貴金属市場の動向と今後の見通し [大橋ひろこコラム]
2019.10/31 大橋ひろこ 記事URL

金相場は、今年6月初旬まで1266~1,346ドルのレンジ相場を形成していましたが6月19日FOMCでの声明文が利下げを示唆するハト派の内容であったことからドルの先安感が強まりレンジをブレイク。その後、米中通商交渉への不透明感から9月4日に1,556.65ドルの高値を示現、現在は1500ドルを挟む攻防で再び膠着相場に入っています。

昨日10月30日のFOMCでは今年3回目となる利下げが発表されるも、予防的利下げの終了が示唆されたことから、金相場には大きな材料とはなっていません。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はみんかぶ商品投資部門アナリスト森成俊さんをお迎えしお話を伺いました。

米10年債の利回りは2018年10月には3・2%台まで上昇していましたが、
1年後となる今年10月は1.80%台での推移。
昨年10月は株式市場が大きく崩れましたが、
今年は低金利環境がリスクテイク相場を演出しているようです。

低金利は金市場にとってポジティブですが、
同時に株式市場にとっても支援材料であり、
株も金も高値圏での推移となっています。


NY金先物市場では大口投機家のポジションの買い越しは、
9月24時時点で31万2,444枚まで拡大しました。
現在では、中東情勢の落ち着きから25万枚台にまで縮小していますが
まだ買い越し幅は大きいですね。

金ETFであるSPDRの金保有高は10月30日時点で915.5トンまで増加。
機関投資家らは、金市場へと資金をシフトしている傾向が見て取れます。

GFMSが5月1日に発表したゴールド・サーベイ2019によると、
昨年の各国中央銀行など公的部門での金の需要は536トンとなで、
2017年の366トンから大幅に増加。
2012年に544トンを記録して以来の高水準となりました。
地金、金貨の投資需要が2017年の1,031トンから923トンに減少した分を
補う恰好となっています。


プラチナですが今年3月上旬から4月上旬にかけて南アの鉱山スト、
電力不足による減産など上昇基調となり、
4月8日には昨年5月以来の高値となる915ドル台に上昇しましたが
上昇は長続きしませんでした。
プラチナは中国の景気動向、自動車販売台数がカギを握る側面が大きいのですが
2019年1-9月の中国の新車販売の累計販売台数は10.3%減の1,837.1万台。
減少率は縮小しているが、通年で前年比2ケタ減となる不安があります。

プラチナETFの現物保有量は28日時点でNYが24.34トン、南アが31.70トンです。
6月のFOMC前の6月17日はNYが21.16トン、南アが31.62トン。
金のETF現物保有量が大幅増となったのに対し、プラチナは微増。

プラチナ相場の今後は?!
詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で森さんの解説をお聞きくださいね。

中東情勢の緊迫化とOPEC総会 [大橋ひろこコラム]
2019.10/30 大橋ひろこ 記事URL

9月14日サウジの重要原油生産設備へのドローン、ミサイル攻撃で、一時的にサウジの原油生産が日量570万バレル停止したことで急騰した原油価格。ところが、高値は続かず原油価格はレンジ内で膠着気味です。


イエメンのフーシー派が犯行声明を出していますが、実際のところ誰が攻撃したかは不明。国連調査団も調査中だがまだ結論は見えていません。地政学リスクは原油価格の押し上げ要因となりますが、サウジの生産回復が早かったことで、足元では需給が相場のテーマとなっているようです。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はオイルエコノミスト 藤沢治氏にお話を伺いました。

10月11日には、サウジのジェッダ沖合の紅海でイラン所有のタンカーが
攻撃されて爆発するというニュースがありましたが、
これに原油市場は反応せず。
WTIは$52-57のボックス圏推移しています。

全面戦争はどの国も望んでいないと思われることで地政学リスクが
マーケットに及ぼす影響は限定的とみられることや
世界景気後退への懸念から、世界の石油需要の伸びの鈍化が
原油価格の上値を抑えてしまっているのです。

