アメリカの新(2014年)農業法と穀物相場 [大橋ひろこコラム]
2014.07/11 大橋ひろこ 記事URL

トウモロコシ価格は4ドルの大台割れ、大豆価格は13ドルの大台を割り込み、下値が見えない展開となっています。
中西部は空前の豊作ムード。USDA米農務省は6月30日、今年の穀物の実作付面積を発表しました。

トウモロコシ⇒9,164万エーカー(3月の意向面積9,169万エーカー)
大豆 ⇒8,483万エーカー(意向面積8,149万エーカー、+334万エーカー)

ということで、3月末に発表された作付意向面積比でトウモロコシはほぼ同じでしたが、
大豆作付が大きく増加。加えて6月末~7月上旬の産地天候は良好。
両穀物の作況も「優」と「良」合わせて75%と、豊作だった
昨年の67%を上回っているという状況です。

現在は天候相場真っ只中
。トウモロコシは7月中旬の開花受粉期、大豆は8月の開花・着サヤ期と、
作柄を決定する最重要期を控えますが、
今のところ高温乾燥天候の懸念はなく、高単収がほぼ確定的となっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話を伺いました。

柴田さんによると、作物に影響を及ぼす高温乾燥を招くのは
ラニーニャ現象の方だとか。エルニーニョ発生懸念だけで
春先に買われすぎたのが、昨今の下落の大きな要因となってしまっています。

柴田さんは足元は下値模索の展開にあっても、
ここからの大崩れのリスクは大きくないとお話くださいました。

アメリカ、上・下院議会で策定が進められている
2014年新農業法が、ここ数年の高騰した市場価格を基準に
農家の収入保障を図る内容となっているのだそうです。

今回は、この農業法の変遷についてお話を伺いました。

アメリカの農業政策は、この20年間で
「低迷する穀物価格に対する農家の所得保障」といった性格から
「増加した農業所得を如何に保障するか」に重点がシフトしています。

そもそもアメリカの農業法は1933年ルーズベルト大統領が、
ニューディール政策の一環として農産物価格の上昇を目指して
行った農業調整法に由来しています。

農業法は基本的に5年間の時限立法。
価格・所得支持制度、輸出振興政策、環境政策が3本柱です。

【1990年農業法】(1990~95年):
供給過剰の時代にあって政府の減反計画への参加を条件に、
農家は「不足払い」を受けることができました。
「不足払い」とは農家の生産コストを考慮した
「目標価格」と「市場価格」(生産者の全国平均販売価格)の差
を補てんするものです。
市場価格が価格支持水準(ローンレート)を下回った場合には、
農家は農作物を担保に商品金融公社から融資を受ける
ことができました。結果として、ローンレートが
市場の下値(フロアープライス)となったのです。

【1996年農業法】(1996~02年):
それまでの減反計画への参加とセットになっていた
「不足払い」制度が廃止され、作付を自由化した上で、
生産とは切り離した形で農家への直接支払いを実施しました。
しかし、96年農業法がもたらしたものは、
過剰生産とそれに伴う穀物価格の低迷であり、
政府は農家所得の減少を補うため
補助金の追加支給を余儀なくされました。

【2002年農業法】(2002~08年):
自由な生産(作付)を維持しつつ、
「不足払い」制度を再導入。
固定支払の継続および対象作物の拡大、
価格支持水準の引き上げなど、
全体に農業保護水準が引き上げられました。

【2008年農業法】(2008~12年、14年まで延長):
穀物価格が高騰するなかで成立しました。
高価格を基準とする農家の収入保障が
「新しい不足払い」とのオプションとして成立。

【2014年農業法】(2014~19年):
現在2012年に成立した上院案と下院案の一本化に向け調整中。
調整が遅れたのは、フードスタンプの扱いを巡り、
民主党(削減額が大き過ぎる)と
共和党(削減額が少な過ぎる)との調整が難航しているため
ですが、フードスタンプまでをも考慮した包括的合意でなく、
まずは農業法合意を急ぐという流れとなってきているようです。

10年間での支出削減を図りつつ、生産コストの上昇に対応して
「作物保険を基礎とする収入保障」あるいは、
「収入保障」と「不足払い」の何れかを選択する法案が
検討されているようです。

この新農業法が、ある程度の価格の下支えとなってくると
見られる他、2012年の大干ばつ時に暴騰した穀物価格によって
米国農家は潤った資金をサイロ増設などの設備投資を向けており、
需給相場に入ってくると、生産者は安値では売らないだろうと
みられます。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。

タイ、インドネシア、ベトナムゴム生産急増 [大橋ひろこコラム]
2014.07/09 大橋ひろこ 記事URL
東京プラチナは7/3時点では一時499.4円まで上昇し、今年に入ってからのダブルトップだった1/21の高値4984円と、3/10の高値4963円を抜き、今年に入ってからの最高値を更新するととともに、重要な心理的節目5000円に接近する展開となってきています。

