ギリシャのデフォルトリスクとは? [コモディティの見通し(大橋ひろこ)]
2011/06/29(水) 23:29 大橋ひろこ

コモディティインテリジェンス近藤雅世さんと

ギリシャの歳出削減・増税を盛り込んだ5カ年財政緊縮計画の採決を
巡って「可決されるであろう」ことを前提に株高、コモディティ高
円安とリスク選好の動きが濃厚となっていたマーケットですが、
先ほど(29日22時頃)実際にこれが採択されたことが伝わり、
「噂で買って事実で売り」というような値動きになっているようです。
この後のマーケットの流れは?!
ギリシャの問題ってそもそも一体どういうことなんでしょうか?

皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今日はコモディティインテリジェンス代表取締役の
近藤雅世さんに「ギリシャ問題と商品市場」についてお話を伺いました。


29日、ギリシャ議会は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の
融資条件である追加緊縮策を可決しました。
しかしこれは「可決するに決まっている」と市場は見ていたわけで
結論が出る前から市場は可決を織り込んでポジティヴに反応していましたね。

280億ユーロ(3兆2400億円)に上る歳出削減・増税を盛り込んだ
5カ年財政緊縮計画が可決されて、ひとまず目先のギリシャデフォルト懸念は
後退していますが、この問題、これですべて解決したわけではありません。
仮にこの法案が否決されたら、ギリシャ国債は7月15日の
借り換えができずに来月デフォルトになったのですから綱渡り状態なんです。


そもそも昨年5月にギリシャに対して1100億ユーロの融資を
行うことをEUとIMFが決め、その実行が3カ月おきに行われています。
今回は第5次の120億ユーロの融資の実行ですが、IMFが条件を付けました。

近藤さんによりますともともとIMFの貸し付けは、
各国の出資割当額というQUOTAの範囲内とされているのですが、
ギリシャへの300億ユーロの貸し付けは、3000%のQUOTAとなっており、
融資条件に違反。
また借入国は1年以内の返済は自前の資金調達で行うことという規定が
あるのですが、これも違反となっています。
というわけでIMFはギリシャが緊縮財政を行って
きちんと返済する意思を示すことを条件としたというわけです。


このギリシャ、現状で10年債の利回りは18%近く迄上昇、
2年債は30%を超えていますので、自力で資金調達しても
このような高利では返済は不可能…。
金利支払いだけでも国家歳入の5分の1が必要ということです。
ギリシャの第1四半期のGDPはマイナス5.5%、失業率は16%ですから、
ほとんど収入の無い人が過去の借金の山を返済するようなもの。

ですからもう現状ではギリシャはデフォルト状態なのですが、
ECB自体がギリシャ国債を担保にして各国銀行に融資していますので、
ギリシャ国債がデフォルトになるとECBは1397億ユーロ
(約16兆円)の不良債権を抱えることとなるのだそうです。
ECBの資本金は812億ユーロしかないので、
欧州中央銀行が債務超過になってしまう?!

つまり、ギリシャはデフォルトしたってかまわないと思っていても、
そういうわけに行かないんですね。ECBが、ドイツが、仏が、
そして中国がギリシャにデフォルトされると困るわけです。
それなのにギリシャでは48時間ゼネスト入り。
借り手が貸し手より尊大な態度に出ているのですから…・。

近藤さんは近い将来、欧州や米国の金融機関は
巨額な不良債権を抱えることになると指摘されます。
ということはマーケットにはどんな影響が?!

金価格は1500ドルを割れるところまで下落しましたが、
1500ドル割れでは旺盛な実需の買いが入っています。
近藤さんの今後の見通しは?
オンデマンド放送を是非お聴き下さいね。


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