EIAが3月のSTEOで原油価格予想を下方修正 [大橋ひろこコラム]
2016/03/25(金) 23:01 大橋ひろこ
EIA・米国エネルギー省は3月のSTEO(short-term energy outlook)で北海ブレント価格予想を2016年34㌦,2017年40㌦と予測。1月のSTEO予測に比べてそれぞれ3㌦,10㌦下方修正しました。原油生産が低価格環境に以前より耐えられるとみたこと及び石油需要の伸びがより鈍化するとしています。また、WTIの価格もブレント同様3~10㌦下方修正。2~3月にかけては、ブレント、WTI原油価格ともに上昇していた中での予想の下方修正ですが、原油の底入れはまだ先でしょうか。


皆さんご機嫌いかがでしょうか、大橋ひろこです。
今回は株式会社セキツウ常務取締役の山内弘史さんにお話を伺いました。


米国の原油生産量は2015年は日量940万㌭でした。
2016年は日量870万㌭、2017年には820万㌭予測と減少予想となっています。


しかし、世界の石油在庫予想は2016年が日量160万㌭,
2017年には60万㌭/日ずつ増加する予想となっており、

前回予測よりも積増し量を上方修正しています。

これは前月のSTEOに比べて,2016年の供給量を上方修正したことに加え
2016年,2017年ともに需要増予測を下方修正したためです。

原油の低価格に対しての生産者の抵抗力が増してきており
なかなか需給が引き締まらない現状があるようです。


ではなぜ2~3月は原油価格が上昇したのでしょうか。


山内さんは、これという大きな原油の買い材料があったわけではない
としながらも、小さなニュースがそれぞれ材料視された結果の
投機筋の買戻しなどによるものだったとして、
以下の材料について解説くださいました。


① 非OPECの予期しない原油供給停止

2016年2月現在約日量50万㌭の原油供給が停止しています。
アゼルバイジャンでは12月の石油プラットフォームの火災の影響で
Guneshli油田は日量75千㌭生産停止に。

カナダでは1月半ばにメンテナンス中のハイドロクラッカーで
爆発があり,近くの原油生産設備に影響。
2月いっぱいシャットダウンし日量70千㌭の減産となりました。


② OPECの予期しない石油供給停止

2月日量220万㌭で1月比で40万㌭増。

イラクとナイジェリアでサボタージュによってパイプラインの
流れが停止。イラクではイラク北部油田~トルコ・セイハンのPLが
2月半ばに停止し北部油田の減産につながりました。
ナイジェリアではPLがリーク。当局はブレンドした原油輸出の
フォースマジュールを発動。生産が停止しています。


③ 米国の減産が進んできた

ピーク生産は日量969万㌭、直近では908万㌭に減産。
リグ稼働数も激減しており3月11日現在で386基
(前年同期比480基減,2014年9月19日のピーク時は1,601基)


④ 4月17日の産油国諸国による会合への期待

協調減産への期待が買戻しへ


⑤ ドル安基調によるコモディティ全体の上昇

底入れ期待から投機筋の買い越し幅が増加しています。


⑥ イランが当初予想されたほど生産増にならない

油田の老朽化と長期に掘削停止していた影響で
日量320万程度で頭打ちか?!


しかしながら、長期的には需給のタイト化は遠く、EIAが価格予想を
下方修正、原油上昇は一時的なものに終わるかもしれません。

詳しくはオンデマンド放送で山内さんの解説をお聞きくださいね。

マーケット・トレンド、この4月から放送時間が変更となります。
これまでは17:30~お聞きいただいてきましたが

4月の放送から 18:00 からの生放送となります。

30分放送時間が遅くなります。

今後もマーケット・トレンドをどうぞよろしくお願いいたします。

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