イラクは今後も地政学リスクとなり続けるか [大橋ひろこコラム]
2014.06/25 大橋ひろこ 記事URL
20日木曜日、NY市場で金価格が40ドルもの急騰となりました。金市場では久しぶりに見る大陽線。一体何があったのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日はコモディティインテリジェンス代表取締役 近藤雅世さんにコモディティ市場を動かす地政学要因、イラク情勢についてお話しを伺いました。

金急騰の要因のひとつは、6月のFOMC。17日に発表されたCPI消費者物価指数が
前期比0・4%もの上昇となったことや、このところの米雇用が順調なことから一部に金利引き上げ時期について言及があるのでは?というタカ派的な予想があったのですが、蓋を開けてみたら粛々とテーパリング継続、
利上げについては一切コメントがなく、タカ派予想には失望となりました。


タカ派予想をしていた向きが先に金を売り込んでいたと見られ
FOMCを受けて、こうした売り玉の買戻しが大きく入ったようです。

そして、イラク情勢。

近藤さんはこの地政学リスクについては調べれば調べるほど、
それほど大きな問題ではないと解説くださいました。

過激武装組織「イラク・シリアのイスラム国」別名ISI
また、「イラク・レバントのイスラム国ISIL」とも呼ばれていますが、
彼らがシリアからイラクの第2の首都モスルに侵攻。
首都バグダットに進撃中ということで、懸念が広がっています。

油田地帯として知られているキルクールを奪取したクルド人部隊ペシュメルガ。
この混乱に乗じて油田地帯を制圧したということではなく、
どうもISISの侵入を防ごうとしているのだそうです。

このISIS,そもそもアルカイダの一派だったのですが、
あまりの残虐性でアルカイダからも切り離されてしまったとか。
アメリカがイラクから撤退したことで、このISISが暴徒化しているというのが
真相のようで、宗教対立でも、民族対立でもないようだ、と近藤さん。

しかも、このISISの中核は5000人程のイスラム過激派であり、
後は襲った刑務所からリクルートした烏合の衆などであるということで、
まともに国を統治できるような勢力ではないようです。。

近藤さんはオバマ大統領は米軍が出動しなくてもイラク正規軍で
十分鎮圧できると読んで、空爆せずに軍事顧問団300人の派兵に
とどめたのだと思っている、と解説くださいました。

ということは?!
イラク情勢はこれ以上マーケットのインパクトとなるような
問題ではないということで、金や原油価はこれ以上の上昇はないということ?!

近藤さんはシリアのように紛糾した事態になるかもしれないが、
戦争とは呼べない内乱だと思われ、その全体像が広く認知されてくれば
原油価格は落ち着いてくると分析。金も地政学要因を材料に上昇した分は
剥落するとみられます。

また、鉱山ストが長期化しているプラチナについても伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で近藤さんの解説をお聞きくださいね。

軽油価格8週連続上昇、軽油高の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.06/18 大橋ひろこ 記事URL
今日の日経新聞の朝刊、商品面に「軽油、輸送需要好調で高値」という何とも景気のよさそうな記事。スポット市場価格は5年9か月ぶりの水準まで上昇しています。タイトルだけ見ると、日本の景気が上向いてきて軽油価格も上昇してきたようにも感じますが、さて実態はどうなのでしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発 アジア石油製品チーム編集部長の二川良也さんに「軽油価格の動向と今後の見通し」を伺いました。

現在の軽油店頭価格は144円程度、ガソリン価格より15~20円ほど安いでしょうか。

5年9か月ぶり高値、ということはリーマンショック前の水準です。
店頭価格は8週連続での上昇ということですから、景気がいい話に見えますね。

二川さんに伺うと

根本的な問題として昨今の原油高が影響していることや、
アベノミクス相場での大きな円安の影響が大きいと解説くださいました。

確かに地政学リスクから原油価格も高止まりですし、
70~80円台をウロウロしていたドル/円相場が100円を超える水準まで
上昇したことを考えれば高くなってしまっているのは仕方ありません。。。

では、そもそも、需要が旺盛で上がっているわけではないの?!

二川さんは、夏場の需要期に入ることから足元の需要は増加傾向にあると
しながらも、軽油の需要のピークは96年の4600㌔から3割もの減少と
なっていると教えてくださいました。ガソリン需要が年々減少していることは
この番組でも何度も取り上げていますが、軽油も減少傾向なのですね。

軽油というのはディーゼル燃料。
主にトラックやバスに使われています。

環境問題からディーゼルが規制されてから、ディーゼル車はマイカーとしての
需要が激減してしまいました。今は精製技術も向上し、環境負荷の低い
質の高い軽油となっているそうですが、それでも一度落ちてしまった需要が
元に戻るのは容易なことではないようです。

しかし、ディーゼル車の減少、軽油の需要が減少しているならば
もっともっと価格が安くなってもいいのではないでしょうか。
(原油、円安で高いという背景があったとしても)

実はあまり知られていないのですが、日本は軽油をオーストラリアや
シンガポールなど海外に輸出しているんです。

国内需要が落ちた分が海外に輸出されていることで
価格が下支えされているのです。

では、日本は震災後、原発稼働停止となったことで貿易赤字国に
転じてしまっていますが、こうして質の高い軽油が輸出できるのであれば、
どんどん輸出して外貨を稼ぐことも大切なのでは?

