OPEC正式に減産合意はあるのか?! [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2016/10/26(水) 20:27 大橋ひろこ

9月下旬のアルジェリアOPEC非公式会合での減産合意の流れを受け上昇に弾みがついた原油価格。ロシアのプーチン大統領が世界エネルギー会議で増産凍結に協力すると述べたことなどを受けて10月119日にはWTI原油価格は、51.60ドル迄上昇しました。この価格は15ヶ月ぶりの高値となります。その後は、ドル高やOPEC産油国の大臣発言、米国の石油掘削稼働リグ数の増加などでもみ合いに入っていますが、ここからさらに上昇できるでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト 藤沢治さんをお迎えし
原油相場を取り巻く環境と今後のポイントについてお話を伺いました。

最大のポイントは11月30日にウイーンで開かれるOPEC総会で、
国別の生産枠を決定し、実行できるのか。
正式減産合意には懐疑的なアナリストが多い中でも
価格は安定してきています。

NYMEXの非当業者のネットロング(買い越し残高)は、
10月11日で先物のみの建玉の中で22%に増加。(9/27は15.9%)
値上がりを見込んだ投資家の買いが増えたことを示唆しているのですが、、、。

(1)イラン、ナイジェリア,そしてリビアは対象外
(サウジのエネルギー相の発言)

 イランは、10月末までに日量400万バレルを目指すと発言。
 ナイジェリアの生産量も回復して、日量150万バレルから200万バレルへ、
リビアは、現在、日量55万バレル生産〈8月の生産量は約35万バレル〉 
これだけで、8月の生産量より日量70万バレル増となります。

(2)イラクはOPECの生産枠から外されるべきと主張

 イラクは、現在日量470万バレルを生産、
OPEC事務局が使用している日量430万バレル〈8月〉は過小評価
と主張しています。イラクは、年末までに日量500万バレルを
生産目標としていおり、イランの増産分をどうするかが焦点。

(3)減産量は効果があるレベルなのか

9月末に合意された日量3250-3300万バレルの生産枠は、
8月に生産した日量3,324万バレルよりは少ないが、
素量的にはそれほど多くはありません。
サウジは、毎年夏から冬にかけて夏場の発電のために
原油の生焚きを日量70万バレル程度行っているため、
日量50万バレルの減産は容易ではあるものの輸出量には関係が
ありません。藤沢さんは「焦点は輸出量」であると指摘していますが
9月のOPECの生産数量は8月よりも多く、市場最大となっています。

各国事情を考えると、国別の生産枠の決定は難しく
イラン、イラク、ナイジェリア、リビアの増産を考えると、
9月末の日量3,250万バレルにするためには他の国々で
日量150万バレル以上を減産しなければならない計算です。

サウジの減産は可能だとしても、クエート、UAE,ベネズエラでの
減産は難しいとみられ、11月30日のOPEC総会では、
国別の生産枠の決定は出来ず、精々9月末の生産枠の上限設定を
確認するだけで終わるのではないかと予想されています。

またOPECとロシアが生産量凍結の件で会談をすることになっていますが、
ロシアも9月の生産量は8月より多く、大統領の発言通りに
生産量凍結あるいは減産に協力するとしていますが態度は曖昧。

さらに50ドルを超えた状態が長い間続くと、生産性の向上で
コスト削減をしたシェールオイルが復活してきます。
10月21日の石油掘削リグ数は、443基。
最近の7週間連続して増加してきています。

おまけに中国の需要増が減速しています。
中国経済の脆弱性は消えていないなかで、米国は12月利上げの予想。
ドル高が原油価格の上昇に水を差すリスクはぬぐえません。

以上の材料を整理いただいた上で藤沢さんには
2016年第3四半期、2017年第1四半期の価格予想をしていただきました。
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

コメント