原油下落で在庫増も、米国原油輸入増の謎 [大橋ひろこコラム]
2015.12/11 大橋ひろこ 記事URL

原油価格が下げ止まりません。12月4日のOPEC総会で減産合意などの価格支援材料は決まらないだろう、として事前の期待はなかったものと思われますが、それでもOPEC総会通過後に原油価格の下落に弾みがついた恰好です。そもそも期待がなかったとはいえ、それでも需給は緩む一方。原油価格はどこまで下値を切り下げるのでしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はエネルギーアナリスト大場紀章さんにOPEC通過後原油価格下落の背景と価格上昇の条件などをお伺いました。


ゴールドマンサックスがWTI原油価格は20ドルにまで下落するリスクがある、
と予想したことで、20ドルという数字が独り歩きしている印象もありますが、
それだけ、価格上昇要因が極めて少ない需給環境であるということです。

確かにこの価格下落で、アメリカのシェール企業の経営は苦しく、
米国シェール生産は4月のピークから最新のデーターでは12%もの
生産減となっています。わずか12%程度、ということで、シェール減産が
価格支援材料となっていない現状ではあるもの、このペースで減産が続けば
1年後にはシェール生産全般の30-40%にも及ぶ可能性がある数字で、
OPECとアメリカのシェア獲得競争も来年2016年には
最終局面へと入っていくものと考えられます。

足元では、シェール企業、資源関連企業のハイイールド債(ジャンク債)
市場の急落が金融市場へと悪影響を及ぼす可能性が懸念され始めていますが、
第2四半期のシェール関連企業のキャッシュフローの8割は債券利払いなどに
回されているということで、資金繰りはアップアップ。

第2四半期の原油価格はそれでも50-60ドルあったことを考えると
第3~第4四半期にかけて、30ドル台にまで下落し、さらに価格下落となったシェール関連企業の
利払い負担はさらに増していると思われ、今後さらに資金調達も苦しくなっていくでしょう。

アメリカの原油在庫はほぼ上限に達しており、この先は洋上在庫
(海上にタンカーを確保して保管する)としていくしか保管場所がない
というところまで来ているようですが、アメリカの原油在庫が増加している
背景には、なんと安価な原油を輸入しているという事実が存在するようです。

これだけ在庫が増加しているのに、なぜ輸入しなくてはいけないのか?

これは投資家目線に立たないと理解できない話ですが、
今、原油のスポット価格(現物)はみるみる安くなっており
先物価格との鞘が拡大しています。いわゆるコンタンゴ状態。
現物、期近物が安く、期先に行くほど価格が高いという順鞘にある、ということです。

投資家らは、安い現物の原油を買って、期先物の原油を売るという
取引をすることで、その価格差(鞘)を手にすることができるのです。

こうした鞘取りが横行する過程で、原油が輸入され在庫が増加して
しまっているという負のスパイラルが発生しているとみられますが、
しかし、これも、大きな価格差が存在しているからこそ儲かる取引で
鞘が縮小してくればその妙味は低下します。

また、陸上在庫が限界に達すれば洋上在庫へと保管方法を
変えなくてはなりませんが、洋上在庫はタンカーを借りなくてはならない
ため、コストが大きい。鞘取りで儲けられる利幅に対してコストが上回る
ようだとその取引には妙味がなくなりますね。

原油価格の今後を見るには、現物、期近物の価格と先物価格の価格差も
考慮しておく必用がありそうです。

大場さんは、このシェア争いの末、アメリカのシェール生産が
大きく減少し、OPEC産油国がチキンゲームの勝者となるところまで
くれば、OPECも減産に動くこともあるのではないか、と将来を見通して
くださいましたが、それは2016年後半になろうかと、、、。
2016年秋のOPEC総会では動きもあるでしょうか。

足元はまだ下値余地が残るもののさすがに20ドル台へと下落する
ようだと、別のリスクが噴出するため、30ドル台が最終局面ではないか、
と大場さん。ただし、この低価格はすぐに解消される環境ではないようです。