とも思うのですが、

実は、中国や韓国など後発国の製油所の能力のほうが圧倒的に高いのだそうです。
日本の製油施設は40年前に作られた製油施設が最も新しいということで、
アジアの競争力では日本は優位ではないのです。
ということで、軽油輸出で外貨を稼ぐというのも現実的ではありません。

国内需要が低迷しているが故に、余剰分が輸出に回されることで
国内需要は低迷しているのに軽油価格が下支えされているというのも、、、
変な話ですよね。
輸出に回さなければ、安価になって需要が増えるかもしれないのでは?!

と二川さんにお伺いしたところ。、

石油製品は「連産品」。
原油からガソリンだけを、軽油だけを精製することはできないのです。。。と。
そういえばそうでした。

つまり、ガソリンを精製する過程で、軽油も一緒に精製されてしまうのです。
需要があろうとなかろうと。精製された軽油を在庫にするわけにいかないのです。
在庫が溜まれば保管にもコストがかかりますね。

ということで、在庫になるくらいなら、売れない分は海外へ。
そのおかげで軽油価格はあまり下がらないというのが現状。
そして、昨今足元では、原油高、円安、定期修理などが材料で
軽油価格は8週連続上昇中。


今後の価格動向を見る上でのポイントについては
イラク情勢などの地政学要因による原油価格動向、
そして、夏の需要期のお天気だそうです。

今年はエルニーニョで冷夏になるとも言われています。

夏は暑いほうが景気にはプラス要因ですね。
暑さで飲料水などの需要が上がれば物流も活発になり
トラックが動く、、、ということで、この夏の暑さも軽油価格の
変動要因だそうです。

詳しくはオンデマンド放送で二川さんの解説をお聞きくださいね。

需給要因に回帰、コモディティ市況 [大橋ひろこコラム]
2014.06/13 大橋ひろこ 記事URL
南アフリカの鉱山ストライキを巡る報道でプラチナが急騰、急落と忙しい値動きを見せています。また、イラクの反政府イスラム武装勢力が同国北部の2都市を制圧したことを受け、ここ数カ月でほとんど動きのなかった原油価格が大きく上昇しています。コモディティ市場は、米国の金融政策などの金融要因によって大きく動いた相場から個別の需給要因で変動する相場へとすっかり変わっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至さんにコモディティ市況を動かす要因と今後の展望を伺いました。

例えば金属は品目によって、まちまちの動きになっています。

<銅>
中国では、2日にチンタオの保税倉庫の銅地金2万トンが
中国当局に差し押さえられたと報道が。事態の詳細は不明ですが、
市場参加者の疑心暗鬼を強め、銅市況は下落しています。

<PGM:プラチナ、パラジウム>
南アフリカでは、継続する鉱山ストライキに対して政府が
調停に乗り出したものの9日に失敗に終わりPGMの大幅な上昇に
つながりましたが12日には一転して、ストライキを行っている労組側が
企業側の新たな提案を持ち帰って検討する方針が伝わり急落しています。

<アルミ、亜鉛>
一方で、マクロ経済的な世界景気の回復を反映してアルミニウムや
亜鉛などがやや上値を試す動きになっていましたが、
イラク情勢の悪化などから先行き懸念が強まり、再び売られています。

<金>
世界景気の回復が下落の要因になっていましたが、
ECBの利下げを受けて反発。
足元ではイラク情勢の悪化もリスク回避的な金買いにつながっています。
世界景気の回復に伴って投資家のリスク志向が強まる際には、
リスク回避的な資産である金への需要は減るという見方が
続いていますが、一方で金融緩和や地政学的な紛争は
買い材料になっているようです。

<原油>

WTI原油が107ドル、ブレント原油が113ドルまで上昇中。
シリア情勢の緊迫化などで上昇していた昨年9月以来の水準まで
上昇してきています。

従来からある供給障害が継続している中で、世界景気の回復観測が
強まり、新たな供給障害への懸念も加わった、
ということが起こっています。

①継続する供給障害

原油市場では、2014年初め頃は、
(1)リビアの生産回復
(2)イランの核開発問題を巡る協議の進展
(3)米国のシェールオイルの増産などによって、
原油供給が増加するとの観測が生じていたのですが、