足下ではOPECプラスが12月5-6日のOPEC総会で
現在の減産枠をさらに強化するとの期待が下値を支えていますが、
加盟国が足並みを揃えられるかは疑問。
藤沢さんは、価格を押し上げるためには
更に日量50万-70バレルの減産が必要だと解説くださいました。

しかし、OPECプラスが減産を継続しても米国の原油生産は増加の一途を辿っています。
8月中旬に新しいパイプラインがパーミアンからテキサスへのパイプラインが操業開始。
年末までにあと2本のパイプライン敷設が完工し操業を開始する予定です。
これによってボトルネックが解消、
生産した原油はどんどん輸出に回すことが可能となっているということです。


OPECプラスの減産、米国のイラン、ベネズエラ制裁の生産減があっても、
米国の原油生産は増加することが、原油の上値を抑えている側面も。

EIAの週間統計では、米国のお原油生産量は日量1,260万バレルで過去最高水準。
石油掘削リグの減少があっても、リグあたりの生産量が増加しているため
原油生産は増加基調にあり、現在では掘削リグ数は生産量との相関性はありません。


ではここからの原油価格展望は?!


詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で藤沢さんの解説をお聞きくださいね。

株式、ゴールドともに高値圏で推移のワケ [大橋ひろこコラム]
2019.10/24 大橋ひろこ 記事URL

米中貿易協議での部分合意、FOMCでの利下げ見通しなどを背景に、株式市場はリスク・オンを呈し始めていますが、ゴールドは高止まり中。5月末に1トロイオンスあたり1300ドル、6月下旬に1400ドル、8月上旬に1500ドルと次々と節目の相場水準を突破、9月4日には、1557ドルと6年ぶりの高値をつけましたが、足下では膠着感を強めています。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。

今日は三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任 芥田知至氏をお迎えし
お話しを伺いました。

今月29~30日開催のFOMCでは、
90%以上の確率で利下げを織り込む動きとなっています。

仮に今回の会合での利下げが見送られても、次回以降の会合での
利下げの可能性を示唆する声明等になると考えられ、
これが足下のマーケットをサポートしています。

ECBも9月の理事会で金融緩和を決定しており、
世界的緩和マネーに支えられ株式市場が堅調とはいえ、
これは金相場にとってもポジティブであり下値は固そうです。

9月14日にサウジアラビアの石油施設が攻撃を受け、
原油生産が日量570万バレル落ち込んだものの、
その後の施設の修復は予想以上に迅速だと受け止められ、
急騰した原油価格も行って来いで沈静化したものの
10月11日にはイランの石油タンカーが攻撃を受けたとの報で上昇するなど
地政学リスクが下値を支えています。


イランにしてもサウジや米国にしても、政権中枢では
本格的な軍事衝突は避けたいとの意向が有力なようですので
高値追いの展開にはなっていないとも言えます。

米国のシェールオイルは、油田開発の先行指標となる石油掘削リグの稼働数が
減少に転じているものの高止まり。原油生産量は増加基調を続けています。
原油需給の引き締まりが見込みにくい中で、
OPECプラスは2020年3月までの協調減産で合意していますが
今後、減産のさらなる延長を模索する可能性がでてきました。

12月5~6日の、OPEC総会に注目です。

ここからのポイントはSpotifyで芥田さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

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11月3日(日)午後2時30分から
東京・日本橋「TOCOMスクエア」で
「マーケット・トレンド」の公開録音イベントを開催します。

おなじみ小次郎講師こと手塚宏二さんと、
今後の相場展望と投資戦略を考えていきます。

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野村證券 大越龍文氏に聞くマクロ経済、金・原油 [大橋ひろこコラム]
2019.10/17 大橋ひろこ 記事URL

米中貿易交渉、ブレグジットなど政治面の不確実性の高まりと、アメリカをはじめとして世界の中央銀行の金融政策の大緩和競争は、世界のマクロ経済にどのような影響を及ぼしているでしょうか。

皆さん、ご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は野村證券 シニアエコノミスト 大越龍文さんをお迎えしマクロ経済の現状と金、原油についてお話をいただきました。


米中貿易摩擦、ブレグジットなど不確実性の高まりに、
世界経済の減速の懸念は高まった2019年相場ですが、
実際にはそれほど大きく景気が後退したわけではありません。