一方で東京ゴムは6/5に一時190.3円まで下げ、2009年10月以来の安値をました。反発して220円まで上昇するも7月に入って再反落して200円近くまで後退する展開です。6/5の安値190.3円を下抜く可能性が出てきました。

 皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
・今日は商品アナリスト小針秀夫お話を伺いました。

2008年までの過剰流動性相場では、
商品銘柄は何もかも買われる展開で
個別の需給要因はあまり材料視されていませんでしたが、
このところは個別の商品銘柄の需給要因が価格を動かしています。
極めて正常な値動きとなってきているともいえるかと思いますが、
金融要因でなく、各々の銘柄の需給を確りと見ておく必要もありますね。

プラチナは米国の2014年上半期の自動車販売台数が7年ぶりに
800万台を超えたことも強気要因です。
排ガス触媒に使われるプラチナの需要につながるとの見方が広がったと見られます。

また、主要生産国の南アフリカでは前月6/24に、1/23から続いた鉱山の
ストライキが終結したことで価格下落となると思われましたが、
また別の組合がストライキに入っています。

世界第二位の南アフリカのプラチナ鉱山Impala Platinum Holdings Ltd.では、
7月4日そのMarula鉱山で2,000人の鉱山労働者が
ストライキに入りました。
長期かしたAMCUのスト終結から2週間もたたないうちに
再び新たなストライキ発生もプラチナ価格を支えています。
小針さんによると、この鉱山では年間70,000オンス~80,000オンス
(2.1トン~2.5トン)のプラチナを生産しています。

供給懸念は長期化すると見られ、
今後もプラチナ価格は下値固く推移すると見られます。

一方、下落が続くゴム相場。
小針さんによると、こちらは供給過多が価格を押し下げているようです。

ゴム価格は2008年のリーマンショック前までの高騰で
国際ゴム価格が3倍にも上昇していました。
100円前後だったゴム価格が300円台にまで上昇する強さを
見せていたために、タイ、マレーシア、ベトナムなど生産国が
ゴムを増産したことが、現在のゴム価格下落の構造的要因とされています。

タイではCP(チャルーンポーカパン)というタイ最大の財閥が
タイ北部に大きなゴム農園を造りました。
ゴムの樹は植えてから樹液が採取できるようになるまで
およそ6年程度かかります。

2007-2008年に作られた北部のゴム農園の
ゴム生産が2013年から始まっており、これが、
ゴムの供給過多につながっているのです。

インドネシアでも新しいゴムの品種、ハイクローン樹に切り替わっています。
やはり2005-2008年ころに高収糧樹(たくさん採取できる品種)に
植え替えられているということで、これも近年、採取可能な成木となって
きていることが、増産につながっているのでしょう。

そして、ゴム3大生産国といえば、
タイ、インドネシア、マレーシアだったのですが、
2013年マレーシアがベトナムに抜かれました。
2008年までのゴム高騰でベトナムもゴムの大増産に動いたことから
ベトナムが世界第3位のゴム生産国に躍り出たのです。

こうした生産国の大増産でゴムの需給はじゃぶじゃぶに。
これが昨今のゴム価格下落の構造的要因です。
値ごろで売るのは厳禁。
ゴム価格が安くなることで、タイヤメーカーは収益が上がるでしょうか。
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

中国金購入衰えの裏に金不正担保取引の影響 [大橋ひろこコラム]
2014.07/04 大橋ひろこ 記事URL

6月米雇用統計は非常強い内容でした。
NFP非農業部門雇者数は28万8000人増、失業率は6.1%にまで低下。4月分は、28万2000人 ⇒30万4000人へ。5月分は21万7000人 ⇒22万4000人へ上方修正と過去分の上方修正も大きく、確りとしたアメリカの景気回復が示されました。これだけいい数字が出てくると、量的緩和政策の縮小を行っているアメリカの利上げの時期が早まるのではないか、という思惑が広がり、こうした金利引き上げ予想が金市場にはマイナス要因となるのですが、この日、金価格は10ドル程度の下落となったものの、チャートが大崩れすることはなく、確りとした地合いが継続しています。

 

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎さんにお話を伺いました。

 

雇用統計を受けて利上げ見通しを前倒ししたゴールドマン・サックス。
 2015年Q3からQ2へと早まるとみています。

しかし、FRBの姿勢は慎重で低金利政策は長期に継続することを繰り返し発信していることから、
米国の金利は押さえられ続けています。今年から量的緩和の縮小に入った米国の通貨ドルは、
金利上昇から高くなるという見通しが大勢でしたが、現実には金利は上がらず、
ドルや安く抑えられています。これが米国株にとっても支援要因となる一方で、
昨年、米国が緩和縮小に動くことをいち早く織り込んだ金市場にとっても
下値サポート要因となっているようです。

 

