欧州の石油化学・精製業界の衰退の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.03/28 大橋ひろこ 記事URL

アメリカのシェール革命が、様々な世界の構造の変化をもたらしています。

2014年3月7日、世界第4位の石油精製・化学会社であるINEOS(イネオス)のジム・ラトクリフ会長がEUの欧州委員会のバローゾ委員長宛てに「このままではヨーロッパの化学産業はその多くが倒産するしかない」とのオープン・レターを送付しました。一体何が起こっているのでしょう?!

 
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘文さんに
世界の石油精製・石化産業の今後について伺いました。

 INEOSとは石油化学,石油精製業を中心に16の事業部門を有し,世界13カ国に跨る生産ネットワークを形成する世界第4位の石油精製・化学会社です。

その大企業の会長がバローゾ委員長に「なんとかしてほしい」と泣きついたのです。「米国のシェールガス革命がすべてを変えてしまった。このままでは欧州の石化も石油産業も消滅してしまう」。

 

その内容を山内さんに伺いました。

 

ヨーロッパの化学産業は100万人を雇用。関連雇用も含めれば500万人。売上高は1兆㌦にも上ります。

ところが、現在、ヨーロッパのガス価格は米国の3倍,電気料金は50%以上割高となっており、シェール革命に湧く米国や産油国である中東の原料価格と比較すると競争力では到底かないません。燃料、原材料高にあえぐヨーロッパの化学企業の多くは10年に以内に閉鎖の事態に直面するというのです。

 

米国では710億㌦を投じた石化プラントの新増設が進んでいるそうです。一方のヨーロッパは閉鎖が相次いでいるのが実情。英国では22が閉鎖され,新設はひとつもありません。

中東でもアブダビ,カタール,サウジアラビアで石化プラントの建設が続き、イランでも新規600万㌧ものエチレンプラントが立ち上がる予定。また、中国でも次々とプラント建設が進んでおり、これまでは世界の余剰な化学製品をすべて受け入れてきたが,これからは自国生産分を消費して,余剰分は輸出するようになっていきます。

 

ところが,ヨーロッパでは環境税導入,原発閉鎖の方向で、シェールガスはありません。輸入化学品が津波のように押し寄せてくるのに,独禁当局は無関心でリストラを邪魔しているというのです。

 

米国とのコスト格差は米国のシェールガス革命が背景。2006年に始まった米国のシェールガス革命で原油価格はWTIが現在100㌦/㌭前後であるのに対して,北海ブレントは108~109㌦である。今はこの格差が縮まっているのですが,20㌦以上の「ブレント高」という局面も珍しくはなくなってきています。

また、米国の天然ガス価格は2013年平均で約4㌦/百万Btuであるのに対して,ヨーロッパのLNGは14~15㌦と3~4倍にも上ります。

この大幅な格差はまず燃料コストの格差となって跳ね返ってきます。これは電気料金の格差にも現れます。そしてもちろん、原料コストが圧倒的に高いということですね。

天然ガス価格はシェールガス大増産によって2~3㌦まで急落しました。付随してエタン価格も70~80㌦/㌧まで急落したことで「死に体」といわれていた米国の石油化学は再生・復活したのです。天然ガスの急落は電気料金の著しい低下をもたらしガス料金も下落。原燃料費が安くなりました。

この結果,何が起こったかというと,製造業が米国回帰を始めたのです。1950年代には米国から消えてしまったといわれた白物家電製造業まで米国に帰って来ているのです。日本の製造業もこれまでの東南アジアシフトから,最近では米国へ移転するという流れに代わってきています。こうした流れが、ヨーロッパでは半減する利益も米国では3倍となるのです。


税制の見直しや政府支援などの対処がなされても、米国との原油価格格差・天然ガス価格格差・原料価格格差が解消されなければ、根本的に欧州の石化・石油精製産業の衰退は避けられないのが実情です。こうした問題は対岸の火事ではありません。日本の精製・石化に明日はあるのでしょうか?!