米国をはじめ世界の金融政策は大緩和競争、
貿易摩擦に揺れる中国も景気刺激策を打ち出しており、そこそこ景気は支えられてきました。

米国の長短金利逆転がフォーカスされ
リセッション入りへの警戒も強まったわりには
コモディティ市況は下値が固かった印象ですが、
ゴールドだけは数年来のレンジを上方ブレイク。
これは、米国の金融政策が引き締めから緩和へと
大転換したことによるものですが、
今後の金相場は何がポイントでしょうか。


また、OPECプラスの協調減産に下値を支えられている原油相場。
需要の先行きを楽観はできませんが、
現在の原油相場の価格形成のキーは供給面、いわゆる生産量。

減産が継続しているからこそ現状の価格が形成されているのですが
12月のOPEC総会の焦点は?!
現在の協調減産は2020年3月までです。
その後減産は継続されるのか、また追加減産の可能性は?!
大越さんに解説いただいています。

また、原油を生産しているのはOPECプラスだけではありません。
米国のシェールもまた、価格上昇を阻んでいます。

また、サウジアラビアの重要な石油施設がドローンに攻撃されたことで、
原油価格が急騰する局面がありましたが、
こうしたリスクを市場はどのようにとらえているでしょうか。

サウジアラビアの生産回復が素早かったことで
高騰した原油価格は落ち着きを取り戻しましたが、
この件が12月のOPEC総会に向けて重要な意味を持つものであった、と大越さん。

ここからのポイントと価格動向は?!
詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で大越さんの解説をお聞きくださいね。

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日柄整理進行中のNY金の内部要因と外部要因 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.10/16 大橋ひろこ 記事URL

昨年までは投資家の関心を引くことなく下落を続けていた金。

ところが2019年に入ると数年来のレンジ高値をブレイクし、NY金価格は8月に1500ドルの大台まで吹き上がりました。いったい、誰が、なぜ金を買っているのでしょうか。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は金融貴金属アナリスト亀井幸一郎氏にお話を伺いました。


亀井さんには金市場の「内部要因」と「外部要因」を解説いただきました。

ゴールド市場、内部要因

① 過去最高ペースで続く世界の中央銀行の買い


WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によりますと
1500ドル乗せの8月、各国中央銀行はネットで57.3トンの買いとなりました。
(買いグロス62.1トン、売りグロスで4.8トン)
トルコ41.8トン、ロシア11.3トン、中国5.9トン、カタール3.1トンなど
14か国の中央銀行が金購入を増やしています。
(売りはカザフスタン2.6トン、ウズベク2.2トンの2行のみ)

年初から8月まで中央銀行全体で450トンもの金買いが発生したことになります。
これは、需給をタイト化させる欣男下支え要因ですね。



②ゴールドETF残高9月に75.2トン増え 2808トンで過去最高残高


機関投資家など投資家の金ETF購入は過去最高の残高を更新。
ETF全体で年初から9月末まで13.4%増も増加しました。
これまで金ETFというと米国からの買いが主流でしたが、今年の傾向として
欧州の投資家らの金買いが増えていると亀井氏。
これは、ブレグジットなどの不確実性の高まりが背景でしょうか。



③金先物市場でのネットロングも過去最高水準へ


ファンドなど短期筋による金買いも一気に盛り上がったことで
オプションを抜く先物市場のネットロングは900トン台へ。
過去、このレベルまでファンドが買い上げてくると手仕舞いが旺盛となり、
一相場が終わりトレンドが転換するパターンが繰り返されてきましたが、
亀井さんは、過剰流動性マネーによって市場が肥大化しており、
相場の偏りや転換点を過去の経験則で判断できなくなっていると解説くださいました。


金市場の外部要因


①FRBの政策転換


7月に続く連続利下げも、次の利下げの手掛かりを示さなかった9月のFOMC。
この時、年内の利下げ打ち止め感も出たのですが
足下では市場の年内追加利下げ織り込みが進んでいます。

というもの経済指標によくないものが目立ち始めました。
9月ISM製造業景況指数が2カ月連続の50割れ(49.1⇒47.8)10年来の水準低下、
ISM非製造業景況指数も52.6と、2016年8月以来の低水準となったことが背景。


