毎週火曜のファンダメンタル分析シリーズ。1月中の火曜は4回に渡って「農産物のファンダメンタル分析」3回目となる今回は「大豆相場のファンダメンタル」です。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回もサンワード貿易コンシュルジュデスク 植村和久さんにレクチャーいただきました。
大豆とトウモロコシの大きな違いは
「大豆には天候相場が1年に2回ある」ことです。
トウモロコシの天候相場は4月の作付開始から収穫される9月くらいまでですが、
大豆は同じく4月~9月の米国の天候相場に注目するのは当然ですが
その後、10月~3月の「南米産大豆」の天候相場にも注目する必要があります。
どういうことかと言いますと、、、
大豆生産量 1位 米国 (32%)ですが、
2位 ブラジル (31%)
3位 アルゼンチン(19%)
ブラジル、アルゼンチンの生産量を足すと50%にも上り、
南米産大豆は米国産大豆の生産量を上回っているのです。
90年代までは米国産大豆が世界生産量の50%を占めていたのですが、
米国産大豆の生産が減少したわけではなくて、
ブラジル、アルゼンチンの生産が増加したことで
そのシェアを伸ばしてきたのです。
つまり大豆の世界生産量は増加しているということですね。
北半球の米国産大豆の生育状況と
南半球の南米産大豆の生育状況が大豆価格を動かす変動要因となるため
大豆の天候相場は年に2回あるということになります。
天候相場が終わると、収穫去れた大豆の需要が材料となりますが、
これも、米国産、南米産とテレコで材料になってくるというわけです。
では需要国、消費が最も多いのはどこでしょうか。
消費量 1位はやはり 中国 (29%)
2位 米国 (18%)
3位 ブラジル (15%)
となっています。
◆米国需給
天候相場
4月~9月が天候相場ですが、
大豆の作付けはとうもろこしより10日ほど後に始まります。
よって、トウモロコシを作付するつもりでいた農家も、
天候要因などで作付ができなかった場合、大豆にシフトすることも。
USDA発表の作付意向面積(3月末)と
確定作付面積(6月末)のギャップが価格を大きく動かします。
天候のポイントとしては 作付け時の長雨や
7月から8月にかけての開花・着莢期の気温・降水量、
そして 収穫時の早霜、長雨などがリスク要因となってきます。
需給相場
需給相場にはいると次年度8月末の期末在庫率が材料視されます。
10%~15%が適正水準で、この域から外れると価格が動きます。
在庫率が下がれば価格上昇、高在庫率なら価格下落。
◆南米需給
南半球のため、米国とは生育サイクルが逆です。
10月~3月が南米産の天候相場期。
10~12月期が種まきシーズン、
1月の生育状況が重要で
3月が収穫期に当たります。
また、ブラジル内陸が主要生産地となるため
港までの輸送はトラック輸送。
米国産は川を使っての輸送なのに対し輸送コストがかさみます。
◆中国需給
大豆ミール、大豆油の需要増加に伴い、世界最大の消費国
米国、ブラジル、アルゼンチンの3ヶ国に輸入依存
1995年までは大豆の輸出国でしたが、現在は世界一の輸入国。
この20年で輸入量は90倍にも膨らんでいます。
当然ですが、現在中国で生産された大豆は輸出されていません。
食用油価格が高騰すると国家備蓄の放出などの政策をとることが
ありますが、このニュースが出ると大豆価格は下がります。
◆最後に円建てう輸入大豆価格について
CBOT大豆価格が10銭と動くとTOCOM大豆は470円の変動要因
為替が1円動けば400円
フレート(海上運賃)がトン当たり1ドル上昇すれば130円
2012年には大干ばつで大相場を演じた大豆相場ですが
2013年から2015年まで3年連続で豊作が続いています。
昨年からのエルニーニョの影響が懸念される今年の天候相場。
どのようなポイントを押さえておけば大相場の予兆を掴むことが
出来るでしょうか。詳しくはオンデマンド放送で
植村さんのお話をお聞きくださいね。
原油価格下落が止まりません。そもそもの下落は「供給過多」に尽きるのですが、更なる下落があるでしょうか。ここからの原油価格動向を読むうえで何に注目しておくべきか。更なる下落を招く可能性がある新材料、あく抜けとなり得る「底入れの条件」などを検証いただきました。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は番組初登場、よそうかい・グローバル・インベスターズ代表 松本英毅さんにお話を伺いました。