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

 


25周年サイクルにあたる2014年 [大橋ひろこコラム]
2014.03/26 大橋ひろこ 記事URL

3月最終週、期末を迎えるというのに日本株市場に元気がありません。ドル/円相場もFOMC直後に101円台半ばから102円台半ばに急伸して以降、すっかり膠着してしまいました。年明けはアベノミクス相場が続き、日本株高、ドル/円相場も円安予想が大勢でしたが、この1~3月は中国の理財商品の問題、ウクライナ問題、新興国経済への不安と様々なリスクがマーケットを覆い、当初からのシナリオとは随分異なってきています。金に対すしても弱気の見通しが大勢であったのですが、あちこちから顕在化するリスクで金価格は確りと推移、こちらも思わぬ相場が展開されています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットアナリスト菊川弘之さんにお話しを伺いました。

菊川さんは、2013年ほど簡単な相場ではない、とマーケットで意識される25年サイクルをお話しくださいました。


1914年:第1次世界大戦 

1939年:第2次世界大戦

1964年:ベトナム戦争激化・中国発核実験

1989年:昭和天皇崩御
    天安門事件 
    ベルリンの壁取り壊し
    東西冷戦終結
    バブル日経平均最高値

と、世界を大きく揺るがす事象、事件が25年周期で訪れています。
そして、今年2014年は1989年からちょうど25年目に当たります。
G8からロシアを排除するなど世界の構造的変化が訪れるような気配も?!

また、市場に「超高層ビルの呪い」とささやかれていますが、
バベルの塔の完成は経済恐慌を呼ぶとして、今年完成する「上海センター」が
その象徴となるのではないか、というような懸念もあるそうです。

1929年世界恐慌の年に完成したのが
クライスラービルとエンパイア・ステートビル

1973年オイルショックの年に完成したのが
ワールド・トレードセンターとシアーズタワー

1997年アジア通貨危機の年に完成したのが
ペトロナスツインタワーと台北101

2010年ドバイショックの年に完成したのが
ブルジュ・ハリーファ

見事なまでに、世界のどこかで超高層ビルが完成した年には
経済のクラッシュが同時に引き起こされています。

今年は上海センターが完成する年。中国の経済にも暗雲が立ち込めてきたような
気も致しますが、なるほど2014年は。昨年と比較すると難しい年になりそう。

菊川さんには、金相場の行方について伺っています。
富裕層が中国から資金を引き揚げているというような話も聞こえてきますが、
2013年、金の最大の買い手であった中国は今年も金を買うのでしょうか?

中国は金の購入量を公表していないのですが、一つの指標として
香港が中国へ輸出した金の数量というのがあります。

これによると中国は今年の2月も2月としては史上最高の金を輸入していたことが
解っています。金の購入が衰える気配は全くありません。

菊川さんによると、理財商品、人民元にリスクが高まれば高まるほど
中国の富裕層は資金を金に替えるという行動に出ることがわかっており、
むしろ今年はさらに購入量が増えるのではないか?!と思われます。

ここからの見通しについてはオンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

上昇トレンドに乗った金相場、ここからのポイント [大橋ひろこコラム]
2014.03/19 大橋ひろこ 記事URL

金は年初から1,200ドル台で底堅く推移した後、2月13日に米景気減速(米週間新規失業保険申請件数の増加、1月の小売売上高の減少)による量的緩和縮小ペースの後退観測で節目の1,300ドルを突破すると、弱気ムードが後退し、上昇基調に拍車がかかりました。今月12日にはウクライナ情勢の緊張化から逃避買いが活発化し、1,350ドル超え。17日には1,390ドル台まで買われ、1,400ドルを目指す流れになっていましたが、今週に入って、ウクライナの住民投票を受けて欧米とロシアの制裁が激化するとした警戒ムードが広がっていましたが、緊張の高まりがなかったことからリスク回避で買われていた分の金買いのプレミアムが剥げ落ちたと見られます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト森成俊さんにお話しを伺いました。

金価格は1,400ドルの節目を越えると、昨年8月28日の高値1,433ドルが
ターゲットとなります。週足は先週まで6週間連続で陽線引けとなっています。
200日移動平均線を2月14日に超え、中長期上昇基調に転換、
今月19日現在、200日移動平均線は1,297ドル水準を通っています。

金価格はこのまま上昇継続となるのでしょうか。

まずは足元の大きな材料として19日日本時間午前3時15分に
発表されるFOMCに注目。森さんは量的緩和縮小が継続される可能性が
高く、大きな波乱はないとしながらも、縮小の規模変更があれば大きな動きと
なると指摘。このところはドル売りが根強く、ユーロ・ドル相場は上昇しています。
ユーロ高、ドル安ならファンドの金買いが喚起されますが、
FOMCを受けてのドルの行方がまずは最大の注目です。

東京金先限は昨年12月20日に4,002円まで下落しましたが、
4,000円割れは回避され、大納会は4,094円で終了。


年明け後は上昇基調となり、1月21日に4,221円の高値をつけた後、
押し目を形成し、2月5日に4,074円まで下落。
この時は消費増税前ということもあり、現物市場では金が品薄状態。
プレミアムがついていました。

