ジム・ロジャーズ氏講演会 [大橋ひろこコラム]
2009/10/27(火) 09:00 大橋ひろこ

ジム・ロジャーズ氏特に女性には優しい?!

昨日月曜日、ETFセキュリティーズ主催、東京工業品取引所も協賛のジム・ロジャーズ氏講演会に行ってきました。2年前のジム・ロジャーズの講演会の時には司会もさせていただいたのですが、今回はじっくり聞くことに集中できましたのでロジャーズ氏が現在どんな投資スタンスなのかをしっかりメモできましたのでご報告しますね。

ETFセキュリティーズは8月24日東京証券取引所に、金・銀・白金・パラジウム・貴金属バスケット上場投信と5本の商品上場投信を上場いたしました。 8月下旬、このタイミングは抜群で金価格は夏の間中もじもじレンジ取引を続けていたのですが、9月の声を聞いた途端に上昇を初め10月現在で1050ドル前後(史上最高値圏)と1000ドルの大台を維持する強さを見せています。シルバー然りプラチナ然り。さて、ロジャーズ氏はここからの貴金属市場についてどのような見方をされているのでしょうか?

ジム・ロジャーズ氏の2人の娘がシンガポールにいてマンダリンを流暢に話すというのは広く知られていますが、それは今後の世界経済を牽引するのは間違いなく中国であるという確信があるからでしょう。(であるならば何故中国国内に住まないのか?という質問に対しては環境問題を上げていました)中国の発展は現在でも目を見張るものがありますが、それでもまだまだ発展途上。例えば現在中国人は日本人と比べて一人当たりのエネルギー消費量はたったの10分の1にとどまっており、インドにいたっては20分の1しか使っていない。環境をテーマに先進国がいくら節約をしようとも新興国がそれを上回る消費の拡大をするだろう、ロジャーズ氏は需給においてこの先もコモディティが買われ続ける唯一のセクターだとおっしゃってました。唯一ですよ唯一。

いやはや本当にコモディティに対しては強気です。

100年に1度の金融危機からの株、商品の猛烈な反騰劇には懸念の声も強いのですが、株の反騰はアメリカ当局、FRBの誤った政策のせいで短期的に功を奏したかに見えるだけであり、このドルの市場への大量供給の結果、ドルの価値は下落する一方でこれが将来インフレを引起す、つまりロジャーズはアメリカの政策の間違いと新興国の旺盛な需要でコモディティは高値を追い続けるといいます。このコモディティ強気のサイクルは歴史的には18年から20年くらい継続し、今回もまだ数年は高いと思われるが、今回の強気サイクルはもっと長期化するかもしれないとも。

ジム・ロジャーズ氏の著書には「商品の時代」なんてタイトルの本もありますし、ロジャーズ氏がコモディティに対して強気だということについては、今更ここに書くまでもないかしら?!ではここでは会場の参加者から上がった質問にロジャーズ氏がどのように答えたかをまとめてみますね。



会場にはこんな有名人も!TOCOMワークショップで講師もしてくださいました菊川弘之氏

質問「それでも商品市場にはヘッジファンドなどの投機マネーが流入している。価格の高騰は需給だけではないのではないか?」
ロジャーズ氏「ヘッジファンドがそこにいようといまいとその他の要因でコモディティ価格は上がる。特に素晴らしいアセットにはヘッジファンドは資金を流入させるだけのことだ。」

質問「価格が高すぎて買えないというということはないのか?世界のGDPをアウトパフォームすることは不可能なのでは?」
ロジャーズ氏は「それはいつ?少なくても現時点ではない。例えば原油が200ドルになったら世界は他に油田がないか必死に探しだすだろう」

質問「中国政府は市民に対し金・銀を買うように奨励しているが、、、」
ロジャーズ氏「まだまだ中国の人々は貴金属投資について知らない。800万人都市で金を買ったことがあるが、その都市のほとんどの中国人は金を買っていなかった。国の奨励で今後金を買う中国人が増えるだろう、13億の中国市場はまだまだ未開拓なのだ」

質問「不動産市場はどうなるでしょうか」
ロジャーズ氏「アメリカNYなどの金融センター街の価値は上がらないだろう。もしあなた方が不動産を買うのならばアイオワ州などの農地を買いなさい。穀物の需給は逼迫し世界は農地確保に動き、農家は今後大きな収益を得る事ができる。、、、、(半分冗談でしょう)しかしながら、インフレとなり金利が上昇するので結局不動産価値は下がることになるだろう」

と、とても書ききれません(笑)
書ききれない話は、ラジオNIKKEI携帯コラムで書くことにしましょう。

とにかく台風の風雨の中、足を運んで本当に良かったと思える充実の講演会でした。その後マンダリンオリエンタル東京でカクテルパーティがありましたが、ロジャーズ氏はジャーナリストや機関投資家らに囲まれて質問攻めにあっていました。私も2年前の講演会の司会をしたことを告げると「どこかで見たことがあると思ったよ。何故今回の司会は君じゃないんだい?!」と嬉しいリップサービス!!とっても優しいジェントルマンでした。

最後に、冒頭東京工業品取引所代表執行役専務の長尾氏がご挨拶をされたのですが、2年前の講演で「金は買いか?」という質問を受けたロジャーズ氏の答えと、その後の金価格の動きをエピソードとしてお話くださいましたのでご紹介しておきます。

■ロジャーズ氏は一瞬考えて「買ってもよいのではないか」という趣旨の答えをされました。
その講演会があった2007/1/17のNYの金価格は632.10ドル TOCOM金価格は2486円でした。
2年経過した2009/10/23(先週末)のNYの金価格は1056.40ドル TOCOM金価格は3146円にまで上昇しています。


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