エルニーニョ懸念で大豆価格上昇?! [大橋ひろこコラム]
2014.04/18 大橋ひろこ 記事URL
米国産の大豆、トウモロコシがいよいよ作付の時期に入ります。3月末に出てくる大豆、トウモロコシの作付の予想から実際の作付の進捗状況、そして夏場には生育状況などが価格の変動要因として重要となってきます。これが天候相場と呼ばれ、穀物相場にとっては非常に大きな値動きとなるシーズンです。

最初の注目は例年3月末にUSDAアメリカ農務省から、発表される
「作付意向面積」米国農家に、今年は何を作付(生産)するのかを
アンケートするものですが、今年2014年度産は
「大豆の作付が増え、トウモロコシの作付が減少」する結果となりました。


農家はより利益が見込める穀物への生産意欲が高いため、
アンケートされる時点までのトウモロコシや大豆、小麦などの価格が
重要となってきますが、今年は大豆を生産したほうがより利益になると考える農家が
増えているということでしょう。

しかし、こうした結果が出れば今年は大豆の生産が増え、
トウモロコシの生産が減少するという思惑に繋がることから、大豆価格は下落し、
トウモロコシ価格は上昇するのが相場のセオリー。
思惑通りにはいかないものです。
ところが、現状の値動きを見てみますと、大豆価格が堅調の上昇、
トウモロコシは頭打ちでジリ下げの様相となっています。

一体どういうことなのでしょうか。

皆様、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケット・リスク・アドバイザリー、津賀田真紀子さんに
大豆価格の現状と今後の見通しについてお話しを伺いました。

シカゴ大豆相場は年初から上昇傾向、現在は昨年7月以来の高値圏となっています。
最大生産国である米国主要産地集中している中西部で低温が続いている影響により
作付けの遅れが懸念されている上、今夏は5年ぶりにエルニーニョ現象の発生が
予想されていることが背景にあると津賀田さん。

エルニーニョ現象が発生した場合、米中西部では雨が少なくなる傾向があるから、
今後予想単収が下方修正されるのではないかという見方が広がっているようです。

ただし、主要生産地であるアイオワ州とイリノイ州の作付けが本格化するのは通常、
5月中旬から6月上旬にかけてであり、まだ先の話。
作付けが遅れた場合、近年は6月中旬から下旬にかけて追い上げを見せる傾向も強く
現時点ではそれほど問題視する必要はないと思われると解説くださいました。
現在は先を織り込んで上昇している大豆価格ですが、現実にはまだ懸念が
実現していないために、価格が落ち着くだろうということで、これは弱気材料ですね。

では中国の経済成長率低下で輸出需要には影響はあるのでしょうか?

中国の1-3月期のGDPが前年同月比で+7.4%と1年半ぶりの低い伸びでしたが、
中長期的な視点で考えると、中国の景気減速が今後のシカゴ大豆相場にとって
大きな圧力となる可能性が高いようです。

中国では大豆は搾油した後、主に家畜の飼料として使用されますが、
このところ国内のクラッシュマージンがマイナスになっていることから、
積極的に搾油しようというマインドが働き難い状況となっていることに加え、
肝心の豚肉スポット価格(主要都市の平均)も2011年6月をピークに下落傾向です。

加えて近年は豚肉そのものの輸入量が香港経由で増加しており、
このまま国内の豚肉価格の下落が続いた場合、畜産農家の増産意欲が低下し、
飼料需要がさらに落ち込むという展開が考えられ、
大幅な需要の伸びを期待するのは難しいのではないかと津賀田さん。
これも、弱気材料ですね。

では価格を支える強気材料はあるでしょうか。

津賀田さんはウクライナの情勢悪化に伴う影響について解説くださいました。

ウクライナでは大豆を生産していない為、大豆の輸出市場に直接影響はないのですが、
トウモロコシや小麦など、配合飼料の原料となる他の穀物が輸出されなくなった場合は、
代替として大豆ミールに対する需要が増加する為、間接的に影響が出る恐れがあります。

今のところ、ウクライナ・ロシアともにトウモロコシや小麦の輸出量が減少すると
いう動きは見られておらず、むしろドル高となっていることから積極的に
輸出を行っている状態ですが、
今後ロシアからのエネルギー供給が停止された場合、
ウクライナの燃料コストの上昇に伴ってトウモロコシの生産コストが増加する可能性が
あり、この点が懸念材料。