実際には、米国のシェールオイルの増産が続いたことを除けば、
他の原油供給を増加させる要因は期待はずれに終わりました。

イラン核開発問題では、イランと米英仏露中独の6カ国との交渉が難航し、
事態の打開策がみえていないようです。

また、リビアでは4月頃、反政府勢力と政府の対立が緩和するとの
観測が強まった時期もあったのですが、その後両者の対立は続き、
原油の生産・出荷の回復は遅れています。

②地政学リスク

イラク情勢が悪化しています。
アルカイダ系で「イラクとレバントのイスラム国」という
イスラム教スンニ派の過激派組織が攻勢を強めており、
米国が支援に乗り出さざるを得ないような動きになってきました。
この過激派組織は、イラク北部にある第二の都市モスルを制圧し、
一時製油所のあるバイジにも攻勢をかけていると伝えられています。

こうしたニュースが米国株式市場でも意識され、米株が売られ、
原油が買われる動きに繋がりました。

この問題の今後について芥田さんは
需給ひっ迫への警戒感が徐々に出始めていたタイミングだったため、
イラク情勢の悪化に対する原油相場の反応が、やや大きなものになったが、
目先は、北半球におけるガソリンの需要期に差し掛かっているため
高止まりしやすいと分析。当面、上値を試す展開が追いやすいとしながら、
価格を安定させる要因として、ウクライナ問題が落ち着きを
見せていることなど解説くださいました。

7日には、ウクライナでポロシェンコ大統領が就任し、
それに前後して、ロシアとの緊張緩和が模索される動きが出ています。

ウクライナ情勢を巡る緊張緩和がブレント原油を中心に
原油相場の押し下げ要因として意識されている側面も。
変わって飛び出したイラク情勢悪化がプレミアムとなっていますが、
この夏は地政学要因が原油価格動向の見る上でのポイントとなりそうです。

詳しくはオンデマンド放送で、芥田さんの解説をお聞きくださいね。

動き出したプラチナ~下げ止まらぬゴム [大橋ひろこコラム]
2014.06/11 大橋ひろこ 記事URL
10日火曜のロンドン時間からプラチナ価格が大きく上昇を始めました。今日のTOCOM市場でもプラチナ価格は日久方ぶりに騰勢を強めレンジを上方ブレイクしたように見えます。南アフリカでは1月23日から続く鉱山労働ストライキがまだ続いていますが、ストが長引いている割には相場はレンジに留まっており、金の下落に頭を抑えられてきましたが、いよいよ動き出したということでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょう、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話しを伺いました。

これまでAMCU鉱山・建設労働組合連合が、これまで5万~6万円程度で
あった賃金を12万まで、およそ倍への引き上げを訴えて長期ストライキに
入っていましたが、1月から6月までのおよそ半年間、労働者には
賃金は支払われません。長期化するストライキに、南ア政府も仲介に入って
交渉が進められ、合意も近いのではという期待も出てきていたのですが、
交渉は物別れに終わったようです。これが今回の上昇のきっかけでしょうか?

また、NUMSA南ア・金属労働者組合も今月5日、
来月(7月)から組合員20万人規模のストライキに突入すると
発表、賃金の15%Upの交渉に入ると伝えられています。

今年のプラチナ需給は供給不足となるという試算もあり、
また、同じPGMのパラジウム価格が高騰していることから
プラチナはいよいよ大相場へのスタートを切ったと見られます。

一方で下げ止まらないゴム価格。ゴム分析のスペシャリスト小針さんは
タイ政府の生産者支援策の失敗をその要因として解説くださいました。

タイは政府が補助金制度を導入することにより、天然ゴム生産者を支援しています。
タイでは今年から北部で開発された天然ゴム農園の生産・収穫が本格的に始まり
これが増産に繋がっていることや、ベトナムでも近年、基幹産業としてゴム産業を
育成させるために増産傾向にあり、なんと昨年からマレーシアを抜き
世界第3位の天然ゴム生産国に躍り出る規模となってきました。


ラオスでも、2007年以降ゴムの木を新植し続けていますが、
これらのゴムの樹木の生産が今年あたりから本格的に始まることになっていることも
先行きの需給緩和要因です。今年のラオスによる供給は9年ぶりの高水準に
達する見込みになっています。

価格が下落傾向となっていることからタイ政府は生産者に補助金を支払い
支援策をとっています。タイ農業協同組合省が管轄している
「天然ゴム価格安定策」がそれで、単位面積当りで政府補助金を出しています。

補助金の対称は25ライ(1ライ=1600㎡)以下の小規模農園(スモールホルダー)に
従事する生産者。1ライ当り2520バーツの政府補助金が保障されており、
単純計算で25ライの農園の場合は6万3000バーツ(円換算19万7800円)の
補助金が出る計算。

しかしタイ政府が誤算だったのは、補助金対象の農民が62万人と試算して
いたのですが、実際に申請した生産者数は73万人にのぼり、
予算組みされていた210億バーツ(660億円)では足りず、
更に60億バーツ(190億円)の予算を計上する動きとなっているとか。

この政策がさらにゴム増産に拍車をかけてしまっています。
増産=価格下落、、、支援策がさらなる価格の下落を招くという
負のスパイラル。

小針さんは、TOCOM市場で200円を割り込んだゴム価格、まだ日柄も値幅も
足りていないとして、さらなる下値があると分析。

ゴム相場って、トレンドが出来ると長いんです。。。
そう簡単に終わらないのがこの市場の特徴。

まだまだ値頃で買うのは危険?!

