ポジティブサプライズの雇用統計受けて上昇した金 [大橋ひろこコラム]
2014/05/07(水) 20:57 大橋ひろこ
4月分の雇用統計が発表された5月2日金曜日。
NFP+28.8万人、失業率6.3%と予想を大きく上回る好結果に発表直後はドル急伸、米国株も買われたのですが、その内容が吟味されると一転してドル売りとなり、米国株もマイナス引けの展開となりました。

労働参加率の低下が指摘されていますが、ヘッドラインで見る雇用統計の好結果にもかかわらず金価格が急反発に転じたことには驚きを隠せない関係者が多かったようです。


皆さんご機嫌化がでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト東海林勇行さんにお話しを伺いました。


通常であれば、アメリカの経済指標が良く、景気回復が確認されれば
米株が物色され、ドルが買われることから、金価格は下落します。

雇用統計発表前にドル建て金価格は1300ドルの大台割れ示現となり
テクニカルの悪化から総弱気となっていました。
ところが雇用統計の結果が伝わると、金買いが旺盛となったのです。

東海林さんは労働参加率の低下から、思ったより良くないと受け止めた向きによる
米株利食いと金ショートの買戻しによる値動きによるもので、
これがトレンドになるものではなく、結局はレンジ取引となるだろうと
お話し下さいましたが、ではこうした金融要因ではなく、金の独自要因に
買い材料はないのでしょうか。

1300ドル台を回復してくると、実需の買いがピタリと止まるのだそうです。
実需というのは中国やインドの現物需要のことですが、
景気減速がじわり表面化する中、中国は金を担保に理財商品に投資していることが
話題となっており、金の大きな下落要因として懸念されています。

その規模は1000tにも及ぶという試算が先月話題となりましたが、
意外と金は下値固い印象です。

今春、銅市場で同様の中国による投機的取引が話題となり、
社債のデフォルトが報道された頃に、銅価格が急落したことで
コモディティを使った中国のキャリートレードが
リスク要因として取り上げられていました。

この中国の買いは1300ドルを超えてくると止まってしまうのだそうです。
ここから価格を買い上げる存在ではないと思われます。

金が反発した背景にはウクライナ情勢の緊迫化もあるとされていますが、
こうした地政学リスクでの買いは長続きしないのが定石。

国内、円建ての金価格は、3月15日には4545円まで上昇したのですが、
以降ジリジリと値を下げています。これは円高の影響だと東海林さん。
消費増税の影響が為替市場にどの程度インパクトとなっているのか
掴み切れませんが、東海林さんはこの影響によるドル/円の下落圧力が
強まるようだと、円建ての金価格も下落圧力になると指摘。


足元では、今夜のFRBイエレン議長の議会証言でドルがどのように動くのかに
注目とお話しくださいました。

東海林さんには、ドットフランク法による金融規制でコモディティ市場から
大手金融機関が撤退する流れが今後の商品市場に、金に与える影響なども
伺っています。詳しくはオンデマンド放送で東海林さんの解説をお聞きくださいね。

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