FRBが量的緩和政策縮小に踏み切っても、利上げ時期を明言することに慎重なのは、
米国景気回復シナリオが確かなものであるかどうか見極めたいということなのでしょう。
1-3月期のアメリカの GDPは 下方修正幅拡大でなんとマイナス2.9%。
1-3月期は寒波の影響で景気が冷え込んだとして楽観、
4-6月期には6%台に乗せるという見通しもありますが、
Q1のGDPだけを見ると非常に悪いですね。


4-6月期の雇用統計は軒並みいい数字が出てきていますので、
GDPも回復するだろうと思われますが、数字が出てこないことには確信は持てません。
実際、寒波の影響が明けた春以降、伸びが予想されていた個人消費は
伸び悩んでおあり、賃金上昇も伸び悩んでいるのです。

 

亀井さんは、過剰流動性相場で金余りとなっている中で、
史上最高値圏にある株式市場ではここからの上値に懐疑的な向きも多く、
金市場には見直しの機運も高まっているようだと解説くださいました。

金利動向が最も重要視されてきますが、9月17-18日のFOMCは
イエレン議長の記者会見付き。量的緩和縮小策も終了する時期に重なります。
量的緩和政策の次には金利引き上げが焦点となるため、
マーケットはFRBの次の一手を見極めようと催促してくる時期。
それまでは、低金利に金価格も下値サポートされるも、大きく動くことはなさそうです。

 

そして、もう一つ気になるのが中国。

6月26日アジアからロンドンの取引時間帯に金が1306ドル台まで急落しました。
(それでも大きな上昇トレンドは継続しています)
背景には、中国で不正な取引の可能性がある金を担保にした融資が、
2012年以来944億元(約1兆5000億円)行われていたことが報道されたこと。

 

金を担保にした不正取引というと、
今年の4月にWGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)が発表したレポートで
金担保の金融取引に供されている現物の累計総量が1000トンになるとの
推計値が示されたことが記憶に新しいですが、
こうしたコモディティを担保に低利で資金調達し、理財商品などの
高利回り商品で運用に回し利ザヤを稼ぐ取引が問題になった1月、
銅価格の急落があったため、
金市場でも急落に見舞われるリスクがあるのではないか、
とヒヤリとさせられるニュースなのです、、、。


単純にこうしたコモディティを担保に資金調達すること自体は違法でないのですが、
問題となっているのは担保に供する際に、銀行発行の信用状(C/L)や
船荷証券などを巧みに使い、中には二重担保という詐欺的取引があるというものです。
こうした行為により2倍、3倍の資金を調達して、
より多くの利ザヤを稼ごうという行為にメスが入っているとみられます。

 

亀井さんは、他のコモディティと違って、金は市場で売りにさらされることはないのではないか、
と解説くださいました。ひとつに中国は加工品でなければ金を輸出できないこと。
また、市場で売らなくても買い手があるだろうと思われること。

ただし、この影響で、今年の中国の金の購入は低下する可能性があるだろう、ということで、
このように解釈すれば、このところ金が水準をさげても中国の買いが見られない
という実需筋の話と整合性を持つことになると亀井さん。

 

今後の金価格の行方は?

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

金ETF市場に資金流入、南ア再び労働者スト?! [大橋ひろこコラム]
2014.07/02 大橋ひろこ 記事URL

COMEX金先物市場で6月19日金価格が40ドルもの急騰を見せてから高止まり中。
前日6月18日FOMCで低金利政策の長期化が改めて確認されたことも一因ですが、イラク情勢緊迫化に伴う地政学リスクが背景との指摘もあります。これまで金相場には弱気が台頭していたのですが、今後、金市場は上昇相場継続となるのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト東海林勇行さんに
金価格動向と今後の見通しを伺いました。

イラク情勢の緊迫化に伴い「有事の金買い」が加速していると見る向きもあります。

イスラム教スンニ派の過激派である武装組織「イラク・シリアのイスラム国」がイラク北部を中心に支配地域を拡大し、29日には「イスラム国」として国家の樹立を宣言しています。

30日にはオバマ米大統領が米軍の追加派遣を命じました。
イラク情勢を巡る混乱は収束に向かう気配に乏しく、金ETF市場に資金が流入しています。

東海林さんによると、SPDRゴールド・シェアETFには
6月30日、7月1日の2日間で5.688tづつ、11t残高増となっているようです。

また、基調的に金買いを促しているのがドル安です。

FRBの金融緩和が「出口」から遠のけば、通貨の代替として
金の需要が一段と高まると、金投資への見直しが入っているという見方も。

そして今週は明日木曜日にECB理事会と雇用統計が発表されます。
7月4日金曜日が独立記念日の祝日となるために、
3日に雇用統計が前倒しとなるのです。

東海林さんは雇用統計の指標内容が良好であれば、ドル買い、株高で
金が売られるリスクに繋がるとしながらも、
あまりに良すぎた場合、金利引き上げ時期が前倒しになるという
思惑から株が売られ、金も同時に売られるリスクがあると解説くださいました。
株安で金買いになる可能性もありますが、株安のきっかけが金利ということで
あれば、やはり金も売られるリスクの方が大きいと思われますね。