1:アメリカの在庫貯蔵能力を超えスポット市場へあふれた時
毎週水曜日、EIAから発表されるアメリカの原油・石油製品在庫統計が原油価格の変動要因となっています。増え続ける原油在庫の数字が発表される度に、原油価格下落が加速するというパターンが繰り返されていますが、原油の貯蔵能力の限界とされながらも、まだ地味に在庫増ペースが続いています。陸上タンクの貯蔵能力が限界に達しても、海上タンカーを借りての洋上在庫という手段があり、スポット市場で安価な原油を買って先物市場で売るといった鞘取りによる在庫を抱える取引が続いているようです。いよいよこの「在庫」を抱えることができなくなり、在庫が市場に放出されスポット(現物)市場にあふれ出れば、更なる価格下落を招くでしょう。在庫上限がどこなのか明確な数字は分かりませんが、在庫の増加が止まり、なおかつ減少もしなくなったなら、いよいよスポット市場への流出するサインかもしれません。在庫水準の変化を注視しておくこと。
2:中国の備蓄が止まった時
一般ニュースで「中国景気減速による消費鈍化」が原油価格の下落要因と解説されることもあるのですが、確かに消費量は鈍ってはいるものの、中国は安価な原油を購入して備蓄に回しているため、輸入量は決して減少していません。中国の輸入減による需給の緩みではない、ということは勘違いしないでおきたいポイント。ただ将来の懸念を先取りしているということですね。ただし、中国とて備蓄能力の限界はあります。中国の原油備蓄がとまり、いよいよ輸入が落ちて来れば、原油価格はさらなる下落を招く可能性は否定できません。
3:ドル高による国際商品価格低迷~米利上げペースは?
金融要因も原油をはじめとした国際商品価格下落の一因です。米利上げの影響は資源国や新興国通貨安を招いており、資源国は通貨安から更なる増産体制にはいるなどの悪循環。人民元安が止まらないのも、米国の利上げに起因するとの指摘もあり、2016年米国が粛々と金利を引き上げることで他通貨安が進み、金融市場の混乱がさらに拡大することとなれば、米国は利上げのペースを再考せざるを得ないとの見方も。松本さんは3月の利上げは実施される可能性が高いが、その後ドル高が加速し、金融市場の混乱が大きくなれば年後半の利上げは難しくなることもある、として、最終的にドル安となれば、原油価格も反騰すると解説くださいました。
4:シェール関連企業の社債デフォルトリスク
原油安によるシェール企業の採算悪化で、ハイイールド債のデフォルト懸念が高まっています。仮に比較的大きなシェール関連企業のデフォルトがあった場合、一時的には原油価格の上昇も見られるかもしれませんが、結局は、大手に吸収され生産は継続されるとみられます。実際に原油生産量が落ちるかどうか、、その点を見極めないと単発的な値動きに終わるでしょう。
これらの材料が原油価格をどのように動かすでしょうか。
松本さんに、詳しくお話を伺っています。
オンデマンド放送で松本さんの解説をお聞きくださいね。
12日のNY市場で、WTI原油先物価格は一時30ドルを割り込みました。需給が緩む中、中国経済の悪化懸念などから原油が売られ、1バレル=29ドル93セントの安値を付けました。30ドル大台割れは2003年12月以来となります。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は商品アナリスト小針秀夫さんに原油、金、ゴムなどの
商品市況についてお話を伺いました。
昨年2015年夏までは100ドル台で推移していた原油価格。
それが30ドル割れにまで下落した背景には
シェール革命による米国原油生産の拡大で米国が世界一の
原油生産国に躍り出ただけでなく、2016年からはこれまで戦略物資で
あるとして禁じられていた原油輸出が解禁されるなど、
原油供給増があるだけでなく、消費大国である中国の需要の先行きに
不安が生じていることなどが上げられます。
米国が利上げに踏み切ったことで、米ドルが上昇、ドル高という
金融要因も上値を抑えています。
2015年ゴールドマンサックスがWTI原油価格が20ドルにまで下落する
リスクがある、と予想し関係者を驚かせましたが、20ドル台にまで
到達してしまいました。さて、市場関係者が意識するターゲット示現
ということで、ここからの下値は深くないと考えてもいいでしょうか?!
