ウクライナ情勢緊迫化で金、穀物上昇の背景 [大橋ひろこコラム]
2014/03/14(金) 20:45 大橋ひろこ
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、コモディティ市場では金や原油、穀物価格が上昇しています。ウクライナとはどんな国なのでしょうか。また、何故ウクライナ情勢の緊迫化が様々な商品価格に影響しているのでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話しを伺いました。

2013年11月、ヤヌコービッチ政権がEUとのパートナー協定の調印を拒否したことで、EUを志向する市民による暴力的革命に発展。

ロシアにとって、旧ソ連第2の大国であるウクライナは、安全保障上の「革新的利益」だと柴田さん。

ウクライナが将来EUおよびNATO(大西洋条約機構)に加盟することにでもなれば、ロシアはNATOとの緩衝地帯を失うことになります。このため、南部クリミア半島にはロシア黒海艦隊が常駐し睨みを効かせていました。ここはシリアへの新兵器輸送の拠点でもあるのだそうです。

そのウクライナの反政府運動がロシアのソチオリンピック開催中に激化。オリンピックが明けた3月2日、ロシア・プーチン大統領は、ウクライナ側の武装解除を求めクリミア半島への軍事介入を拡大したことで緊張が一気に高まりました。株式市場はリスクを回避する下落に見舞われましたが、金価格は上昇、昨年10月以来、4カ月半ぶりの高値1350ドルへと上昇しました。

反政府運動を受けて、ロシアが経済面での圧力をかけました。鉄鉱石の輸出などで外貨を得ていたウクライナの1月の粗鋼生産は249万トンで同▲13.5%の大幅な落ち込みとなっています。(2013年は3282万トン)。ウクライナ危機は、政府・民間を合わせて約660億ドルといわれる短期対外債務のデフォルト危機をももたらしています。こうしたリスクも嫌気して金価格が上昇しているものと思われます。


また、長引く寒波で高騰してた原油価格も上昇していました。ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは、ウクライナ向けのガス輸出価格の引き上げを発表。

基幹パイプラインを通じた欧州向けガス価格への影響も懸念材料です。天然ガス市場も寒波の影響で高騰していましたが、エネルギー市場はウクライナ問題にも敏感に反応しました。しかし先週米国がSPR戦略備蓄の放出を発表したことからエネルギー価格は急落に見舞われています。


影響が大きかったのが、穀物市場です。
ウクライナは中央部に肥沃な黒土地帯を持ち、近年は小麦やトウモロコシの新興輸出国として注目されています。小麦やトウモロコシ価格が急騰しているのもウクライナの緊迫化を受けての輸出の停滞を懸念したもの。

米農務省は、2013/14年度のウクライナの小麦およびトウモロコシ輸出量をそれぞれ1000万トン、1800万トンと予測しています。


しかしながら世界最大の小麦輸入国(1000万トン)であるエジプトの輸入はこれまでのところ問題はないようです。思惑で動いた相場の揺り戻しもあるかもしれません。

柴田さんは当面のコモディティ市場は、ウクライナ情勢に左右されるとし、直近では16日にウクライナ南部クリミア自治共和国で、ロシア編入の是非を問う住民投票が行われるかどうかに注目だと指摘。すでにロシアはクリミア半島を実効支配していますが、ケリー米国務長官は、投票が行われれば、米・EUが17日にロシアに対して「重大な措置をとる」と制裁発動を警告しています。これに対して、ロシア政府も報復措置を示唆していることから、マーケットの混乱が予想されます。

ただし、対話路線の道も残されておりケリー国務長官とロシア・ラブロフ外相が電話会談⇒対話を続けていることから、緊張が一気に緩む可能性も。こちらの道を辿ってほしいと願いますが。。。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。
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