OPECプラスの減産VS米シェール増産 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019/02/13(水) 20:03 大橋ひろこ

2019年WTI原油価格は、1バレル=47ドル台でスタート。11日には53ドル台まで上昇しました。年末にかけ売られ過ぎていたものが買い戻された面も強く、足元は強弱材料が拮抗した状況にあります。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏をお迎えし2019年の原油価格を展望いただきました。



OPECは1月18日、非加盟国を含めた減産量の国別割当て幅を発表しました。
主要国の10月基準からみた減産幅は、、

サウジが32.2万B/D(1063.7⇒1031.1)
イラク14.1万B/D(465.4⇒451.3)
UAE9.6万B/D(317.7⇒308.1)
クウェート8.5万B/D(275.3⇒266.8)
ロシアについては23万B/D(1161⇒1138)が明示されました。

今後3月18日に減産合意の履行状況を監視するJMMC(共同閣僚監視委員会)を開催。
4月17-18日に臨時総会を開催することとなっています。

ロシアの存在感が大きくなっていますが、柴田さんは「OPECプラス」
(露を中心とする産油国10カ国)で新たな石油カルテルへのシフトが
市場価格に影響を及ぼすものとして、
米政権は「OPECプラス」による生産調整が不当な価格操作にあたるとして
反トラスト法(NOPEC: No Oil Producing and Exporting Cartel)
制定の動きがあるようです。



一方で米国の原油生産量は拡大を続けています。
米エネルギー情報局(EIA)の1月の短観で、米国の2018年の原油生産量が
前年比160万B/D増加し、1,090万B/Dの過去最高水準になったことが確認されました。
サウジ、ロシアを抜いて1971年以来48年ぶりに
世界最大の産油国に返り咲いたことになります。


2019年には1,210万B/D、2020年には1,290万B/Dに達するとの見通しですが
この約7割(800万B/D強)は、シェールオイルの増産によるものです。


しかしながら現在の米国の原油生産を支えているのは、パーミアンのみで、
パーミアンを除くと優良な鉱区はほぼ開発し尽くされ、
新たな開発投資が進んでいないのが実情で、将来的にはシェール生産は
先細りとなる可能性が高いと柴田氏。
これは、将来的に原油価格の支援材料となってきます。


需要面では中国の景気減速と石油需要に注目が集まっています。

中国は世界最大の原油輸入国です。
OPEC統計によると中国の原油輸入量はWTOに加盟した2001年以降一貫して拡大し
2017年には894万B/Dに達しました。
中国国内の石油消費量が2019年には1,300万B/Dに達する見通しです。


米中貿易戦争や米国の対イラン制裁を懸念して戦略備蓄を積み増す意図もあってか、
中国の原油輸入量は2018年1月には957万B/D、6-11月平均では過去最高の
1,050万B/Dと不足分を大きく上回る形で過去最高を更新しており
足下では心配することはないようですが、中国経済の先行きに不透明感から
旺盛な原油輸入がいつまで続くのかが懸念されているのです。

中国12月の貿易統計では、輸出・輸入とも前年比で大幅なマイナスとなりました。
2018年の自動車販売台数は1990年代以降初めて減少しています。
中国だけではありません。
国際通貨基金(IMF)は1月21日、2019年と20年の世界経済見通しを各3.5%、3.6%とし、
昨年10月の予測から各0.2ポイント、0.1ポイント下方修正しており、
世界経済の減速も懸念され始めています。


2019年の原油市場は、「OPECプラス」の減産による需給引き締め効果と
世界経済の減速に伴う需給緩和懸念との綱引きとなりそう。

今後の価格展望は?!

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。

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