地"経"学リスクに反応する金 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019/06/13(木) 20:40 大橋ひろこ

今夕、中東・ホルムズ海峡付近で日本のタンカー攻撃され原油が急反発となっています。安倍首相がイラン訪問中ですが、、、。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎氏をお迎えし「地"経"学リスクに反応する金」をテーマにお話を伺いました。



米中貿易問題、そして米国とメキシコの国境、不法移民問題と貿易交渉など地政学リスクの高まりがマーケットのかく乱要因となっていますが、亀井さんは地政学ならぬ「地経学リスク」が金市場を支えていると指摘。

「地経学」?!

初めてうかがう言葉ですが、亀井さんによると
自国を優位に導くという地政学上の目的を達成するために、
関税など経済的な手段を行使することを指す言葉で
1990年に発表された「地政学から地経学へ、紛争の理論、貿易の文法」
という論文がもとになっています。


例えば、メキシコに対し不法移民対応を促すために
制裁関税の付加を掲げてのディールを行う米国、だとか、
中国の一帯一路構想。巨額の融資で新興国インフラ投資を支援するも
返済に窮すれば、投資施設は中国のものに、、、というような事案が該当。

こうした地経学ディールが可能なのは巨額のマネーを持つ中国、
そして基軸通貨ドルが武器である覇権国米国です。

こうしたリスクを小さくしようと、ロシアなどの新穀国、そして中国は
外貨準備のドル資産を減らしゴールド保有量を増やしています。

対イラン制裁強化への動きも地経学リスクの高まりといえましょう。
米国とイランの仲裁に入る格好となった日本の船が狙われるとは、、、。

劇的に変わったFRBの政策の方向性

また、ゴードの支援材料は地経学リスクだけではありません。
2018年12月FOMCでは0.25%利上げが実施され、
2019年は少なくとも2回利上げ見通しが出されました。
しかし12月の株価急落で、年明け早々に「利上げの棚上げ」が発表され
瞬く間に「利上げサイクルの終了」そして「利下げ」も視野に入るまでになっています。

驚いたのは 6月4日シカゴでのパウエル議長講演。

・FRBは世界的な貿易戦争などに起因するリスクに「適切に」対応する
・通商問題が及ぼす影響をFRBは「緊密に注視」している

と通商問題が景気に及ぼすリスクに言及し

▽将来的に景気が下向けば、金利を再びゼロ%に引き下げ、
   債券買い入れなど「非伝統的」な手段を利用せざるを得なくなる

▽非伝統的な政策の採用は再び起こる。
    われわれは何らかの形で必要になることを承知している

▽(金融)危機時に利用された手段を「非伝統的」
      と呼ぶのをやめる時が来た可能性がある。

などと発言しました。


国債などの資産を買い入れる形での量的緩和政策はこれまで
非伝統的金融政策と呼ばれてきましたが、
今後これを非伝統的と呼ぶのをやめる可能性が出てきた、、、
つまり、これが特別なことではと明言したのです。

利下げに加えて、量的緩和政策再開の可能性が示唆されたことで
ゴールド価格は大きく上昇しています。

現在1350ドルが強い抵抗となっているドル建て金相場。
ここからの展望は?!

スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストで亀井さんの解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

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