LPG価格、低廉化に向けた業界の取り組み [大橋ひろこコラム]
2015/07/15(水) 19:48 大橋ひろこ
原油価格が昨年の高値から暴落、半値以下にまで下落してしまったことは皆さんも良くご存知かと思いますが、原油価格の下落に付随して様々なエネルギー価格も下落しています。LPG価格もまた、1年前と比較して半値に落ち込んでしまっています。

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はリム情報開発の志賀実さんにLPG価格動向と
価格形成に向けた新たな動きについてお話を伺いました。

LPGは「Liquefied Petroleum Gas」の略で液化石油ガスのことです。
プロパンとブタンに分けられますが、
主な用途は下記の通り。

プロパン......ガスコンロ、給湯器
ブタン......ライター、カセットボンベ、タクシー、石化プラント
両方......工場の燃料、火力発電所の燃料

ガス給湯器やカセットボンベなど
家庭・業務用需要が全体の41%であるのに対し
工場向けは20%、火力発電には9・5%ほどで、
圧倒的に家庭用需要が大きいのが特徴です。

日本の年間使用量は1,600万トンほどで75%は輸入されています。
生産される25%は製油所から精製されるもの。大元の原油はもちろん
輸入されたものですから、ほぼすべては海外依存です。

中東から輸入していましたが、近年はシェール革命に湧く米国からの
輸入も増えてきています。

2015年に入ってから、LPGを輸入する際の指標価格となる
アラムコCPは、プロパン、ブタンともに400ドル前後~500ドルの
間で推移しています。2014年の1月はプロパンが1,010ドル、
ブタンが1,020ドルでしたから、半額以下になったということ。

志賀さんは需給が緩いことが背景であるとし、
日本や韓国、台湾などこれまで大消費地だった国々での需要が
伸びていないことやシェールで増産基調となっている原油に随伴して
生産されるLPGもまた、原油と同様に過剰供給状態にあると解説くださいました。

半値になっているということは、われわれ消費者にとってはありがたいこと
ですが、実は日本国内の小売価格は左程下がっていないのです。

今年の4月を例にとると、輸入価格がプロパンで前年比40%安だったのに対し、
小売価格は1.2%程度しか安くなっていません。

この点については昨年12月に政府が開いた総合資源エネルギー調査会でも
問題視されていて、価格の透明性、低廉性を確保するよう提言が出ています。

何故国内のLPG小売価格があまり下がらないのか。

ボンベを家庭まで運搬するコストがかかるうえ、
長く付き合いのある業者さんは頻繁に変えたりしませんね。

構造的に競争が起こりにくい販売スタイルなのです。。。

ということで、これまで業者が配達していたLPGのボンベを
ガソリンスタンド形式のように、消費者に取りに来てもらう形に
するというのは一つのアイデアとしてあるようです。

また、価格の低廉化に向けて元売りも新たな方策で
輸入コストの低下に努めようとしています。

今年4月、ジクシスという新たな元売り会社が誕生しました。

昭和シェル、東燃ゼネラル、コスモ石油ガス、住友商事の4社が
統合してできた会社です。

合併によって期待できる効果は、調達力の拡大、
バーゲニングパワーによって購入価格を引き下げられること。
つまり、たくさん買うから、安くしてよと交渉できるというわけですね。

さらに、今月、業界の2強と言われる
アストモスエネルギーとENEOSグローブの2社が事業協力の検討を
始めた発表しており、こちらはLPGの共同購入、船の貸し借り、
国内基地の統廃合などをこれから視野に入れていくのではないか
と見られています。

2016年以降、電力もガスも自由化され、
異なるエネルギー事業者間の競争が激しくなっていく中で、
LPG業界も元売りから小売業者に至るまで、
さまざまな方策を打ち出す必要に迫られています。

詳しくはオンデマンド放送で志賀さんの解説をお聞きくださいね。

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