天候リスクを織り込み始めた穀物、下げ止まらぬゴム [大橋ひろこコラム]
2014/05/14(水) 20:13 大橋ひろこ
すっかり膠着してしまった日本株市場、ドル/円相場も101~102円台で安定推移です。連日史上最高値を更新するダウ平均も、高値追いには及び腰でボラティリティは縮小しています。為替や株価などとの相関性の高い金価格も同様に、レンジ相場となってしまっていますが、商品市況によっては大きな値動きとなっているものもあるんんです。

皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにゴムや穀物相場の現状と今後の展望を伺いました。

綿花が過去30年で最長の上昇局面となっています。
今年はエルニーニョとなる観測が出ていますが、生産地の干ばつの思惑が
価格上昇に繋がっていると小針さん。

綿花の生産地は米国中西部。
となると、TOCOMに上昇しているトウモロコシや大豆相場にも
影響が出るのでしょうか。トウモロコシ、大豆も中西部が生産地です。

トウモロコシの生産も始まり、いよいよ天候相場入りとなった穀物市場ですが、
天候リスクを先取りしてじわじわ買い進められている印象。
しかし、まだ天候によるリスクが顕在化しているわけではありません。

USDAアメリカ農務省が9日に発表した5月の需給報告では
この秋に収穫されるトウモロコシの収穫量は139億ブッシェルと
過去最高になる見通しとなっています。
豊作を受け、期末在庫(2015年8月末)予想は
3億3千万ブッシェルとなると予想されており、
こうした需給要因からはとても買う気になれない相場。


エルニーニョで産地の干ばつがある、という予想と思惑による
トウモロコシ買いがどこまで続くのか、天候リスクがなければ
急落する可能性も孕んでいます。

買の一助となる材料として、ファンド資金が農産物関連ファンドに
流入しているという話も。農産物に連動する上場取引型金融商品ETPへの
投資資金は昨年12月31日以降、27%も増加しています。

一方で、下落が止まらないのがゴム市場。
2011年には535円台まで上昇したゴム価格は
現在200円割れとなるところまで下落。
直近の高値は昨年2013年の337円、
今年に入ってからは下落トレンドを継続しています。

小針さんは、主な要因のひとつとして
タイ政府による20トンにも及ぶゴム在庫の放出について
解説くださいました。


タイ政府は保有しているゴム在庫を5月後半に売却する意向を
発表しています。価格が低迷しているというのに、
タイ政府はなぜ在庫の放出を決めたのでしょうか。

実はタイ政府は2年前にゴム農家支援として高値で
ゴムを買い上げて在庫にしたと言う経緯がありました。
価格支援策として政府が介入していたのです。

ゴムは経年劣化が激しく、長期に品質を保つことはできません。
この在庫も使ってしまわないと、ということでの放出です。
カレンダー的には4~5月はゴムの減産期にあたりますので、
この時期を狙っての放出だと推測できますが、
需給はタイト化せず、価格は崩れる一方です。

小針さんは、もうはまだなり。と
ゴム価格はまだ下落リスクが高いと指摘。

ベトナムではゴムが増産となっており、
おまけに中国の景気減速懸念からなかなか買いづらい状況にあります。

小針さんにはテクニカル的に、どの程度下値があるのかも伺っています。
半値8掛け2割引き、はじき出される下値はまだまだ下の彼方?!
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

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