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

将来パラジウムとプラチナは同価格に?! [大橋ひろこコラム]
2014.06/06 大橋ひろこ 記事URL
ゴールドは5月末に1250ドルを割り込む急落に見舞われ、南アフリカのストライキが長期化しているプラチナもゴールドに連れ安となるのか、需給ひっ迫懸念にも大きく上昇できずに揉み合いが続きます。こうした中、気を吐いているのがパラジウム。昨年までは750-800ドルではロシアの売りが出て頭を抑えられていましたが、現在は800ドルに底値感を感じる上昇、830ドル台まで高騰してきています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんに高騰するパラジウム、その背景と今後について伺いました。

4月のロシアのスイスへのパラジウムの輸出は2013年5月以来の
大きな増加となりました。
これは4月のパラジウム平均価格が797ドルと2011年以来
もっとも高い月間平均価格になったことが背景と見られます。
外貨を稼ぎたいロシアがパラジウムを大量に放出したものと思われますが、
時期的には、ウクライナ問題で経済制裁が話題となった頃でしょうか。

しかし、何故スイスへの輸出が重要なのか?!
まずはその背景から。


ゴールドやシルバーの受け渡しはロコロンドンですが、PGMはスイスを基点に取引される
現物取引ロコ・ズーリック(Zurich.日本ではチューリッヒと発音しますね)価格が
長く指標とされてきました。

旧ソ連が冷戦時代に、ゴールド取引の指標となるロンドン、西側に
パラジウムを輸出するのを避け、スイスの3大バンクが窓口となったという
経緯があったのですが、最近ではロシアからスイスへの輸出量が減少してしまったために、
指標性はすっかり低下しているようです。
それでも、この4月のスイスへの輸出量は目を見張るものでした。

しかし、1990年後半~2000年代前半と比べるとそのボリュームは大きく減少しています。
当時は30トンを超えるパラジウムが輸出されたこともあったのです。
この4月の数量はわずか4.7トンでした。
大きな流れではロシアのスイスへのパラジウム輸出は減少しているのです。


これは長年の外貨獲得のための売却で、パラジウムのロシアの国家備蓄が
ほぼ底をついてしまっているだろうことが背景とみられます。
備蓄が減少する過程でロシアの生産者であるノリリスク・ニッケルが
パラジウムを生産したそばから、すぐに直接需要家へと送られている、
ということのようです。スイスを経由することなく。

ロシアの国家備蓄がいよいよ底をつくだろう~。

この事実は市場関係者の間では2年ほど前から話題となっていたことで、
目新しいニュースではありません。
しかしながら、このところのパラジウム価格高騰の大きな要因の一つです。
パラジウムの世界最大の産出国はロシアであり、同国のノリリスクという世界一の
ニッケル生産会社がパラジウム・プラチナのほとんどを生産しています。
彼らの動向が今後のパラジムの価格動向を握っていると言っても過言ではない、と池水さん。
ノリリスクの生産したパラジウムがスイスを経由することなく、
直接実需家に渡るようになったことで、ロコ・ズーリックの指標性は低下してしまいました。

さて、ではその他にどのような材料があって、パラジウムは高騰しているのでしょうか?

現物の裏付けが必要なETFの存在も注目です。
今年4月にヨハネスブルグ証券取引所に本格的に上場された
南アパラジウムETFの残高は目を見張る増加となっており、
4月からのたったの2ヶ月足らずで、このETFは22トン近くの残高を増やしました。

22トンといえば年間鉱山生産量の約10分の1に当たる数量です。
このETFも現物の裏付けが必要であるため(南アフリカ産パラジウム限定)
この南ア パラジウムETFの登場が市場の需給をタイト化させ、
国際価格を上昇させてしまっている可能性も大きいと思われます。

また、パラジウムはガソリン車の自動車触媒として使用されます。
ディーゼル車対象のプラチナの触媒需要の46%に対して、
パラジウムのそれは67%にも上ります。
ディスインフレが懸念される欧州はディーゼル車が主流ですが
、欧州以外の自動車はほぼガソリン車が主流であり、
よって需要がパラジウムに集中しています。

