原油市場はボラティリティが低下。需給面からは買い材料乏しく、ファンド筋はOPEC総会以降ショートポジションを積み上げており40ドル台での膠着相場が続いています。増加が続いた米国のシェール生産の今後、そしてOPECの減産の枠組外のリビア・ナイジェリアの増産に歯止めがかけられるかが、年後半の焦点となってきますが、超長期的にシェール革命で米国も原油生産大国となったことで将来的に原油価格は上がらないということなのでしょうか。
皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はエネルギーアナリスト大場紀章さんにお話を伺いました。
2016年は原油価格の急落が株式市場にも波及し混乱をもたらしましたが
このところは原油価格が下落基調となっても、株式市場には影響がありません。
米シェール企業によるヘッジが効いているため、スポット価格が下落しても
問題ないためだという認識が広まっていますが、大場さんによると
現状でのヘッジは1年先くらいまで。
2018年の後半は原油価格下落は株式市場にも影響が出てくるかもしれません。
そもそもシェール革命というのは原油価格が100ドル近辺にあったことで
大きな利益になるという構造であったものでしたが、
価格が半値近くにまで下落してしまうと、生産コスト的には
あまり儲かる構造でなくなりつつあります。
比較的早期に開発され、低コスト化に成功した3大米シェール層のうち
バッケン、イーグルフォードの生産はすでにピークアウトしており、
パーミヤンも先月、そのレベルの生産量に到達。
パーミヤン油田の生産もピークアウトが近いのでは?!と見る向きも。
供給過剰状態が続き原油の低価格が続けば米シェール生産も
減少していく可能性があるのです。
また、次世代自動車はEV車が主流となりそうですが
超長期的にEV車に切り替われば石油需要は減少するでしょうか。
電気で走る自動車ですから、ガソリン需要は減少します。
しかし、その電気を発電する際にエネルギーが必要、、、
ということで結局需要は落ちないとする指摘もあるのですが、
大場さんは、現在発電に使われているのはエネルギーは石油ではなく
天然ガスや石炭であるとして、石油の需要は低下する可能性について
お話くださいました。今、日本の石油火力発電は10%くらいだそうです。
ほぼ緊急時のバックアップ用といった程度で、主力は天然ガス、石炭、水力なんだとか。
もし、本当に世界の自動車がEV車が主流となるとするならば
天然ガスが豊富なロシアそして米国がエネルギー覇権を握ることに?!
中東ではカタール、イランなどが天然ガスが豊富ですが、
それ以外の中東原油生産国のプレゼンスは低下していくものと思われます。
詳しくはオンデマンド放送で大場さんの解説をお聞きくださいね。
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