雇用統計は一見それほど悪くみえませんが
亀井さんはNFP増加の3カ月平均が約15.7万人で2018年平均の22.3万人
と比較すると減速感は否めないとしています。

また、10月11日FRBは資産拡大策を決定。
短期国債を月間600憶ドル(約6兆5000億円)購入すると発表しました。
これは少なくとも2020年4-6月期まで継続するとしています。
パウエルFRB議長はこれはQEではないとしていますが、
何故資産買入れを再開することになったのか、ここに不透明感も漂います。


また米中通商協議は部分合意が報じられマーケットに楽観が戻ってきましたが
まだ署名されていません。合意された内容がきちんと文書化できるかがカギだと亀井さん。
再選に向け選挙戦を考えた上でのトランプ外交とみられますが
今後もトランプ大統領によるパフォーマンスは市場のボラティリティを高めるでしょう。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で亀井さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

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高値波乱の金、下落続くゴムここから [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.10/10 大橋ひろこ 記事URL

金はまだ上がるでしょうか?NY金は9/4の高値1566ドルをヘッドとし、8月中旬と9月中旬の高値1550ドルの二つを肩とした三尊天井を形成。ネックラインを割り込んだため、大きく下落するものと覚悟した向きも多いようですが、、、。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はトーキョートレーダーズタイムズ代表 小針秀夫氏をお迎えし
お話を伺いました。


小針氏は5月下旬の安値を起点に9/6の高値にいたるまでの上げ幅300ドルに対し、
高値から1/3押しなら100ドル下げ、1/2押しなら150ドル下げの可能性もある、
としながらも、基本的な上昇トレンドは崩れてないとお話くださいました。

金ETFからの資金流出は見られません。
2018年中央銀行金買いは1971年以来の最高水準に達すしており下値を支えています。
PMIやISMなど米経済指標の悪化が米国経済の先行き不安を高めており
株価急落のヘッジとして金市場にも一定の資金流入があるようです。

また、小針氏にはゴム市況の現状と今後の展望も伺っています。

中国の8月の新車販売台数は前年同月比6.9%減の196万台。
14カ月連続で前年実績を割り込んでいます。
中国経済の減速や米中貿易戦争の長期化を受け、
購買意欲の落ち込みが続いています。
中国政府は消費刺激策を打ち出しているものの、
なかなか需要の拡大につながっていないようです。


1~8月の累計販売台数は11%減の1610万台。
2018年は28年ぶりに前年実績を下回り、19年もマイナスになる見通しです。

こうなると、タイヤ需要の伸びも期待できませんね...。


世界の天然ゴム生産量で計3分の2を占めているタイ、インドネシア、マレーシアは
4月からの4カ月間(2019年4月から7月まで)で輸出を計24万トン削減する
価格支援策を実施してきました。

これは短期的には強気材料ですが、
輸出削減分は在庫となっていただけであり、
これが今後市場に出てくることとなります。

タイは乾季が明けてこれから雨季入りするとともに増産期へと移行するため
シーズナルの部分でも供給が増える時期で
上値が抑えられることとなりますが、、、。


2018年の中国の年間の天然ゴム消費は550万トン。
年間ベースで仮に新車販売台数が前年比10%となった場合の
天然ゴム消費のマイナス幅は55万トンとなる計算です。
国際ゴム研究会(IRSG)は1019年の年初に今年の世界の天然ゴム需給に対し
約30万トンの供給過剰としていますが、
2013年のような80万トンを超える大幅な供給過剰、
あるいは100万トン前後の超・供給過剰の状況となる恐れも。


詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で小針さんの解説をお聞きくださいね。

https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk
中国豚肉価格高騰、米国産大豆に及ぼした影響 [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2019.10/09 大橋ひろこ 記事URL
ここ数年、底を這うような値動きを続けたシカゴ穀物は、5月後半~7月にかけて2~3割急伸する場面がみられましたが、8月以降、穀物は再び下値を探る展開となっていますが、9月30日には大豆が9ドル台に反騰。中国企業が30日、米国産大豆を最大60万トン購入したとトレーダーが明らかにしたことに反応したものですが、ここから大豆市況は?!