詳しくはオンデマンド放送で大場さんの解説をお聞きくださいね。

原油安なのにゴム上昇、ゴム価格上昇の裏に山火事?! [大橋ひろこコラム]
2015.12/09 大橋ひろこ 記事URL

原油価格が下げ止まりません。OPEC総会を受けて下落に弾みがついた印象ですが、ゴールドマンサックスが20ドルまで下落するリスクがあると指摘するように、買い材料は見当たらず、ずるずると下値を拡大しています。原油だけでなく資源価格が軒並み安いのですが、ゴム市場だけが足元力強い上昇を見せています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は原油とゴム市場について商品アナリスト小針秀夫さんに
お話を伺いました。

TOCOMゴム先物価格は11/6安値153.0円と11/24安値153.9円で
ダブルボトムを形成したようにも見えます。現在170円台まで上昇しており、
当面の上値抵抗は、9/11の179.8円と11/13の176.0円近辺となりますが
次の心理的節目っである180円を目指す展開となりそうなムード。

小針さんによると、1998年から現在までの約17年間における
原油相場とゴム相場との相関係数は0.8146で高い正の相関にあり、
原油が下げればゴムも下げるのが通常の相場なのですが、
なぜ足元でゴム価格が上昇しているのでしょうか。

小針さんは3つの独自要因があると解説くださいました。


①インドネシアの大規模山火事~
ゴム農園も消失、20%の減産との見方も

現在インドネシアで起こっている森林火災は1997年以降で最悪。
現在までおよそ1カ月続く火災は推定300万ヘクタールの農地を
消失させていおり、その煙害は隣国のマレーシアやシンガポール、
さらにはフィリピンやベトナムにまで広がっている模様です。

農産物で最も被害が大きいのがパーム油と天然ゴム。
インドネシアのゴム生産業者団体は今週初め、国営アンタラ通信に対し
煙害の影響により今年9月から来年2月までの半年間において
生産高が最大30万トン減少するとの見通しを明らかにしています。

インドネシアの年間の天然ゴム生産は約300万トン強で2014年実績は314万トン。
半年で30万の減産となった場合、20%ほどの大幅な減産率となる計算です。
これは総天然ゴム生産の5~6%に相当する量だということです。




②ジャカルタ会議で来年から輸出削減計画?!

12月4日開催、ジャカルタで開催された生産国会議において、
タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国は、来年2016年から
天然ゴムの輸出に関して削減することで検討を重ねたことを明らかに。

今回の会議は3カ国連合協議会(ITRC)が開催したもので、
「2016年の輸出削減の合意計画」と掲げた減産計画が話あわれましたが
まだ具体的に、それぞれの国がどの程度輸出を削減するのか、
輸出削減を開始する時期や期間など、具体的な案はないようです。

なお同3カ国は2012年から2013年にかけて合計30万トンの輸出削減に
合意した経緯があり、その数量は、2012年の輸出総量の約3%に相当するものでした。

※来年からITRCの第4番目の加盟国としてベトナムが加盟することが決まりました。


③中国がタイからゴム20トンを購入

12月3日、中国とタイは農産品貿易協力文書の調印を行い増した。
中国はタイからコメ100万トン、ゴム20万トンの購入をする代わりに
タイの鉄道プロジェクトを獲得。タイを南北に縦断する鉄道の建設が
来年5月から始まると見られます。



上記3点の理由から上海ゴム、TOCOMゴム市場が上昇しています。
ここからまだ上がるでしょうか?ゴム相場に原油安の
影響はないのでしょうか。詳しくはオンデマンド放送で
小針さんの解説をお聞きくださいね。

石油ファンダメンタル分析シリーズ⑤需給と今後の価格展望 [ファンダメンタル分析シリーズ'15(~16年1月)]
2015.12/08 大橋ひろこ 記事URL

マーケット・トレンド火曜日の商品先物取引「ファンダメンタル分析」シリーズ。
石油製品のファンダメンタル分析のポイントは今回が5回目、最終回となります。

このシリーズは是非、資料をダウンロードしてお聞きください。ご覧の画面の右側にファンダメンタル分析シリーズ」というオレンジ色のバナーがあります。こちらをクリックしていただくと、番組資料をDLすることができます。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
石油編ファンダメンタル分析シリーズ5回目は
「下げ止まらぬ原油、OPECと非OPEC諸国の需給環境から見える今後」
シリーズ最終回、マーケットアナリスト菊川弘之さんに伺いました。