2月半ばからドル建て相場の急騰を映し、25日に4,400円台乗せ、
今月3日に4,338円まで押し目を形成したした後、
ウクライナ情勢の緊張を背景にしたドル建て相場の上昇で
13日には4,545円まで上昇しました。


昨年6月の高値4,585円、4,600円の節目が当面の高値目標と森さん。
TOCOM金市場では200日移動平均線は4,213円に通っており、中長期的に
強気転換したと思われますが、取組高は8万枚前後で横ばいとなっている
ことが気がかり。新規買いが入っての上昇というより、ショートカバーによる
上昇の色合いが強いようです。

金ETF市場からの資金の流出に歯止めかかったようです。
2月から微増傾向となり、今月18日現在、1,154.76トン。
また、ニューヨーク金市場で昨年11月終盤に2万枚台で低迷していた
大口投機家の買い越しが昨年末から増加に転じ、今月11日現在、
118,890枚まで増加。短期資金の流入傾向が続いています。

また、森さんにはプラチナ動向についても伺いました。

プラチナは円建て、ドル建てとも昨年末から急騰。
好調な米中自動車市場に加え、欧州自動車市場の回復も支援材料です。
南ア鉱山会社大手3社アングロアメリカン・プラチナム、インパラ、ロンミンの
労働者ストで供給減少観測が台頭し、1月20日には現物価格ベースで
約3カ月ぶりの高値となる1,470.30ドルまで上昇したものの
量的緩和の縮小の継続から急落となり、2月4日には1,350ドル台に下落。

その後、金の急騰、南ア鉱山会社ストの長期化懸念、供給不安、
中国の自動車市場の拡大から再上昇となり、
今月5日にはドル建て現物相場が1,480ドル台に乗せ、
昨年9月以来の高値を更新。

ニューヨークプラチナ市場での大口投機家の買い越しは2月11日現在、
32,398枚まで減少したが、今月11日現在、44,720枚まで増加しています。

ただ、金に比べると上昇が鈍く、出遅れ感が強い印象です。

さて、ここからのプラチナ価格を見る上でのポイントは?
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

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ウクライナ情勢緊迫化で金、穀物上昇の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.03/14 大橋ひろこ 記事URL
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、コモディティ市場では金や原油、穀物価格が上昇しています。ウクライナとはどんな国なのでしょうか。また、何故ウクライナ情勢の緊迫化が様々な商品価格に影響しているのでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話しを伺いました。

2013年11月、ヤヌコービッチ政権がEUとのパートナー協定の調印を拒否したことで、EUを志向する市民による暴力的革命に発展。

ロシアにとって、旧ソ連第2の大国であるウクライナは、安全保障上の「革新的利益」だと柴田さん。

ウクライナが将来EUおよびNATO(大西洋条約機構)に加盟することにでもなれば、ロシアはNATOとの緩衝地帯を失うことになります。このため、南部クリミア半島にはロシア黒海艦隊が常駐し睨みを効かせていました。ここはシリアへの新兵器輸送の拠点でもあるのだそうです。

そのウクライナの反政府運動がロシアのソチオリンピック開催中に激化。オリンピックが明けた3月2日、ロシア・プーチン大統領は、ウクライナ側の武装解除を求めクリミア半島への軍事介入を拡大したことで緊張が一気に高まりました。株式市場はリスクを回避する下落に見舞われましたが、金価格は上昇、昨年10月以来、4カ月半ぶりの高値1350ドルへと上昇しました。

反政府運動を受けて、ロシアが経済面での圧力をかけました。鉄鉱石の輸出などで外貨を得ていたウクライナの1月の粗鋼生産は249万トンで同▲13.5%の大幅な落ち込みとなっています。(2013年は3282万トン)。ウクライナ危機は、政府・民間を合わせて約660億ドルといわれる短期対外債務のデフォルト危機をももたらしています。こうしたリスクも嫌気して金価格が上昇しているものと思われます。


また、長引く寒波で高騰してた原油価格も上昇していました。ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは、ウクライナ向けのガス輸出価格の引き上げを発表。

基幹パイプラインを通じた欧州向けガス価格への影響も懸念材料です。天然ガス市場も寒波の影響で高騰していましたが、エネルギー市場はウクライナ問題にも敏感に反応しました。しかし先週米国がSPR戦略備蓄の放出を発表したことからエネルギー価格は急落に見舞われています。