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は資源・食糧問題研究所 代表 柴田明夫氏をお迎えし「アフリカ豚コレラの拡散と米中貿易戦争

―中国豚肉市場と米国産大豆に及ぼした影響―」をテーマにお話を伺いました。


中国向けの大豆は11月~来年1月に出荷される予定です。
中国の輸入業者に割り当てられた無関税枠の購入で、
今週は最大200万トンが購入される見通し。
来週にも予定されている閣僚級の米中通商協議への期待も高まっています。

一方、終わりの見えない米中貿易戦争、中国を中心に蔓延するアフリカ豚コレラ、
米中西部コーンベルトを襲った天候不順、悪化する米農家の経営悪化、
地球温暖化と気候大変動など穀物市場には不安材料も散見されます。

中でも、中国で蔓延したアフリカ豚コレラ(ASF:African Swine Fever)。
※強い感染力と致死性をもつウィルス性の伝染病。
宿主としての豚を通して感染し、いまのところ有効なワクチンが無い。

世界最大の大豆(ミール)消費国である中国では、
昨年8月よりチベット自治区、新疆ウイグル地区で発見されたASFが
瞬く間に中国全土に拡散しました。
今やベトナム、カンボジア、韓国でも感染豚が確認されています。

中国の養豚飼養頭数は2016年時点で4億5112万頭、
世界の飼養頭数9億8179万頭の半分弱を占めています。
(FAOSTAT調べ:日本は931万頭)

しかし、農業農村省によると、ASF感染による殺処分により
飼養頭数は8月、前年同月比38.7%減少(2億7067万頭は)と伝えられています。
ASFの感染地域では、小規模(50頭以下)の養豚農家が
養豚を断念し始めたとも報じられているのです。
これが中国の豚肉市場にはどのような影響を及ぼしているでしょうか。

米農務省(Livestock and Poultry)によると、豚肉生産量は、
2016年の5425万トン(世界全体1億1139万トンの48%)から
2019年では4850万トンまで減少する見通しです。

消費量も5624万トンから5050万トンに減少が見込まれていますが、
生産量の落ち込みほどではありません。
不足分約200万トンは、

1)豚肉輸入の増大
2)鶏など家禽(かきん)肉へのシフト

で賄うものとみられますが中国の2019年の豚肉輸入量は220万トンと予想され、
口蹄疫やPED(子豚のかかる下痢)発症で輸入が増えた2016年を超える見通しです。



ASFの拡散→豚肉生産の減少の影響は、
中国の豚肉小売価格上昇→食料品価格の引き上げ→消費者物価上昇というかたちで庶民生活の打撃となります。

2019年8月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.8%上昇しています。
上昇幅は2013年11月以降6年振りの大きさ。
中国では、消費者物価構成品目の3分の1は食料品で、食料品の中心は豚肉。
豚肉の8月の小売価格は同47%上昇。
これだけでCPIを1.08ポイント押し上げた格好です。

中国政府は、社会安定のためCPI上昇の上限を3%と設定しており、
何らかの対策に動かざるを得ない状況にあります。
市場では、早晩、中国政府が大量の豚肉を緊急輸入せざるを得ないとの
憶測が流れているのはこのためです。

また、ASFの感染拡大により、養豚業が大打撃を受けた結果、
大豆(ミール)の需要が減退しました。
これが米中貿易戦争の長期化と相まって、
中国の大豆輸入量は、2017年の9405万トンから2018年には8300万トンに減少。


2019年は8500万トンまで輸入回復を見込んでいるものの
すでに中国の豚肉市場および大豆輸入は往年の面影を失っています。
詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で柴田氏の解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

新村氏に聞く2019年度下期商品相場見通し [大橋ひろこコラム]
2019.10/03 大橋ひろこ 記事URL

循環的な景気減速を回避するため世界が金融緩和競争を繰り広げる中、緩和マネーが株や不動産など資産価格を押し上げる一方で景気循環系商品が売られる展開となってきています。米国経済は想定よりは減速がみられないものの、欧州や中国の減速が大きく商品市況にはネガティブ。米中貿易交渉やブレグジットなども先行き不安を大きくしています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はマーケットリスクアドバイザリー代表取締役 新村直弘氏をお迎えし
下期商品相場見通しをお話いただきました。


