エルニーニョまで織り込み上昇したトウモロコシ [投資α情報(大橋ひろこ)]
2014.05/16 大橋ひろこ 記事URL
2012年の干ばつでシカゴドル建て価格が8ドル台にまで高騰したトウモロコシ。

一転昨年2013年には豊作となり急落、ほぼ半値の4ドル台にまで下がりました。価格の急落があったのが7
月。受粉期の時期でした。以降昨年中はずっと低迷を続けたトウモロコシ価格ですが、今年2014年に入っ
てから反騰、じりじりと値を上げ、5か月もの上昇相場を演じています。

足元では値が崩れていますが、一体何故トウモロコシ価格は上昇したのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はコンチネンタルライス代表取締役 茅野信行さんにお話しを伺いました。

今年はエルニーニョが観測されているということで、
天候リスクを織り込んでの上昇と言う解説も聞かれます。
天候相場ということでしょうか。

しかし、茅野さんは
「天候相場は米国独立記念日から7月中の受粉期のことを指す」
として、まだ作付、発芽段階の今の相場を天候相場とは呼ばないと指摘。
トウモロコシにとって最も大切なのは7月の天候。
受粉期の日照時間と降雨なのだそう。

その天候相場を前に、何故トウモロコシ価格は半年近くの上昇となったのでしょう。

①昨年の価格急落で輸出競争力が高まった米国産トウモロコシ、
南米産などと比較しても安価となったため、輸出が伸びた。

※中国をはじめとした新興国の買いが旺盛だったとのこと。
価格が安くなったことで猛烈に米国産トウモロコシの輸出が伸
びたことで、USDA発表の需給報告では昨年10月時点で
13%近くあった期末在庫が、5月9日発表分ではなんと
8・8%にまで減少しています。


②この冬の米国の寒波で米国輸出港への積み出しが
滞ったことで一時的に需給逼迫。

※大雪の影響でロジスティックに問題発生。
物はあるのに輸出に影響が及んだことで価格上昇。


③ウクライナ問題を材料に投機筋流入

※ソチオリンピックが終わるとともに噴出したウクライナ問題。
需給とは全く関係のない短期筋が、ウクライナ小麦、
トウモロコシ輸出に影響が及ぶ可能性を先取りして買い参入。


④エルニーニョ観測で天候リスクを先取り

※エルニーニョの年は米国の穀倉地帯が熱波に襲われるリスクが
高まるとされているため、これを材料に買いが膨らむ。

しか
し、茅野さんは明らかに現在のトウモロコシ価格は
買われすぎ、にあると指摘。これらの材料は
過大評価されすぎであるといいます。

中国などの新興国は価格が安ければ買ってきますが、
上がってくるとピタリと買わなくなることで知られています。
金市場でも1350ドルを下回ってくると旺盛な買いが入るのですが
1400ドルが近づくとピタリと買が止まるのだそう。

すでに5ドル台にまで買われてきたトウモロコシを
景気減速が懸念されている中国がさらに
高値を追いかけて買い続けるかどうかわかりません。

また、雪解けでロジスティックの問題は解消。

そして、織り込み始めたエルニーニョについては
「エルニーニョ出現より消滅の仕方が重要」と茅野さん。

消滅の仕方?!一体どういうことでしょう。

エルニーニョとは太平洋赤道域の中央部から南米のペルー沿岸に
かけての広い海域で、 海面水温が平年に比べて高くなり、
その状態が半年から1年半程度続く現象。

実はエルニーニョにより、ペルー沖の海水温度が上昇したことによる
影響が米国穀倉地帯に及ぶのは3~4か月後なのだそう。

20世紀最大級のエルニーニョが観測された1997~98年、
6月頃までその現象が続いたそうですが、じわじわ消えたために
穀倉地帯への影響は全くなかったのです。

83年、88年型のエルニーニョは2~3月に忽然と消えてしまったのですが、
そのちょうど3~4か月後にあたる受粉期に熱波が穀倉地帯を襲いました。

茅野さんが在籍されていたコンチネンタルグレインの調査部は
エルニーニョが米国穀倉地帯に及ぼす影響について
ペルー沖で観測されてから3~4か月になると、突き止め、
また、その消滅の仕方、海水温度の程度(エルニーニョの規模)などに
よっては影響がでないこともあるということを掴んだと
お話しくださいました。

今年のエルニーニョがどのような形で発生し、消滅するのかは
誰にも解りません。

気象庁は12日、エルニーニョが夏に発生し、
秋にかけ続く可能性が高いと発表していますが、
その時期の発生であれば影響はないかもしれません。


それが、足元の価格にも表れてきたのでしょうか、直近では
大きく下落となってきました。
作付前の高値は一過性であった?!


詳しくはオンデマンド放送で茅野さんの解説をお聞きくださいね。

天候リスクを織り込み始めた穀物、下げ止まらぬゴム [大橋ひろこコラム]
2014.05/14 大橋ひろこ 記事URL
すっかり膠着してしまった日本株市場、ドル/円相場も101~102円台で安定推移です。連日史上最高値を更新するダウ平均も、高値追いには及び腰でボラティリティは縮小しています。為替や株価などとの相関性の高い金価格も同様に、レンジ相場となってしまっていますが、商品市況によっては大きな値動きとなっているものもあるんんです。

皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにゴムや穀物相場の現状と今後の展望を伺いました。

綿花が過去30年で最長の上昇局面となっています。
今年はエルニーニョとなる観測が出ていますが、生産地の干ばつの思惑が
価格上昇に繋がっていると小針さん。

綿花の生産地は米国中西部。
となると、TOCOMに上昇しているトウモロコシや大豆相場にも
影響が出るのでしょうか。トウモロコシ、大豆も中西部が生産地です。

トウモロコシの生産も始まり、いよいよ天候相場入りとなった穀物市場ですが、
天候リスクを先取りしてじわじわ買い進められている印象。
しかし、まだ天候によるリスクが顕在化しているわけではありません。

USDAアメリカ農務省が9日に発表した5月の需給報告では
この秋に収穫されるトウモロコシの収穫量は139億ブッシェルと
過去最高になる見通しとなっています。
豊作を受け、期末在庫(2015年8月末)予想は
3億3千万ブッシェルとなると予想されており、
こうした需給要因からはとても買う気になれない相場。


エルニーニョで産地の干ばつがある、という予想と思惑による
トウモロコシ買いがどこまで続くのか、天候リスクがなければ
急落する可能性も孕んでいます。

買の一助となる材料として、ファンド資金が農産物関連ファンドに
流入しているという話も。農産物に連動する上場取引型金融商品ETPへの
投資資金は昨年12月31日以降、27%も増加しています。

一方で、下落が止まらないのがゴム市場。
2011年には535円台まで上昇したゴム価格は
現在200円割れとなるところまで下落。
直近の高値は昨年2013年の337円、
今年に入ってからは下落トレンドを継続しています。

小針さんは、主な要因のひとつとして
タイ政府による20トンにも及ぶゴム在庫の放出について
解説くださいました。


タイ政府は保有しているゴム在庫を5月後半に売却する意向を
発表しています。価格が低迷しているというのに、
タイ政府はなぜ在庫の放出を決めたのでしょうか。

実はタイ政府は2年前にゴム農家支援として高値で
ゴムを買い上げて在庫にしたと言う経緯がありました。
価格支援策として政府が介入していたのです。

ゴムは経年劣化が激しく、長期に品質を保つことはできません。
この在庫も使ってしまわないと、ということでの放出です。
カレンダー的には4~5月はゴムの減産期にあたりますので、
この時期を狙っての放出だと推測できますが、
需給はタイト化せず、価格は崩れる一方です。

小針さんは、もうはまだなり。と
ゴム価格はまだ下落リスクが高いと指摘。

ベトナムではゴムが増産となっており、
おまけに中国の景気減速懸念からなかなか買いづらい状況にあります。

小針さんにはテクニカル的に、どの程度下値があるのかも伺っています。
半値8掛け2割引き、はじき出される下値はまだまだ下の彼方?!
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

GFMS プラチナ&パラジウム Survey 2014 [大橋ひろこコラム]
2014.05/09 大橋ひろこ 記事URL

トムソン・ロイターGFMS社から「GFMS Platinum & Palladium Survey 2014」需給Reportが公表されました。

PGM(プラチナ、パラジウムなど白金族系貴金属)の需給Reportというと、日本の個人投資家の間ではJM社(ジョンソン・マッセイ社)が11月と5月の年に2回公表していたレポートの方が馴染みが深かったのですが、残念なことにJM社のPGM需給報告は昨年の11月が最後となってしまいました。

JM社は触媒の会社であり、業界的にも信頼が大きかったレポートで、このレポートの内容によってプラチナやパラジウムの相場が大きく動くことがしばしばあったのですが、リーマンショックでプラチナ価格は大きく下落、その後の欧州ソブリン危機などもあって、ディーゼル車の触媒であるプラチナ価格が低迷していることから、これまで冊子やWEBなどで無償で公表してきたReportも続けられなくなったということでしょうか。プラチナ価格下落によるコストカットの波はこんなところにも影響が及んでいるのですね。

ということで、PGMの需給Reportロイターに買収されたGFMSのサーベイだけになりました。今回は公表されたばかりのこの「GFMS Platinum & Palladium Survey 2014」からプラチナの需給要因と今後の展望です。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんにお話を伺いました。

 

池水さんによると、JM社のレポートは通信社と協力しオンラインでReportする
というような検討はされているようだ、とのことですが、まだ決定ではないようです。

 

さてプラチナ市場。
南アフリカでは1月23日から始まった鉱山会社によるストライキがまだ続いています。
5月7日の大統領選挙までは収まらないだろうとは指摘されてきましたが、
今週7日水曜に、その選挙も波乱なく投開票が行われましたが
ストライキ終了の報はまだ聞こえてきません。

 

このストライキによって、4月下旬までで18.7トンのプラチナの生産が失われました。
もし組合と会社との間に合意が成立しストライキが解決しても、その準備などで
簡単には生産再開とはいかず、さらに9.3トンの生産が失われるとGFMSは予測しています。
(パラジウムは合計14トンの生産減となる模様)
ところが、プラチナ価格はこのところずっとレンジ相場、この生産減は
マーケットに十分織り込まれているとは言えず、これが今後の価格動向にとっては
強材料となると予想されています。

 

では、何故1月23日から15週にも渡ってストライキが続き、生産がストップしたのに、
価格は高騰しなかったのでしょうか。
これは2013年の需給を見なければなりません。

 

GFMSのレポートではプラチナは2013年、15.1トンの供給過多であったと報告しています。
その影響もあって2013年は2009年以来もっとも安い年間平均価格となりました。
供給過多となった背景は需要が大きく落ち込んだことにあります。

 