良すぎる結果~と言うのがどの程度の数字になるか。
予想が21.2万人なので、27~9万人、あるいは30万人大台乗せとなれば
サプライズ。まずはあすの雇用統計受けての米国債の利回りに注目です。

東海林さんには金価格がここからどのように推移する可能性があるのか、
テクニカルの側面から分析もいただいています。

また、AMCUの労働ストが20%の賃上げで合意されたことで
供給懸念も一安心かと思われていたプラチナ市場。

7月1日から今度は金属とエンジニアリング業界の労働者が
大幅な賃上げを求めてストライキに入りました。

労働者総数22万人がストに突入し、生産はほぼ停止状態。
これらの業界は南ア経済の4%を占めるのだそうです。

このストライキに呼応して南アフリカの電力会社エスコムも
ストに入るのではないかという懸念もでており、
電力供給が止まれば、プラチナどころか南アフリカの経済活動にも
大きなマイナス要因となるでしょう。

こうした背景からプラチナ価格が強含んでいますが、
そもそも1月23日から継続してきた鉱山ストで今年のプラチナは供給不足と
なることがほぼ確定的で、プラチナは下値固い推移となることが
予想されますが、プラチナ需要の面からは高値追いは避けたほうがいい?!

詳しくはオンデマンド放送で東海林さんの解説をお聞きくださいね。

高止まりの原油価格、リスクプレミアムは5~6ドル [大橋ひろこコラム]
2014.06/27 大橋ひろこ 記事URL
5月中旬、WTI原油価格はウクライナ騒乱に反応、下旬はリビア原油の輸出再開が遅れるとの観測により上昇するも、月間平均では101.79ドルで4月より24セントの値下がり。北海ブレント価格の5月平均価格はウクライナ問題に米国より敏感に反応したために109.24ドルと4月との比較で1.15ドルの上昇となりました。


6月に入ると12日を皮切りにイラク情勢が原油価格の押し上げ要因となり、
WTI価格は107.26ドル、ブレント価格で114.81ドルと
9か月ぶりの高値を付ける上昇となっています。

需要期も重なる時期の地政学リスク、エネルギー価格高騰は今後も続くのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミストの藤沢治さんに
原油価格の動向と今後の見通しを伺いました。

需給要因に大きな変化がない中での原油価格の高騰は、
地政学プレミアム分と考えられ、藤沢さんによると、
現在のリスクプレミアムはバレル当たり5~6ドルと想定されています。


問題を複雑化させているのが北方のクルド政府とイラク中央政府との確執で、
クルド地域政府KRGは3月から中央政府の承認を受けずに、
制圧したキルクークの原油を自前のパイプラインでトルコに輸送し、輸出しています。

イラクでは過激武装勢力ISIS、クルド軍KRG、そしてイラク政府軍の
三つ巴の軍が紛争に加担しているという複雑な状況にあるのですが、、、。

ここからは武装勢力ISISが南部のバスラ地域に侵攻できるかどうか、
というところが焦点となっているようですが、
藤沢さんは恐らくできないだろうとご覧になっています。

南部はシーア派勢力で占められ、ISISの支持勢力であるスンニ派は
ほとんどいないのだそうです。
イラク政府軍は米国の力を借りて反攻に出るとみられることや、
カルバラ、ナジェフといったシーア派の聖地が
武装勢力に侵攻されうようであれば、イランが介入し、
イラクのシーア政権を助けるだろうと言われています。

アメリカとイランが協力する?!

という何とも不思議な構図となることもあり得る状況にあるようです。


ISISが南部に侵攻するという事態にならない限り、
原油価格がここから大きく上昇することもないと思われると
藤沢さんは指摘されますが、
それでも、この内紛は長期化の様相を呈し始めており、
完全にリスクが払しょくされたわけではないようです。

ここからの原油価格の予想については是非オンデマンド放送で、
藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

イラクは今後も地政学リスクとなり続けるか [大橋ひろこコラム]
2014.06/25 大橋ひろこ 記事URL
20日木曜日、NY市場で金価格が40ドルもの急騰となりました。金市場では久しぶりに見る大陽線。一体何があったのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日はコモディティインテリジェンス代表取締役 近藤雅世さんにコモディティ市場を動かす地政学要因、イラク情勢についてお話しを伺いました。

金急騰の要因のひとつは、6月のFOMC。17日に発表されたCPI消費者物価指数が
前期比0・4%もの上昇となったことや、このところの米雇用が順調なことから一部に金利引き上げ時期について言及があるのでは?というタカ派的な予想があったのですが、蓋を開けてみたら粛々とテーパリング継続、
利上げについては一切コメントがなく、タカ派予想には失望となりました。