先週12月4日のOPEC総会から原油価格の下落が加速しています。
もともと減産合意への期待はなかったものの、減産どころか
生産目標を上回るペースでの生産を容認、実質OPECは増産体制に
ある中で、今後の生産目標すら設定されなかったことへの失望が
マーケットに広がっているようです。

価格が下がるということは、供給が多く需要が少ないということですね。
OPEC生産各国、そして非OPEC特にアメリカの原油生産動向は
どのようなものなのでしょうか。

また毎週発表されるアメリカの原油、石油在庫統計もこのところの
原油の下落要因となっています。需要が伸びず、在庫は過去最高水準へと
積みあがっていますが、菊川さんには、その推移についても解説いただいています。

需要といえば中国の輸入が商品市場の大きな柱だったのですが、、、。
中国の原油輸入も頭打ち、価格の下支えとはならないようです。

では、なぜこれほど原油価格が下落しているのに
世界は原油減産に動かないのか。
そして、この低価格で生産各国の財政は賄えるのか?

核開発協議合意で経済制裁解除となるイランは50~100万バレルの
原油輸出再開の見込みであるほか、メキシコでも新プロジェクトが
スタートするということで、供給増の環境はなかなか改善しないと
思われますが、原油先物市場では投機筋のショートポジションが
積みあがっており、短期的にはショートカバーによる吹き上がりも
警戒される構造になってきています。

ただし、ポジションの巻き戻しで思わぬ高値をとったとしても
需給環境が改善するわけではありません。
戻りは売られる展開となりやすいと菊川さん。

地政学リスクが価格に及ぼす影響も伺いましたが、
中東ではサイバー攻撃による紛争も激化しているのだとか。

詳しくはオンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

年末年始転換パターンが続く金相場、今年は・・・ [大橋ひろこコラム]
2015.12/04 大橋ひろこ 記事URL

12月のFOMCでいよいよアメリカの利上げが発表されるだろうということが織込まれる中で1050ドル近辺まで下落してきた金価格。2011年には1900ドル台の高値を示現、2000ドルまで上昇するとの見通しが大勢を占める中でトップアウト、あれから4年で900ドル近くも金価格は下落してしまいました。アメリカの利上げに向けて1000ドル割れ予想も大勢となりつつあります。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はICBCスタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんに
金価格下落の背景と年末年始のポイントについて伺いました。

①金融要因~ドル高による国際商品価格の下落

米利上げ思惑が広がる中でのドル一強相場となる中、
ドル建てでの商品価格は下落を強いられています。
通貨が高くなればモノの値段は下がる、というシンプルな理由ですが、
2015年は年間を通じてアメリカの利上げ時期を巡る思惑で
通貨ドルが変動し、これに相関して金が動いた年でした。
結局12月のFOMCを迎えるまでアメリカは利上げに踏み切らなかった
のですが、先延ばしされればされるほど、米利上げが市場のテーマとして
上値を抑え続ける相場環境が続いてしまったことで、
長期的に金が売らてきたのです。

②ヘッジファンド勢の売り~史上最大の金ショート

短期筋は下がり続ける金をショートし続けており、
最新のCFTC建玉ポジションでは史上最大にまで金ショートが
膨らんでいます。ファンド勢は金が下がる方向にポジションを傾けており、
これが金価格のさらなる下落を招いているともいえます。

しかし年末に向けて、現物市場では現物が品薄になってきています。
金のリースレートが高騰しており、現物市場では金需要が高まっている
という歪みが生じていることに池水さんは注目されています。

先物市場やETF市場などのペーパーアセットでは
金ショートが膨らみ、金価格が下落しているのですが、
現物市場では買いが旺盛で、現物がタイトであることから
金の金利が上がっているのです。

年末年始という季節的なものも関係していますが、
金のリースレート上昇の背景には、
金の借り手が増加しているという側面もあります。

金をショートするにも金を借りてこないと売れないワケです。
株の信用取引でも同じことですね。
つまり、金を借りてきて金を売るトレードがブームだということ。
金の金利はほぼゼロに近いのが通常ですが、
借り手が増えていることで、金利が上がってきているのです。

これがコストとして負担になるようだと、金を借りてきて売る、
というような投資妙味は薄れてしまうことから、
巻き返しが生じる可能性も。
さらに先物市場では史上最大の金ショートが積みあがっていますから、
それが先を争って買戻されれば大きく金価格が上昇する可能性もあります。