宝飾需要は若干の増加だったのですが、自動車触媒は若干の減少で相殺。
硝子と石化分野は両方とも50%もの減少となったほか、投資需要は40%以上ダウンだそう。
そして、この投資需要というのが、実は日本が最大のマーケットだそうで、池水さんによると、
プラチナはドル建て価格は下落しものの、日本では昨年2013年はアベノミクスによる円安で
価格が上がってしまったために、日本の投資家が買い控えしたためだと解説くださいました。
プラチナの投資需要って日本が最大のプレーヤーだったんですね。

 

こうしたことが背景で、GFMSは10.9トンの流通在庫があると推測しています。
ユーザーは南アのストライキ懸念から2013年は在庫を積み増したとみられ、
この在庫の存在が、プラチナ価格がストライキという材料にも、
また2013年4月に上場されたAbsaのNewPlat ETFが巨大な量のプラチナを
買ったのにもかかわらず上昇しなかった大きな理由であるとのことです。

 

しかしながら、15週にも及ぶ長期ストライキはもう長続きしないというのが、ここからの見方。
労働者はno work no pay状態が15週間続いており、仕事に戻りたがっています。
所得が全くないのです。生活ができませんね。鉱山会社側も態度を軟化させているようですが、
何故ここまで長期化しているのかというと、労働組合AMCU内の政治的問題だけ。
労働者側も、鉱山会社側も疲弊しており、歩み寄りの時は近いとみられます。

 

仮に、長期化したストライキの終焉の報があれば、
プラチナ価格にはどのような影響があるでしょうか。
池水さんはいわゆるイベントリスクという意味では、瞬間的にそれを材料にした売りが
出る可能性はあるものの、それほど下がらないとお話くださいました。
現在の価格水準は生産コストとされる1400ドル近辺での揉み合いです。

 

現実には、今回のストライキに先立って、生産者たちは2013年を普段よりも
多い在庫を抱えて終わっており、4月に入ってようやくその在庫を使い出した
というところだと思われるため、本当に現物が枯渇するのはストライキが終わっても
まだ数ヶ月後になるだろうとみられています。

そのためプラチナ価格が本格上昇するのは年後半になると思われますが、
しかし、プラチナの需要サイドでは2013年に不調であったマイナーな分野は
2014年は持ち直しそうであること、また自動車触媒分野も欧州と米国といった主要な
マーケットの回復で需要は堅調に伸びることが期待されており、プラチナの需給は
22トンの供給不足に陥り、2013年の過剰在庫も一層されることになるとみられます。

スト終焉の報で仮に売り込まれることがあれば、そこはとても妙味のある投資チャンス?!
詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

ポジティブサプライズの雇用統計受けて上昇した金 [大橋ひろこコラム]
2014.05/07 大橋ひろこ 記事URL
4月分の雇用統計が発表された5月2日金曜日。
NFP+28.8万人、失業率6.3%と予想を大きく上回る好結果に発表直後はドル急伸、米国株も買われたのですが、その内容が吟味されると一転してドル売りとなり、米国株もマイナス引けの展開となりました。

労働参加率の低下が指摘されていますが、ヘッドラインで見る雇用統計の好結果にもかかわらず金価格が急反発に転じたことには驚きを隠せない関係者が多かったようです。


皆さんご機嫌化がでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト東海林勇行さんにお話しを伺いました。


通常であれば、アメリカの経済指標が良く、景気回復が確認されれば
米株が物色され、ドルが買われることから、金価格は下落します。

雇用統計発表前にドル建て金価格は1300ドルの大台割れ示現となり
テクニカルの悪化から総弱気となっていました。
ところが雇用統計の結果が伝わると、金買いが旺盛となったのです。

東海林さんは労働参加率の低下から、思ったより良くないと受け止めた向きによる
米株利食いと金ショートの買戻しによる値動きによるもので、
これがトレンドになるものではなく、結局はレンジ取引となるだろうと
お話し下さいましたが、ではこうした金融要因ではなく、金の独自要因に
買い材料はないのでしょうか。

1300ドル台を回復してくると、実需の買いがピタリと止まるのだそうです。
実需というのは中国やインドの現物需要のことですが、
景気減速がじわり表面化する中、中国は金を担保に理財商品に投資していることが
話題となっており、金の大きな下落要因として懸念されています。

その規模は1000tにも及ぶという試算が先月話題となりましたが、
意外と金は下値固い印象です。

今春、銅市場で同様の中国による投機的取引が話題となり、
社債のデフォルトが報道された頃に、銅価格が急落したことで
コモディティを使った中国のキャリートレードが
リスク要因として取り上げられていました。

この中国の買いは1300ドルを超えてくると止まってしまうのだそうです。
ここから価格を買い上げる存在ではないと思われます。

金が反発した背景にはウクライナ情勢の緊迫化もあるとされていますが、
こうした地政学リスクでの買いは長続きしないのが定石。

国内、円建ての金価格は、3月15日には4545円まで上昇したのですが、
以降ジリジリと値を下げています。これは円高の影響だと東海林さん。
消費増税の影響が為替市場にどの程度インパクトとなっているのか
掴み切れませんが、東海林さんはこの影響によるドル/円の下落圧力が
強まるようだと、円建ての金価格も下落圧力になると指摘。


足元では、今夜のFRBイエレン議長の議会証言でドルがどのように動くのかに
注目とお話しくださいました。

東海林さんには、ドットフランク法による金融規制でコモディティ市場から
大手金融機関が撤退する流れが今後の商品市場に、金に与える影響なども
伺っています。詳しくはオンデマンド放送で東海林さんの解説をお聞きくださいね。

