金融緩和 相次ぐ「空振り」の裏側 [日経新聞編集委員] [マーケット・トレンド]
2020/03/23(月) 23:37
新型コロナウイルスの感染拡大による経済・市場の混乱に対して
日・米・欧各国の中央銀行が相次いで思い切った対応を打ち出していますが
市場環境はなかなか好転しません。
この相次ぐ「空振り」の裏側について
日本経済新聞社 編集委員の清水功哉(いさや)さんに解説して頂きました。

具体的にどんな対応をしたのか挙げてみると
日銀
●ETFとREIT の購入額(上限)を当面、年12兆円、年1,800億円にそれぞれ倍増
●CP(コマーシャルペーパー)と社債について合計2兆円の追加購入枠新設(時限措置)
●企業の資金繰り支援のため、金利0%で原資を金融機関に貸し付ける制度を新設
FRB
●事実上のゼロ金利政策を復活
●米国債などを少なくとも7,000億ドル購入
●CP買取りも開始
ECB
●新たな資金供給枠(7,500億ユーロ)を設け、国債や社債を購入
●低利での銀行への貸し付けを実施

内容・タイミングなどかなり思い切ったものであることは間違いないのに
市場がなかなか反応しないその理由は
人々の心理改善をもたらす手を打ち出せていないからだと、清水さん。

FRBは事実上のゼロ金利政策を復活させましたが、これで多くの人々の消費が活発になるわけではありません。
消費低迷の理由は「金利が高いから」ではなく「収入面の不安」。
しかし、中央銀行が、一般の市民に対して収入面の不安を解消するには、条件も多く限界があります。
となると次は「財政政策」と、各国政府が現金の給付策などに動き出しています。

しかし、中央銀行にもまだ出来ることはあります。
財政への側面支援。
財政支出を増やせば長期金利の上昇圧力がかかり易くなりますが
国債の買い入れなどで、それを抑え込むことが出来ます。

日銀も、長期金利の上昇に対して臨時の国債買い入れオペで対応しています。
日銀は2016年に金融政策の軸を資金供給から長短金利操作にシフトして以来、長期国債の購入額を減らしてきました。
年間購入額は「約80兆円をめど」としていますが、2月末時点で約14兆円にとどまります。
長期国債の買い入れを思い切って増やすことが可能なのです。

詳しい清水さんの解説は、radikoのタイムフリーか、Podcastでお聴きくださいね。


さて、「マーケット・トレンド」は、来週3月31日の放送を持ちまして、終了となります。
2014年12月以来、16年という長きにわたってご愛聴頂きまして、誠にありがとうございました。
どうぞ、最後の放送までお付き合いくださいね。