供給不安後退、原油はトップアウトしたのか [大橋ひろこコラム]
2018/10/31(水) 19:39 大橋ひろこ

10月 3日、WTI原油が76.90ドル、ブレント原油が86.74ドルと約4年ぶりの高値を示現。米国のイラン制裁の発動が11月5日に近づき、イランの原油輸出が日量100-150万バレル減少するとの観測が価格を押し上げましが、10日、米国の株式市場が暴落すると油価も下落し17日にはWTI価格は70ドルを割り込み下落基調を強めています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト藤沢治氏をお迎えしてお話を伺いました。


カショギ記者の殺害の黒幕がサウジアラビアのムハンマド皇太子であるとの
疑惑が、米国による制裁につながるとして原油市場でも警戒が強まる瞬間が
ありましたが、サウジは原油を外交のカードには市内と表明、米国の要請に応え
増産するとも発言しており、足元ではサウジリスクは後退しています。
ただし、サウジの政治体制に国際的な批判が高まっており、
現在のサウジの王制維持への懸念は長期的に今後の中東リスクとなります。


米国のイラン制裁発動時期が迫っていますが、
中国、インド、トルコ等がイラン原油の輸入を継続しており、
イランからの原油輸出がどの程度減るのかが不透明になってきました。


制裁によりイランの原油輸出量が日量100万バレル減少するとして
10月初旬まで原油価格は上昇を続けましたが、その効果には懐疑的な見方も。
イランの国営タンカー公社は38隻の大型船を保有していますが
現在の自動認識装置(AIS)のスイッチを切りGPSでは追跡できないような
"幽霊タンカー"化しており、実際には、イランから原油が輸出されているようです。
一方で、米国も中国やインドには、イラン原油の輸入量の削減を条件にして、
制裁免除(Waiver)を認めるのではないかとも報道されており、
イラン制裁が原油価格の強気材料とするのはテーマとして古くなってきました。


供給不安が後退する中、需要の減退がテーマとなりつつあります。
EIAによれば2018年の生産量は、日量1,074万バレルと
前年対比日量約140万バレル増ですが
10月の短期エネルギー見通しでの2018-2019年の需給バランスでは、
来年の石油需要は日量約150万バレル増と予測するも、
供給は非OPECの生産量が日量約220万バレル増と
OPECの生産量は、2018年より減ると予想となっています。
つまり、景気に強気ではないということです。

IMFも世界の来年の経済成長率の予測値を下方修正していますが、
BPのCEOであるボブ・ダドリー氏は、来年は景気後退によって
原油価格が50-60ドルに下落する可能性もあると指摘しています。


まだ市場には100ドル超えの予想もありますが
WTI原油価格は10月20日にコンタンゴとなりました。
実際に需給は緩んできているのです。 
NYMEXのファンド筋の買い越し残高は、ここのところ減少していますね。

さて、ここからの原油価格予想は?!

詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

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