12月3日のECB理事会でマイナス金利拡大などの追加の金融緩和策が
発表されたにもかかわらず、ユーロは大きく上昇したのは
追加の緩和策が発表されるという期待からユーロのショートが
積みあがっていたためで、これが買い戻される過程でユーロ急騰となりました。
ユーロ高ドル安という値動きが急激に出たことで金価格もこれに連れて
上昇となりましたが、このユーロの値動きと同じようなことが
起こりやすい環境にあるということです。

実際、週末の11月の雇用統計では、いい数字が出たにもかかわらず、
ドルはそれほど大きく上昇せず、金価格は上昇に弾みがついています。

となるとFOMCで市場の予想通り利上げがあったとしても。。。?!

それからここ数年、年末年始に金のトレンドが転換するという
パターンが繰り返されていると池水さん。

ECB,雇用統計と金融イベントを受けて金が上昇を始めました。
ここからのポイントは?

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞きくださいね。

12月FOMC控えて上値重い金市場 [大橋ひろこコラム]
2015.12/02 大橋ひろこ 記事URL

金ドル建て現物価格は11月6日に発表された10月の米雇用統計がポジティブサプライズとなったことで、米利上げ観測の強まりからドル高となり1,100ドル割れへ。27日には1052ドルまで下落し、底が見えない相場展開となってきています。足元では1,050ドル割れ回避で買い戻しされていますが、7月の支持線1,077ドルが逆に抵抗線となってしまっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はインベステック調査情報グループの森成俊さんに
貴金属市場の動向と今後の見通しを伺いました。

このところは、金市場のみならずコモディティ銘柄は需給というより
金融要因に押される展開となっています。需給が緩いのはどの銘柄も同じ。

今月15、16日に米連邦公開市場取引委員会(FOMC)で米金利引き上げなら、
ドル買い材料出尽くしとなり、金は自律修正高となる、という見方もありますが、
このビッグイベントを前に明日3日のECB理事会、4日の米雇用統計など
ドルやユーロを大きく動かであろうイベントを見極めたいとのムードが
市場を支配しています。

そうした中、金のETFの金現物保有高は12月1日現在、986.88トンまで減少。
11月2日現在の1,016.05トンから3%近く減少しています。
金ETFであるSPDRゴールドの現物保有高は654.80トンとなり、
こちらも11月2日現在の686.30トンから約4.5%の減少。
年金など中期資金の金市場からの流出傾向が見られるうえ、
ヘッジファンドなどの大口投機家の買い越しは11月24日現在1万6,302枚まで
減少しており、10月27日現在、15万7,434枚から約1カ月で10分の1程度にまで
減ってきました。ロングの手仕舞いが加速しただけでなく、新規ショートも
増加しているものと思われます。短期資金も金下落にかけているということですね。

この先の金を読むうえでのポイントはなんでしょうか。

また、プラチナ価格と金価格は250ドルものプラチナ安で価格差が
拡大しています。価格の逆転現象は長期化の様相を呈しており、
プラチナ価格は11月30日には827ドルまで下落し、
2008年12月以来、約7年ぶりの安値を更新しています。
プラチナ価格の割安感から、プラチナ現物市場ではプラチナの品薄感も出ているようですが、、、、。


ここからのポイントはオンデマンド放送で森さんの解説をお聞きくださいね。

原油価格の変遷と価格決定メカニズム② [ファンダメンタル分析シリーズ'15(~16年1月)]
2015.12/01 大橋ひろこ 記事URL
マーケット・トレンド火曜日は商品先物取引の「ファンダメンタル分析」シリーズ。11月~12月8日までは石油製品のファンダメンタル分析のポイント。ご出演はマーケットアナリスト菊川弘之さんです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

このシリーズは是非、資料をダウンロードしてお聞きください。ご覧の画面の右側にファンダメンタル分析シリーズ」というオレンジ色のバナーがあります。こちらをクリックしていただくと、番組資料をDLすることができます。

石油編ファンダメンタル分析シリーズ4回目は
「原油価格推移とファンダメンタルズとの関係」

原油価格は欧米の巨大石油企業、石油メジャーが60%のシェアを保持していた
時代には、彼らが価格決定権を持っていました。
しかしながらその時代は原油価格はわずか1~2ドルと低水準に安定。

