パラジウム高騰、注目される南ア・ロシア情勢 [大橋ひろこコラム]
2014/03/07(金) 18:42 大橋ひろこ
2014年に入ってから金価格が上昇していますが、ここにきて騰勢を強めているのがPGM。白金系貴金属です。プラチナ価格は1500ドル目前にまで上昇、そしてパラジウム価格もこれまで長らく上値抵抗線であった760ドルを突破し2013年4月以来の780ドル台にまで上昇してきました。南アフリカ、そしてウクライナ問題がこうした値動きにつながっているということですが...。

みなさんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はスタンダートバンク東京支店長池水雄一さんに
お話を伺いました。

パラジウムは貴金属の中では唯一ゴールドの価格の動きに
影響を受けないメタルです。シルバーやプラチナのチャートと
ゴールドを比較すると少なからずゴールドに連れて動くことが確認できますが、パラジウムはほとんど関係ありません。

つまり、このところの金高に連れてパラジウムが上昇したわけではないということ。
南アフリカの鉱山会社のストライキとウクライナ情勢からの対ロシア経済制裁の可能性が価格を押し上げました。

ロシアは世界最大のパラジウム生産国であり供給者。
ロシアの鉱山会社ノリリスクニッケル社がパラジウムの供給の
42%を占めています。2位は南アフリカで37%程度。
つまり、ロシアと南アで80%近い生産ということになります。

ここ数年市場ではロシアのパラジウム国家在庫はほぼ底を
ついていると言われ続けていますが、事実は定かではありません。
しかし、売却量は確実に減少していることからおそらくは市場の見方は
正しいと思われると池水さん。

こうした状況にある中、ロシアがクリミアに軍事侵攻
したことを受けてアメリカが対ロ経済制裁を発動する、というニュースが
市場を揺るがしています。ロシアからのパラジウム輸出に影響があるのでは
ないか、という懸念がパラジウム価格を押し上げました。

これまではパラジウム価格が750ドルを超えると(高くなると)
ロシアからの売り出てきてが相場の頭を抑えてきました。
生産者は価格が高いときに売れるほうが利益が大きいため、
750ドルを超えてくると売りに出てきていたのですが、
今回ロシアからの売りが出ていないのです。

これで、780ドルにまで価格が高騰してしまった、とみられますが、
もう一つの要因が南アフリカの鉱山ストライキ。

労働組合の賃上げ要求によるストライキは7週間目にはいりました。
南アでは1/23日からストにより実質的に生産がストップしている状況です。
これはパラジウム生産第2位の南アのこうした状況もパラジウム価格を
下支えています。

加えて先週は、南アフリカの電力公社エスコムが過去2週間で3度目の
poweremergencyを発令。電力不足による節電が呼び掛けられ、
計画停電の可能性が高まってきています。

(プラチナ価格が2300ドル(現在1500ドル近辺)の史上最高値を
更新した2008年も年初エスコムの電力不足問題が騒がれていました)

池水さんによるとエスコムは南アフリカの電力供給の95%を占めており、
うち鉱山業に15%を供給、そのうちの47%がゴールド採掘に
使われているそうです。

また、南アフリカではランド建てのパラジウムETF上場が承認されており、
これも注目されているようです。昨年上場したランド建てプラチナETFのNewPlatは
上場後たった4か月で世界一のプラチナETFへと成長しました。
さて、パラジウムETFはどうでしょうか?

また、パラジウムは主にガソリン車の自動車の触媒として使われますが、
中国など新興国の自動車販売の伸びが期待が高まれば
パラジウムの触媒需要に直接的につながるものです。中国のニュースも
変動要因としては大きいですね。

南アのストライキ、そしてウクライナを巡るロシアと西側諸国との緊迫化で
パラジウム価格は800ドル越えの可能性も?と池水さん。
しかしながら、問題が解決するとこのレベルを維持するのは困難で
急速に価格が失速するリスクもあると指摘しています。

今後の展望はオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

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