しかし最近になってスタンダード・チャータード銀行が原油価格
10ドルまで下落するとの予想を出してきました。
中東最大の産油国であるサウジアラビアの原油生産コストは4~5ドルと
されています。財政均衡コストは90ドル前後と、現在の30ドル近辺の
価格でも財政赤字状態ではありますが、生産コストが低いため、
サウジはまだ30ドル台の価格では減産に踏み切ることはないとみられます。
小針さんは、昨今のコモディティ市況全般低迷を強いられる中、
鉄鉱石はプラチナなどは生産コストを大きく下回ってもなお
価格反騰の兆しが見られないほどの供給過多状況にあることを
考えると、原油市場においてもここからは生産コストが意識され、
あるいはターゲットとなる可能性は否定できないとして、
まだ底入れ感はないと解説くださいました。
1サウジの4~5ドルは大げさだとしても、、、10ドル台の可能性は
ある、というようにマーケットが認識し始めると
トコトン下がる相場があるかもしれません。
それから、原油安にも底堅かった金価格はショートカバーであると見られ、
また上値を抑えられて下落してきました。
小針さんは2016年半ばにかけて1000ドル割れを試す可能性がある、と、
こちらも底入れ反転はまだ先だとしています。
それから今日サーキットブレーカー発動の急伸となったゴム相場。
ゴム価格低迷で生産者に自殺者も出ているとして大規模デモが
計画されたことを受け、タイ政府が市場価格より高い値段での
買い取り策を発表したことを受けた上昇だそうです。
小針さんによると、こうした政府の買い取り作は一時的な価格上昇が
あっても、結局は生産者の増産に繋がり、在庫が積みあがるだけなので
将来的な価格下落の要因となってしまう、と解説くださいました。
高値追いは禁物でしょう。
詳しくはオンデマンド放送で小針さんの解説をお聞きくださいね。
毎週火曜のファンダメンタル分析シリーズ。1月中の火曜は4回に渡って「農産物のファンダメンタル分析」2回目となる今回は「トウモロコシ相場のファンダメンタル」です。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回もサンワード貿易コンシュルジュデスク 植村和久さんにレクチャーいただきました。
トウモロコシといっても私たちが口にする甘味の強いものとは違います。
畜産飼料であったりエタノールなどの燃料向けとして消費されるもので
最大の生産地であり消費地であるのが米国です。
ということで、トウモロコシの取引所は米国シカゴが世界最大。
そして生産、消費2位である中国、日本の取引所でトウモロコシは
取引されています。
1.とうもろこしの需給状況(2013/14年度 USDA発表)
生産量 1位 米国 (35%)
2位 中国 (22%)
3位 ブラジル (8%)
消費量 1位 米国 (31%)
2位 中国 (22%)
3位 EU (8%)
最大の価格変動要因は、この需給バランスということになりますが
なんといっても世界最大の生産地米国トウモロコシの生産量と
世界の消費量が注目されます。
農産物ですから、生育状況(豊作、不作)が価格変動要因となり、
生産量が確定した後は、需要と在庫率が重要な材料となってきます。
①天候相場 4月から9月 供給主導
とうもろこしの生産量「収穫面積 × 単収」
収穫面積 作付時(4月下旬から5月中旬)の天候
競合農産物との価格関係
単収 受粉期(7月中旬から8月初旬)の天候
◇天候相場期で最も重要なのが受粉期の天候です。
6月から8月で300ミリメートルていどの降水量が必要ですが
受粉期の1週間とその前後1週間の計3週間は特に重要となってきます。