景気減速で浮き彫りになる中国の理財商品問題とコモディティ [大橋ひろこコラム]
2014.05/02 大橋ひろこ 記事URL

 3月の全国人民代表会議(全人代)の政府活動報告で、2013年の中国の国内総生産(GDP)は56.9兆元、前年度比7.7%増と発表されました。2014年度の成長目標を7.5%前後としていますが、この「前後」という表現は、「必要性と可能性」をともに考慮してのことであり、もはや7%の成長すら覚束なくなっている現れであるとの見方が広がっています。

 

 中国の減速がマーケットにもたらす影響、コモディティ市場にはどのような懸念があるのでしょう。現実に2014年1-3月期の実質GDP成長率は、前年同期比7.4%増に減速していたことも明らかとなりました。

 

コモディティ市場では、昨年来、中国で銅地金、鉄鉱石、天然ゴム、大豆などが投機取引に利用されているのではとの懸念が燻っています。こうしたコモディティを輸入し、それを担保に資金調達をし、高利回りの理財商品に投資しているというものです。いずれも、工業化を背景に中国の輸入が急拡大してきたコモディティですが、この影響で今年2月に銅の価格が急落したとも言われています。

 

皆さん御機嫌如何でしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 の柴田明夫さんにお話を伺いました。

 

 

これまでは、GDPの4割以上を占める固定資産投資を増やすことで景気減速を食い止めてきた中国ですが、これを資金面で支えているとして懸念されているのが、正規の金融機関を介さないシャドウバンキング(影の銀行)の存在があります。その資金調達手段となっているのが高利回りを謳った理財商品や信託商品で、調達された資金は、地方政府のインフラ整備や不動産、鉄鋼、石炭、セメント企業などへ投資されています。

 

資金の貸し手は、個人の投資家や企業・銀行などで、高利回りを期待して、理財商品を購入しています。この資金の流れが順調に回っている間は全く問題ないのですが・・・。 

 

シャドウバンキングが拡大すればするほど、不動産バブルや企業の過剰投資問題が深刻化してきました。投資先の企業の経営が破たんすれば、理財商品の価値は紙くず同様となってしまいます。

 

今年1月、山西省の石炭開発会社に投資していた信託商品が利払い不能に、また、3月には、太陽光関連メーカー(上海超日太陽能科技)がデフォルトに陥り、市場を混乱させました。

 

これを契機に中国で金融引き締めが強化されると、新たな問題が浮上しました。3月に入ってLME銅地金の価格が急落したのです。背景に、銅キャリー・トレードの存在が指摘されています。

 

①   中国の銅輸入業者が、中国の銀行に地金輸入のためドル建てのLC(信用状)を発行してもらい、調達した銅を売却して理財商品を購入し運用。

 
② LCの支払期限がくる直前に運用を解約し、金利の安いドルと高金利の人民元の金利差を稼ぐ。


③結果、中国に銅の在庫が積み上がる。当局の信用引き締めにより金融不安が高まれば、シャドウバンキングそのものが成り立たなくなるとともに、在庫の換金売りにもつながる可能性が。

 

こうした投機的な取引は銅だけではないといいます。

鉄鉱石、ゴム、大豆、金でも同様の取引が行われている都市的されています。

 

中国の鉄鉱石の港湾在庫は4月中旬現在、過去最高に近い1億800万トン強あります。このうち、資金調達の裏付けとして利用されている量は、推計3000万トン(約35億ドル)とされており、これらは常に換金売りのリスクに迫られているとも考えられます。

 

こうした中、中国当局はこのほど、商船三井の鉄鉱石輸送船を差し押さえたことがニュースとなりました。寝耳に水の事態ですが何故このタイミングなのでしょうか。

 

柴田さんは、中国の鉄鋼産業の高度化戦略と関係がありそうだと指摘。同国の鉄鉱石生産は13億トンを超えているのですが、鉄含有率が25~30%程度と低い貧鉱のため環境問題を深刻化させている。このため、政府は国内鉄鉱企業を2025年までに6~8社(1社当り3000万トン級)に集約し、不足分を輸入するとの計画があるのだそうです。鉄鉱石輸入も現在の7億5,000万トンから9億トンに迫るため、鉄鉱石輸送船が必要なるという事情が関係しているのでは?!

 

大豆も不可解な値動きとなっています。中国の相次ぐ輸入契約のキャンセルが問題となっているのです。

(13年の大豆輸入6344万トンの約1割(650万トン)。

この背景には、大豆カスの供給過剰から搾油工場の稼働率が低下しており、マージン悪化があると思われます。

 しかしながら、シカゴ大豆は在庫ひっ迫懸念、天候相場への期待と思惑などから15ドル台に上昇しています。
こうした不可解な中国の動きが景気となり、急落する可能性もあると柴田さん。

 

中国の過剰投資、それに伴うコモディティを担保にした投機的取引、そして金融引締めと理財商品のデフォルト問題。ここからの商品市場は中国を抜きにしては語れません。詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞き下さいね。

サイクル論からボトムを確認した金相場 [大橋ひろこコラム]
2014.04/30 大橋ひろこ 記事URL
日銀の金融政策決定会合もトリガーにならず。GWの谷間ということもありますが、日本株もドル/円も、すっかり膠着してしまっています。昨年大きく下落した金相場は今年に入って急反騰となったのですが、こちらも4月に入ってからは膠着状態。大手金融機関も軒並み金の見通しを引き下げていますが、金は再び下落してしまうのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。今日は投資日報社の林知久さんに金相場の今後について、サイクル論、アストロロジー、そしてテクニカルの側面から展望いただきました。

林さん、金相場は今年後半にかけて上昇するとズバリ。すでにボトムを打っていると指摘。NY金は2016年までに1,000㌦上がるポテンシャルがあるというのですが、どういうことでしょうか。

