銅価格急落の背景に中国の投機的取引?! [大橋ひろこコラム]
2014/03/12(水) 20:17 大橋ひろこ

昨晩のNY株式相場では米株が大きく下落、そして今日は日経平均も393円安と大幅反落となりました。日経平均の下落の背景には今週金曜に控えるメジャーSQに絡む裁定解消の売りという指摘もありますが、市場関係者の話題となっていたのが、銅価格の急落です。中国では先週7日に太陽光パネル大手の上海超日太陽能科技が利払いに失敗し、社債市場で初のデフォルトとなり、懸念が高まっていますが、何か関連があるのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんに
銅価格の急落の背景と、金上昇について伺いました。

銅の国際価格は昨日11日には1トン6469.7ドルと
2010年7月以来3年8カ月ぶりの安値をつけました。

銅価格の下落により銅鉱山の権益を持つ商社や銅製錬会社の収益が悪化するとの見方から株式市場でも資源関連株に売りが広がったことが今日の日経平均の下落に拍車をかけたとの指摘もあります。

この銅価格の下落にどこで終止符が打たれるのかについては
不透明感が強く、まだ序章にすぎないという見方もあります。

というのも、中国では銅を担保にした資金融資や、
銅を海外から輸入する際に活用するドル建ての信用状(LC)と
人民元建ての金利差を狙った投機的な取引が横行しているために、
社債や理財商品のデフォルトで、銅価格の下落に拍車がかかるとした
悪循環に陥るのではないか、というのです。

このところ中国はバブル抑制のために引き締め政策を講じています。
鉄鋼など過剰設備を抱えるセクター向けの貸し出しを
当局が規制しているため、資金調達が安易ではなくなったことから
一部の投資家は銅を大量輸入し、これを資金調達に充てているというのです。

スキームは米ドル建てで銀行からLC(信用状)の発行を受けて
資金を調達して銅を輸入。すぐに銅を売却して人民元に替え、
理財商品などで運用するという投機にあてているとか。

金利が高い人民元と低金利の米ドルの利ざやが狙いということで、
銅キャリートレードとも囁かれています。

今週にはいって上海超日太陽能科技とは別の中国企業でも
デフォルト懸念が浮上、今日の上海株式市場などで
投資家心理を悪化させています。

中国の1月の鉄鉱石輸入は前年同月を3割強も上回る8600万トン台。
銅の輸入も53万6000トンと前年同月に比べて5割強増え、過去最高を記録
しています。尋常ではないボリュームの銅や鉄鉱石を購入しているのは、
景気がいいから、ということではなくて、こうした
キャリートレードのためだとすれば、銅や鉄鉱石などのコモディティの
在庫は積みあがる一方です。

そこへ先週の7日の上海超日太陽能科技社債デフォルトで
銅、鉄鉱石とも投げ売りに近い状況になっている模様。

資金調達目的で輸入した商品は中国国内で在庫として膨れ上がっているため
銅や鉄鉱石の関連企業の経営が行き詰まれば国際市場に放出され
さらなる下落となる可能性が指摘されています。

銅相場が下落すれば、資金を借りた企業の担保価値を下げ、
損失を埋めるために銅の投げ売りに走る悪循環。
中国は銅や鉄鉱石だけでなく、ゴムでも同じようなスキームで
キャリートレードしているのではないか?とも囁かれています。

こうしたスキームで投資された理財商品がデフォルトしたら?
まだまだ闇は深そうです。

これでコモディティ通貨とされる豪ドルも売られていますが
それでも金価格は上昇。
金はこうした不透明感から資金の逃避先として選ばれているようです。

一方で、南アフリカの鉱山会社のストライキや電力問題に揺れる
プラチナも中国問題から売られています。

ここから先の展望は?
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

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