日米中そしてインド、ブラジル、ロシアなど、
現在景気回復とともに車が売れているところのほとんどが
パラジウム需要マーケットなのです。

現在プラチナとパラジウムの比価は1:1.7。
一時プラチナがパラジウムの5.5倍まで広がったことがありましたが、
今は1.7倍というところまでパラジウムの価値が上がってきたと池水さん。
鉱山生産量は年間ほぼ200トンでプラチナもパラジウムもほぼ同量であることを考えると、
今後の需要の伸びが大きいと思われるパラジウムの方が、上昇余地が大きいと考えられます。

池水さんは将来的にはパラジウムはプラチナとほぼ同価値になっても
おかしくないと解説くださいました。
現在プラチナ価格は1450ドル近辺、パラジウムは830ドル近辺ですが、
そう遠くない先にそれは実現してしまうかもしれません。
詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

金相場、ここから~金融要因と需給 [大橋ひろこコラム]
2014.06/04 大橋ひろこ 記事URL
急落に見舞われたドル建て金価格。3月17日にはウクライナ情勢の緊張化から逃避買いが活発化し、ドル建て現物価格ベースで1,391.69ドルまで上伸していたのですが、ウクライナ情勢の緊張緩和で同月18日から下落基調となり、26日には1,300ドル割れ。5月27日にさらに下放れとなり、30日には1,250ドル割れへと一段安。今月2日には1,241ドルまで下落しています。

皆様ごきげんいかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト森成俊さんにお話しを伺いました。

ここからさらに下がるのか?持ち直すのか。。。
チャート形状は決してよくありません。

森さんは目先の動向として、今週の米国の雇用統計、ECB理事会など
金融要因からのドルの行方がポイントになるとお話しくださいました。

5日に開催されるECB理事会での利下げ観測からユーロ・ドルが下落
しており、この動きに連れて金も下げていることから、目下で
追加緩和策が発表されるか否か、またその後の声明に注目です。
1ユーロ=1.35ドル割れなら、金は1,230ドル台に下落するリスクも。

また今夜の、5月の米ADP雇用統計が発表されるのを皮切りに
米労働市場に関する米経済指標の発表が続きます。
6日に米労働省から発表される5月の米雇用統計がカギを握っており、
大方の事前予想は失業率が6.4%で4月の6.3%から悪化、
非農業部門雇用者数は前月比21万8,000人増で
4月の同28万8,000人増から鈍化予想となっていますが、
ハードルが低ければ、いい数字が出た際はドル高になりやすく、
予想に対しての織り込み度と結果を受けてのドルの動向が
金価格を動かすと思われます。

円建ての金は、円安進行となれば下値はサポートされると思われますが、
ドル建て価格が1200ドルをサポートできなければ、4000円割れも?!
目先はまだ下値模索が続きそうです。

ただし、価格は下落しているものの5月28日以降、
取組高の増加が続き、10万枚回復間近、こちらは市場関係者には
グッドニュース。相場としてみれば新規売りも出ているということか?

森さんには長期化する南アフリカの鉱山会社のストライキについて、
また、需給についてなどプラチナ価格動向についてもお話しを
伺っています。詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

日本の石油精製業、存続の危機に?! [大橋ひろこコラム]
2014.05/30 大橋ひろこ 記事URL
ガソリン価格が高騰しています。

ガソリン小売価格は1ℓ165.8円とリーマンショックの頃の価格に迫ってきました。リーマンショック直前の8月では185円前後まで高値がありましたが、この頃のドル円レートは110円前後。現在のドル円レートが101円近辺にまで接近しており、昨今の市場の変化としての円安もガソリン価格高騰の大きな要因となっています。

また、消費税増税も一因です。3月末は159円程度だったものが4月に切り替わって164円へと一気に、5円もの上昇。159円の3%が4.8円ですから、ほぼ消費税の増税分がそのまま上昇したことになります。


→何故高い?高騰するガソリン価格(2014.5.21放送)
http://blog.radionikkei.jp/trend/post_208.html

こうした市場環境の変化もガソリン価格高騰の要因ではありますが、
市場構造の大きな変化もまた、価格高騰を招いてしまっています。

皆さんは「エネルギー供給構造高度化法」という法律をご存知でしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘史さんに
「日本の石油精製業、存続の危機に」というテーマでお話を伺いました。

前回山内さんにご出演いただいた際は、欧州の石化、石油精製業が
存続の危機にある、というお話をいただいていましたが、日本も...?!