影響が大きかったのが、穀物市場です。
ウクライナは中央部に肥沃な黒土地帯を持ち、近年は小麦やトウモロコシの新興輸出国として注目されています。小麦やトウモロコシ価格が急騰しているのもウクライナの緊迫化を受けての輸出の停滞を懸念したもの。

米農務省は、2013/14年度のウクライナの小麦およびトウモロコシ輸出量をそれぞれ1000万トン、1800万トンと予測しています。


しかしながら世界最大の小麦輸入国(1000万トン)であるエジプトの輸入はこれまでのところ問題はないようです。思惑で動いた相場の揺り戻しもあるかもしれません。

柴田さんは当面のコモディティ市場は、ウクライナ情勢に左右されるとし、直近では16日にウクライナ南部クリミア自治共和国で、ロシア編入の是非を問う住民投票が行われるかどうかに注目だと指摘。すでにロシアはクリミア半島を実効支配していますが、ケリー米国務長官は、投票が行われれば、米・EUが17日にロシアに対して「重大な措置をとる」と制裁発動を警告しています。これに対して、ロシア政府も報復措置を示唆していることから、マーケットの混乱が予想されます。

ただし、対話路線の道も残されておりケリー国務長官とロシア・ラブロフ外相が電話会談⇒対話を続けていることから、緊張が一気に緩む可能性も。こちらの道を辿ってほしいと願いますが。。。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。
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銅価格急落の背景に中国の投機的取引?! [大橋ひろこコラム]
2014.03/12 大橋ひろこ 記事URL

昨晩のNY株式相場では米株が大きく下落、そして今日は日経平均も393円安と大幅反落となりました。日経平均の下落の背景には今週金曜に控えるメジャーSQに絡む裁定解消の売りという指摘もありますが、市場関係者の話題となっていたのが、銅価格の急落です。中国では先週7日に太陽光パネル大手の上海超日太陽能科技が利払いに失敗し、社債市場で初のデフォルトとなり、懸念が高まっていますが、何か関連があるのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんに
銅価格の急落の背景と、金上昇について伺いました。

銅の国際価格は昨日11日には1トン6469.7ドルと
2010年7月以来3年8カ月ぶりの安値をつけました。

銅価格の下落により銅鉱山の権益を持つ商社や銅製錬会社の収益が悪化するとの見方から株式市場でも資源関連株に売りが広がったことが今日の日経平均の下落に拍車をかけたとの指摘もあります。

この銅価格の下落にどこで終止符が打たれるのかについては
不透明感が強く、まだ序章にすぎないという見方もあります。

というのも、中国では銅を担保にした資金融資や、
銅を海外から輸入する際に活用するドル建ての信用状(LC)と
人民元建ての金利差を狙った投機的な取引が横行しているために、
社債や理財商品のデフォルトで、銅価格の下落に拍車がかかるとした
悪循環に陥るのではないか、というのです。

このところ中国はバブル抑制のために引き締め政策を講じています。
鉄鋼など過剰設備を抱えるセクター向けの貸し出しを
当局が規制しているため、資金調達が安易ではなくなったことから
一部の投資家は銅を大量輸入し、これを資金調達に充てているというのです。

スキームは米ドル建てで銀行からLC(信用状)の発行を受けて
資金を調達して銅を輸入。すぐに銅を売却して人民元に替え、
理財商品などで運用するという投機にあてているとか。

金利が高い人民元と低金利の米ドルの利ざやが狙いということで、
銅キャリートレードとも囁かれています。

今週にはいって上海超日太陽能科技とは別の中国企業でも
デフォルト懸念が浮上、今日の上海株式市場などで
投資家心理を悪化させています。

中国の1月の鉄鉱石輸入は前年同月を3割強も上回る8600万トン台。
銅の輸入も53万6000トンと前年同月に比べて5割強増え、過去最高を記録
しています。尋常ではないボリュームの銅や鉄鉱石を購入しているのは、
景気がいいから、ということではなくて、こうした
キャリートレードのためだとすれば、銅や鉄鉱石などのコモディティの
在庫は積みあがる一方です。

そこへ先週の7日の上海超日太陽能科技社債デフォルトで
銅、鉄鉱石とも投げ売りに近い状況になっている模様。

資金調達目的で輸入した商品は中国国内で在庫として膨れ上がっているため
銅や鉄鉱石の関連企業の経営が行き詰まれば国際市場に放出され
さらなる下落となる可能性が指摘されています。

