OPEC減産とシェール増産の狭間で膠着する原油市場、 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019/08/28(水) 19:57 大橋ひろこ

ゴールドが値を飛ばす中、WTI原油価格は$60を下回って推移しています。米中貿易戦争による世界経済の成長減速懸念が高まり、石油需要の増加が後退する観測が席巻したことが背景。8月15日には、ジブラルタルが拿捕していたイラン原油を積載したタンカーを解放、米国はこのタンカーを拘束しようとしたがジブラルタルに拒否されています。米国とイランの対立は、激化していますが、原油価格に地政学リスクは織り込まれるセンチメントにないようです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト藤沢治氏をお迎えし原油市場の現状と今後の見通しを伺いました。

原油市場を取り巻くブルベア材料をお伺いしています。



強気材料

OPECプラス追加減産:

7月1-2日の総会でOPECプラスは従来の日量120万バレルの減産に合意
しましたが、ロシアなど非OPEC諸国は減産には否定的で原油生産を
増やす可能性も。そのためサウジは自主的に減産幅を拡大、
原油輸出量を日量700万バレル以下にすると発表しています。



米国とイランの軍事衝突の可能性:

イランはイラクとは違い中東で最強の軍事力を有しています。
仮に全面戦争になれば、米国は国際的な批判にさらされると思われますが
その場合、原油市場を押し上げると考えらます。

G7会合後、トランプ大統領はイランとの会談に前向きな姿勢を示しており、
イランと米国の首脳会談の可能性が見えてきましたが
先行きは不透明なままです。




弱気材料


世界経済の成長減速による石油需要増の減退:

米中貿易摩擦の激化による世界経済の成長の減速が懸念材料。
中国、欧州の下振れリスク、米国経済のピークアウト等が
現在原油市場の上値を抑えています。


IEAは、2019年の1-6月の上半期の世界の石油需要は、
前年同期比で日量60万バレル増と予想。
IEAは、2019年平均の石油需要量は、前年対比で日量110万バレルと、
前月の市場報告より下方修正しています。

藤沢氏はこの需要増加量は、過大予想ではないかと指摘。
年間平均で日量110万バレル増になるには、
下半期には前年同期比で日量160万バレル増になることが必要ですが
現状では石油需要の大幅な増加が見込める状況にはないとしています。
藤沢氏は今年の前年対比の石油需要増は、日量100万バレルを下回り
日量80万バレル程度ではないかと予想されています。

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米国の原油生産増:

8月中旬に新しいパイプラインがパーミアンからテキサスへの
パイプラインが操業開始しています。
年末までにあと2本のパイプラインが敷設が完工し操業を開始する予定。
米国のイラン、ベネズエラ制裁への生産があっても、
米国の原油生産は増加するとみられています。
米国からの原油輸出は、上半期で日量360万バレルに増加しており
北海原油やブラジルの原油生産量も増加基調にあります。

ということで需給は逼迫しないとみられますが
OPECプラスの減産継続で大幅な供給過剰にもならないとみられ
価格の膠着が続く可能性が。

スポティファイでのポッドキャスト配信もスタートしました。
詳しくはポッドキャストでお聞きくださいね。

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