→欧州の石油化学・精製業界の衰退の背景(2014.3.28放送)
http://blog.radionikkei.jp/trend/post_181.html

原油価格は軽質原油ほど高価です。
北海ブレントやアルジェリア、ナイジェリア、中東のアラビアンライトなど
「ライト」と名前がつくものが、形質原油。
軽い原油はガソリン・ディーゼルなどが、多く採れます。

重質原油はベネズエラのオリノコタール、カナダのオイルサンドなどが代表的です。
重い原油は残渣油(重油・アスファルトなど)が多く採れるのですが、
軽質石油製品であるガソリンや軽油にするためには再処理しなくてはなりません。
重質原油は軽質原油より安価ですが、ガソリンなどに再処理するコストがかさみます。

精製業者は 高価でも軽質原油を精製して軽質石油製品を生産するか、
安い重質原油を処理して,さらにそこからとれる重油などの残渣油を再処理して
軽質石油製品を生産するかの選択をしているわけですが、
昨今、世界の石油製品需要は軽質化してきているため、高価でも処理が簡単な軽質原油は
どんどん少なくなってきており、将来的には重い原油あるいは超重質原油しか
なくなっていくだろうと試算されているのです。

そこで、日本もこうした流れに対応していこうと、2010年、
「エネルギー供給構造高度化法」が施行されました。
これは常圧蒸留装置(トッパー)に対して
重質油分解装置比率を13%以上にすることを定めたもの。

日本はの製油所は、軽質原油を処理しているところがほとんどです。
重質油分解能力は2010年4月時点で517千b/d、
当時の日本の精製能力は4,873千b/d
ですから、全体の10.6%程度でした。

これを、2014年4月までに13%に引き上げよ、という法律です。
これで、日本も重質原油処理の能力が高まり、時代の流れに対応できるかと思われますが、
現実は違いました。

実際に製油所は法遵守し13%への引き上げを達成しましたが、、、。
2014年4月
全体の精製能力 3,947千b/d
重質油分解能力 532千b/d
→ 重質油分解装置比率 13.5%

全体の精製能力を見てください。
2010年時点の4,873千b/dから2014年は3,947千b/dに大きく減少しています。

製油所は13%を達成するために、重油分解能力を強化する設備投資を行うのではなく、
全体の精油量を引き下げることで比率を上げるという対応をしたのです。


これは、ガソリンの日本国内の需要が減少していく中で、新たな設備投資のニーズがない
ということも大きな背景だったかと思われますが、13%の比率を達成しても、
全体のガソリン精製、供給も落ちてしまうことになるのですから本末転倒、
ガソリン価格は需給がタイトになってしまったことで、
更に高くなってしまったともいえるのです。

行楽シーズンに入る日本の5~6月の石油製品需給はタイト化します。
この時期は製油所の定期修理も行われること、さらに今回は4月からの消費増税が
重なってガソリン小売価格は165.8円/ℓに高騰してしまいました。

山内さんは、こうしたガソリン価格高騰がますますガソリン離れを加速させるのではないか。
と懸念されています。ガソリンが売れないためSSは「安売り競争」に走り、
収益が得られず倒産する流れにあります。
SSは1996年には61,000店ほどあったのですが、今や35,000店にまで減少しています。
300km走らないとSSがないというエリアも出てきました。

ガソリン価格高騰でドライバーは低燃費車・軽自動車・ハイブリッド車に乗り換える時代。
これがさらにガソリン需要が落ち込む要因となっています。

米国はメキシコ・ベネズエラ・カナダの重質原油を処理する体制をすでにとっており
まったく先行きの懸念はありません。

アジア諸国・産油諸国もすでに割安な重質原油を処理し分解設備で軽質化に対応しており、
中国・台湾・韓国・インド・中東諸国では、「残渣油を一切出さない精製設備」が増加、
時代に合わせた設備が整っているのだそうです。

重質油分解装置の対常圧蒸留装置比率が20~30%以上にもなるという
精製設備の近代化に成功しているのは、後発国であるため、
時代に合わせた設備投資が可能だったということもあるのでしょう。

日本では1975年に作られた出光の製油所が最も新しいのだそうです。
40年近く、新しい製油所ができていないのです。
ガソリン需要が減退するなかで、新たな設備投資にはなかなか踏み切れないのが実情。

これまでは高価でも軽質原油を買ってくれば何とかなってきたのですが、
軽質原油が手に入らなくなったら、、、
形骸化してしまった「エネルギー供給構造高度化法」
日本は今後、どのように対処していけばいいのでしょうか。

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

膠着を下に放れた金相場、今後の焦点 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2014.05/28 大橋ひろこ 記事URL
27日火曜のNY市場、COMEX金先物相場が急落しました。3月にウクライナ情勢の地政学リスクを囃して1392ドルまで高値を付けた後、激化しなかったことから下落となり、このところは1290ドル台ですっかり膠着相場していたのですが、昨晩1260ドル台まで30ドル近くの暴落です。確かに米株は堅調推移で、金が買われる地合いにはないのですが、それにしてもあまりに大きな下落となりました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットアナリスト菊川弘之さんにお話しを伺いました。

菊川さんは、まだ下値を確認したという状況にはないとして、心理的節目である
1250ドル、底抜けとなれば1200ドルを試す展開もリスクとして残るとしながら、
それでも、今後のマーケット、世界の政治動向を睨んで、下値はサポートされる
だろうと解説くださいました。