欧州景気の減速はECBの金融緩和策が限界が見える中、
財政基準(財政赤字はGDPの3%以下)の厳しさから
景気刺激のための公共投資ができないことが影響していると新村氏。
来月からECB、EUともメンバーが入れ替わりますが、
ドラギ総裁の後任であるIMFラガルド専務理事に残されたカードは多くありません。


中国の減速は、構造的な減速と循環的な景気減速に、米国の制裁が
継続していることによるものですが、10月に交渉再開するとはいえ、
覇権争いは長期化の様相を呈しています。
来年は米大統領選の年であることから、
落としどころが模索されるという見方もありますが、
選挙に向けて株価を支え続ければ、選挙が終わり、
次期大統領が就任する2021年が最も景気の下振れリスクが強まることとなります。


原油価格は供給面よりも景気動向に価格が左右されやすく
世界景気の減速感が強いため価格には下押し圧力がかかる展開が予想されるますが
先日のサウジアラビアに対するドローン攻撃の持つ意味は大きいと新村氏。
予算がないテロ組織であっても、米国のパトリオットで守られた重要施設の攻撃が
可能であることが示されたことのインパクトが原油価格を急騰させました。
テロは発生の予見が難しく、これを価格に織り込むことは難しいのですが、
数百万バレル規模の生産途絶が即時に起きる可能性があるため、
価格の上昇リスクは常に意識しなければなりません。


景気循環銘柄である銅などの工業金属は
最大消費国である中国の動向に左右されやすく、
今後景気刺激のために公共投資などの「実弾」が中国政府から示されれば
強含む局面が出てくることも予想されます。
しかし、米中対立の激化やハードブレグジットなどの政治イベントが
上値を抑えると思われ、大幅な価格上昇にはつながるのかは疑問です。


では5年ぶりの高値を付けたニッケル、そして国内では40年来の高値を
更新したゴールド価格などのような背景があったのでしょうか。
新村氏に解説いただいています。

そうそう、農産物市況は来年に注意が必要かも・・・?!

スーパーエルニーニョの後のラニーニャ発生となれば、
仮に、2010年以降に確認された長期に渡るラニーニャと同様の事象が発生すれば、
穀物価格が長期的に上昇する可能性が。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信で新村氏の解説をお聞きくださいね。
https://open.spotify.com/show/230k9NexbGZ5g1h4uBShSk

膠着のドル円ここからのテーマ、英ブレグジットとポンド [投資α情報(大橋ひろこ)]
2019.10/02 大橋ひろこ 記事URL
10月に入りようやく秋めいてきました。今年もあと3か月。ドル/円相場、まだ今年10円も動いていませんが、何故膠着を強めているのでしょうか。そして、年末に向けてのポイントは?!

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はソニーフィナンシャルホールディングス シニアアナリスト 石川久美子氏をお迎えし、膠着のドル円相場、年末に向けてのポイントと英ブレグジットとポンドについてお話を伺いました。


10月1日の中国建国70周年記念イベントへの配慮でしょうか、
米中貿易交渉は10月10日に再開されるまでは、手掛かり材料に欠ける日々。
9月FOMCでは予想通り0.25%の利下げが実施されましたが
年内打ち止め感も出てきたことから、ドル金利低下に歯止めがかけられています。


9月の米国のISM製造業景況指数の悪化はショッキングでしたが
製造業は米国のGDPの2割程度。
10月30日のFOMCまでは今週の雇用統計をはじめ、米指標を見ながら
年内の追加利下げの有無がテーマとなってくると思われます。


米国は昨年までの利上げサイクルから利下げに政策の大転換を行ったものの
9月ECBはマイナス金利をさらに深掘る利下げと年内のQE再開を決定。
10月1日のRBA豪州準備銀行でも0.25%の利下げが発表されました。
世界の利下げ競争が激化するなか、ブレグジットに揺れる英国の
MPC委員のソーンダース氏が英国の利下げに言及、
ポンドにも緩和観測が高まりつつあります。