林さんによると、NY金の相場には「25年サイクル」が存在しています。
前回のサイクルが76年8月~99年8月(2001年2月)までの24年6カ月、
現在はそのボトム99年8月(2001年2月)を起点としたサイクルが継続しているのですが、
あと4カ月で15年になります。25年ということは、次のボトム(底)入れは
2024年頃になる計算。林さんはどんなに早くても2020年まで
ボトムはつけないとご覧になっています。

サイクルは細分化されます。
25年サイクルには8~8.5年サイクルが内包されていますが、林さんは、
現行のサブサイクルは2位相の4・25年であるとし、このサブサイクルは
昨年2013年の6月28日の1179ドルでボトム(大底)を付けたとのこと。
25年サイクル、そしてその25年に内包される細分化された小さなサイクルでも
ボトムが確認できるということは、金相場はここから上昇スタートとなり、
どこかで天井を打ち、2024年のボトムに向けて下落するというシナリオとなります。

では、今回のサイクルの天井とはどのあたりになるのでしょうか。
林さんはN波動から算出された2418ドルがターゲットで、
2017年頃までにここを目指すと分析。
2011年の高値1920ドルを更新する大相場がやってくるということですね。

それにしてもこの膠着相場。一体いつ動き出すのでしょう。

短期的なトレーディングシナリオについても伺いました。

林さんの在籍する投資日報社は、サイクル論、アストロロジーからの相場分析で著名な
レイモンド・メリマン氏のレポートを発行されていますが、4月のNY金の重要変化日が
見事に金相場の転換ポイントと合致。
(チャートの★印が重要変化日)

特に4月21日±3営業日とされる変化日には、
長い下ひげを付けて30ドルもの急騰を見せたところが、ポイントだった?!

メリマン氏の相場分析メソッドの三本柱は
1.サイクル2.アストロロジー3.テクニカル。
現在、この3つが買いサインシグナルが点灯しているそうです。

林さんは、アストロロジーの観点から、5月のアストロロジーから見た
NY金の目先の注目すべき時間帯は5月20日の火星逆行の終了時だと指摘。
火星の逆行が順行に戻るタイミングでは、
金相場が転換する性格があるのだそうです。
今回の5月20日の転換は短期的に天井なのかボトムとなるのか、、、?!
詳しくはオンデマンド放送で確認してくださいね。

また、放送ではお話しいただく時間がなかったのですが、
7月26日~9月13日...火星の蠍座入居にも注視しているとのこと。
またご出演の機会があれば詳細伺いたいと思っています。

ただし、NYダウ週足チャートがオシレーターダイバージェンスを示現しており、
これから5月に入るということで要警戒。
オシレーターダイバージェンスは急落サインです。
Sell in MAYという格言もありますので、
米株下落のリスクが高まっていることには注意が必要とのことで、
もし、米株が大きく崩れることとなれば金市場も同調して崩れることになると林さん。


ただし、そのような全てのマーケットが崩れるような総悲観の後、
最初に出直るのが金相場。米株に連れ安となった局面は
長期サイクルでの上昇に向けては、いい押し目ということになります。
現在金相場のチャートは米株と逆のダイバージェンス。
オシレーター指標が上昇しているのに価格が下落傾向にある、
今後の上昇を示唆するサインが点灯しています。

林さんは昨年6月の安値である1,180ドルを割れない限り、
7月までの全ての突っ込み場面は買いであると、ズバリ解説くださいました。
詳しくはオンデマンド放送で林さんの解説をお聞きくださいね。   

需給緩和状況の原油のワーストシナリオ [大橋ひろこコラム]
2014.04/25 大橋ひろこ 記事URL
昨年8月には112ドルにまで上昇したWTI原油価格。米政府は「アサド政権が化学兵器を使用したことにほぼ疑いの余地はない」との見解を示し、オバマ大統領からの命令があればシリアを攻撃する準備ができているとの報道があった「シリア情勢緊迫化」が2013年の原油相場の高値となりました。

実際には米国による軍事介入が避けられたことから原油価格は下落に転じ、11月に向けては91ドル台にまで下落しました。


そして、2014年、直近の値動き。

3月初旬に向けてはウクライナ問題、米国経済の上向き基調で上昇となりましたが、3月中旬には原油在庫増で低下に転じています。

その後、クッシングでの在庫減で反発し100ドル台を回復。
3月の月間平均は、100・51ドル台で2月より17セント低い水準です。
ブレントも同様の値動きですが、111ドルを超えたのは3月3日のみでした。

そして4月。リビア、ウクライナ問題再燃で4月3日以後は、
100ドルを超える推移となり、21日には今年の最高値104・37ドルまで上昇。
米国では、ここからがガソリン需要増の期待が高まるシーズンです。

米国指標が好調であることや中国経済の動向にも過剰な懸念が払拭され
WTI原油価格を支えたと見られます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト藤沢治さんにお話しを伺いました。

直近のNYMEXのネットロングは、40万枚近くに増加しており短期筋が
原油を買い越していることから高い水準で推移しています。
藤沢さんの月間平均は予想値で102~103ドル。
前月より約2ドルほど高く推移するだろうとのこと。

地政学要因や金融要因で原油価格は大きく動くとされていますが、
それでもここ数年は85~100ドル台での安定推移。ダイナミックな
動きにはなっていません。足元の価格は100ドル台到達で
レンジ上限近辺ですが、ここからはどのように動くのでしょうか。

