下げ止まらぬゴム、タイ政府在庫を売却 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2014/09/10(水) 19:44 大橋ひろこ
為替市場で全般ドル高の様相となっていることから、国際商品価には下落圧力が大きくなっていますが、円建ての商品市場は円安であることから価格が支えられ、すっかり膠着してしまいました。それでも、円安効果で価格が上昇する力より国際価格下落に連れ安となっている銘柄が多い印象です。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話しを伺いました。

小針さんにはいつもゴム市況を中心にお話しを伺っていますが、
ゴム価格は9月に入って一層の下落となっています。

タイ政府は、現在保有している20万トンの政府在庫のうち、
半分に相当する10万トンを輸出業者に対し売却したことを公表しました。
残る10万トンについても、9月末までに売却する意向のようです。

売却された10万トンの在庫は、キロ当り62.60バーツ(1.95セント)で
販売されました。これは、先週末時点のRSS3の中心価格キロ61バーツ、
1.75セントと比較するとかなり高い値段で売られたことになりますが、
この在庫が購入された2012年から2013年にかけてのゴム価格は
キロ当り100バーツを上まわっていたそうですので、
今回の動きでタイ政府は売却差損となったと見られています。

タイ政府は、2012~2013年、農家への支援策として
ゴムの買い取りを実施してきたのですが、なにも国際ゴム価格が下落傾向にある今、
市中に放出しなくても、、、と思いませんか?

それが、もう備蓄できるスペースがなかったようなんですね。。。
また、今回売却されたゴム在庫のRSSは2年ほど前の古いゴム。
ゴムは劣化していきますのである程度の処理が必要な時期に来ていました。
価格が崩れるリスクは解っていても売却せざるを得なかった
ということでしょうか。

しかし市中価格よりも高く売却したとのタイ政府の発表内容に対し
疑問視する声も少なくないようです。

おかげでゴム相場は急落となりました。
TOCOM期中先は5円を超える急落です。
足元ではこのタイ政府在庫売却が一段安のきっかけとなりましたが、
それにしても、そもそもが下落トレンド。
需給はどうなっているのでしょう??

中国は世界最大の天然ゴム消費・輸入国。
2014年の推定は、年間消費が439万トン(前年比6.8%増)、
年間輸入は349万トン(前年比7.7%増)の見込みとなっています。
このため中国の消費動向は天然ゴム需給やマーケットにとって
影響力が大きく、その動向が変動材料視される傾向が
ますます強くなっているのです。


2014年の世界の天然ゴム消費における中国の占有率は37%。
なんと3分の1以上が中国消費が占めているのですが、
自動車販売は堅調も、中国の他の経済指標の緩みも
昨今のゴムの弱気に関係があるのでは?という指摘も
あるようですが、、、。

小針さんによると、中国と米国の新車販売台数が前年同月比プラスで
推移している中、とても需要が弱いとは考えにくく、消費サイドは
堅調に推移しているなか受け止められる中でのゴム価格下落は、
ひとえに、生産サイドの問題に起因していると見られます。

タイ、マレーシア、インドネシア、そしてベトナムともに、
2006年から2009年の相場高騰期に新植された
天然ゴムの生産が活発化していること、
それにより生産が大きく増加していることが
この長期化する価格下落の背景です。

その増産の流れが食い止められない限り、
需給の健全化と価格下落の歯止めはかけられない?!
詳しくはオンデマンド放送で、小針さんの解説をお聞きくださいね。

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