投機家が金市場からゲットアウト?!ETF残減少も気がかり
2013/03/01(金) 23:46 大橋ひろこ

スタンダードバンク東京支店長 池水雄一さんと

2月はドル建て金価格が年初から続いた1650-1700ドルのレンジを下にブレイクする大きな下落に見舞われました。2月中旬に発表された2012年第4四半期でのF13レポートで、ソロスファンドを始めとする大手ファンドのGold ETFの売りが確認され、改めて金売りを誘ったことや、FOMC議事録で一部の理事が現在の月850億ドルの資産買い取りをスローダウンしてしかるべきという意見を表明したことなどで、早期緩和解除観測が金市場にとってはネガティブに働いているということのようです。

皆さん御機嫌如何でしょうか。大橋ひろこです。
今日はスタンダードバンク東京支店長池水雄一さんにお話を伺いました。

1600ドルを割り込む前の2月19日時点のCFTC先物ポジション内訳でも
投機筋の金ロングは500トンから400トンへ急減していました。
その後20日21日とさらなる売りで下げが加速したことを考えると、
Comexの投資家ロングポジションはさらに減少していると考えられます。
これは歴史的にみても非常に低水準で、おそらくゴールドをロングしていた
ほとんどのファンドがマーケットからゲットアウトしたのではないか、
と池水氏は指摘しています。

さらに注意が必要なのは「新規ショートの方が増えている」という点。
前週に比べて先物のロングは22トンの減少であるのに比べて
ショートは72トン増加しています。
今回の下落が新たなショートが主導しているということならば、
逆にいうと必ずいつか買い戻される、ということで潜在的な
強気要因と考えることができますね。

投機筋が金市場からゲットアウトしている一方で、
実需筋は旺盛に買いに動いています。
旧正月があけた中国を中心にアジアでの買いが非常に活発で
各地での現物のロコ・ロンドンに対する現物プレミアムは上昇しています。
つまり、現物が足りなくなっているということです。
SGE(Shanghai Gold Exchange)では、なんとプレミアムが20ドル以上に
急上昇しており、中国の買いに現物の供給が間に合っていないのだそう。
ちなみに平常時のプレミアムは4~5ドル程度。

またインドが輸入関税を据え置いたこともポイティヴ要因。
インドはインド政府は1月に金と白金の輸入関税率を4%から6%に
引き上げていました。これは金の輸入を抑制し経常赤字の拡大に
歯止めをかけるのが狙いで、関係者らは2月も2%の引き上げを
行うのではないか、と予想していたのですが、
インド政府は2月金輸入関税を据え置いています。
これはインド勢が買いにくくなることがなくなったという事で
ポジティブ、ということですね。

実需が積極的に買っていることで、ここからの下値は限定的ではないか、
(テクニカル的にもここ数年のサポート1,520ドル近辺が近い水準、
1,550ドル近辺まで下落しており、レンジ下限近くまで到達している)
と見られるのですが、気になるのが金ETFの動きです。
2月初旬のSPDRの残高は1355トンであったのですが
26日現在では1272トンと83トンもの減少となっており、
これはおそらくETF史上始まって以来のペースでの残高減少です。
2600トンという全体の規模を考えるとまだまだ端数ですが、
これまでGold ETFが誕生してから今に至る過去10年間は、
その残高はほぼ増加か横ばいが続いていただけに、
この減少ペースが一過的なものなのか気になるところ…。

詳しくはオンデマンド放送で池水さんの解説をお聞き下さいね。


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