適度な降雨がないHOT&DRYと呼ばれる高温乾燥気候となると
受粉に失敗し不作となってしまいます。
過去には2012年の相場で6月までの生育状況は順調だったのですが
受粉期に高温乾燥による被害で夏場のトウモロコシ価格が暴騰、
歴史的な高値を示現しました。
②需給相場 10月から3月 在庫主導
収穫が終わり、豊作不作が確定した後は、需要動向がテーマとなります。
主な需要は下記の通り。
飼料 家畜の飼養頭数、食肉生産量
エタノール 原油価格の動向
輸出 米国: 世界最大の輸出国
在庫 期末在庫率(15%~20%が適正水準)
世界一の生産国である米国、シカゴの価格は重要ですが
TOCOM東京商品取引所に上場しているトウモロコシ価格は
どのようにみればいいのでしょうか。
為替
ドル円相場が1円動くとTOCOMトウモロコシには
220円程度の変動要因に
フレート(海上運賃)
原油価格動向に影響されるところが大きいフレートですが
フレートが1ドル動くとTOCOMトウモロコシは130円の変動要因に
2013年から2015年まで3年連続で豊作が続いているトウモロコシ相場。
昨年からのエルニーニョの影響が懸念される今年の天候相場。
どのようなポイントを押さえておけば大相場の予兆を掴むことが
出来るでしょうか。詳しくはオンデマンド放送で植村さんのお話をお聞きくださいね。
サウジアラビアとイランの国交断絶、中国PMI悪化から上海総合指数の急落、サーキットブレーカー発動での取引停止。人民元安誘導などチャイナリスクの再燃、北朝鮮による初の水爆実験成功の特別重大報道、、、と、リスク要因が多発したことで6日水曜日の日経平均も下落となりました。日経平均が年初から3営業日連続で下落したのは、1995年に大発会から4営業日連続で下げて以来、21年ぶりのことだそうです。4日の大発会からの累計で842円39銭下落となった日本株。為替市場でも有事のドル買い傾向が強く、ドル高となっています。ただし、ドル円相場では円高が進行しており、ドル高円高の典型的な「リスクオフ」様相となっています。しかし、金価格はこうした有事にも大きく上昇するという風でもないようです。有事の金買いにならないのはなぜでしょうか。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんに
金価格の動向と今後の見通しを伺いました。
年初4日の取引ではサウジとイランの国交断絶の報を受けて
1083ドルまで急騰したドル建金価格ですが、昨年12月の取引の上限
1088ドルを上抜けることはできずにいます。
有事ということで金が物色されたことも事実ですが、同時に有事のドル買いにも
なったことが金価格があがらない一因となっているようです。
ドル円相場で見ると円高ですが、ドルインデックスではドル高進行となっています。
有事でのドル買いにはついていくな、というのが金のトレーダーの
基本ですが、今回も4日の高値をつかんだ向きが苦労する展開でしょうか。
ここからの焦点は週末のアメリカの12月雇用統計。
今月1月は26-27日にFOMCが開催されますが、
2016年に継続的に利上げが可能なのかどうか、見極める上では
雇用指数は重要な数字となってきます。
ETF市場からは資金流出が続いていることが確認されていますが、
CFTCの建て玉明細から見る投機筋のポジションでは
金の買い越し幅は9750枚にまで縮小。金上昇時には25万枚もの買い越し
だったことを考えると、投機筋も金市場から資金を撤退させていることが
確認できます。12/4には差し引きゼロとなった可能性もあるとか?!