2010年時点では、穀物生産における燃料コストの割合は15%程度でしたが、
これが上昇してしまうと、輸入単価で見た場合のウクライナ産トウモロコシに対する
魅力が低下することになり、結果的に代替として米国産トウモロコシに対する需要が増加、
この影響で大豆ミールも需要も増加するという流れになることが考えられ、
ロシアのエネルギー供給問題には引き続き注目しておく必要があるとそうです。

これらの材料を踏まえて今後の展開をお伺いしたところ、津賀田さんは
世界全体で見た場合、決して需給が逼迫しているわけではないことを強調。
今後作付け作業が本格化する2014-15年度の米国産大豆は、
作付面積の増加や単収改善の影響により過去最高の豊作を達成することが
予想されている現状から、上値を追う展開にはならないと展望。
今夏発生が予想されているエルニーニョ現象の影響によって
作柄がどの程度ダメージを受けるのかにもよるとしながらも、
中長期的には新穀を中心に値を崩す可能性が高いと解説くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田真紀子さんの解説をお聞きくださいね。

中国企業が金キャリートレード利用の可能性指摘 [大橋ひろこコラム]
2014.04/16 大橋ひろこ 記事URL
4月15日火曜、NY市場の金価格は、大幅反落となりました。昨日 1日の下げ率は(量的緩和策の縮小着手を決めた)FOMCの決定を受けて売られた昨年12月19日の3.4%以来の大きさで1284.4ドルまで安値がありました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト森成俊さんに
金相場について伺いました。

森さんによると1,300ドル台ではアジアの実需買いは消極的だそうです。
200日移動平均線が1,299ドル台に通っており、1,300ドル割れとなると
実需が動き始め需要が喚起されるそうですが、チャートは悪化してしまいます。


昨年末1200ドル割れとなったところから、今年に入ってショートカバーから大きく上昇
1400ドル目前まで上昇したのですが、そこからおよそ半値下落した1300ドル近辺で
現在どちらへ向かうのか、難しいポイントに差し掛かっています。

昨日15日、金の国際調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が、
中国の個人消費による金需要が、所得の増加などを背景に金投資や宝飾購入が伸び、
2017年には13年比で2割増の1350トンに達するとした報告書をまとめ予測していることが話題ですが、
同時に、中国企業が資金調達手段として保有する金の量が最大1000トンに上る可能性があるとの
指摘もしたことが懸念されています。


どういうことかと言いますと、、、。


企業投資や投機のために低コストの資金を調達する目的で輸入される金が、
信用状(LC)などを通じて利用されているというのです。

今年1月に、中国による銅キャリートレードが銅価格を下落させたことが話題となりました。
同じようなことをゴム市場でも行っていたのではないか、と言う指摘もあり、
ゴム価格も急落に見舞われています。


要するに、金(銅・ゴムなど)を担保にして資金調達し、
それを理財商品などの高利回り商品に投資する投資が流行っている、ということなのですが、

ご存じのとおり、こうした高利回りの理財商品は償還時に利払いが出来ないなどの
デフォルトリスクが懸念されているのです。

これが今、市場を揺るがしているシャドーバンキング問題。

すでに理財商品のデフォルトは止む無しということで、
中国当局も規模の小さいものは救済しないと表明していますが、
この春には太陽光パネルなどの企業の社債市場でもデフォルトが波及し、問題となっていました。


どうやら金融オペレーションのための金利用は、影の銀行(シャドーバンキング)の
大幅な伸びの一部を説明する需要の1つにまでなっているらしく、
2013年末までにこれが累計で1000トンに達した可能性があるとWGCは指摘しています。


金1000トンというのは世界の年間産出量の約3分の1に当たり、
現在の価格で約430億ドル相当。

商品を利用した資金調達に対する政府の取り締まりを受けて輸入が影響を受ければ、
金価格が下押し圧力に直面する可能性もあるということなのです。

取締りならまだいいのですが、
金キャリー資金で投資された理財商品がデフォルトしたら・・・?