まず、変動要因のひとつ、地政学要因。ウクライナ問題については
これ以上のロシアの積極的軍事介入は無いだろうということで
あまり原油市場はリスクとして捉えていないようです。
一方でイランは徐々に原油輸出を増加させており、
これも原油の下落要因です。

しかし、イランの核濃縮疑惑は7月迄は欧米側も合意しないとみられ、
先延ばし。シリア問題は6月の選挙が焦点とのことですが、
アサド政権継続とみられ解決は長引くと思われます。
しかし、現状の原油価格を押し上げるほどの新味はありません。

では需給要因はどうでしょうか。

非OECD諸国の原油生産増から世界需給は緩和傾向。
米国のシェールオイル革命による需給の緩和に加え、
リビアやイラクの生産増もあって、供給懸念はほとんど生じていません。

リビアやイラクの増産となれば、OPEC内での
原油減産の議論が出てくると見られます。減産分を補充してきた
他のOPEC諸国が減産しなければ、供給過多による値崩れが起きてしまいます。

ポイントはサウジアラビアの出方で、サウジが生産量を
900万バレル/日以下に落とせるか?どうか、だと藤沢さん。

経済金融要因からみるとシャドーバンキング問題などが騒がれた
中国は、景気減速も、ハードランディングは避けられるだろうという
見方が広がりつつあるようです。しかし、習政権による引き締め政策で
個人消費の落ち込みが気になるところ。

米国経済は上向き基調で、米株も再度上昇基調に回帰。
景気回復による需要増の思惑はあるものの、
投機資金はコモディティ市場から撤退の方向。
今週は英バークレーズ銀行のコモディティ部門撤退の報道がありましたが、
リーマンショック以前に加熱した原油価格上昇による規制強化が
影響しているとみられます。。。。

IEAの需給予測表からは四半期別には、2Q, 3Q, 4QともOPECが
現在の30mmb/の原油生産と650kb/dのNGL生産を続けてもバランスするの
ですが、1Qでは在庫積み増しが1.1mmb/dあるので、
これが重しとなって価格の上値は限定されると藤沢さん。

2014年年間では、需要増が前年対比1.3mmb/d,
非OPECの生産増が1.5mmb/d(北米だけでも1.3mmb/dの増加)なので、
需給は緩和傾向とのことで、今後の価格は徐々に下降すると
藤沢さんは解説くださいました。

具体的な価格予想はオンデマンド放送で聞いてくださいね。

◆ただし、最悪のシナリオ(Crisis & Worst Scenario)として
ロシアがウクライナ問題で、ウクライナ東部に軍事介入した場合は別。

欧米が反発して、ロシアへの経済制裁として、
ロシアからのガス、原油、石油製品の購入を停止するか、
量的に削減するか津手段を取った場合には、原油、ガス市場で大混乱となるそうです。

ロシアからの石油輸出は、2013年では、
原油 4.3mmb/d (そのうち3.05mmb/dは、OECD欧州へ輸出)
製品 2.8mmb/d (そのうち1.02mmb/dは、OECD欧州へ輸出)
合計で、7.1mmb/dで世界の石油需要の約8%を占めています。

欧州の石油需要の32%は、ロシアからの輸入で賄われていることから、
ガス市場は大混乱に陥ると見られます。
米国は、欧州へガスを供給するとしていますが、まだ先のこと。
実質、欧米、特に欧州にとっては、制裁でロシアからの石油、
ガス輸入を全面禁止はできないと見られます。
ロシアに対する厳しいこのような制裁は、実際には実行不可能ですが、、。

このシナリオの帰結は、誰も予想していないとしながらも、
ロシア、中国、イラン、シリア、イラク、南米諸国のグループと
米国+欧州諸国のグループに分かれて紛争がこじれれば、
不測の事態に陥る可能性があると藤沢さんは解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

南ア労組鉱山ストに進展?!プラチナ下落 [大橋ひろこコラム]
2014.04/23 大橋ひろこ 記事URL
1月から始まった南アフリカの鉱山の労働ストライキで、プラチナん供給懸念からプラチナが買われる局面がありましたが、足元では4月14日の1471.5ドルから今週火曜の1400.7ドルまで70.8ドル、▲4.8%下落となっています。鉱山ストに動きがあったのでしょうか?!

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日はコモディティー インテリジェンス 代表取締役社長の近藤雅世さんにプラチナ、金、原油価格の今後を見る上でのポイントを伺いました。

プラチナの72%を生産している南アの三大プラチナ鉱山会社では1月23日から労働組合のストライキが続いていますが、
17日新たな提案が行われ、22日と23日両日に亘って
労使協議が行われています。今夜が2日目、23日ですね。

新たな提案とは2017年までの3年間に亘って労働組合が要求している
地底鉱山労働者の最低賃金を12,500ランド(年額15万ランド:約146万円)に
引き上げるというもの。毎年段階的に現金給与を引き上げ、
7.5~10%の賃上げとなります。
その他の手当ても含めれば会社側の負担は労働者一人当たり
年間約200万円になると鉱山会社側は述べているのですが、
さて、組合側はこの提案を受け入れるのでしょうか?

近藤さんは、二つの見方をご紹介してくださいました。

一つは、労働組合側も相当疲弊しているので、妥協案を修正して
受け入れるだろうという見方。1月下旬からのストで鉱山労働者は
現在までの期間、賃金収入がありません。さすがに懐も厳しいでしょう。

もう一つは5月7日に予定される南アの大統領選挙までは
解決しないという見方ですが、労働組合の幹部はいかなる
政治的背景も無いと述べており、それほど長期化しないとの見方が
優位なようです。これでプラチナ価格が供給懸念の軟化から
下落したということなのでしょうか。ではここからは?!