タカ派予想をしていた向きが先に金を売り込んでいたと見られ
FOMCを受けて、こうした売り玉の買戻しが大きく入ったようです。

そして、イラク情勢。

近藤さんはこの地政学リスクについては調べれば調べるほど、
それほど大きな問題ではないと解説くださいました。

過激武装組織「イラク・シリアのイスラム国」別名ISI
また、「イラク・レバントのイスラム国ISIL」とも呼ばれていますが、
彼らがシリアからイラクの第2の首都モスルに侵攻。
首都バグダットに進撃中ということで、懸念が広がっています。

油田地帯として知られているキルクールを奪取したクルド人部隊ペシュメルガ。
この混乱に乗じて油田地帯を制圧したということではなく、
どうもISISの侵入を防ごうとしているのだそうです。

このISIS,そもそもアルカイダの一派だったのですが、
あまりの残虐性でアルカイダからも切り離されてしまったとか。
アメリカがイラクから撤退したことで、このISISが暴徒化しているというのが
真相のようで、宗教対立でも、民族対立でもないようだ、と近藤さん。

しかも、このISISの中核は5000人程のイスラム過激派であり、
後は襲った刑務所からリクルートした烏合の衆などであるということで、
まともに国を統治できるような勢力ではないようです。。

近藤さんはオバマ大統領は米軍が出動しなくてもイラク正規軍で
十分鎮圧できると読んで、空爆せずに軍事顧問団300人の派兵に
とどめたのだと思っている、と解説くださいました。

ということは?!
イラク情勢はこれ以上マーケットのインパクトとなるような
問題ではないということで、金や原油価はこれ以上の上昇はないということ?!

近藤さんはシリアのように紛糾した事態になるかもしれないが、
戦争とは呼べない内乱だと思われ、その全体像が広く認知されてくれば
原油価格は落ち着いてくると分析。金も地政学要因を材料に上昇した分は
剥落するとみられます。

また、鉱山ストが長期化しているプラチナについても伺いました。
詳しくはオンデマンド放送で近藤さんの解説をお聞きくださいね。

軽油価格8週連続上昇、軽油高の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.06/18 大橋ひろこ 記事URL
今日の日経新聞の朝刊、商品面に「軽油、輸送需要好調で高値」という何とも景気のよさそうな記事。スポット市場価格は5年9か月ぶりの水準まで上昇しています。タイトルだけ見ると、日本の景気が上向いてきて軽油価格も上昇してきたようにも感じますが、さて実態はどうなのでしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発 アジア石油製品チーム編集部長の二川良也さんに「軽油価格の動向と今後の見通し」を伺いました。

現在の軽油店頭価格は144円程度、ガソリン価格より15~20円ほど安いでしょうか。

5年9か月ぶり高値、ということはリーマンショック前の水準です。
店頭価格は8週連続での上昇ということですから、景気がいい話に見えますね。

二川さんに伺うと

根本的な問題として昨今の原油高が影響していることや、
アベノミクス相場での大きな円安の影響が大きいと解説くださいました。

確かに地政学リスクから原油価格も高止まりですし、
70~80円台をウロウロしていたドル/円相場が100円を超える水準まで
上昇したことを考えれば高くなってしまっているのは仕方ありません。。。

では、そもそも、需要が旺盛で上がっているわけではないの?!

二川さんは、夏場の需要期に入ることから足元の需要は増加傾向にあると
しながらも、軽油の需要のピークは96年の4600㌔から3割もの減少と
なっていると教えてくださいました。ガソリン需要が年々減少していることは
この番組でも何度も取り上げていますが、軽油も減少傾向なのですね。

軽油というのはディーゼル燃料。
主にトラックやバスに使われています。

環境問題からディーゼルが規制されてから、ディーゼル車はマイカーとしての
需要が激減してしまいました。今は精製技術も向上し、環境負荷の低い
質の高い軽油となっているそうですが、それでも一度落ちてしまった需要が
元に戻るのは容易なことではないようです。

しかし、ディーゼル車の減少、軽油の需要が減少しているならば
もっともっと価格が安くなってもいいのではないでしょうか。
(原油、円安で高いという背景があったとしても)

実はあまり知られていないのですが、日本は軽油をオーストラリアや
シンガポールなど海外に輸出しているんです。

国内需要が落ちた分が海外に輸出されていることで
価格が下支えされているのです。

では、日本は震災後、原発稼働停止となったことで貿易赤字国に
転じてしまっていますが、こうして質の高い軽油が輸出できるのであれば、
どんどん輸出して外貨を稼ぐことも大切なのでは?