銅相場が下落すれば、資金を借りた企業の担保価値を下げ、
損失を埋めるために銅の投げ売りに走る悪循環。
中国は銅や鉄鉱石だけでなく、ゴムでも同じようなスキームで
キャリートレードしているのではないか?とも囁かれています。

こうしたスキームで投資された理財商品がデフォルトしたら?
まだまだ闇は深そうです。

これでコモディティ通貨とされる豪ドルも売られていますが
それでも金価格は上昇。
金はこうした不透明感から資金の逃避先として選ばれているようです。

一方で、南アフリカの鉱山会社のストライキや電力問題に揺れる
プラチナも中国問題から売られています。

ここから先の展望は?
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

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パラジウム高騰、注目される南ア・ロシア情勢 [大橋ひろこコラム]
2014.03/07 大橋ひろこ 記事URL
2014年に入ってから金価格が上昇していますが、ここにきて騰勢を強めているのがPGM。白金系貴金属です。プラチナ価格は1500ドル目前にまで上昇、そしてパラジウム価格もこれまで長らく上値抵抗線であった760ドルを突破し2013年4月以来の780ドル台にまで上昇してきました。南アフリカ、そしてウクライナ問題がこうした値動きにつながっているということですが...。

みなさんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はスタンダートバンク東京支店長池水雄一さんに
お話を伺いました。

パラジウムは貴金属の中では唯一ゴールドの価格の動きに
影響を受けないメタルです。シルバーやプラチナのチャートと
ゴールドを比較すると少なからずゴールドに連れて動くことが確認できますが、パラジウムはほとんど関係ありません。

つまり、このところの金高に連れてパラジウムが上昇したわけではないということ。
南アフリカの鉱山会社のストライキとウクライナ情勢からの対ロシア経済制裁の可能性が価格を押し上げました。

ロシアは世界最大のパラジウム生産国であり供給者。
ロシアの鉱山会社ノリリスクニッケル社がパラジウムの供給の
42%を占めています。2位は南アフリカで37%程度。
つまり、ロシアと南アで80%近い生産ということになります。

ここ数年市場ではロシアのパラジウム国家在庫はほぼ底を
ついていると言われ続けていますが、事実は定かではありません。
しかし、売却量は確実に減少していることからおそらくは市場の見方は
正しいと思われると池水さん。

こうした状況にある中、ロシアがクリミアに軍事侵攻
したことを受けてアメリカが対ロ経済制裁を発動する、というニュースが
市場を揺るがしています。ロシアからのパラジウム輸出に影響があるのでは
ないか、という懸念がパラジウム価格を押し上げました。

これまではパラジウム価格が750ドルを超えると(高くなると)
ロシアからの売り出てきてが相場の頭を抑えてきました。
生産者は価格が高いときに売れるほうが利益が大きいため、
750ドルを超えてくると売りに出てきていたのですが、
今回ロシアからの売りが出ていないのです。

これで、780ドルにまで価格が高騰してしまった、とみられますが、
もう一つの要因が南アフリカの鉱山ストライキ。

労働組合の賃上げ要求によるストライキは7週間目にはいりました。
南アでは1/23日からストにより実質的に生産がストップしている状況です。
これはパラジウム生産第2位の南アのこうした状況もパラジウム価格を
下支えています。

加えて先週は、南アフリカの電力公社エスコムが過去2週間で3度目の
poweremergencyを発令。電力不足による節電が呼び掛けられ、
計画停電の可能性が高まってきています。

(プラチナ価格が2300ドル(現在1500ドル近辺)の史上最高値を
更新した2008年も年初エスコムの電力不足問題が騒がれていました)

池水さんによるとエスコムは南アフリカの電力供給の95%を占めており、
うち鉱山業に15%を供給、そのうちの47%がゴールド採掘に
使われているそうです。

また、南アフリカではランド建てのパラジウムETF上場が承認されており、
これも注目されているようです。昨年上場したランド建てプラチナETFのNewPlatは
上場後たった4か月で世界一のプラチナETFへと成長しました。
さて、パラジウムETFはどうでしょうか?