その後73年の第4次中東戦争を契機にOPEC諸国が原油価格を
一方的に大幅に引き上げ、以降OPECが原油価格の決定権を持ったことで
石油メジャーのシェアは15%に急落。

その後1983年にWTI原油が上場。非OPECの生産拡大により
需給が緩み、原油価格は10~20ドルで推移するようになりましたが、
デリバティブの拡大でマネーが市場になだれ込み、
2008年のリーマンショック以降は米国の量的緩和政策による
過剰流動性マネーがコモディティ市場にも流れ込んだことから
原油価格のボラティリティが増大。

この頃から中国、インドのエネルギー需要が急増、価格高騰の時代へ。

価格を主導して決定してきた要因も時代によって異なりますが、
昨今は需給が緩い中にあって、価格の低迷を強いられ、
また金融要因からみても、ドル高基調にあることから上値が重い展開が
続いていますね。

今回の放送では、菊川さんに中国の台頭と米国の原油生産、輸入の変化、
そして短期筋のポジションもマネー膨張の時代となって
基準となる水準が変化してしまったことなど、
時代の変遷と原油マーケットのファンダメンタル分析のポイントを
詳しく解説いただいています。

是非オンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

クッシング貯蔵能力限界近し、原油またも下落か [大橋ひろこコラム]
2015.11/27 大橋ひろこ 記事URL
WTI価格が再び下げ足を強めてきました。9月から11月初旬まで45ドル~50ドル台のレンジで安定していたように見えましたが、この2か月のレンジを下方ブレイク、40ドル節目に近付きつつあります。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は株式会社セキツウ常務取締役 山内弘史さんに
「在庫高でまたも原油価格下落」と言うテーマでお話を伺いました。

現在、米国の原油在庫は1億バレルも過剰です。
2015年11月20日は488.2百万㎥(2014年11月21日 383.0百万㎥)
前年同期比で127.5%も増加しています。

WTI原油価格は,3月に42ドル台まで大きく下落した後に
4~7月にかけては反騰し、60ドル近くにまで回復してきたのですが
60ドル前後の価格であれば、シェールオイル生産は減少しないことが確認できました。

(ただしその後8月に42ドル台へと下落してことで
リグ数・生産量ともに減少しています。今後40ドルを割りこむような
水準まで来た場合に生産がどう対応していくかに注目ですね。)

原油生産が大幅減少とならぬまま,夏場のガソリン需要期が終了、
製油所定修期入りとなったことで、原油処理量も落ち、
原油需要が大幅減少してしまっています。

トレーダーらが注目しているのがクッシング在庫。
9月25日の5,297万㌭がボトムとなり在庫は11月20日に5,860万㌭へ増加
してきており、4月17日のピーク6,220万㌭に接近しています。

クッシングの貯蔵能力(タンク容量)は7,080万㌭とされています。
まだ余裕があるようにみえますが、実はオペレーション上は
貯蔵能力をフルに使うことはできないのだそうです。

オペレーション上は85%の6,018万㌭で満タン。
つまり、あと158万㌭でクッシングの貯蔵は溢れてしまうのです。
100万㌭程度ですとたった1週間でも増加するリスクがあるとか。

これ以上、クッシングへの貯蔵ができないほどに在庫があふれてしまう
リスクがある状況なのです。では、オペレーション上の貯蔵能力は
なぜタンク容量の85%なのでしょう。

実は揺れた場合にあふれ出るリスクがあるためタンク上部5%には
原油を入れないのだそうです。そしてタンク下部10%は
スラッジ(砂やほこり)が溜まることや、浮き屋根の着底を防ぐ
などの理由からデッドスペースとすることが決められているのだそう。

ということで、タンク容量の85%で満タンとなってしまう
クッシングの原油貯蔵能力。あと1週間程度であふれるかもしれません。

また、米国北東部の中間留分在庫(ディーゼルや暖房油)も超高水準。
11月20日現在の東海岸(PADD1)の在庫は61.1百万㌭で
前年同期比69.3%増となっています。

夏場のガソリン需要増に合わせた原油処理量の急増で
中間留分が過剰生産となってしまったことが影響しているのだそう。

これから冬です。暖房油は寒くなれば需要増となる期待も
もてるのですが、今秋・今冬は高気温・大暖冬予想。
実際シカゴの初雪は11月20日で昨年よりも47日も遅く、
ニューヨーカーは11月に入っても半袖シャツ姿で歩く姿も・・・。