昨日の下落については、中国の輸入量が大きく減少していたことが
きっかけと言う指摘や、米株堅調、週末に行われたウクライナの大統領選挙が
思いのほかリスクとしてマーケットに波及しなかったことなどを受けて
先物市場に大口の売りが出された、とされていますが、
短期的な値動きは投機的なポジションによって大きく振れることがあっても、
トレンドを形成するものではありません。

今後の大きな流れとしては、現在堅調な米株の行方が焦点。
今年前半はNYダウのチャートが、1929年の大恐慌の暴落時の形に
フラクタル(相似形)である、として警戒されていましたが、
これが相似形から離れてきました。


逆に行く場合、これはこれまで警戒されてきた分、大きく離れると
されており、米株はこの先思わぬ上昇となる可能性がある、と菊川さん。

短期的には米株上昇につけ、ということで金相場にはネガティブですが、
今年は中間選挙の年です。菊川さんは中間選挙の年のアメリカの株価は
第2四半期、第3四半期に低迷するとして、
「山高ければ、谷深し」とお話しくださいました。
その時は、金は逆相関となると思われます。

菊川さんはジム・ロジャーズの今後の日本の経済の展望、
金の投資スタンスなどもをご紹介くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

金市場、こう着相場の行方 [大橋ひろこコラム]
2014.05/23 大橋ひろこ 記事URL

3月中旬の年初来高値更新から2ヵ月余り、ドル建て金価格は膠着状態にあります。

NYコメックスの日足チャートは三角保ち合いの様相を呈しています。 アメリカは量的緩和策の縮小に踏み切っており、今年は金利上昇が予想されていましたが、米国債長期金利の上昇は見られず、これが金相場を支えているものと思われますが、一方で目立った上昇の手掛かりもありません。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

3か月にも及ぶ持合いのブレイクは一体いつになるのでしょうか?

亀井さんはここから金相場を動かす変動要因として3つのポイントについて
解説くださいました。


①  5月25日(日曜日) ウクライナの大統領選挙

金価格は3月17日に1392.6ドルの高値を付けています。
これはウクライナ情勢の緊迫化が一因でした。

亀井さんは選挙後、新政権が一定の妥協策を取り
地方の自治権の拡大を認める方向になれば、
金価格はいったん下落に転じるも、
その後のロシア側の反応が焦点となってくるとし、
仮に下落に転じることがあっても、すぐに持ち直す可能性が高いと分析。

ウクライナ情勢は単なるプーチンのクリミア取りではなく,
冷戦後の国際秩序の再構築の象徴であり、息が長い問題だと解説
下さいました。

② 米国の金融政策 6月17-18日のFOMC

昨年はテーパリング(毎回100億ドルづつの量的緩和策の縮小)が
金市場にとってのネガティブインパクトとなり、金価格を大きく崩しましたが、
現在、粛々と進められる縮小は金市場もすでに織り込み済みです。

マーケットの関心はゼロ金利解除の時期が早まるか否か。

6月のFOMCは経済見通しが同時に発表され、イエレン議長の記者会見も
行われるということで市場の注目度は高いと思われますが、亀井さんは
6月はまだ金利について言及されることはないだろうとお話くださいました。

というのも、今週発表された中古住宅販売件数、
予想が46.8万件のところ46.5万件で予想に届かず、
昨年の7月は53.8万件あったことを考えるとその落ち込みは大きく、
前年同月比でみると6.8%もの減少となりました。

住宅市況は思わしくないのです。金利が上がればさらに悪化することでしょう。

亀井さんはTaperingは混乱なくできても利上げは易しくないとし、
金利が焦点となってくるのは少なくとも、もっと後、テーパリング終了時期が
近づく9月のFOMC(景気見通し、会見付)になると予想されています。


③  中国・インドなど実需筋の動向

中国の2014年1-3月期の需要は
前年同月比で宝飾品は増加するも投資は大幅減少となりました。

2013年Q1の中国需要は全体で319トンだったのですが、2014年Q1は 263トン。
マイナス18%もの落ち込みです。

宝飾需要  185トン ⇒ 203トン 10%増

投資需要  134トン ⇒ 60トン  55%減

インドの2014年1-3月期の需要も
前年同月比で宝飾品・投資ともに減少です。

2013年Q1のインド需要は全体で257トン、 2014年Q1は 190トン。
マイナス26%もの落ち込みです。

宝飾需要  159トン ⇒ 145トン 9%減

投資需要   98トン ⇒ 44トン  54%減

しかしながら、中国の場合、昨年の購入が凄まじいボリュームであったため、
前年比でみれば、大きな落ち込みとなっているのですが、
平年ペースで見ればそれほど大きな落ち込みではありません。