しかし、ウクライナ当局は15日、軍事作戦を開始したと発表しており、
こうした有事リスクは金にとっては押し上げ要因です。

にもかかわらず15日の金価格は急落したのですが、
このところ調整を強いられていた米株がインテルやヤフーなどの決算を受けて、
大きく上昇したことが、株と逆相関関係にある金急落の要因であったと思われますが、
地政学リスクはなくなったわけではありません。

ここからの金価格の展望は?
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

需給要因で動き出した商品市場 [大橋ひろこコラム]
2014.04/11 大橋ひろこ 記事URL
日経平均は14000円の大台を割り込む下落、ドル円も101円台まで円高が進行となった4月2週。アメリカの3月雇用統計が発表される直前まではリスクオン相場となっていたマーケットですが、雇用統計、日銀の金融政策決定会合を受けて、特に日本市場の下落が大きかった印象です。米国株式市場のナスダック総合指数の下落も気がかりとなるなか、商品市場では金がジリジリと値を上げてきています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田知至さんに
商品市場の動向と今後の見通しについて伺いました。

芥田さんはこの日米の株価動向、為替市場での円買いについて
世界的に景気が停滞しているというよりも、各国によって強弱が分かれいると
言った状況にあると解説くださいました。

欧州は緩やかな景気拡大を続けており、米国は寒波の悪影響を脱して
景気が拡大基調にあることが確認されている一方で、
日本は、消費税増税前の駆け込み需要の反動が景気をかなり
下押ししそうである中、中国経済はモメンタムを欠いた状況。

中国の貿易統計が大きな落ち込みが気がかりで
輸出が落ち込んだほか、輸入も落ち込んで
中国の内需の弱さが意識されていること確認されています。

これは、米国の景気指標が3月はかなり好転してきたのとは
対照的な動きであると芥田さん。

米国では寒波が後退してから、景気がはっきりと持ち直しています。
ただし、株価の方はというと、景気指標の流れとは逆で
米国は頭打ち感が出ている一方で、中国株は持ち直してきています。
このあたりがマーケットの難しいところですね・・・。

コモディティ相場では原油が持ち直して上昇に転じてきています。
米国の景気指標が、寒波の影響を脱して今後よくなっていくだろうという
思惑から、ガソリン需要が増加するとの期待などが相場を支えているようです。

4月に入って下落する局面もありましたが、これはリビアにおける
原油生産や原油輸出が回復するとの観測が広がったためです。
石油施設や港湾を占拠していた武装勢力がリビア政府との対話に応じ、
港湾や石油施設の封鎖を解除するとの観測が強まっています。


リビアでは、2011年春に始まった内戦を受けて、
同年夏には原油生産量が一時ゼロ近くまで落ち込んでいたのですが、
2012年夏にかけて、ほぼ内戦前の原油生産量である
日量160万バレルを回復していましたが、
2013年夏以降、自治の拡大や石油収入の
より多くの配分を求める反政府的な活動が拡大し、
原油輸出や原油生産が再び大きく落ち込んでいました。

リビアの生産障害によって、原油相場は10ドル以上動いていたので、
かなり原油相場を押し下げる潜在力があると思われます。

ウクライナ問題という地政学リスクが相場の下支えになる可能性が
高い一方で、リビアの生産回復は相場の下落要因となるということです。
強弱の材料が交錯する中で、原油相場は、やや値動きが荒い展開が続きそう。


はっきりとしたトレンドが出てきたのが穀物相場。


トウモロコシ、大豆価格は昨年の豊作で大きく価格が崩れていましたが、
ウクライナ穀倉地帯で生産される小麦、トウモロコシの供給に懸念が生じたことや
南米の干ばつによる生産減少懸念などが価格を押し上げました。
また、そろそろ米国ではトウモロコシ、大豆の作付が始まりますが、
天候相場への思惑が相場に織り込まれ始めたようです。

ここからの穀物価格は?
詳しくはオンデマンド放送で芥田さんの解説をお聞きくださいね。

金融要因より個別の需給要因に、トウモロコシ上昇 [大橋ひろこコラム]
2014.04/09 大橋ひろこ 記事URL

4月新年度入りのマーケット、第1週こそ、米株、日本株、ドル/円上昇となり景気の良いスタートでしたが、アメリカの3月の雇用統計発表後から下落基調となり、昨日9日の日銀の金融政策決定会合では政策の現状維持に加え、黒田日銀総裁会見で市場の追加緩和期待が一蹴されてしまったことで、日本株、ドル/円の下落がさらに加速、すっかりムードが変わってしまいました。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日は商品アナリスト小針秀夫さんにお話しを伺いました。

商品市場はというと。。。

3月17日を天井に下落が続いていたドル建て金相場は
雇用統計をきっかけにして下げ止まり、じり高傾向。


国内では円高に相殺されてしまうのですが、それでも
下落相場には歯止めがかかった印象です。

小針さんは、ドル安が下値を支えているとしながらも
先日まではディスカウントになっていた中国の金価格も
上海金価格ではプレミアムがついていると解説くださいました。
中国勢は価格が下がると動き出す、、、ということが
改めて確認できるのですが、少し現物市場の需給が
締まってきたということですね。