11月上旬の本土48州の平均気温 57℉ 13.89℃で
平年比3.33℃高、昨年比3.89℃高です。まだまだ冬本番という季節では
ないのですが、どうも今年は暖冬のようですね。

また、米国だけではありません。世界在庫も歴史的高水準にあります。
OECDの石油在庫は9月末2,936百万㌭ 前年同期比108.3%。
年末には2,952百万㌭,同109.4%で昨年末に比べて2億5,400万㌭も増加しています。

背景には
①OPECとサウジが大増産していること。
②ロシアが1,110万㌭/日と旧ソビエト時代以来の高生産
③イラクが420~430万㌭/日とフセイン時代の過去最高に近い
④イランは制裁解除で即座に50万㌭/日増産
④原油価格が半値以下となっているのに石油需要がそれほど伸びない。
⑤中国の国家備蓄用原油輸入がなんとか価格を40㌦台に維持しているが,
これが鈍化する原油需給は余計にジャブジャブに。
⑥世界的に暖冬で中間留分在庫が急増。

などの要因が上げられますが、すなわち需給はじゃぶじゃぶ。
買い材料はほとんど見当たりません。

山内さんは、むしろまだ原油価格が40ドル台にあるのが不思議だ、
として、今後の価格下落リスクについて解説くださいました。
詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

金融・需給ともに強気は見当たらず~原油相場の今後 [大橋ひろこコラム]
2015.11/25 大橋ひろこ 記事URL
津賀田真紀子さんと自撮りに挑戦!~大橋ひろこ

商品市場全体の値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数は13日、184.77となり、2002年12月以来、13年ぶりの安値をつけました。米国の年内利上げ観測にともなうドル高や中国景気の不透明感を背景に、投資資金が商品市場から引き揚げられているとみられますが、昨日はトルコがロシア軍機を撃墜するなどの有事に金や原油が反応しています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回はみずほ証券 シニアコモディティアナリストの津賀田真紀子さんに
原油、穀物相場についてお話を伺いました。

原油相場の今後を見極めるうえで、12月はイベントが目白押し。
12月3日には米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言。
同日3日欧州中央銀行(ECB)は追加金融緩和に踏み切る可能性が高く、
ドル買い・ユーロ売りが加速することになり、ドル建てで取引される
商品相場にとってはマイナス材料となります。
既に市場は12月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での
利上げを織り込んでいると見る向きもありますが、米欧の金融政策が
真逆のベクトルであることは、商品市場にとって中長期的な
下押し圧力として意識される可能性が高いとみられます。

そもそも世界全体の原油需給はいまだ供給過剰の状態。
国際エネルギー機関(IEA)は、世界の原油需要は過去5年で
最速のペースで拡大している一方、供給の伸びはそれを上回っており、
供給過剰は2016年まで続くと予想しています。

このところ、産油国において石油関連の開発投資額が減少傾向にあることから、
2020年には世界の需給が均衡するとの予想が発表されているのですが、
足元の原油相場に影響のある材料ではないでしょうと津賀田さんはお話くださいました。

12月4日にはOPECの定時総会が開催されるのですが、
そもそもOPECが掲げる日量3,000万バレルという生産目標は遵守されていません。
今年10月の生産量は日量3,138万バレルと目標を大幅に上回っています。
各産油国とも産出コストが異なっている上、原油相場が高い間に
蓄えられてきた外貨準備高にもバラつきがあることから、
減産に対して前向きな国と後ろ向きな国に分かれている現状では
次回のOPEC総会でも再び減産が見送られる可能性が濃厚です。


また、12/15に国際原子力機関(IAEA)から発表が予定されている
イランの核査察結果の報告も要注目です。
今後イランが欧米から受けている経済制裁が解除されることにより、
OPECの原油生産量がさらに増加する可能性が原油相場の上値を抑えています。
現在、イランの原油生産量は日量270万バレル程度となっていますが、
そもそもイランの原油確認埋蔵量は世界4位と多く、
増産のポテンシャルはかなり高いと言えます。
1974年のピークには日量600万バレルが生産されていました。