またインドは今月の選挙で10年ぶりに政権交代決定しました。

昨年は、拡大する貿易赤字縮小のために、金の輸入規制をしていましたが、
ナレンドラ・モディ新政権の下での金輸入の規制緩和が期待されています。

こうした金の変動要因となりうるポイントを踏まえたうえで、亀井さんは
レンジを「放れる」という大きな動きにはつながりそうにないと
ご覧になっており、この揉み合い、しばらく続きそう。

もし、三角持合いをブレイクすることがあってもレンジの移行と

なるイメージで、トレンドを形成するような相場ではないそうです。

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。


何故高い?高騰するガソリン価格~リム情報開発初登場 [大橋ひろこコラム]
2014.05/21 大橋ひろこ 記事URL
今日は番組初登場、「リム情報開発」の橋本洋さんです。

リム情報開発は、エネルギー全般の市況を取材し、指標価格を発表する"新聞社"。

この番組マーケットトレンドの番組を提供会社である東京商品取引所では、先物市場でガソリンや灯油が取引されていますが、この先物市場の取引が納会を終えた後、石油製品は実際に現物市場で流通することになります。その現物市場で流通する際の取引の調査および分析などをしているのがリム情報開発。石油市場には「リム価格」という言葉もあるんですよ。これはリムが発表している価格なんです。~ということで、これまであまり取り上げてこなかった石油製品について、今後、リム情報開発の記者の皆様にご出演いただき、お話伺ってまいります。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

このところ、サービスステーションでのガソリン価格がどんどん上がってきています。
資源エネルギー庁が21日午後に発表したサービスステーションの店頭価格の全国平均は
1リットル当たり165.6円まで上昇しています。これは、2008年9月以来の高値。
まさにリーマンショックの頃の価格に迫ってきました。
リーマンショック直前の8月では185円くらいまでガソリン価格は高騰していました。

一方で、ドバイ原油市況。2008年8月は1バレル当たり110~120ドル前後でした。
現在は105ドル前後と現在の方が、5ドル以上安いのですが、、、
何故、国内の店頭ガソリン価格が大きく上昇しているのでしょう。

橋本さんは、ガソリン価格の高騰のいくつかの要因を解説くださいました。

①為替レート
アベノミクスによる円安が、ドル建ての原油市況の割安さを相殺した上に、
さらに国内への原油の輸入コストを底上げさせる結果となっている。

②消費税増税
3月末は159円程度だったものが4月に切り替わって164円へと一気に、5円もの上昇。
159円の3%が4.8円、ほぼ消費税の増税分がそのまま上昇している。


③需要期(需要要因)
4月~5月は大型連休中の行楽需要による消費増加が見られ、
例年ガソリン店頭市況は大型連休までは底堅く展開する。

④製油所の定期修理(供給要因)
製油所では必ず1年~4年に一度、常圧蒸留装置(トッパー)がメンテナンスのために、
だいたい数週間~2ヶ月前後の間、停止することが法律で義務付けられています。
トッパーの定期修理は5月~6月、9月~10月に集中。

この時期に集中するのはガソリンや灯油の需要期を避けて停止する必要があるためです。
ガソリンの需要は7月~8月の夏休み期間、また、灯油は冬場となる12月~2月に
消費が増えるため、これ以外の時期にメンテナンスを済ませておく必要があるのです。

しかしながら、石油元売り各社は定期修理の時期にも当然ながらガソリンスタンドに
供給を続ける必要があり、メンテナンス中の生産量が減ることに備えて、
定期修理に入る前の時点で在庫を大幅に積み上げておかなければなりません。
定期修理期間だけでなく、その前から需給が引き締まりやすくなるのです。

春先の定期期修理では、全国の4分の1~5分の1の
トッパーの稼動が停止しますが
日本ではエネルギー政策全体の見直しが迫られた結果、
この1年で、製油所の設備の廃棄が大きく進んでおり、
今回はこの影響も強まるとみられているのです。

こうして解説いただくと強気要因ばかりのようですが、
あくまでこれまでの市況がこれらのような要因で上がってきたということを
表しているにとどまると橋本さん。
放送では時間がなくて、詳しくお伺いできなかったのですが、
これらの要因はすでに織り込み済み?ということのようです。

今後、ガソリン価格はどのように推移していくかについて、
橋本さんは
大型連休中のガソリンスタンドでの店頭販売量を
ヒアリングしたところ
大きな伸びは期待ほどではなかったとの
声が少なくなかった、とのこと。

やはり、消費増税の影響が尾を引いていることが一因でしょうか。


橋本さんは、石油製品の原材料である原油の市況を見ながら、
製油所の定期修理の進捗状況には市場関係者は強い関心を持っており、
石油連盟が毎週発表する需給統計などを見ていくことが
今後の石油市況を見るうえで
重要だとお話くださいました。

リム情報開発のHPでは日々、こうした情報を掲載しています。

是非、リム情報開発のHPもご覧くださいね。

https://www.rim-intelligence.co.jp/index/top

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