コロナ危機に揺れる商品市場 [日経新聞編集委員]
2020/03/30(月) 23:18 山本郁
本日のコメンテーター 日本経済新聞社 編集局 編集委員の志田富雄さんは
マーケット・トレンド番組開始の2004年12月から毎月1回ご登場頂いてきました。
銀座のTOCOMスクエア時代、ラジオNIKKEI旧社屋時代、現社屋時代、現在の日本橋TOCOMスクエア時代
全てを経験されています。
今までは、取材活動への影響を考えて写真NGだったのですが、最後なので特別に撮影させて頂きました。

コロナショックでコモディティーマーケットも大きく揺れています。

NY金先物は期近で、3月9日に7年ぶり1,700ドル台をつけましたが
その後、NY株が急落した場面で、損失補填の資金として金が売られ、一時、1,452ドルまで下落。
更にその後、3月24日1,685ドルまでリカバリーしました。

ただし、金の世界には別のコロナショックが起きていることに注意しなくてはなりません。
スイスの金の精錬所の操業停止。
コロナで医療崩壊をおこしているイタリアとの国境近くに工場があるのです。
ここでは、COMEX取引用の100オンス小口バーを作っているのですが
操業停止で受渡し用の金が用意できなくなってしまい、売り手が買戻しに入るしかない状況に陥っています。
そのためNY金先物は現物に比べて一時、100ドル近く高い"乖離"が起きてしまいました。
今後も、金は強いと考えられますが
3月24日の1,685ドルはそういう要素も入っているということに注意をしなくてはなりません。

原油は、一言でいうと"暴落"しました。
先週、NY原油は期近で一時20ドルを割りました。年初に比べて1/3以下の価格です。
リーマンショック時も140ドルから30ドル台へと1/5まで暴落したのですが
20ドルを割るのは18年ぶりで、大きな衝撃となりました。
これが何を意味しているかというと、
2002年...中国が世界の工場として急成長。グローバル経済が始まったころです。
人や物が国境を越えて行き交い、それが世界経済を活性化させてきました。
その前の段階に戻ってしまったということです。

コロナ拡散防止で移動制限がかかり、コンコードは9割減便、ジェット燃料の需要は急減。
国内移動も制限されているので、自動車燃料のガソリン、原油」の需要が落ち込んでいます。
このような需要急減の中で起きた、OPECプラスの決裂。
サウジアラビアが、現在の生産能力を超える日量1,230万バレルまで、フル増産の体制に入っています。
目いっぱい作って、目いっぱい安売りするというのです。
本来ならば、価格維持のために、更なる減産をしなくてはならないところなのですが...
この後は、radikoのタイムフリーか、Podcastで志田さんの解説をお聴き下さいね。

さて、明日の最終回を前に、一足先にマーケット・トレンドを卒業いたします。
私が担当させて頂くようになったのは2008年の8月。直後にリーマンショックが起こったころでした。
リーマンショックからコロナショックまで...間にチャイナショックも。
個人的にも激動の12年間でした。
長い間、本当にありがとうございました。

2020年3月30日
山本 郁

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