近藤さんは、ニューヨーク市場では、パラジウム価格が
過去9カ月で最大の下落となり、プラチナは過去12週間で
最大の下落となっているとしながらも、
日本の市場(TOCOM)は、これまでこの日のために
ショートポジションを持っていた投機家が買い戻すために
それほど下がらないという見方もあるようで、
だからといって、素直に下がるかどうかは難しいようです。
市場は単純にニュースを受けて動くわけではありません。
ポジションの偏りに注意が必要ですね。

また、近藤さんはウクライナ問題について
国際紛争にはなりえないと解説くださいました。

ウクライナの問題は、ある日突然起こったことではなく、
かなり以前からプーチン大統領とオバマ大統領及び、メルケル首相との
間で長く話し合われた末の行動であり、すべて両者の合意の下で
動いているものと近藤さんは指摘。

オバマ大統領も、メルケル首相も、クリミア半島のロシア併合に際しては、
世論向けに経済封鎖を行ったにすぎず、だからこそ、数人のロシア人の
ビザ発給停止など緩やかなものだったというのです。

※クリミア半島は、フルシチョフが1969年に当時のソ連邦の一員であった
ウクライナに施政権を委譲したもので、当時はソ連が崩壊することは
前提になく、この点についてプーチン大統領はフルシチョフの決断は
ソ連の内政問題だったと述べています。

近藤さんは問題は、ウクライナ東部は工業地帯で、
ウクライナは世界第6位の鉄鋼石産出国であり、
世界第8位の鉄鋼製品輸出国でもあります。


更に、ウクライナ東部には米国のシェールガス田と同等の規模を誇る
天然ガス埋蔵量があるのだそうで、プーチン大統領が狙っているのは、
おそらくその天然ガス権益で、逆に米国やドイツもこれだけは死守
すべきウクライナの権益として西側に取り込みたいとの思惑があるとか。
ただ、それを巡って東西の冷戦が復活するほどのものではないと
近藤さんは、商社時代から長く追い続けて来たこの3者間の関係について
あまり懸念していないようです。

ということで、今後有事の金買いなど、金の押し上げ要因に発展
する可能性は極めて低く、これは原油市場に於いても同様だと
解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で、近藤さんの解説をお聞きくださいね。

エルニーニョ懸念で大豆価格上昇?! [大橋ひろこコラム]
2014.04/18 大橋ひろこ 記事URL
米国産の大豆、トウモロコシがいよいよ作付の時期に入ります。3月末に出てくる大豆、トウモロコシの作付の予想から実際の作付の進捗状況、そして夏場には生育状況などが価格の変動要因として重要となってきます。これが天候相場と呼ばれ、穀物相場にとっては非常に大きな値動きとなるシーズンです。

最初の注目は例年3月末にUSDAアメリカ農務省から、発表される
「作付意向面積」米国農家に、今年は何を作付(生産)するのかを
アンケートするものですが、今年2014年度産は
「大豆の作付が増え、トウモロコシの作付が減少」する結果となりました。


農家はより利益が見込める穀物への生産意欲が高いため、
アンケートされる時点までのトウモロコシや大豆、小麦などの価格が
重要となってきますが、今年は大豆を生産したほうがより利益になると考える農家が
増えているということでしょう。

しかし、こうした結果が出れば今年は大豆の生産が増え、
トウモロコシの生産が減少するという思惑に繋がることから、大豆価格は下落し、
トウモロコシ価格は上昇するのが相場のセオリー。
思惑通りにはいかないものです。
ところが、現状の値動きを見てみますと、大豆価格が堅調の上昇、
トウモロコシは頭打ちでジリ下げの様相となっています。

一体どういうことなのでしょうか。

皆様、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザリー、津賀田真紀子さんに
大豆価格の現状と今後の見通しについてお話しを伺いました。

シカゴ大豆相場は年初から上昇傾向、現在は昨年7月以来の高値圏となっています。
最大生産国である米国主要産地集中している中西部で低温が続いている影響により
作付けの遅れが懸念されている上、今夏は5年ぶりにエルニーニョ現象の発生が
予想されていることが背景にあると津賀田さん。

エルニーニョ現象が発生した場合、米中西部では雨が少なくなる傾向があるから、
今後予想単収が下方修正されるのではないかという見方が広がっているようです。

ただし、主要生産地であるアイオワ州とイリノイ州の作付けが本格化するのは通常、
5月中旬から6月上旬にかけてであり、まだ先の話。
作付けが遅れた場合、近年は6月中旬から下旬にかけて追い上げを見せる傾向も強く
現時点ではそれほど問題視する必要はないと思われると解説くださいました。
現在は先を織り込んで上昇している大豆価格ですが、現実にはまだ懸念が
実現していないために、価格が落ち着くだろうということで、これは弱気材料ですね。

では中国の経済成長率低下で輸出需要には影響はあるのでしょうか?