とも思うのですが、

実は、中国や韓国など後発国の製油所の能力のほうが圧倒的に高いのだそうです。
日本の製油施設は40年前に作られた製油施設が最も新しいということで、
アジアの競争力では日本は優位ではないのです。
ということで、軽油輸出で外貨を稼ぐというのも現実的ではありません。

国内需要が低迷しているが故に、余剰分が輸出に回されることで
国内需要は低迷しているのに軽油価格が下支えされているというのも、、、
変な話ですよね。
輸出に回さなければ、安価になって需要が増えるかもしれないのでは?!

と二川さんにお伺いしたところ。、

石油製品は「連産品」。
原油からガソリンだけを、軽油だけを精製することはできないのです。。。と。
そういえばそうでした。

つまり、ガソリンを精製する過程で、軽油も一緒に精製されてしまうのです。
需要があろうとなかろうと。精製された軽油を在庫にするわけにいかないのです。
在庫が溜まれば保管にもコストがかかりますね。

ということで、在庫になるくらいなら、売れない分は海外へ。
そのおかげで軽油価格はあまり下がらないというのが現状。
そして、昨今足元では、原油高、円安、定期修理などが材料で
軽油価格は8週連続上昇中。


今後の価格動向を見る上でのポイントについては
イラク情勢などの地政学要因による原油価格動向、
そして、夏の需要期のお天気だそうです。

今年はエルニーニョで冷夏になるとも言われています。

夏は暑いほうが景気にはプラス要因ですね。
暑さで飲料水などの需要が上がれば物流も活発になり
トラックが動く、、、ということで、この夏の暑さも軽油価格の
変動要因だそうです。

詳しくはオンデマンド放送で二川さんの解説をお聞きくださいね。

需給要因に回帰、コモディティ市況 [大橋ひろこコラム]
2014.06/13 大橋ひろこ 記事URL
南アフリカの鉱山ストライキを巡る報道でプラチナが急騰、急落と忙しい値動きを見せています。また、イラクの反政府イスラム武装勢力が同国北部の2都市を制圧したことを受け、ここ数カ月でほとんど動きのなかった原油価格が大きく上昇しています。コモディティ市場は、米国の金融政策などの金融要因によって大きく動いた相場から個別の需給要因で変動する相場へとすっかり変わっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至さんにコモディティ市況を動かす要因と今後の展望を伺いました。

例えば金属は品目によって、まちまちの動きになっています。

<銅>
中国では、2日にチンタオの保税倉庫の銅地金2万トンが
中国当局に差し押さえられたと報道が。事態の詳細は不明ですが、
市場参加者の疑心暗鬼を強め、銅市況は下落しています。

<PGM:プラチナ、パラジウム>
南アフリカでは、継続する鉱山ストライキに対して政府が
調停に乗り出したものの9日に失敗に終わりPGMの大幅な上昇に
つながりましたが12日には一転して、ストライキを行っている労組側が
企業側の新たな提案を持ち帰って検討する方針が伝わり急落しています。

<アルミ、亜鉛>
一方で、マクロ経済的な世界景気の回復を反映してアルミニウムや
亜鉛などがやや上値を試す動きになっていましたが、
イラク情勢の悪化などから先行き懸念が強まり、再び売られています。

<金>
世界景気の回復が下落の要因になっていましたが、
ECBの利下げを受けて反発。
足元ではイラク情勢の悪化もリスク回避的な金買いにつながっています。
世界景気の回復に伴って投資家のリスク志向が強まる際には、
リスク回避的な資産である金への需要は減るという見方が
続いていますが、一方で金融緩和や地政学的な紛争は
買い材料になっているようです。

<原油>

WTI原油が107ドル、ブレント原油が113ドルまで上昇中。
シリア情勢の緊迫化などで上昇していた昨年9月以来の水準まで
上昇してきています。

従来からある供給障害が継続している中で、世界景気の回復観測が
強まり、新たな供給障害への懸念も加わった、
ということが起こっています。

①継続する供給障害

原油市場では、2014年初め頃は、
(1)リビアの生産回復
(2)イランの核開発問題を巡る協議の進展
(3)米国のシェールオイルの増産などによって、
原油供給が増加するとの観測が生じていたのですが、

実際には、米国のシェールオイルの増産が続いたことを除けば、
他の原油供給を増加させる要因は期待はずれに終わりました。

イラン核開発問題では、イランと米英仏露中独の6カ国との交渉が難航し、
事態の打開策がみえていないようです。

また、リビアでは4月頃、反政府勢力と政府の対立が緩和するとの
観測が強まった時期もあったのですが、その後両者の対立は続き、
原油の生産・出荷の回復は遅れています。

②地政学リスク

イラク情勢が悪化しています。
アルカイダ系で「イラクとレバントのイスラム国」という
イスラム教スンニ派の過激派組織が攻勢を強めており、
米国が支援に乗り出さざるを得ないような動きになってきました。
この過激派組織は、イラク北部にある第二の都市モスルを制圧し、
一時製油所のあるバイジにも攻勢をかけていると伝えられています。