また、パラジウムは主にガソリン車の自動車の触媒として使われますが、
中国など新興国の自動車販売の伸びが期待が高まれば
パラジウムの触媒需要に直接的につながるものです。中国のニュースも
変動要因としては大きいですね。

南アのストライキ、そしてウクライナを巡るロシアと西側諸国との緊迫化で
パラジウム価格は800ドル越えの可能性も?と池水さん。
しかしながら、問題が解決するとこのレベルを維持するのは困難で
急速に価格が失速するリスクもあると指摘しています。

今後の展望はオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

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ロシア経済制裁を懸念かパラジウム急上昇 [大橋ひろこコラム]
2014.03/05 大橋ひろこ 記事URL
先週末突如ロシアがクリミア半島に軍事侵攻というニュースがマーケットをヒヤリとさせました。リスク回避の円高、株安、そして、有事のドル買いが金価格を上昇させたのです。しかしながらウクライナとの軍事衝突は避けられたことから(情報は錯そうしていますが)一転して、株式市場には買戻しが入り、金は大幅反落となっています。この地政学リスクは今後のマーケットにどのような影響を及ぼすでしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト東海林勇行さんに
貴金属相場の動向と今度の見通しを伺いました。

そもそも金市場は1月から上昇を開始、寒波の影響なのか米国の経済指標の
悪化を嫌気した株式市場が大幅調整を強いられる中、ショートカバーから
じりじり上昇していましたが、1300ドルどころを走る200日移動平均線を
超えてきてテクニカル面からの心理好転から、上昇が加速、
加えてロシアとウクライナの緊張の高まりが、金価格をさらに押し上げた格好。

東海林さんは、1350ドル超えあたりからETFの買いがピタリと止まっているといい、
COMEXの先物市場での売り玉が買い戻しが一巡したことを考えると、
ここからの上昇には、ETF市場への積極的な資金流入や
もっと積極的な買い材料がないとトレンド継続は厳しいのではと指摘。

ロシアのニュースではパラジウム相場が急騰。
パラジウムは主にロシア、南アフリカ、北米で生産されますが、
中でもロシアと南アで世界供給の約8割を占めています。
米国がロシアに対して経済制裁をすると言う報道があったことで、
ロシアのパラジウム輸出が制限されるとの思惑が広がったようです。

プラチナ相場も底堅く推移、南アの鉱山ストは3週間目に突入。
供給懸念から下がりにくい相場となっています。

ここからのマーケットを見る上では、やはりロシアとウクライナの緊張が
このまま沈静化する方向で落としどころが見つかるのか否かが
金市場、パラジウム市場では最も大きな要因となってきますが、
今週は、ECB理事会や雇用統計といった経済イベントが控えており、
ECB理事会では追加緩和の思惑に対して、どのような決定が下されるのか、
雇用統計では、米国のこのところの景気指標の悪化が寒波によるものなのか、
改善はみられるのか否かで、大きく動くこともあって注目です。

日本は4月から消費税増税となりますが、円建ての金価格の今後は?
今日開幕した全人代では今年の経済成長目標が7.5%と示されましたが、
中国の需要は?ここからの相場の見通しはオンデマンド放送で!


WTI原油高騰の背景、クッシング在庫減少のワケ [大橋ひろこコラム]
2014.02/28 大橋ひろこ 記事URL

WTI原油価格が100ドル台で推移しています。
1月前半はイラン制裁の緩和期待で原油価格は下降しました。イ

ランの核開発問題を受け、米英ロなど6カ国による経済制裁は核兵器、ミサイル、特別な軍事技術などの軍事関連の輸出を禁止し、石油、天然ガス、石油化学製品に投資することも禁止しています。つまり、イランは原油輸出が出来ない状況でした。

この経済制裁の一部解除を受け原油輸出が再開されるとの思惑で、WTI原油は下落したのですが、1月後半に入るとアメリカの寒波の影響で原油が上昇。それでも1月のWTIの平均は、$94.86, Brentの平均は$107.11, いずれも12月より$3程度低下していました。

これが2月に入るとCushingの在庫が減少したことや、
1月下旬からの米国の大寒波で暖房油需要が上がり、
TIは2月10日に$100を超え、19日には、
寒波予想で$103.31迄上昇しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミストの藤沢治さんに原油価格の動向を
伺いました。

この冬のアメリカの寒波の影響はいたるところで確認できます。
アメリカの経済指標では雇用や住宅、消費などの指標が
著しく悪化していますが、寒波による一時的なものとして
楽観する向きが多いようですが、原油価格も大きく動かしました。

一時的に暖房油使用が増加したことも大きいのですが、
これも寒波による影響が収まれば沈静化すると思われます。

また、クッシング在庫の減少が原油価格を押し上げたとも言われていますが、
これもオクラホマのクッシングから南部のメキシコ湾岸への
キーストーン・パイプラインが開通、稼働開始したことが背景。