中国の1-3月期のGDPが前年同月比で+7.4%と1年半ぶりの低い伸びでしたが、
中長期的な視点で考えると、中国の景気減速が今後のシカゴ大豆相場にとって
大きな圧力となる可能性が高いようです。

中国では大豆は搾油した後、主に家畜の飼料として使用されますが、
このところ国内のクラッシュマージンがマイナスになっていることから、
積極的に搾油しようというマインドが働き難い状況となっていることに加え、
肝心の豚肉スポット価格(主要都市の平均)も2011年6月をピークに下落傾向です。

加えて近年は豚肉そのものの輸入量が香港経由で増加しており、
このまま国内の豚肉価格の下落が続いた場合、畜産農家の増産意欲が低下し、
飼料需要がさらに落ち込むという展開が考えられ、
大幅な需要の伸びを期待するのは難しいのではないかと津賀田さん。
これも、弱気材料ですね。

では価格を支える強気材料はあるでしょうか。

津賀田さんはウクライナの情勢悪化に伴う影響について解説くださいました。

ウクライナでは大豆を生産していない為、大豆の輸出市場に直接影響はないのですが、
トウモロコシや小麦など、配合飼料の原料となる他の穀物が輸出されなくなった場合は、
代替として大豆ミールに対する需要が増加する為、間接的に影響が出る恐れがあります。

今のところ、ウクライナ・ロシアともにトウモロコシや小麦の輸出量が減少すると
いう動きは見られておらず、むしろドル高となっていることから積極的に
輸出を行っている状態ですが、
今後ロシアからのエネルギー供給が停止された場合、
ウクライナの燃料コストの上昇に伴ってトウモロコシの生産コストが増加する可能性が
あり、この点が懸念材料。

2010年時点では、穀物生産における燃料コストの割合は15%程度でしたが、
これが上昇してしまうと、輸入単価で見た場合のウクライナ産トウモロコシに対する
魅力が低下することになり、結果的に代替として米国産トウモロコシに対する需要が増加、
この影響で大豆ミールも需要も増加するという流れになることが考えられ、
ロシアのエネルギー供給問題には引き続き注目しておく必要があるとそうです。

これらの材料を踏まえて今後の展開をお伺いしたところ、津賀田さんは
世界全体で見た場合、決して需給が逼迫しているわけではないことを強調。
今後作付け作業が本格化する2014-15年度の米国産大豆は、
作付面積の増加や単収改善の影響により過去最高の豊作を達成することが
予想されている現状から、上値を追う展開にはならないと展望。
今夏発生が予想されているエルニーニョ現象の影響によって
作柄がどの程度ダメージを受けるのかにもよるとしながらも、
中長期的には新穀を中心に値を崩す可能性が高いと解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田真紀子さんの解説をお聞きくださいね。

中国企業が金キャリートレード利用の可能性指摘 [大橋ひろこコラム]
2014.04/16 大橋ひろこ 記事URL
4月15日火曜、NY市場の金価格は、大幅反落となりました。昨日 1日の下げ率は(量的緩和策の縮小着手を決めた)FOMCの決定を受けて売られた昨年12月19日の3.4%以来の大きさで1284.4ドルまで安値がありました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト森成俊さんに
金相場について伺いました。

森さんによると1,300ドル台ではアジアの実需買いは消極的だそうです。
200日移動平均線が1,299ドル台に通っており、1,300ドル割れとなると
実需が動き始め需要が喚起されるそうですが、チャートは悪化してしまいます。


昨年末1200ドル割れとなったところから、今年に入ってショートカバーから大きく上昇
1400ドル目前まで上昇したのですが、そこからおよそ半値下落した1300ドル近辺で
現在どちらへ向かうのか、難しいポイントに差し掛かっています。

昨日15日、金の国際調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が、
中国の個人消費による金需要が、所得の増加などを背景に金投資や宝飾購入が伸び、
2017年には13年比で2割増の1350トンに達するとした報告書をまとめ予測していることが話題ですが、
同時に、中国企業が資金調達手段として保有する金の量が最大1000トンに上る可能性があるとの
指摘もしたことが懸念されています。


どういうことかと言いますと、、、。


企業投資や投機のために低コストの資金を調達する目的で輸入される金が、
信用状(LC)などを通じて利用されているというのです。

今年1月に、中国による銅キャリートレードが銅価格を下落させたことが話題となりました。
同じようなことをゴム市場でも行っていたのではないか、と言う指摘もあり、
ゴム価格も急落に見舞われています。


要するに、金(銅・ゴムなど)を担保にして資金調達し、
それを理財商品などの高利回り商品に投資する投資が流行っている、ということなのですが、

ご存じのとおり、こうした高利回りの理財商品は償還時に利払いが出来ないなどの
デフォルトリスクが懸念されているのです。

これが今、市場を揺るがしているシャドーバンキング問題。

すでに理財商品のデフォルトは止む無しということで、
中国当局も規模の小さいものは救済しないと表明していますが、
この春には太陽光パネルなどの企業の社債市場でもデフォルトが波及し、問題となっていました。


どうやら金融オペレーションのための金利用は、影の銀行(シャドーバンキング)の
大幅な伸びの一部を説明する需要の1つにまでなっているらしく、
2013年末までにこれが累計で1000トンに達した可能性があるとWGCは指摘しています。


金1000トンというのは世界の年間産出量の約3分の1に当たり、
現在の価格で約430億ドル相当。

商品を利用した資金調達に対する政府の取り締まりを受けて輸入が影響を受ければ、
金価格が下押し圧力に直面する可能性もあるということなのです。

取締りならまだいいのですが、
金キャリー資金で投資された理財商品がデフォルトしたら・・・?


しかし、ウクライナ当局は15日、軍事作戦を開始したと発表しており、
こうした有事リスクは金にとっては押し上げ要因です。

にもかかわらず15日の金価格は急落したのですが、
このところ調整を強いられていた米株がインテルやヤフーなどの決算を受けて、
大きく上昇したことが、株と逆相関関係にある金急落の要因であったと思われますが、
地政学リスクはなくなったわけではありません。

ここからの金価格の展望は?
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

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