また、インドの民間銀行5行に対し輸入規制の緩和が発表されていることで
インドの買いが膨らむことが期待されているようです。

また、ウクライナ東部のドネツク人民共和国の創設がニュースとなっています。
5月11日までに共和国創設の是非を問う住民投票を実施するとしていますが、
このニュースも有事として、原油価格を押し上げたとされており、
金にも波及しているのでしょうか。

小針さんは金は方向感がなく、手掛けにくい展開が続くとしています。

またプラチナ市場には強気な材料が豊富にあるものの、価格に反映されないという
展開が続いています。南アフリカの労働ストライキは10週目に突入。
供給への懸念が膨らむ中で、上値を抑えていたとされる
南アフリカの通貨ランド安警戒も随分と後退したのですが、、、

プラチナはレンジ相場が続き、方向が見極めにくいと小針さん。

こうした中で最も注目なのがトウモロコシ。

3月31日のUSDAアメリカ農務省から発表された作付意向面積では
(米国農家に今年何を作るかアンケートしたもの)
トウモロコシの作付が-4.8%という結果に。

これを受けて、トウモロコシの生産が減少するとの思惑から
トウモロコシ価格が上昇となっています。

今年はシカゴ市場では8ドルにまで上昇するとの見通しも出てきており、
現在の4~5$前後の価格からは2倍近くまで上がるとの期待も。

詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。

金利がテーマとなるも崩れぬ金相場 [大橋ひろこコラム]
2014.04/04 大橋ひろこ 記事URL

1月~3月にかけて上昇した金価格が上げ幅に対して50%ほど値を削っています。

2013年12月31日の安値と6月28日の安値でW底を形成、テクニカル面の改善で買戻しから始まった金の上昇はウクライナ問題という有事を材料に騰勢を強めましたが、住民投票を受けたクリミアのロシア併合でトップアウト。


3月19日のFOMCでFRB議長のイエレン氏がテーパリング終了後
おおよそ6か月後には金利が引き上げられるとした旨の発言を
行ったことで、金利がつかない金価格はさらに値を削る展開となりました。

みなさんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は金融・貴金属アナリスト亀井幸一郎さんに
金相場の現状を取り巻く材料と今後の見通しを伺いました。

亀井さんによると今後のポイントは2つ。

ひとつはアメリカの経済指標。

1~3月に指標が悪化したのは記録的な寒波のせいだったと
市場が織り込み始めました。ISM製造業、非製造業景気指数の改善、
雇用指数の改善などを受けて米国株式市場は第1四半期に下げた分を
取り戻す上昇となっており、S&P500、ダウ平均などは史上最高値を更新しています。

株価が上昇する半面で金はさえない値動き。
やはり値動きのいい株に資金が動いてしまっているのでしょうか。

亀井さんは、市場がいよいよ金利引き上げの時期を意識し始めた割には
金価格は崩れていないと指摘。昨年までの弱い地合いであれば
マーケットが金利を話題にし始めたなら、大きな下落に見舞われていたと
思われます。昨年2013年はテーパリング開始時期がマーケットのテーマと
なっただけで金価格は大きく崩れ始めました。


実際にはテーパリングを実施してからは上昇に転じており、
相場は事実よりも、思惑で先行して動くことが改めて確認できる
値動きでしたが、その先を織り込むはずの相場、利上げの思惑が
話題となったにもかかわらず、1300ドルから下が固い印象ですね。

まずは足元の米国の金融政策の行方を占う米国の景気指標が
ポイントとなってきますが、亀井さんは住宅指標があまりよくないことが
懸念材料であるとおっしゃっていました。

また、ウクライナ問題はまだ終わっていないとも。

有事における金の値動きにはついて行ってはいけないというのが鉄則だそうで、
今回も、クリミアの住民投票まででひと相場終わってしまったのですが、
ロシア国内でのナショナリズムの高まりが偶発的な軍事衝突を
招かないとも限らず、有事の金買いはまだ完全に終わったとは
言えないと亀井さん。下値がサポートされているのは
さらなる有事へのリスクを警戒する向きの買いもあるのでしょうか。

中国やインドなどの実需の買いが高値圏では勢いがなくなっているとの
指摘もありますが、中国の香港からの輸入量は増加傾向にあり、
この3月に、中国がどの程度金を輸入していたかに注目だそう。

