触媒としてプラチナと同程度の発電効率を発揮することを発見。
プラチナの650分の1の価格で同レベルの発電効率を得られる新触媒を開発した
というニュースが。

遡れば2008年には昭和電工が酸化物系非貴金属触媒プロジェクトに参加し、
固体高分子形燃料電池(PEFC)用触媒として
現行の白金などの貴金属に替わる代替触媒の開発に成功したと発表しています。


こうした新技術が実用化に向かえば、プラチナの工業用需要は
大きく減少していくと思われ、こうした構造的大変化が
プラチナ市場にインパクトとなることがあるのではないか。
まだまだ、市場に織り込まれている要因であるかどうかはわかりませんが、
これまでのような生産コスト、金との比価という観点からだけで
プラチナを割安と判断するような時代から大きく変わる可能性があるのかもしれません。

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

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