穀物底打ちの音聞こえず、ハーベストプレシャーはこれから [大橋ひろこコラム]
2014/08/15(金) 23:11 大橋ひろこ

エルニーニョ発生が夏場の天候相場のリスク要因になるという予想から春先に買われた穀物相場。

今年1月には1260セント台だったシカゴ大豆は4月20に1532セントまで上昇。

同じく1月406セントの安値をつけたシカゴトウモロコシは5月9日に522セントまで綺麗なトレンドを描いていました。

ところが、米国穀倉地帯の天気は良好で、エルニーニョ発生も秋にずれ込むとの観測で、天候相場に波乱はなく、春先ン天井をつけた大豆、トウモロコシ価格は一転下落基調を辿っています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコンチネンタルライス茅野信行さんにお話しを伺いました。

先週8月12日にアメリカ農務省USDAから発表された
大豆、トウモロコシの需給発表では予想されていた程に
イールド見通しが引き上げられなかったことで、
売り材料に出尽くし感が浮上し始めているようです。

マーケットでは、前月の165.3Bu/エーカーから170Bu前後までの
上方修正が予測されていたのですが、167.4Buに留まっています。
春先から3か月あまりに渡って豊作見通しを織り込んできた
トウモロコシ市場にとっては意外感のある内容ではなかったとみられ、
大きな下落に繋がっていません。

一方大豆のイールド見通しは前月の45.2Buから45.4Buまで
小幅に上方修正されましたが、トウモロコシとは違って
需要見通しの引き上げが実施されなかったこともあり、
大豆相場は下落しています。

天候相場に波乱が生じなかったことから、
今年生産されるの大豆、トウモロコシが豊作となることは
確実となりましたが、この3~4ヶ月に間にかなりこの事実が
相場に織り込まれてきたことで、今後の需給相場にむけてそろそろ
底入れ反転となるのではないか、という
買い場探しの声も出始めているようです。


茅野さんは「まだ買うには時期尚早、これから
ハーベストプレッシャー相場が来る可能性も否定できない」
と値頃買いに警鐘の厳しいお言葉。

3~4か月下落が続いているようにみえますが、
大豆については中国の輸入堅調が続いているため、
ディマンドレーショニング(価格高騰による需要後退)が
起こっていません。茅野さんから見ると
割高な価格水準が続いているようです。

8月のUSDA需給報告はトウモロコシの軸部分や
大豆のポッド(鞘)部分の数を数えて計測されたもので、
まだ予測値に過ぎません。

実際の大豆、トウモロコシを収穫し、重量を測って実測値に
近い形で計算されるのが10月に発表される報告で
この2か月の間に、さらに作柄作況が改善されることも否定できず、
まだ今回発表されたUSDA需給報告をもって、
確定したわけではないのです。

さらに実際収穫が終わって生産高が確定するのは
1月半ばとなることから、まだこの時点での豊作織り込みが
底値とみるには気が早いかもしれません。

お盆明け、20日頃から南部のルイジアナ州での大豆の収穫が始まり、
主要生産地の収穫は9月の彼岸の頃、この時期は
ハーベストプレッシャーといって、収穫期の農家の売り圧力が
高まる時期として警戒されています。

随分安値に沈んだので、需給相場を前に底入れするのではないか、
という思惑も出てくるかと思いますが、
農家の心理は、新穀が収穫できれ
「価格が下がる前に売り抜けたい」というもので、
大豊作が解っているからこそ、一刻も早く収穫し市場で売り抜けたいと
いうもの。明日さらに下がるなら今日の内に売っておこうということです。

逆に買い方の心理は、
高くなる前に早め早めで買っておこう、というものですね。
今買いたい気分になっているのは、農家ではなく、投機家です。
今から収穫期に入る穀物相場は農家の収穫期には
農家の方の生産者側の心理による売りにさらされる時期に
はいるということであり、これを軽く見ないことだ、
と茅野さんは指摘されています。

また、大豆がまだ値を下げる余地がある、とする根拠のひとつとして
トウモロコシとの比価が依然として高いことも上げられます。、
また生産コスト面では相対的に余裕があることで
大豆が割高なんですって。

CME9月物の大豆価格は10.94ドル 同じくトウモロコシは3.61ドル
この比価はなんと3・03ドル!!

比価というのは、どちらを植えたほうが利益になるか、
という観点から、農家の方が種まき時期に、
どちらが高いか、利益になるかを測るために大豆とトウモロコシ価格を
比較する際に採用している指標ではあるものの、
生産高が確定しない今時期でも、
その価格差が3倍を超えているというのは
やはり割高感があるというもの。

通常は2・5倍前後、3倍を超えると
農家は大豆の種子を購入し大豆を作付けするといい、
2倍に近づくとトウモロコシを作付する意欲が高まるとされています。

また、茅野さんは最終的なトレンドを決めるのは需給バランスだとして、。
南米の期末在庫(14/15年度)は
32パーセントあることも指摘されています。

南米産も豊作だったところへ米国が史上最大の
作付面積、好天、高単収が重なっているわけです。
相場は値下がりすると考えるのが自然です。

大豆相場はいずれ10.00ドルを割り込み、
9.50ドルくらいまで値下がりすることが考えられるとして、
値頃で買い参入は危険だとお話しくださいました。

私は大豆の作柄が決まる9月10日が目途で、後1ヶ月くらいは
売り圧力が強いままではないか、とのことです。

詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

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