国際原油市場の構造変化と米国の実力 [大橋ひろこコラム]
2019/07/31(水) 20:11 大橋ひろこ

2018年の米国の原油生産量は日量1,096万㌭、2019年は1,236万㌭に、2020年には 1,326万㌭にも増える見込みです。ちなみに1970年の970万㌭を上回って過去最高の生産を更新し続ける見通しです。

サウジアラビアの原油生産量は2018年1,038万㌭,ロシアは1,040万㌭ですので、サウジ、ロシアをも上回る世界一の原油生産国へと躍り出ています。

 
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギー情報ネットワーク 山内 弘史氏をお迎えし
「国際原油市場の構造変化と米国の実力」をテーマにお話しを伺いました。

原油だけではありません。

石油生産量についても 2018年:米国が1,531万㌭,サウジ1,358万㌭,ロシア1,155万㌭
となっており、米国が世界一。

NGL生産量も、2018年:米国は435万㌭。2019年1~7月19日462万㌭,7月第3週479万㌭
と年々伸びています。

※地下から採取されたままの状態のものは「原油」ですが
原油を精製して製品化したものを「石油製品」といいます。


米国の産油量の大増産につれて国際石油市場で何が起きているでしょうか。

米国で生産された原油やその他石油製品は海外に輸出されています。
米国は、原油・石油製品・ガスのすべてが輸入国であると同時に輸出国でもあります。
この関係が、この数年で劇的に変わったのが原油で
2018年は日量200万㌭の輸出量でしたが、2019年1~7月19日には日量288万㌭に。
6月21日の週には377万㌭もの原油が米国から海外へ輸出されています。
米国2020年には石油純輸出国になると山内さんは指摘。


OPECが非OPEC協調国と日量120万㌭の原油減産を実施していますが
超過減産しても33%,160万㌭程度。
米国は日量300万㌭超の原油輸出量を誇る輸出国となるとみられ、
米国の原油増産・輸出増加を何とかカバーするだけで精一杯です。

原油だけではなく、石油製品輸出も大きく伸びています。
2019年1~7月19日には日量508万㌭にも上ります。
ここでもOPECは市場を奪われているのが実情。

一方で、米国の原油輸入は同期706万㌭で前年比11.7%も減少しています。
OPECからの対米国輸出が減少しているのです。

 

これでは原油価格はあがりません。
OPECプラスの減産が効果を現すためには何が必要でしょうか。

山内さんはイランとベネズエラの減産・輸出減が数字上必要だとお話しくださいました。

昨年今頃には270万㌭だったイラン原油輸出量は75万㌭に減少しているほか、
2016年には270万㌭/日だったベネズエラの原油生産量は80万㌭に落ち込んでいます。

OPECプラス160万㌭の超過減産とイランの150万㌭減産があって初めて
米国の増産・輸出増とイーブン。
しかし,米国の原油輸入減・石油製品輸出増までは現状では賄えない状況です。

したがって,価格は世界的な石油需要の成長鈍化には敏感に反応し
上値が重いのが現在の原油市況なのです。

ここからの原油価格の見通しなど詳しくは
ポッドキャスト配信で山内さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

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