ではここからの金価格、どのように見ていけばいいでしょうか。
オンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。
明けましておめでとうございます。
金融市場は波乱の幕開けとなりました2016年ですが、コモディティ市況は低迷が続くというより、反騰の年になるとの見方が多いようです。本年もマーケット・トレンドをどうぞよろしくお願いいたします。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
マーケット・トレンド毎週火曜のファンダメンタル分析シリーズ。1月中の火曜は4回に渡って「農産物のファンダメンタル分析」をお送りします。レクチャーいただきますのは、サンワード貿易コンシュルジュデスク 植村和久さんです。
今回は、農産物、TOCOM東京商品取引所に上場している
大豆やトウモロコシ相場において、価格変動要因となる重要な
指標を教えていただきました。重要度の高い順から解説いただいています。
1WASDE 世界農産物需給予測 USDA米農務省発表の需給報告
発表日: 毎月10日(休日の関係でずれることも)
2016年はカレンダーの関係で12日に発表されます。
特に重要な月は以下の通り。
1月 前年収穫された最終確定生産高を発表
5月 新穀の需給予測を発表
7月 確定作付面積に基づく生産予測を発表
2・作付意向面積
発表日: 年1回、毎年3月末
3月初めに全米各地の8万3500戸以上の生産者に対して行う
その年の3月1日時点の生産者の作付け意向面積調査をまとめたもの
3・最終確定作付意向面積
発表日: 年1回、毎年6月末
6月前半2週間に、全米約9900箇所、7万戸以上の生産者に対して行った調査をまとめたもの
4・全米穀物在庫(四半期在庫)
発表日: 年4回、1月中旬、3月末、6月末、9月末
3月、6月、9月、12月の各月1日現在の穀物在庫に関して行った
調査結果をまとめたもの
5・生育状況
発表日: 4月から11月までの毎週月曜日
それぞれの穀物ごとの作付け進捗率、開花率、収穫率などの
データの他、5段階評価の作況や、土中水分等が発表される
6・輸出動向
発表日: 項目により下記の通り
日次輸出成約高 大口成約があった都度
週間輸出成約高 毎週木曜日
輸出検証高 毎週月曜日
それから、TOCOMの先鋭農産物アナリストの会の情報も要チェック!
↓
7・農産物アナリストの会
2014年、TOCOM(東京商品取引所)が農産物を対象に
6ヶ月間行ったセミナーの修了者11名を「農産物アナリスト」と認定
「農産物アナリストの会」として、米農務省が発表する穀物在庫や
生産高などについて、会員アナリストの予想を定期的に発表しています。
日本商品先物取引振興協会をご確認ください。 http://www.jcfia.gr.jp/
2015年まで3年連続の豊作となった米国産大豆、トウモロコシですが
2016年はエルニーニョの影響が波乱要因となるとの見方も。
上記の穀物指標が価格変動要因として重要です。
詳しくはオンデマンド放送で植村さんのお話をお聞きくださいね。
マーケット・トレンド 2015年最終放送日となりました30日のゲストは、番組初登場のエモリキャピタルマネジメント代表の江守哲さん。今日は2015年最後の放送ということで、2015年のコモディティ市況を振り返り、2016年を展望いただきました。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
2015年、商品市況は下落が続きました。
原油、金、プラチナ、鉄鉱石、、、あらゆる商品銘柄の下落の止まらぬ1年と
なりましたが最大の上値圧力は「ドル高」だと江守さん。
米国の利上げがいつになるか、が焦点だった2015年でしたが、
12月のFOMCでようやく正常化に向けた第1歩を踏み出しました。
来年2016年も継続して4回ほどの利上げが見込まれていますが、
来年のドルの動向も2016年の商品市況を占う大きなファクターとなります。
利上げの思惑を織り込む形で進んできたドル高ですが、