10月31日が英国とEUのブレグジット交渉の期限。
新首相のジョンソン氏はEUとの間でのブレグジット案がまとまらなくても
この日にブレグジットすることを高らかに宣言していますが
英議会は、19日までにブレグジット案で合意できなければ
10月末ではなく来年1月末まで3カ月期限を延長するようEUに申し入れするよう
ジョンソン氏に迫る法案を可決しており、これで合意なき離脱リスクは
後退したかに見えるのですが、ジョンソン氏はこれに素直に従うのか疑問。

石川さんには英国ブレグジットまでの重要イベント、
そしてポンドの展望についてもじっくり解説いただいています。

詳しくはSpotifyのポッドキャスト配信石川さんの解説をお聞きくださいね。

サイクル・アストロロジーから読むゴールド・原油 [投資α情報(大橋ひろこ)]
2019.09/26 大橋ひろこ 記事URL

40年ぶりの高値更新となっている国内金価格。NY金は保合いを上放れて9月4日1,559ドルまで上昇ましたが現在は1,485~1,500㌦付近を下値サポートにまた保合い相場入り。現在の相場は2013年2~4月の逆パターンとなっている?!


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日は投資日報社 林知久氏をお迎えしお話しを伺いました。




NY金の週足サイクルでは、通常15~21週ごとに安値が出現しています。

5月2日と21日のダブルボトムからスタートした上昇相場ですが
9月18日に1,484㌦まで下落し直近安値を更新。
このポイントが5月安値から20週目と17週目となっていました。
従って、ここが週足サイクルの起点であると林氏。

つまり引け値ベースで18日の安値を割り込まない限り、
この相場は強いという事を意味しています。
テクニカルでは18日に強気オシレーターダイバージェンス、
銀相場との間でも異市場間強気ダイバージェンスが発生しており、
現在強気シグナルが出ています。


仮に8月安値を割り込んでも、5月からの上げ幅に対しての
フィボナッチリトレースメントでは浅くて1,450㌦前後、
深くても1,400㌦程度の下落がせいぜいでは・・・?!
日柄が延長しても24週程度で安値が出現することから
遅くても10月は買い場になると解説くださいました。


また、サウジの石油施設がドローンの攻撃を受けて急騰したNY原油相場。
サイクルの観点では終盤で急騰したため、結果的にそこが目先の天井に。
今回の急騰で日足に生じた55.68~58.77㌦のマドは
25日のNY市場で埋目られました。


通常、マドは埋められるとそれまでの流れが変わる傾向が強く
そろそろこの相場は反転する公算が高いと林氏は指摘します。


8月7日スタートした上昇相場は今週で7週目です。
前の週足サイクルは9週で安値が出現、過去のパターンでは
8~11週で安値が出現する傾向があり、早くて来週、
遅くても10月下旬までにボトムをつけるとみられます。


テクニカル的には55㌦に下値サポートが存在していますが
ここが維持され60㌦を上回ると相場は再度上昇基調に戻ります。
その場合、4月の年初来高値である66.60㌦を試す可能性も。
55㌦を割り込んでも、50.00~50.50㌦付近に次の下値サポートがあり
仮にここまで下げたとしても、チャートパターン的には
6月、8月安値とのトリプルボトムの形状となり、
その後の相場基調は強くなると解説くださいました。


アストロロジーの観点からは、明日27日から10月7日まで
ヘリオ射手座ファクター。
(太陽中心のホロスコープの射手座に水星が入居する時間帯)


ここは金相場の急変動の特異日とされています。
レイモンド・メリマン氏によるとこれまで7割の確率で上昇に関連しており、
27日までの突っ込み場面は買い示唆。
すでに25日のNYの安値は買い場であった可能性も?!


また、日本時間11月1日から21日まで水星が逆行します。
どの相場もこの期間の最初と最後、中間点(11月12日)の
相場変動には注意が必要です。


各種相場の動向について
10月26日投資日報社主催のセミナーがあるそうです。
詳しくは(https://www.toushinippou.co.jp/

そして、Spotifyのポッドキャスト配信はこちら
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