現在、輸出量は日量約110万バレル程度に押さえ込まれていますが、
同国の石油相は「輸出は制裁解除直後に日量50万バレル増えるだろう」
と述べていますので、輸出余力には自信があると考えられます。
制裁解除は早くても来年春以降とみられていますが、
この分が増産となる原油市場は今後も下押し圧力として意識されるでしょう。

原油価格の下落に伴い、トウモロコシ由来の代替燃料である
エタノールの価格も下落傾向となっており、
現在は5年ぶりの安値水準で推移しています。


米国産トウモロコシが豊作となっている影響からエタノールの生産量が
過去最高水準となっていることは一見喜ばしいことのように思われますが、
一方で米国内のエタノール在庫は前年同期比で+11%となっており、
過去5年平均を200万バレル以上も上回る、いわば供給過剰の状況です。

また、ドル高の影響により米国産トウモロコシの輸出需要の伸び悩みも
懸念されています。そもそも世界的にトウモロコシ需給が緩和していることから、
需要が他国に分散しているものと考えられますが、
やはり主要輸出国である米国の需要低迷は相場の下落を意識させるマイナス要因となっています。


現在、エルニーニョ現象が発生していることから、
今後、生育中である南米において生産に影響が出る可能性も考えられますが、
引き続きトウモロコシ相場も上値の重い値動きが続くものと思われる、、、と津賀田さん。

詳しくはオンデマンド放送で津賀田さんの解説をお聞きくださいね。

原油価格の変遷と価格決定メカニズム [ファンダメンタル分析シリーズ'15(~16年1月)]
2015.11/24 大橋ひろこ 記事URL

マーケット・トレンド火曜日は商品先物取引の「ファンダメンタル分析」シリーズ。11月~12月8日までは石油製品のファンダメンタル分析のポイント。ご出演はマーケットアナリスト菊川弘之さんです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

このシリーズは是非、資料をダウンロードしてお聞きください。ご覧の画面の右側にファンダメンタル分析シリーズ」というオレンジ色のバナーがあります。こちらをクリックしていただくと、番組資料をDLすることができます。

石油編ファンダメンタル分析シリーズ2回目は
「これまでの価格推移とファンダメンタルズとの関係」

現在40ドル台をうろうろしているWTI原油価格ですが、
急落前は100ドル台にありました。

リーマンショック前の急騰時には147ドルまでの高値が。

しかしながら85~90年代は10~25ドル台で長期安定していたことを
覚えていらっしゃいますか?バスケット価格などと呼んでいましたね。

エネルギーには政治や地政学も大きく絡んできます。
エネルギーを制するところが、経済を安定化できるためですが、
原油価格の高騰、急落の変遷にはどのような力関係があったのでしょう。

第2次世界大戦以降、1960年代に至るまで国際石油市場は、
石油メジャーと呼ばれる欧米石油企業によって
コントロールされる時代が続きました。

米国のエクソン、モービル、ソーカル(後にシェブロン)、
テキサコ、ガルフ、英国のブリティッシュ・ペトロリアム(BP)、
英国・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルの7社は、
「セブン・シスターズ」と呼ばれ、
国際石油市場において大きな影響力を保持してきました。

石油メジャーが産油国に対して支払う税額の算定基準となる価格は
公示価格と呼ばれていましたが、この公示価格は
その時々の市況に応じた価格決定方式に基づき、石油メジャーが
決定しており、産油国は価格決定プロセスにおける発言権を
持っていませんでしたが、1950年代後半にソ連からの大量の
原油輸出に対抗するために、石油メジャーが一方的に
公示価格の水準を引き下げると、これに反発した産油国は1960年、
石油輸出国機構(Organization of Petroleum Exporting Countries
: OPEC)を設立、公示価格を凍結したのです。

価格決定権はメジャーからOPECへ。

そして現在は・・・?!

オイルショックとはなんだったのか?
原油価格高騰により、代替エネルギー分野が成長したことや
非OPEC諸国が増産したことで、原油価格が下落すると、
OPECはさらに原油を増産しシェア獲得に動きます。

これ、今とそっくりではありませんか?!

過去の経験則からみれば、そうしたシェア獲得競争の末に
下落した原油価格は長期低迷(安定)の時代へと入っていきます。

となると、現状の原油価格も同様でしょうか?!