ドル高がさらに進むのか、材料出尽くしでドル高が終焉するのか、
商品市場にとっては非常に大きな違いとなりますね。
江守さんはドル高からドル安へ、そしてコモディティの巻き返しの
1年となる、と2016年を展望くださいました。
金融面からはドルの動向がコモディティ価格を大きく左右しますが、
需給面も弱かった2015年。特に中国の景気減速と消費の減退が話題と
なりましたが、需給面からの買い材料は未だ見えてきません。
しかし江守さんは、需要増ではなく価格低迷による供給減が顕著と
なってきたことで供給面からの価格が押し上げられる可能性も大きいと指摘。
また、景気循環とサイクルから見ても2016年は株上昇の一服と
コモディティ反発の芽があるそうです。
2016年の金融市場がどのように推移するのか。
ポイントはドルの動向となってくるようです。
詳しくはオンデマンド放送で江守さんの解説をお聞きくださいね。
2015年も1年ご愛聴いただきましてありがとうございました。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
毎週火曜の商品先物取引のファンダメンタル分析シリーズ。
楽天証券 経済研究所 コモディティアナリストの吉田哲さんに聞く「ゴムのファンダメンタル分析」シリーズも今回12月最終火曜が最終回。今回は「ゴムのマーケットとプレイヤー、その取引の特徴」などを伺っています。
このシリーズは是非、資料をダウンロードしてお聞きください。ご覧の画面の右側にファンダメンタル分析シリーズ」というオレンジ色のバナーがあります。こちらをクリックしていただくと、番組資料をDLすることができます。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
ゴムはどこの市場で取引されているかご存知ですか?
TOCOM・東京商品取引所で取引ができますが、その他にも上海市場や
シンガポール市場でゴムの売買がされています。
面白いのは、TOCOMの中心限月(最も商いが多く人気のある限月)は
先限(あるいは期先)といって、現物取引が行われているスポット市場の
取引より最も先(将来)の限月なのですが、上海市場の上海ゴム先物の
中心限月は、期近ではなく「期中」
COMEX市場の原油先物や金先物取引の中心限月は「期近」といって
スポット市場に最も近い先物限月となっています。
それぞれの市場で中心限月が異なるという特徴があるのですが、
なぜ上海ゴムの中心限月が「期中」なのでしょう?
吉田さんは、TOCOMのゴム先物取引の1日の取引のピークの時間帯に
注目され、TOCOMと上海のゴムの異市場感での裁定取引などが
旺盛となるために、上海ゴムは期中限月が商いが大きいのではないか、
と解説くださいました。
現在TOCOMの中心限月である先限は2016年6月限です。
(TOCOMの場合は最大で半年先までの取引限月があります)
そして上海の中心限月である「期中」は2016年5月限です。
TOCOMゴムの最も取引が多い時間帯は寄り付きの9:00~10:00台。
これは金などの他の商品銘柄でも同様の傾向があるのですが、
しかし10時台になると商いは大きく減少していきます。
しかし、ゴムは10時台も取引量はそれほど減少せず商い旺盛。
これは10:00からスタートする上海市場のゴム価格の値動きをみて
TOCOMゴムを取引するプレーヤーがいるということでしょう。
海外からの委託玉も増加しているTOCOM。
ゴムはトレンドが大きく出やすいことや資金効率の良さなどから
個人投資家らの根強い人気がある銘柄です。
吉田さんには3回にわたってゴムの基礎知識・ファンダメンタル分析を
解説いただきましたが、是非皆さん、勉強してみてくださいね。
オンデマンド放送で吉田さんの解説をお聞きください。
2015年の原油価格は下落の1年。為替市場では米国利上げや欧州の量的緩和政策が焦点となる中でドル高が進行、金融面からの国際コモディティ価格下落も原油安の一因でしたが、やはり米国シェール革命から米国がサウジアラビアを抜いて世界一の産油国となったことで世界の原油需給が緩んだ事実が大きく、これは今後の原油価格にも長く影響してくる構造的な変化と言えるでしょう。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はオイルエコノミストの藤澤治さんに2015年の原油市場を振り返っていただき、来年2016年の原油価格を展望していただきました。
