ドル高で金下落、援軍来たらず?! [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014/09/19(金) 23:38 大橋ひろこ

ドル建ての国際金価格が1200ドルの節目に向けて下落基調を鮮明にしています。9月第3週、日経平均は6年10ケ月ぶりの高値を更新、米国株もS&P500は2000P台へ、アリパパのIPOはトヨタの時価総額を超える盛り上がりとなりました。対してさえない金価格の背景にあるのは「ドル高」。注目されたFOMCを受けてさらにドル高が加速した1週間となりました。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

亀井さんにはまず、
金価格の上値を抑えているドル高の背景を聞きました。


・マイナス金利導入、ABS、カバーボンドの購入と
追加緩和に踏み切った欧州。ECBによる明確なユーロ安誘導で
ユーロに対してドルが買われる展開に。

・スコットランドの独立を問う住民投票の結果は独立反対派勝利で
事なきを得たイギリスですが、事前調査で賛成派が上回ったことを
きっかけにしたポンド売りでドルが買われる局面がありました。
投票が始まってからはポンドの巻き返しが起こりましたが、
今回の投票を巡ってイギリスが失ったものは大きいとの声も。

・秋からのGPIFの本格始動期待に加え、
日銀の追加緩和期待も広がりつつあり、一段の円売りが進行。
ドル円だけでなく、ユーロ円、ポンド円、NZ円などクロス円でも
円安が大きく進む展開に。

・そしてドルの強気材料としてのFOMC
9月のFOMC声明のポイントは
10月の量的緩和策の終了を明記しましたが、
そして、量的緩和策終了後も「相当な期間」ゼロ金利を維持と
「相当な期間」という文言は残したところにありました。


インフレ率が2%を下回る間はゼロ金利の継続が適切とし、
FOMCメンバーの金利見通しでは初めて2017年の金利見通しも
示されました。 通常の水準に戻るのが2017年。
2015年末の金利水準もこれまでの見通しから引き上げられ、
逆算すると、来年2015年6月には利上げが開始されるとの
思惑が一気に広がりました。

こうして、通貨毎の材料をひとつひとつ見ても、消去法的に、
そして、さらに積極的にドルを買うしかないマーケットの地合いが
醸成されていたということで、ドル高を背景に、原油や貴金属など
コモディティ価格は軒並み下落基調となっているということですね。

ではこのまま金価格は下落が続くのでしょうか?

金市場の材料となり得る今後の問題点として
亀井さんが注目されているのは
現時点で4兆4836億ドルに膨れ上がっているFRBのバランスシート。


たしかにQE3は10月をもって終了するのですが、
新たな資産買入れがなくなるだけで、これまで購入した資産は
そのまま維持されるのです。

米国債 2兆4406億ドル 
MBS  1兆6783億ドル  
超過準備2兆6000億ドル

MBSの100%近くが償還まで10年以上もあるのだそうです!?

早期利上げの思惑が広がったことでドル高となっていますが、
現在のところ、米国債長期金利は2.6%台にとどまっており、
それ程懸念する水準にはありません。

しかし、実際に米国の金利が上昇してきたらどうなるでしょうか。
FRBが購入した資産の金利が上昇するということは
巨額の評価損を抱えるリスクがあるということですが・・・。

総額が4兆5000億ドル(約480兆円)まで膨らんだFRBの資産は、
維持したままで、出口に向かう、つまり金利でコントロールせざるを
得ない状況となっています。本当に利上げに向かった時の
金融経済の反応を亀井さんはリスクとして指摘されています。

この際、株価が大きな調整を強いられることとなれば
金には資金流入の可能性も?

しかし、それはまだ少し先の話。

足元では1200ドルの節目の攻防は避けられないでしょう。
亀井さん曰く援軍来たらず・・・・で、
実需筋、中国がまだ買い参戦してきません。

下がったら買う、というのが中国の買い方。
まだ下値があるとみているのでしょうか。

ここからの金価格展望、詳しくは亀井さんの解説を
オンデマンド放送でお聞きくださいね。

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