また菊川さんにはサウジアラビアの王政と今後についても
お話を伺いましたが、王位継承者が現在1000人規模で存在するんですって。
一夫多妻制とはいえ、、、びっくりです。

サウジアラビアの将来は?!

詳しくオンデマンド放送で菊川さんの解説をお聞きくださいね。

金価格短期上昇も再下落の公算、しかし8年サイクルボトム近し [大橋ひろこコラム]
2015.11/20 大橋ひろこ 記事URL

金価格は11月18日、1070ドル台にあった下値サポートを割り込み年初来安値を更新。12月のアメリカの利上げが目される中でのドル高が金価格を押し下げていますが、短期的には買い優勢の相場展開となりそうです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は投資日報社の林知久さんにお話しを伺いました。

金と銀は現在「強気ダイバージェンス」の状態。
金は7月24日の安値を更新しましたが銀はまだ8月26日の13.91㌦を割り込んでいません。
またXAU指数も9月11日の安値42.72を割り込んでいないため、
目先3市場全ての相場が新安値を更新しない限り強い相場となります。

金は11月16日の高値1,097.4㌦、XAU指数なら48ポイントを
引け値ベースで上回ると、売り玉の買戻しが入ってくるとみられ、
来週から再来週にかけて1,125~1,130㌦を試す展開があるのでは?!
と林さん。

ただし、買い相場は短期的なものだそう。

林さんは「ヘリオ射手座ファクター」という天体現象に注目。
(11月20~30日まで発生)金やユーロ相場を上昇に導きやすいと
される時間帯だそうですが、2012年10月以降は上昇するものの長くは続かず、
むしろその上昇から大きな下げを併発する事が少なくないのだとか。

目先の相場が上がったとしてもジオコスミック的に、このファクターの
中間点である来週25日前後、もしくは再来週の11月30日付近で
上昇は終了すると分析されています。


金融版投資日報11月23日号ではギャン理論からみた金相場の展望が
掲載される予定ですが、ギャン理論のサイクル分析は
若干メリマンサイクルとカウントの違いがあるが、
昨年11月からある長期サイクルが始まっており、
このサイクルの基調は弱気であるという点では一致しているのだそうです。

現在12カ月目に入るのですが、このサイクルは短くても
起点から13~14カ月程度の日柄が必要で、現状では日柄が若干足りないため、
本当のボトムは12月から来年1月あたりに付けるというのが
綺麗な形なのだそうです。この点においても、大局ではまだ下落波動は
終了していないことを示唆しているということですね。

ただ、一般的に金は年末に向けては上昇しやすいというアノマリーが
あったような気がしますが、、、、。

林さんは2008年以降、節目となる安値は昨年11月7日のケースを除くと、
年末12月か年初1月に出現する事が多く、近年は年末高にならないことが
多いと指摘。過去には12月高値を演出することも多かったのですが、、、。
12月は高値、もしくは安値を示現するケースが多く、
相場の転換点となりやすいということです。

また12月第三週の16日には注目のFOMCにてアメリカが金利を
引き上げると目されています。
実際に利上げ実施が決定されるであろうFOMCの時期まで
戻りは売られやすい地合いは継続するでしょう。

しかし、悲観することはありません。
その先の長期サイクルでは、金はいよいよ8年サイクルという
長いサイクルの終了地点に差し掛かっています。

起点は2008年10月ですので、終了は2016年10月ということになりますが、
きっちり8年ちょうどで転換するということでもありません。

前回の8年サイクルで金相場は起点から3年間で1,200㌦上昇しました。
「夜明け前が一番暗い」と言われるように、
金相場にとって年末年始に陰惨な下げ場面があれば、
そこは千載一遇の大底かもしれないということです!

現物を買うか、現受けするつもりで先物を買うか、
国内なら限月のない「東京ゴールドスポット100」を
余裕資金を潤沢に要所要所でちょこちょこ買っていくと
5、6年後に大化けするかもしれないとお話くださいました。

短期は買い、さっと手じまって再下落に備え、その後の大きな下落では
長期的な買いを仕込むというような戦略ですね。
もちろん投資判断は自己責任でお願いします♪

また、林さんはプラチナの戻りにも注目、ということで
南アフリカの通貨ランドが大底を入れた可能性に言及。
プラチナやランド相場についても伺っています。

詳しくはオンデマンド放送で林さんの解説をお聞きくださいね。

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