ブレントとドバイ原油価格差縮小の背景 [大橋ひろこコラム]
2014/08/20(水) 20:16 大橋ひろこ
ウクライナやイラクなど地政学リスク要因が多発している印象が強い2014年ですが、その割に、足元では原油価格は2か月ほど下落基調が続いています。
原油価格といってもWTI、北海ブレント、ドバイなど様々な指標がありますが、最も影響が大きいのはどのインデックスでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発 記者の高木啓子さんが番組初登場!

高木さんはアジアの消費国が輸入する中東産、アフリカ、アジア、
北海、中南米産の原油とコンデンセートの取引と、
世界で取引される指標原油の動向についてレポートされていらっしゃいます。

番組冒頭では世界で取引される原油の指標となるブレント、ドバイ、WTI原油の
違いについて伺ってみました。

① WTI、ブレント、ドバイ、原油国際指標価格とは?

ブレント 北海産原油で、アフリカや地中海原油などの価格指標
ドバイ  UAE産の原油で、主に中東産原油の価格指標
WTI 米国産原油で、南米産原油などの価格指標

ということですが、一般的にニュースなどで取り上げられる指標は
WTI価格だという印象ですね。しかし、日本含めアジアの現物市場にとっては
ドバイが重要で、日本のスポット市場はドバイ価格を指標に動いているそうです。

② 原油価格はなぜ下落している?

そのブレント、ドバイとも今年の6月、ウクライナ情勢の緊張の高まりを背景に
年初来の高値を付けた後に下落基調が鮮明となっています。
ブレント原油 今年6月19日に115.71ドルと10ヶ月半ぶりの高値から
8月15日には102.05ドルと13ヶ月ぶりの安値へ下落。

バイ原油  今年6月20日に111.29ドルと10ヶ月半ぶりの高値も
8月18日には、100.55ドルと13ヶ月ぶりの安値へ下落。

高木さんは、ウクライナ、イラクの地政学リスクを背景に買われたものの
情況は膠着状態で地政学リスクが後退するにしたがって、下落していると
解説くださいましたが、特にイラク情勢に関しては、
米国が今月イスラム過激派の拠点のあるイラク北部の空爆に踏み切ったものの、
南部を中心に生産される原油の供給に影響が出ていないことで
供給面に影響がないことで、地政学プレミアムが剥げ落ちているようです。

その間、OPECの原油生産は潤沢で7月は5ヶ月ぶりの高水準である一方、
需要サイドでは、石油製品のマージンはアジア、欧州で低迷しており、
需給が緩和していることが大きく影響しています。

③ ブレント、ドバイ原油の価格差縮小

また、ブレントは、特にイラク、ウクライナは欧州に近いことで懸念が高く、
地政学リスクの後退の影響をドバイより大きく受ける傾向がある上、
欧州が主に輸入しているリビア産原油の輸出再開の影響も受けていることで
ドバイに比べ下げ幅が大いため、ブレント価格とドバイ価格差が縮小しています。

ブレント、ドバイの期近限の格差、5月15日  4.66ドル
7月15日  2.63ドル
8月7日   1.59ドル
8月19日  1.11ドル

と縮小傾向を続けているのです。この影響はどんなところに出ているのでしょうか。


④ ブレント、ドバイの価格の縮小の影響は?

ブレント原油の下げ幅が、ドバイ原油の下げよりも大きいため、
ブレントを指標に取引される原油の価格競争力が高まり、
ナイジェリア産やアンゴラ産などのアフリカ産の原油などが
大量にアジアに流入しているそうです。
通常、アフリカ産原油を購入していない日本の元売りや台湾の石油会社が、
実際アンゴラ産原油の調達に踏み切っているそうです。
より割安な方を輸入するという動きが現物市場で起こっているんですね。


⑤ 今後の注目材料

欧米のロシアに対する制裁の行方は、欧州経済への悪影響が
懸念されていますが、原油市場では制裁の対象となっている
ロスネフチの販売するエスポなどロシア産原油に対する
買い控えが今後進むかどうかが注目だそう。
今のところ相場に大きな影響はないのですが、、、。

また、今後も地政学要因は原油市場へ影響を及ぼすでしょうか。
高木さんに伺っています。
詳しくはオンデマンド放送で高木さんの解説をお聞きくださいね。

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