中国では金価格下落から金現物価格がディスカウントになっていると
報じられていますが、、、。

亀井さんは、大きな上昇となる相場ではないものの、
金価格の下値は限定的だと指摘、今後のポイントを
お話くださいました。

詳しくはオンデマンド放送で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

下落に転じた金価格、中国インド勢は・・・ [大橋ひろこコラム]
2014.04/02 大橋ひろこ 記事URL
金価格が下落しています。
ドル建て金価格は昨年12月31日に1181ドルまで下落した ものの、この価格は昨年6月28日の1179ドルと面合わせとなり反発。1月は中国勢が安値拾いからの買いを積極的に入れて上昇しました。テクニカル的に W底を形成したことから短期筋のショートカバーが入ったこともあり、金価格は大きな上昇につながりました。ウクライナ問題などの有事も金買いの材料とな り、3月17日には1392ドルと1400ドル大台目前まで上昇していたのですが、、、
 
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト、東海林勇行さんに金価格の動向と今後の見通しを伺いました。

 
中国やインドの実需筋には米国の金融政策など関係ありません。
「安くなればたくさん買う。高くなれば買わない」という購入スタイル。
 

2014年第1四半期は金価格が下がっていたので精力的に買っていましたが、
1350ドルを超えた高値ではぴたりと買いの手が止まりました。
現在は比較的下落スピードが速いために、下げ止まるのを待っていると見られ、
中国の金現物市場は金はディスカウント状態にあります。
(国際価格より安くなってしまっている)

 
また昨年は貿易赤字を解消するために、金の輸入規制を行っていたインドも
結局は密輸が横行することや、ルピー安が落ち着いていることなどから
輸入規制を緩和。手始めにインドの民間銀行5行に対して
金の輸入許可が出されました。

 
これにより、インドにおいても金のプレミアムは下落に転じていると東海林さん。

 
実需の買いサポートが弱いなか、現在の下落の背景にあるのは
短期筋、ヘッジファンド筋などによる金売りで、
ウクライナ問題が激化しなかったことや、FRBのイエレン議長の
テーパリング終了後6ヶ月程度で金利が引き上げられるとした発言に
「金利がつかない金」からリスク資産へと資金が動いていると思われます。

 
米国の経済指標も改善傾向にあり、1~2月に発表された指標の悪化は
寒波のせいだったとする楽観がマーケットに広がりつつあり、
米株はS&P500が史上最高値を更新するなど、
全般リスクオンの様相と成ってきており、
金市場にはネガティブな環境にあります。
 
ここからの金相場、ポイントは?
 
今週はアメリカの3月の雇用統計が発表されますが、
現在のところかなりいい数字になりそうという予想が大勢です。
 
金はどこで下げ止まるでしょうか。
 
テクニカル的な側面からの重要ポイントなど東海林さんに
伺っています。また円建ての金の勘所も。
 
詳しくはオンデマンド放送で東海林さんの解説をお聞きくださいね。
欧州の石油化学・精製業界の衰退の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.03/28 大橋ひろこ 記事URL

アメリカのシェール革命が、様々な世界の構造の変化をもたらしています。

2014年3月7日、世界第4位の石油精製・化学会社であるINEOS(イネオス)のジム・ラトクリフ会長がEUの欧州委員会のバローゾ委員長宛てに「このままではヨーロッパの化学産業はその多くが倒産するしかない」とのオープン・レターを送付しました。一体何が起こっているのでしょう?!

 
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今回は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘文さんに
世界の石油精製・石化産業の今後について伺いました。

 INEOSとは石油化学,石油精製業を中心に16の事業部門を有し,世界13カ国に跨る生産ネットワークを形成する世界第4位の石油精製・化学会社です。

その大企業の会長がバローゾ委員長に「なんとかしてほしい」と泣きついたのです。「米国のシェールガス革命がすべてを変えてしまった。このままでは欧州の石化も石油産業も消滅してしまう」。

 

その内容を山内さんに伺いました。

 

ヨーロッパの化学産業は100万人を雇用。関連雇用も含めれば500万人。売上高は1兆㌦にも上ります。

ところが、現在、ヨーロッパのガス価格は米国の3倍,電気料金は50%以上割高となっており、シェール革命に湧く米国や産油国である中東の原料価格と比較すると競争力では到底かないません。燃料、原材料高にあえぐヨーロッパの化学企業の多くは10年に以内に閉鎖の事態に直面するというのです。

 

米国では710億㌦を投じた石化プラントの新増設が進んでいるそうです。一方のヨーロッパは閉鎖が相次いでいるのが実情。英国では22が閉鎖され,新設はひとつもありません。

