東京モーターショー、次世代自動車とタイヤ、ゴム [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019/11/06(水) 20:31 大橋ひろこ

10//24-11/04に開催された第46回東京モーターショー。最先端の技術を駆使したコンセプトカーや新型車の展示、綺麗なコンパニオンで、自動車ファンを集める時代は終わり、「CASE(ケース)」、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」時代の自動車の未来を示すショーへの転換が印象的だったようです。次世代自動車への関心が高まっていますが、自動車のスタイル、在り方というより、移動手段としていかに生活に溶け込んでいくのかが問われています。



皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットエッジ(株)代表取締役 小菅 努氏に
タイヤの素材でもある天然ゴムを軸にお話を伺いました。

未来の自動車産業の大きなテーマである
「CASE」~「Connected」「Autonomous」「Shared&Service」「Electric」
「MaaS」~電車やバス、飛行機など複数の交通手段を乗り継いで移動する際、スマートフォン等から検索~予約~支払を一度に行えるように改めて、ユーザーの利便性を大幅に高めたり、また移動の効率化により都市部での交通渋滞や環境問題、地方での交通弱者対策などの問題の解決に役立てるというコンセプトは、自動車の「所有」から「共有」、「娯楽の手段」から「生活の足」における自動車の未来像を示すものです。


自動車共有時代、無人運転時代にはタイヤ需要は減少するでしょうか。
個人所有から共有化の流れで、新車販売台数の減少がタイヤ需要を減少させる
という見方もありますが、これまで自動車を使わなかった層が生活密着型で
自動車を使う未来像も描けます。これまで自宅の車庫で眠っていた自動車のタイヤの
摩耗が少なかった分、シェアリング社会での自動車の走行距離が延びるとするならば
タイヤの摩耗、交換の需要はむしろ増加するという見方も。 


また、無人運転車ではパンクしたタイヤの交換は誰が行うのでしょう。
パンクが許されない、とまではいかなくても、少なくとも
パンクしたタイヤを交換できる場所まで安全に走行できることが求められます。
タイヤ品質管理、交換等が難しくなる時代に突入すると考えられます。


ブリジストンの新ポリマーを使った「SYSYM(サシム)」は
ゴムと樹脂を分子レベルで結合した新素材。
天然ゴムの5倍の耐亀裂性、2.5倍の耐摩耗性、1.5倍の引っ張り強度があるとか。


横浜ゴムの「Z・P・S」は空気圧ゼロでも一定時間の走行可能
同じく横浜ゴムの「Self Seal Concept Tire」は
内部の粘着性の高いシーリング材が穴を塞ぐという新技術が?!
新たな技術開発と研究が進められています。


また次世代自動車の覇者はEVなのかFCVなのか、、、、
EV自動車の普及を妨げる要因の一つがバッテリー、電池の問題です。
タイヤの技術が進化することでEV自動車の普及が広がるかもしれません。


「ワイヤレス給電タイヤ」の研究開発が進められているというお話。
重く高額のバッテリーを積んで走るのではなく、
道路や駐車場からワイヤレスで自動給電はできないか。
ただし、現在のタイヤ素材は電気を通しませんので充電は不可能ですが
タイヤ経由で充電出来る素材の開発という新発想。  


石炭を使った蒸気機関車が現在では架線からの給電による電車と
なったように、自動車も走行、駐車中に充電できる未来が?!
現在で未開発技術ですが、発想が面白いですね。
タイヤが走行と給電の役割り担う時代が来るかもしれません。
~小菅氏の東京モーターショーレポートでした♬

さて、天然ゴム相場。
TOCOM天然ゴム先物相場(RSS)、8月以降は3カ月にわたって
155~175円をコアとしたボックス相場を続けてきましたが、
期先限月は足下で上昇基調を強めています。


ただし産地相場は安値低迷状態が継続しており、TOCOMゴム先物も
期近限月は安値に低迷したままですので、先物価格上昇は株式市場の堅調に
連れた投機性のつよいものだと小菅氏。

ただし、ゴム独自の材料として菌類の病害である「ペスタロチオプシス」の
感染拡大が懸念事項となっており、今後のニュースに注意。
インドネシアからマレーシア、最近ではタイ南部へと感染地域の
拡大が報告されています。感染地域ではイールドがほぼ半減することが分かっています。


季節要因的には、これから増産期入り。決して強気できる相場ではありません。
ただし、小菅氏のよるとゴム相場は12月~翌年2月にかけて反発するアノマリーがあり、
過去10年、20年、30年のいずれも12月~2月は50%以上の上昇確率が。
ということで、11月まではダウンサイドリスクを想定しながらも
安値を拾う好機が?! 

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で小菅さんの解説をお聞きくださいね。

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