オクラホマ州のクッシングにはテキサス州やオクラホマ州などで
生産された原油の貯蔵庫があります。各地からパイプラインで
運ばれてきた原油がこのクッシングに集まることや、WTIの
受け渡しがこの場所であることから、このクッシング在庫の
増減が原油価格を動かす材料となっています。


しかし、これが需要増で在庫減となったわけではなく、
集積所としての役割が分散されたということでの在庫減ですから、
これも後には、買いすぎたという反応が出てくるとの指摘も多いようです。

藤沢さんには需要面ではOECDの経済回復で
意外と堅調とみられるものの、あくまで緩やかなものであるとし、
中国需要の不確定性がポイントになると解説くださいました。
中国は2014年1月、史上最高量の原油を輸入しています。

シャドーバンキング問題に揺れる中国ですが、やはり景気がいい
ということではないようで、藤沢さんの調べによると
備蓄のための原油を大量に買い付けたようだとのこと。
備蓄原油の購入は長期的に起こるものではささそうですね。

供給面が、歴史的エネルギー需給の構造変化をもたらしていることも
ポイントで、米国の原油生産がシェールオイルの生産増によって
大幅に増加しており、米国の原油生産増加は2014年は前年比
日量100万バレル増となる見込み。
これで現在のリビア、南スーダンの生産減少を補うことになります。

イラクの生産増、イランの生産増があれば価格が維持されるためには
サウジが減産しなければならないのですが、サウジはサウジで
日量900万バレル以下には下げたくないと見えて、イラクに減産を要求、
OPEC諸国は高止まりする原油価格で外貨を稼ぎたいのが本音です。

ということで、不確実性の高い需要に比べて、供給は増加の一途。
年末に向けて需給は緩和傾向となることから、原油価格は下落するものと
藤沢さんは解説くださいました。

今年の原油価格の予測、ブレント原油との価格差予想など
詳しくはオンデマンド放送で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

 

プラチナ需給逼迫、暴騰前夜?!原油高に警鐘 [大橋ひろこコラム]
2014.02/26 大橋ひろこ 記事URL

NY金価格は昨年末の12月31日の1181.4ドルから火曜日は1340ドル近くまで、13.2%上昇しています。

金価格は何故上昇しているのでしょう。

皆さんご機嫌化がでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコモディティインテリジェンス社長近藤雅世さんにお話しを伺いました。

近藤さんは金が上昇している要因としてまずはテクニカル要因を指摘。
12月31日の価格は、それまでの底値の1179.4ドルを下回ることなく、
W底を形成。

ワールドゴールドカウンシルの第4四半期の金の需要レポートでは、
昨年10月~12月の間にインドは前期比70トン増の218トン、
中国は8トンの228トン増であったことが確認できます。

香港の金ショップでは、3割増で金が売れているそうで、
英国や豪州の金コインメーカMINT社は金貨が売り切れになり
24時間3交代でも生産が間に合わなくなっているとか。
現物の世界では、金は金価格が底を着いたと判断して、
再び買われ始めていると近藤さん。

投機筋動向を伺うと、12月24日までの週から1週間を除いて
8週間連続でネット買い残が増加しているということで、こちらも買いに
転換している模様です。

近藤さんは金相場は価格が底を打って上がり始めると需要が急拡大し、
需要が急拡大した次の四半期に価格が上昇しています。
つまり、今四半期から来四半期(4~6月期)にかけて
価格はさらに上昇するとお話しくださいました。


そして、その金よりも注目だというのがプラチナです。

南アではプラチナ鉱山会社のストライキが1月20日から始まっていますが、
すでに1カ月以上を経過しているのに、解決のめどが立っていません。

鉱山会社三社は労働組合のAMCUに対して損害賠償を請求する
訴訟を起こしています。労組側は、交渉の場に三社のCEOが
出席することを要求する事態に。

労働組合側も既に10%の収入がなくなっており、組合員の生活が
長続きするとは思えない、ということで、ストライキはそう長くは
続けられないだろうととみられますが、ではストライキが終われば
プラチナ価格は下落してしまうのでしょうか?

しかし、これだけ大きなストライキが起こっているのにもかかわらず
プラチナ価格はそれほど上がっていません。
アングロプラチナムとインパラ、ロンミン三社の生産量は
世界の生産量の4分の3を占めますので、その影響は甚大です。
しかし日本の商品先物市場では反応が鈍いことから
プラチナ相場は大きく動くタイミングが近いと近藤さん。


このストライキの影響で現物の需給が急速に引き締まっており、
南アの鉱山会社によれば、在庫は3月中旬になくなる?!