11月,12月と原油価格は一段安となり、年間の安値を更新しました。
WTI原油価格は12月21日33ドル台へと下落する瞬間も。
そもそも期待が大きくなかったのですが、12月4日のOPEC総会では、
日量3000万バレルの生産枠目標を上回って増産状態となっている問題を
認識しながらこれを是正する新たな生産目標すら決定できず、
現状を容認してしまう結果に市場は大きく失望。
米国利上げはドル高につながるとの認識から商品市場全般に
上値を抑える要因となりますが、12月16日アメリカは9年半ぶりの利上げを決定。
さらに、クリスマスのニューヨークの気温が15~6度という
観測史上まれにみる暖冬に暖房油需要が伸びないとの思惑で
原油価格は下落基調を強めています。
藤澤さんは来年の原油価格を占うポイントは世界経済と地政学要因だと
指摘されます。藤澤さんの懸念は米国の景気後退と中国経済のリスク。
さらに原油安で産油国の窮状が資金の循環を妨げることで新興国、
資源国経済が低迷することもリスクとなってきます。
2015年はISの台頭で世界のテロ激化が印象に残る年となりましたが
中東の更なる混乱で、原油供給の途絶があれば、原油価格は急騰するリスクも
あり得るとして、このシナリオの起きる蓋然性は高いと解説くださいました。
また、米国の原油生産量は、現在の価格($35-40/バレル)が続けば、
シェールオイルの生産が持たないことから、2016年は供給減がポイントに。
経済制裁が解かれるイランの原油輸出再開やイラクの原油増産、
米国の原油輸出再開(40年ぶり、1月から日量60万バレルの輸出が見込まれる)
など、需要の伸びが供給増に追い付かない現状では
来年の上半期は過剰が続くと考えられますが
価格が40ドルで低迷する状況が続けば、シェールオイルの減産は
意外と早いかも知れないと藤澤さん。
来年以降の原油価格予想、ポイントを詳しく伺っていますので
オンデマンド放送で是非藤澤さんの解説をお聞きくださいね。
毎週火曜の商品先物取引のファンダメンタル分析シリーズ。
楽天証券 経済研究所 コモディティアナリストの吉田哲さんに聞く「ゴムのファンダメンタル分析」シリーズ2回目は、ゴム生産の季節性についてです。
このシリーズは是非、資料をダウンロードしてお聞きください。ご覧の画面の右側にファンダメンタル分析シリーズ」というオレンジ色のバナーがあります。こちらをクリックしていただくと、番組資料をDLすることができます。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
天然ゴムは「ゴムの樹」から樹液として採取されます。
いわゆる農産物なのですが、採取された樹液がタイヤなどの
工業品に加工されるというユニークなコモディティですね。
ゴムの樹は成木となって樹液が採取されるまで6~7年かかります。
おおよそゴム生産ができるのは25年程度。
タイの乾季である2月~4月はゴムの樹の落葉期にあたり、
樹液採取量が減少するために生産量が低下します。
いわゆる減産期と呼ばれるのがこの時期。
一方で主要消費国である中国では春節や寒さなどの影響で
ゴム消費が落ち込む傾向に。
また、主要生産国でもゴム消費量が年々高まっています。
現地で生産したゴムをタイヤなどの製品に消費しているのですが、
それでも近年、タイのゴム在庫が急増しています。
ゴムの樹の品種改良によってゴムの生産効率が高まっていることで
タイのゴム生産量が急増しており、これが在庫増につながっているようです。
吉田さんは在庫率が高いということは、価格の上値圧力になっているものの
この在庫が減少に転じることがあれば、価格が反騰する兆しでもある、
と解説くださいました。
ゴム生産の季節性、そして消費のサイクルなどなど
オンデマンド放送で吉田さんの解説をお聞きくださいね。