中東でもアブダビ,カタール,サウジアラビアで石化プラントの建設が続き、イランでも新規600万㌧ものエチレンプラントが立ち上がる予定。また、中国でも次々とプラント建設が進んでおり、これまでは世界の余剰な化学製品をすべて受け入れてきたが,これからは自国生産分を消費して,余剰分は輸出するようになっていきます。

 

ところが,ヨーロッパでは環境税導入,原発閉鎖の方向で、シェールガスはありません。輸入化学品が津波のように押し寄せてくるのに,独禁当局は無関心でリストラを邪魔しているというのです。

 

米国とのコスト格差は米国のシェールガス革命が背景。2006年に始まった米国のシェールガス革命で原油価格はWTIが現在100㌦/㌭前後であるのに対して,北海ブレントは108~109㌦である。今はこの格差が縮まっているのですが,20㌦以上の「ブレント高」という局面も珍しくはなくなってきています。

また、米国の天然ガス価格は2013年平均で約4㌦/百万Btuであるのに対して,ヨーロッパのLNGは14~15㌦と3~4倍にも上ります。

この大幅な格差はまず燃料コストの格差となって跳ね返ってきます。これは電気料金の格差にも現れます。そしてもちろん、原料コストが圧倒的に高いということですね。

天然ガス価格はシェールガス大増産によって2~3㌦まで急落しました。付随してエタン価格も70~80㌦/㌧まで急落したことで「死に体」といわれていた米国の石油化学は再生・復活したのです。天然ガスの急落は電気料金の著しい低下をもたらしガス料金も下落。原燃料費が安くなりました。

この結果,何が起こったかというと,製造業が米国回帰を始めたのです。1950年代には米国から消えてしまったといわれた白物家電製造業まで米国に帰って来ているのです。日本の製造業もこれまでの東南アジアシフトから,最近では米国へ移転するという流れに代わってきています。こうした流れが、ヨーロッパでは半減する利益も米国では3倍となるのです。


税制の見直しや政府支援などの対処がなされても、米国との原油価格格差・天然ガス価格格差・原料価格格差が解消されなければ、根本的に欧州の石化・石油精製産業の衰退は避けられないのが実情です。こうした問題は対岸の火事ではありません。日本の精製・石化に明日はあるのでしょうか?!

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

 


25周年サイクルにあたる2014年 [大橋ひろこコラム]
2014.03/26 大橋ひろこ 記事URL

3月最終週、期末を迎えるというのに日本株市場に元気がありません。ドル/円相場もFOMC直後に101円台半ばから102円台半ばに急伸して以降、すっかり膠着してしまいました。年明けはアベノミクス相場が続き、日本株高、ドル/円相場も円安予想が大勢でしたが、この1~3月は中国の理財商品の問題、ウクライナ問題、新興国経済への不安と様々なリスクがマーケットを覆い、当初からのシナリオとは随分異なってきています。金に対すしても弱気の見通しが大勢であったのですが、あちこちから顕在化するリスクで金価格は確りと推移、こちらも思わぬ相場が展開されています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットアナリスト菊川弘之さんにお話しを伺いました。

菊川さんは、2013年ほど簡単な相場ではない、とマーケットで意識される25年サイクルをお話しくださいました。


1914年:第1次世界大戦 

1939年:第2次世界大戦

1964年:ベトナム戦争激化・中国発核実験

1989年:昭和天皇崩御
    天安門事件 
    ベルリンの壁取り壊し
    東西冷戦終結
    バブル日経平均最高値

と、世界を大きく揺るがす事象、事件が25年周期で訪れています。
そして、今年2014年は1989年からちょうど25年目に当たります。
G8からロシアを排除するなど世界の構造的変化が訪れるような気配も?!

また、市場に「超高層ビルの呪い」とささやかれていますが、
バベルの塔の完成は経済恐慌を呼ぶとして、今年完成する「上海センター」が
その象徴となるのではないか、というような懸念もあるそうです。

1929年世界恐慌の年に完成したのが
クライスラービルとエンパイア・ステートビル

1973年オイルショックの年に完成したのが
ワールド・トレードセンターとシアーズタワー

1997年アジア通貨危機の年に完成したのが
ペトロナスツインタワーと台北101

2010年ドバイショックの年に完成したのが
ブルジュ・ハリーファ

見事なまでに、世界のどこかで超高層ビルが完成した年には
経済のクラッシュが同時に引き起こされています。

今年は上海センターが完成する年。中国の経済にも暗雲が立ち込めてきたような
気も致しますが、なるほど2014年は。昨年と比較すると難しい年になりそう。

菊川さんには、金相場の行方について伺っています。
富裕層が中国から資金を引き揚げているというような話も聞こえてきますが、
2013年、金の最大の買い手であった中国は今年も金を買うのでしょうか?