これが事実ならフォースマジュールが発動される可能性もあり、
そうなれば、現物市場で商品の取り合いになり、
先物市場での現物の引き渡しを要求することになるため、
空売りしている向きは、納会日に現物を調達しなければ、
先物を買い戻すことができなくなる事態もあると解説くださいました。

要するに、今やストライキが終わるかどうかではなく、その後の現物が
払底してしまうことが問題になっていますのだだそうです。

※フォースマジュール=契約を履行できないこと。
契約当事者の帰責自由はないため、契約不履行の損害賠償責任を負うことはない。


また原油市場については、近藤さん、この先下落予想です。

ファンドのネット買い残は5週連続で増加で過去最大。

NYMEX原油の受け渡し場所であるクッシング原油在庫が減ったことや、
寒波の襲来や米国景気が回復しつつあるというのが、原油高要因とされていますが
近藤さんはクッシングの原油在庫の減少は、クッシングから
南部湾岸地帯の石油精製設備へのパイプラインが開通したことにより、
在庫が南部に移動するだけのことであり、見かけ上の問題だそう。

寒波でも暖房油の出荷は増えず天然ガスが増えています。
つまり、米国経済も緩やかな回復に留まっていますし、地政学的リスクも
世界の需給を動かすほどではないとして、今後100ドル以下に下落すると
解説くださいました。

上昇を開始した穀物相場、ここからの材料 [大橋ひろこコラム]
2014.02/21 大橋ひろこ 記事URL
商品市場に資金が流入しているようです。1月に入ってから金価格が上昇を開始し、1300ドル大台を回復する強さとなっているほか、WTI原油も寒波の影響で在庫減との解説から100ドル台へ乗せています。現在は南米産の穀物の収穫期にあたることから売り圧力が強まるとされている穀物相場も2月に入ってから上昇開始。CRBインデックス(商品指数)は300を超え、ここ1年での高値を更新中です。

皆さんご機嫌いかがでしょうか。大橋ひろこです。
今回はコンチネンタルライス代表茅野信行さんに
穀物市場の動向と今後の見通しを伺いました。

2月からの穀物の上昇は、ユーロの上昇とピタリと符合しています。
時期的には、南米の収穫期にあたり農家からの売り圧力が強まることから何故上昇しているのか不可解だと茅野さん。


どうやら、穀物が上昇しているということではなく、
ドル安が招いている商品市場への資金流入が背景にあるようです。

ではここからの穀物相場を見る上でのポイントは何でしょうか。

南米産の穀物の収穫が終わると、今度は米国産穀物の作付が注目されます。
毎年3月31日に発表される「作付意向面積」は、アメリカの農家が
今年どの作物を生産するかのリサーチが発表されるとあって、
穀物関係者が注目する材料のひとつです。

昨年2013年はトウモロコシが大豊作でシカゴトウモロコシ価格が急落、
干ばつで高騰した2012年につけた8ドル台から半値にまで下落しました。

価格が安くなったトウモロコシを生産するよりもっと儲かる穀物に
生産を切り換えようとする農家がどのくらいあるか?

現在のところ、安価なトウモロコシよりも大豆や小麦などの穀物の方が
作付面積が増えるのではないかという予想が増えています。

茅野さんは、アイオワのトウモロコシ農家の方
何人かとお会いしてリサーチしたそうですが、
今年もトウモロコシを作付する予定だとか。

実は12月中にすでにトウモロコシの種子を購入済みだそうで、
茅野さんによると、12月中に種子購入すれば、3割引き【早割?】
だとか。種子メーカーも早く売りたいということで、割引するのでしょう
けれど、農家にしてみれば広大な農地全ての種子代は膨大ですから、
少しでも安く抑えたいということなのでしょう。

蓋を開けてみなければ実際に農家がどの程度、生産する穀物をチェンジするかは
わからないのですが、週末には農業観測会議のアウトルックカンファレンスで
おおよその作付意向動向が確認できます。この数字に注目ですね。

投機筋のポジションはショートが解消され途転ロングになっています。
大豆にいたっては17万枚にまでロングが膨らんできました。

短期筋の資金もにわかに商品市場に流入してきましたが、
さて、ここからマクロ要因に加えて、穀物の独自材料がどの程度
相場を動かしていくのか。天候相場を控えて動き出した相場に
今年は大相場の予感?!

詳しくはオンデマンド放送で、茅野さんの解説をお聞き下さいね。

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