こうしたニュースが米国株式市場でも意識され、米株が売られ、
原油が買われる動きに繋がりました。

この問題の今後について芥田さんは
需給ひっ迫への警戒感が徐々に出始めていたタイミングだったため、
イラク情勢の悪化に対する原油相場の反応が、やや大きなものになったが、
目先は、北半球におけるガソリンの需要期に差し掛かっているため
高止まりしやすいと分析。当面、上値を試す展開が追いやすいとしながら、
価格を安定させる要因として、ウクライナ問題が落ち着きを
見せていることなど解説くださいました。

7日には、ウクライナでポロシェンコ大統領が就任し、
それに前後して、ロシアとの緊張緩和が模索される動きが出ています。

ウクライナ情勢を巡る緊張緩和がブレント原油を中心に
原油相場の押し下げ要因として意識されている側面も。
変わって飛び出したイラク情勢悪化がプレミアムとなっていますが、
この夏は地政学要因が原油価格動向の見る上でのポイントとなりそうです。

詳しくはオンデマンド放送で、芥田さんの解説をお聞きくださいね。

動き出したプラチナ~下げ止まらぬゴム [大橋ひろこコラム]
2014.06/11 大橋ひろこ 記事URL
10日火曜のロンドン時間からプラチナ価格が大きく上昇を始めました。今日のTOCOM市場でもプラチナ価格は日久方ぶりに騰勢を強めレンジを上方ブレイクしたように見えます。南アフリカでは1月23日から続く鉱山労働ストライキがまだ続いていますが、ストが長引いている割には相場はレンジに留まっており、金の下落に頭を抑えられてきましたが、いよいよ動き出したということでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょう、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話しを伺いました。

これまでAMCU鉱山・建設労働組合連合が、これまで5万~6万円程度で
あった賃金を12万まで、およそ倍への引き上げを訴えて長期ストライキに
入っていましたが、1月から6月までのおよそ半年間、労働者には
賃金は支払われません。長期化するストライキに、南ア政府も仲介に入って
交渉が進められ、合意も近いのではという期待も出てきていたのですが、
交渉は物別れに終わったようです。これが今回の上昇のきっかけでしょうか?

また、NUMSA南ア・金属労働者組合も今月5日、
来月(7月)から組合員20万人規模のストライキに突入すると
発表、賃金の15%Upの交渉に入ると伝えられています。

今年のプラチナ需給は供給不足となるという試算もあり、
また、同じPGMのパラジウム価格が高騰していることから
プラチナはいよいよ大相場へのスタートを切ったと見られます。

一方で下げ止まらないゴム価格。ゴム分析のスペシャリスト小針さんは
タイ政府の生産者支援策の失敗をその要因として解説くださいました。

タイは政府が補助金制度を導入することにより、天然ゴム生産者を支援しています。
タイでは今年から北部で開発された天然ゴム農園の生産・収穫が本格的に始まり
これが増産に繋がっていることや、ベトナムでも近年、基幹産業としてゴム産業を
育成させるために増産傾向にあり、なんと昨年からマレーシアを抜き
世界第3位の天然ゴム生産国に躍り出る規模となってきました。


ラオスでも、2007年以降ゴムの木を新植し続けていますが、
これらのゴムの樹木の生産が今年あたりから本格的に始まることになっていることも
先行きの需給緩和要因です。今年のラオスによる供給は9年ぶりの高水準に
達する見込みになっています。

価格が下落傾向となっていることからタイ政府は生産者に補助金を支払い
支援策をとっています。タイ農業協同組合省が管轄している
「天然ゴム価格安定策」がそれで、単位面積当りで政府補助金を出しています。

補助金の対称は25ライ(1ライ=1600㎡)以下の小規模農園(スモールホルダー)に
従事する生産者。1ライ当り2520バーツの政府補助金が保障されており、
単純計算で25ライの農園の場合は6万3000バーツ(円換算19万7800円)の
補助金が出る計算。

しかしタイ政府が誤算だったのは、補助金対象の農民が62万人と試算して
いたのですが、実際に申請した生産者数は73万人にのぼり、
予算組みされていた210億バーツ(660億円)では足りず、
更に60億バーツ(190億円)の予算を計上する動きとなっているとか。

この政策がさらにゴム増産に拍車をかけてしまっています。
増産=価格下落、、、支援策がさらなる価格の下落を招くという
負のスパイラル。

小針さんは、TOCOM市場で200円を割り込んだゴム価格、まだ日柄も値幅も
足りていないとして、さらなる下値があると分析。

ゴム相場って、トレンドが出来ると長いんです。。。
そう簡単に終わらないのがこの市場の特徴。

まだまだ値頃で買うのは危険?!