中国は金の購入量を公表していないのですが、一つの指標として
香港が中国へ輸出した金の数量というのがあります。

これによると中国は今年の2月も2月としては史上最高の金を輸入していたことが
解っています。金の購入が衰える気配は全くありません。

菊川さんによると、理財商品、人民元にリスクが高まれば高まるほど
中国の富裕層は資金を金に替えるという行動に出ることがわかっており、
むしろ今年はさらに購入量が増えるのではないか?!と思われます。

ここからの見通しについてはオンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

上昇トレンドに乗った金相場、ここからのポイント [大橋ひろこコラム]
2014.03/19 大橋ひろこ 記事URL

金は年初から1,200ドル台で底堅く推移した後、2月13日に米景気減速(米週間新規失業保険申請件数の増加、1月の小売売上高の減少)による量的緩和縮小ペースの後退観測で節目の1,300ドルを突破すると、弱気ムードが後退し、上昇基調に拍車がかかりました。今月12日にはウクライナ情勢の緊張化から逃避買いが活発化し、1,350ドル超え。17日には1,390ドル台まで買われ、1,400ドルを目指す流れになっていましたが、今週に入って、ウクライナの住民投票を受けて欧米とロシアの制裁が激化するとした警戒ムードが広がっていましたが、緊張の高まりがなかったことからリスク回避で買われていた分の金買いのプレミアムが剥げ落ちたと見られます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオーバルネクストアナリスト森成俊さんにお話しを伺いました。

金価格は1,400ドルの節目を越えると、昨年8月28日の高値1,433ドルが
ターゲットとなります。週足は先週まで6週間連続で陽線引けとなっています。
200日移動平均線を2月14日に超え、中長期上昇基調に転換、
今月19日現在、200日移動平均線は1,297ドル水準を通っています。

金価格はこのまま上昇継続となるのでしょうか。

まずは足元の大きな材料として19日日本時間午前3時15分に
発表されるFOMCに注目。森さんは量的緩和縮小が継続される可能性が
高く、大きな波乱はないとしながらも、縮小の規模変更があれば大きな動きと
なると指摘。このところはドル売りが根強く、ユーロ・ドル相場は上昇しています。
ユーロ高、ドル安ならファンドの金買いが喚起されますが、
FOMCを受けてのドルの行方がまずは最大の注目です。

東京金先限は昨年12月20日に4,002円まで下落しましたが、
4,000円割れは回避され、大納会は4,094円で終了。


年明け後は上昇基調となり、1月21日に4,221円の高値をつけた後、
押し目を形成し、2月5日に4,074円まで下落。
この時は消費増税前ということもあり、現物市場では金が品薄状態。
プレミアムがついていました。

2月半ばからドル建て相場の急騰を映し、25日に4,400円台乗せ、
今月3日に4,338円まで押し目を形成したした後、
ウクライナ情勢の緊張を背景にしたドル建て相場の上昇で
13日には4,545円まで上昇しました。


昨年6月の高値4,585円、4,600円の節目が当面の高値目標と森さん。
TOCOM金市場では200日移動平均線は4,213円に通っており、中長期的に
強気転換したと思われますが、取組高は8万枚前後で横ばいとなっている
ことが気がかり。新規買いが入っての上昇というより、ショートカバーによる
上昇の色合いが強いようです。

金ETF市場からの資金の流出に歯止めかかったようです。
2月から微増傾向となり、今月18日現在、1,154.76トン。
また、ニューヨーク金市場で昨年11月終盤に2万枚台で低迷していた
大口投機家の買い越しが昨年末から増加に転じ、今月11日現在、
118,890枚まで増加。短期資金の流入傾向が続いています。

また、森さんにはプラチナ動向についても伺いました。

プラチナは円建て、ドル建てとも昨年末から急騰。
好調な米中自動車市場に加え、欧州自動車市場の回復も支援材料です。
南ア鉱山会社大手3社アングロアメリカン・プラチナム、インパラ、ロンミンの
労働者ストで供給減少観測が台頭し、1月20日には現物価格ベースで
約3カ月ぶりの高値となる1,470.30ドルまで上昇したものの
量的緩和の縮小の継続から急落となり、2月4日には1,350ドル台に下落。

その後、金の急騰、南ア鉱山会社ストの長期化懸念、供給不安、
中国の自動車市場の拡大から再上昇となり、
今月5日にはドル建て現物相場が1,480ドル台に乗せ、
昨年9月以来の高値を更新。

ニューヨークプラチナ市場での大口投機家の買い越しは2月11日現在、
32,398枚まで減少したが、今月11日現在、44,720枚まで増加しています。

ただ、金に比べると上昇が鈍く、出遅れ感が強い印象です。

さて、ここからのプラチナ価格を見る上でのポイントは?
詳しくはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

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ウクライナ情勢緊迫化で金、穀物上昇の背景 [大橋ひろこコラム]
2014.03/14 大橋ひろこ 記事URL
ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、コモディティ市場では金や原油、穀物価格が上昇しています。ウクライナとはどんな国なのでしょうか。また、何故ウクライナ情勢の緊迫化が様々な商品価格に影響しているのでしょう。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は資源・食糧問題研究所 柴田明夫さんにお話しを伺いました。

2013年11月、ヤヌコービッチ政権がEUとのパートナー協定の調印を拒否したことで、EUを志向する市民による暴力的革命に発展。

ロシアにとって、旧ソ連第2の大国であるウクライナは、安全保障上の「革新的利益」だと柴田さん。

ウクライナが将来EUおよびNATO(大西洋条約機構)に加盟することにでもなれば、ロシアはNATOとの緩衝地帯を失うことになります。このため、南部クリミア半島にはロシア黒海艦隊が常駐し睨みを効かせていました。ここはシリアへの新兵器輸送の拠点でもあるのだそうです。

そのウクライナの反政府運動がロシアのソチオリンピック開催中に激化。オリンピックが明けた3月2日、ロシア・プーチン大統領は、ウクライナ側の武装解除を求めクリミア半島への軍事介入を拡大したことで緊張が一気に高まりました。株式市場はリスクを回避する下落に見舞われましたが、金価格は上昇、昨年10月以来、4カ月半ぶりの高値1350ドルへと上昇しました。

反政府運動を受けて、ロシアが経済面での圧力をかけました。鉄鉱石の輸出などで外貨を得ていたウクライナの1月の粗鋼生産は249万トンで同▲13.5%の大幅な落ち込みとなっています。(2013年は3282万トン)。ウクライナ危機は、政府・民間を合わせて約660億ドルといわれる短期対外債務のデフォルト危機をももたらしています。こうしたリスクも嫌気して金価格が上昇しているものと思われます。


また、長引く寒波で高騰してた原油価格も上昇していました。ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは、ウクライナ向けのガス輸出価格の引き上げを発表。

基幹パイプラインを通じた欧州向けガス価格への影響も懸念材料です。天然ガス市場も寒波の影響で高騰していましたが、エネルギー市場はウクライナ問題にも敏感に反応しました。しかし先週米国がSPR戦略備蓄の放出を発表したことからエネルギー価格は急落に見舞われています。


影響が大きかったのが、穀物市場です。
ウクライナは中央部に肥沃な黒土地帯を持ち、近年は小麦やトウモロコシの新興輸出国として注目されています。小麦やトウモロコシ価格が急騰しているのもウクライナの緊迫化を受けての輸出の停滞を懸念したもの。

米農務省は、2013/14年度のウクライナの小麦およびトウモロコシ輸出量をそれぞれ1000万トン、1800万トンと予測しています。


しかしながら世界最大の小麦輸入国(1000万トン)であるエジプトの輸入はこれまでのところ問題はないようです。思惑で動いた相場の揺り戻しもあるかもしれません。

柴田さんは当面のコモディティ市場は、ウクライナ情勢に左右されるとし、直近では16日にウクライナ南部クリミア自治共和国で、ロシア編入の是非を問う住民投票が行われるかどうかに注目だと指摘。すでにロシアはクリミア半島を実効支配していますが、ケリー米国務長官は、投票が行われれば、米・EUが17日にロシアに対して「重大な措置をとる」と制裁発動を警告しています。これに対して、ロシア政府も報復措置を示唆していることから、マーケットの混乱が予想されます。

ただし、対話路線の道も残されておりケリー国務長官とロシア・ラブロフ外相が電話会談⇒対話を続けていることから、緊張が一気に緩む可能性も。こちらの道を辿ってほしいと願いますが。。。

詳しくはオンデマンド放送で柴田さんの解説をお聞きくださいね。
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