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

将来パラジウムとプラチナは同価格に?! [大橋ひろこコラム]
2014.06/06 大橋ひろこ 記事URL
ゴールドは5月末に1250ドルを割り込む急落に見舞われ、南アフリカのストライキが長期化しているプラチナもゴールドに連れ安となるのか、需給ひっ迫懸念にも大きく上昇できずに揉み合いが続きます。こうした中、気を吐いているのがパラジウム。昨年までは750-800ドルではロシアの売りが出て頭を抑えられていましたが、現在は800ドルに底値感を感じる上昇、830ドル台まで高騰してきています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんに高騰するパラジウム、その背景と今後について伺いました。

4月のロシアのスイスへのパラジウムの輸出は2013年5月以来の
大きな増加となりました。
これは4月のパラジウム平均価格が797ドルと2011年以来
もっとも高い月間平均価格になったことが背景と見られます。
外貨を稼ぎたいロシアがパラジウムを大量に放出したものと思われますが、
時期的には、ウクライナ問題で経済制裁が話題となった頃でしょうか。

しかし、何故スイスへの輸出が重要なのか?!
まずはその背景から。


ゴールドやシルバーの受け渡しはロコロンドンですが、PGMはスイスを基点に取引される
現物取引ロコ・ズーリック(Zurich.日本ではチューリッヒと発音しますね)価格が
長く指標とされてきました。

旧ソ連が冷戦時代に、ゴールド取引の指標となるロンドン、西側に
パラジウムを輸出するのを避け、スイスの3大バンクが窓口となったという
経緯があったのですが、最近ではロシアからスイスへの輸出量が減少してしまったために、
指標性はすっかり低下しているようです。
それでも、この4月のスイスへの輸出量は目を見張るものでした。

しかし、1990年後半~2000年代前半と比べるとそのボリュームは大きく減少しています。
当時は30トンを超えるパラジウムが輸出されたこともあったのです。
この4月の数量はわずか4.7トンでした。
大きな流れではロシアのスイスへのパラジウム輸出は減少しているのです。


これは長年の外貨獲得のための売却で、パラジウムのロシアの国家備蓄が
ほぼ底をついてしまっているだろうことが背景とみられます。
備蓄が減少する過程でロシアの生産者であるノリリスク・ニッケルが
パラジウムを生産したそばから、すぐに直接需要家へと送られている、
ということのようです。スイスを経由することなく。

ロシアの国家備蓄がいよいよ底をつくだろう~。

この事実は市場関係者の間では2年ほど前から話題となっていたことで、
目新しいニュースではありません。
しかしながら、このところのパラジウム価格高騰の大きな要因の一つです。
パラジウムの世界最大の産出国はロシアであり、同国のノリリスクという世界一の
ニッケル生産会社がパラジウム・プラチナのほとんどを生産しています。
彼らの動向が今後のパラジムの価格動向を握っていると言っても過言ではない、と池水さん。
ノリリスクの生産したパラジウムがスイスを経由することなく、
直接実需家に渡るようになったことで、ロコ・ズーリックの指標性は低下してしまいました。

さて、ではその他にどのような材料があって、パラジウムは高騰しているのでしょうか?

現物の裏付けが必要なETFの存在も注目です。
今年4月にヨハネスブルグ証券取引所に本格的に上場された
南アパラジウムETFの残高は目を見張る増加となっており、
4月からのたったの2ヶ月足らずで、このETFは22トン近くの残高を増やしました。

22トンといえば年間鉱山生産量の約10分の1に当たる数量です。
このETFも現物の裏付けが必要であるため(南アフリカ産パラジウム限定)
この南ア パラジウムETFの登場が市場の需給をタイト化させ、
国際価格を上昇させてしまっている可能性も大きいと思われます。

また、パラジウムはガソリン車の自動車触媒として使用されます。
ディーゼル車対象のプラチナの触媒需要の46%に対して、
パラジウムのそれは67%にも上ります。
ディスインフレが懸念される欧州はディーゼル車が主流ですが
、欧州以外の自動車はほぼガソリン車が主流であり、
よって需要がパラジウムに集中しています。

日米中そしてインド、ブラジル、ロシアなど、
現在景気回復とともに車が売れているところのほとんどが
パラジウム需要マーケットなのです。

現在プラチナとパラジウムの比価は1:1.7。
一時プラチナがパラジウムの5.5倍まで広がったことがありましたが、
今は1.7倍というところまでパラジウムの価値が上がってきたと池水さん。
鉱山生産量は年間ほぼ200トンでプラチナもパラジウムもほぼ同量であることを考えると、
今後の需要の伸びが大きいと思われるパラジウムの方が、上昇余地が大きいと考えられます。

池水さんは将来的にはパラジウムはプラチナとほぼ同価値になっても
おかしくないと解説くださいました。
現在プラチナ価格は1450ドル近辺、パラジウムは830ドル近辺ですが、
そう遠くない先にそれは実現してしまうかもしれません。
詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

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